つきあたりの陳列室

つきあたりの陳列室

2005.02.24
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カテゴリ: Book
「おおきく振りかぶって」

ついに大会初戦が始まる.この野球漫画は人物造形のこまやかさもさることながら,試合の描写が,ケタ違いに濃密です.これまでの野球漫画の系譜からかなりずれている一方で,野球という競技の本質に真正面から肉薄しています.

今回の話はたっぷりページを割いて,試合開始後の1イニングが描かれています.試合本番を描くためにこの作者がどれだけ準備し,どれだけ練って,その愛をどれだけ長い間はぐくんできたかがひしひしと伝わってきます.これからどうなるのかぞくぞくします.

一球ごとに,バッテリーの心理,打者の心理,監督の思惑,塁上のランナーの判断が同時平行で動いていく様を,こんなに見事に描き切った野球漫画があったか?(「ストッパー毒島」はかなりいい線いってた.方向性はまるでちがうけど.)

もう,読んでいてひりひりします.選手たちの緊張感が,めちゃくちゃ生々しく伝わります.選手の立場によって,緊張の質がちがうんですね.それをひとつひとつ描きわけているわけですよ.そんで,選手がそれぞれ自分の頭で考えて,とっさの判断で事態を切り開いていく様が,とても丁寧に描かれている.

カウントの入り方,コースのちがい,投・捕・打・走それぞれのヨミが当たり外れ,そういうこまかい所がわかるかどうかで,面白さが格段に変わってきます.素人にも玄人にもそれぞれに応じた楽しみが味わると思います.

ここらへんが,従来のスポーツ漫画と,この作品の最大の違いだと思う.過去の作品は,どこかキャラの役割分担が固定化されているし,想定される読者も固定化されていて,それ以外の層は放っとかれてる感じでした.本気で野球の面白さを「他者(興味のなかったひとびと含む)にも伝えよう」とした数少ない野球漫画では?

試合展開も読者には予想しづらいです.相手や試合の変化に応じて,みんな徐々に変わっていくんです.試合の結果だけでなく,個々人がどう変わっていくのかというのが気になります.緊張します.面白い..すごいよこのまんが.

初登板前だっちゅうのに,ずいぶんとスッキリとした表情でマウンドにのぞむ三橋,かっこいいぞ.家族とのやりとりがあってこその表情なんだね.とても豊かなひろがりをもった漫画です.すべてがつながっているんですね.だんだん分かってきたよオイラ.なにが大切なことなのか.





亭主に逃げられた銭湯の奥さんが,素性のよくわからんぼーっとした男を雇ってみたというあらすじ.遠藤浩輝の絵に似てるなあ,くらいにしか思ってなかったけど,すっごくいい.大人のまんがですよ.ちょっとヘビーでスローなライフ.この奥さんとお友達になりたい.

*

オーストラリアの試合で,宮里藍初日単独トップ.がんばってほしい.ほんとにやっちまうんじゃないだろうなこの娘.





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Last updated  2005.02.25 08:56:34
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inalennon @ Re[1]:「記憶の中の源氏物語」 三田村雅子(09/19) フィンちさん >この世は なんてままなら…
フィンち@ Re:「記憶の中の源氏物語」 三田村雅子 「人生のままならなさ」への強烈な疑問と,…
inalennon @ Re:4年はあっという間(03/04) ハオさん >バーチュー&モイヤー組見…
ハオ@ 4年はあっという間 バーチュー&モイヤー組見ました。 優雅…

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