つきあたりの陳列室

つきあたりの陳列室

2005.07.27
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カテゴリ: Organism
夜の帰り道,ある庭から歩道に向かって伸びたバラのつるが,私の肩に引っかかりました.

去年の同じころも,一本の太いつるが額の高さに張り出しており,通りすがりの人の目にいつ棘が刺さってもおかしくなかったので,私は勝手にそれを折りました.

少し安っぽい濃いピンクの花をみっしりと付けたその花房は,花の盛りをとうに過ぎ,花弁が白く色落ちてます.

庭から離れて孤立しているその株は,何十もの枝がまとまって一抱えほどの太さになり,空を突くように伸びています.

伸びた枝は,冬にはみな刈り払われ,ただの丸太のような立ち姿になります.連日零下二十度に苛まれる厳寒期,私が触ると枝は乾いた音をたて,これが春に枝葉を出すとは思えませんでした.

しかしそのばらがつるを伸ばさなかった年はありません.とことん乾き凍えたその枝を触って,それでもこれは生きている,と私は自分に言い聞かせました.

そしてやはり生きていました.あのかさかさだった細い枝がやんちゃなつるを無数に出して,夜に私を傷つける.

私はきっと今年の夏も,あの枝をそっと折るでしょう.






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Last updated  2005.07.28 01:46:14
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inalennon @ Re[1]:「記憶の中の源氏物語」 三田村雅子(09/19) フィンちさん >この世は なんてままなら…
フィンち@ Re:「記憶の中の源氏物語」 三田村雅子 「人生のままならなさ」への強烈な疑問と,…
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