inti-solのブログ

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2014.07.24
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カテゴリ: 外国人の権利
「外国人に生活保護受給権なし」最高裁が初判断
永住資格を持つ外国人に生活保護法上の受給権があるかどうかが争われた訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)は18日、「生活保護法の適用対象は日本国民に限られ、外国人は含まれない」との初判断を示し、受給権を認めた2審の判断を取り消す判決を言い渡した。
生活保護申請を却下した大分市の処分取り消しを求めた中国籍の女性(82)の敗訴が確定した。
各自治体は裁量で、永住資格を持つ外国人に生活保護に準じた措置を取っており、判決の影響は事実上ないとみられる。
原告の女性は出生時から日本で生活しており、2008年12月、大分市に生活保護を申請。十分な預金があるとして却下されたため、取り消しを求めて提訴した。1審・大分地裁は訴えを退けたが、2審・福岡高裁は「永住資格を持つなど、日本人と同様の生活を送る外国人には生活保護を受ける法的地位がある」と認め、却下処分を違法とした。
この日の判決は「生活保護法を外国人に適用する根拠はない。行政措置によって、事実上の保護対象になり得るにとどまる」と判断した。

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大筋において、「そんなところだろうな」というのが感想です。この判決の趣旨には、少なくとも反対ではありません。
個人的には、日本生まれの外国人(国籍が日本ではない、というだけで実際は日本人と変わらない)に対しては日本人と同様の取扱いをすべきと思う一方、来日外国人、特に成人して以降自分の意思で来日した外国人(日本人世帯の一員である場合を除き)の生活保護には、どうしても違和感を感じざるを得ないのです。

裁判になった問題の女性は、日本生まれで日本語が母語で国籍だけが中国籍、とのことですから、こういう人が生活保護を受けることに関しては、違和感は感じません。
もっとも、それ以前の問題として、引用記事によれば、原告の女性が提訴に至ったのは「2008年12月、大分市に生活保護を申請。十分な預金があるとして却下された」ことが原因だそうです。具体的な預金額は報じられていませんが、定めれた基準以上のお金を持っていれば生活保護は受けられないのは、外国人も日本人も同じことです。別報道によれば、この女性は実際にはその後生活保護の受給が認められているそうです。却下の原因となった預金を使い果たしたのでしょう。
この経緯を見れば、原告の女性は、外国人だから生活保護の申請を却下されたわけではないことが分かります。彼女が日本人だったとしても、同じ結果にしかなっていないはずです。(具体的な預金額が分からないと確実にはいえませんけど)

しかし、判決そのものの是非はともかくとして、この判決の趣旨について、ものすごく勘違いしている意見が、ネット上には満ち溢れているようです。

すなわち、「外国人は生活保護を受けられなくなった」「外国人の生活保護は廃止になる」等々です。

判決を伝えるマスコミの報道をちゃんと読めば、そのような理解はまったく間違いだ、ということはすぐ分かります。上記の引用記事にも

各自治体は裁量で、永住資格を持つ外国人に生活保護に準じた措置を取っており、判決の影響は事実上ないとみられる。



行政措置によって、事実上の保護対象になり得る

と書かれています。生活保護を受給する権利はないが、行政の裁量によって生活保護に準じた取扱い(生活保護の準用)はできる、ということです。簡単に言えば、今までの運用を追認した、ということに過ぎず、この判決は画期的な内容でも何でもないのです。
どこにも誤読する余地などないように思えるのですが、なぜ、かくも多くの人たちが「外国人の生活保護は廃止」などと誤読してしまうのか、大いに謎です。報道の見出しだけを見て本文を見なかったのかも知れませんね。
聞いたところによると、早速、「外国人の生活保護は廃止にしろ」という電話やら何やらがジャンジャンかかってきている福祉事務所もあるらしいですけどね。

権利として認められていなくても、実際には可能である、なんてことは、世の中にいくらでもある話です。
例えば、憲法第26条には

すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
2すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。


という規定があります。「すべて国民は」教育を受ける権利があり、子女に教育を受けさせる義務がある、のですから、外国人には教育を受ける権利も受けさせる義務も規定されていません。
でも、日本の公立小中学校には、外国籍の児童生徒は大勢いるじゃないですか。外国人の子どもには教育を受ける権利は保障されていないけれど、「権利がないから日本の学校に通わせない」なんてことは行われていません。
また、外国人には、日本に入国する権利は保障されていません。これは、憲法に明文の規定はありませんが、常識的に言って外国人に対して入国の自由を保障している国なんてないし、日本でも 判例はそうなっています。 しかし、だからと言って日本は鎖国をしているわけではなく、現に多くの外国人が日本にやってきています。

それとも、外国人の子どもは日本の学校から追い出せ、外国人を一切入国させるな、ということなのでしょうか。ネトウヨはそんなことを言い出しかねない感じもしますが、現実にそんなことが不可能であることは言うまでもありません。





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最終更新日  2014.07.25 07:19:32
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