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2021.07.28
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テーマ: ニュース(99411)
羅臼岳登山の記事を中断して・・・・

ホビージャパン、“転売容認”不適切発言の社員を退職処分 管理監督者も降格へ
ホビー誌『月刊ホビージャパン』などを発行するホビージャパン社は26日、SNS上でホビー商品において「転売行為・買い占め行為」を容認するような不適切発言をした社員(編集者)について、退職処分とすることを、公式ツイッターにて発表した。
ツイッターでは「弊社社員のSNS等での不適切発言に関する社内処分につきまして」とし、「該当社員 月刊ホビージャパン編集部 編集担当 退職処分」と報告。そのほか、管理監督者の常務取締役編集制作局長を取締役に降格、同誌の編集長を副編集長に降格、同誌の副編集長をデスクに降格することを伝えた。
この騒動は『月刊ホビージャパン』の編集者がSNSで、ホビー商品において転売を容認するかのような発言をしたことで、「いや、ダメでしょ」「この意見は業界に関わる人として、いけないと思う」などと問題になっていたもの。(※該当のツイートは現在、閲覧不可)
それを受け、ホビージャパン社は24日「この度SNS等におきまして、当社編集者が昨今のホビー商品についての一方的な見解を述べ、皆様のホビーに対する想いや、当社に対する信頼を裏切る事態になってしまっておりますこと、お詫び申し上げます」とお詫び。(以下略)

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「退職処分」というのが懲戒免職なのか諭旨解雇なのか自主退職なのか分かりませんが、いずれにしてもクビにすることが犯した罪に対して妥当な処分なのかどうかは、私には分かりません。ただ、処分の妥当性はともかくとして、その発言が大きな問題をはらんでしたことは間違いありません。

問題のツイートの内容は、以下のようなものだったそうです。

「転売を憎んでいる人たちは、買えなかった欲しいキットが高く売られてるのが面白くないだけだよね?頑張って買えばいいのでは?頑張れなくて買えなかったんだから、頑張って買った人からマージン払って買うのって、普通なのでは。」
「うーん… 転売問題が難しいところは、 転売されて困るのが一部のユーザーだけってことで、 ものは売れてるからメーカーも小売りも問屋も売り上げがしっかり立つから、 業界的には安泰なんですよ。 逆に、 いつでも買えて割引ガンガンのかつての状況って、店舗が死ぬので、 業界へのダメージもデカいんです。」


クビが妥当かどうかは別にして、明らかにコアなユーザーを対象にした雑誌の編集者が、それらの「一部のユーザー」を敵に回すようなことを公言するのは、大いに問題ありでしょう。しかも、その事実認識自体が的外れなものでは、非難が殺到するのは当然だろうと思います。

私は最近20年近く、プラモデルをまったく作らなくなってしまったし、それ以外も含めて、あまりプレミア的な価値のある希少性の高いものを求めたことがないので、転売による実害を受けたことは(もちろん利益を得たことも)ありません。
ただ、転売行為の存在によって、主にホビー、エンターテイメント業界などが振り回されて多大な被害を受けてきた事実は承知しています。プラモデルにおいては法規制はありませんが、コンサート等のチケットについては転売に対する法的規制が導入されています。
「業界的には安泰」だったら、その業界から転売行為に対する非難が起こるわけもないのです。

それでも、私は転売行為のすべてを全面的に非難しようとは思いません。例えば行く予定だったコンサートに行けなくなってしまった、このままではせっかくのチケットが無駄になってしまうから、行きたいけれどチケットが取れなかった人に譲る、そういった行為を全面否定はしません。

ホビーやエンターテイメント業界は、狭い意味での生活必需品ではなく、多かれ少なかれ、「夢を売る」ことで商売をしています。その夢を買う側がいつも転売ヤーの買い占めによって購入を妨害されて、正規価格より高い値段での購入を強いられ続けたら、つまり夢を壊されたら、やがては多くのファンが離れて行ってしまうでしょう。
「メーカーや小売りは、転売ヤーが買い占めても売り上げが立つから困らない」、転売ヤーが今後も永続的に買い占め続けてくれる保証があればそうかもしれません。しかし、構造的に言って、転売ヤーが買い占めるのは人気があって高値で転売できるからです。ファンが離れれば、高値で転売できないのだから彼らも離れます。つまり、誰も買わなくなって市場が崩壊するわけです。

さて、そんなときに、競争原理至上主義の使徒、池田信夫が転売行為擁護の愚論を吐き散らして非難を浴びているようです。

転売はユーザーの利益になる
本当にほしいなら、高値で買えばいいんだよ。それが市場経済というものだ。~
転売屋のやっていることは安く買って高く売るという市場経済の原則である。高い価格で買う人は、その商品を高く評価しているのだから損していない。ヤフオクやメルカリなどのオークションと同じだ。ガンプラの価格が上がったら、バンダイが増産すればいい。生産を絞っているから、転売屋がもうかるのだ。~

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「本当にほしいなら、高値で買えばいいんだよ。」それが市場経済だと思っているとしたら、実に近視眼的です。そもそも転売ヤーが高価で転売して儲けられるなら、最初からメーカーなり小売店がもっと高価な価格設定にすれば、より大きな利益が得られるはずです。定価を5倍10倍にに吊り上げでも買ってくれるならそうすればいい。でも、そうしないのはなぜか、という問題です。
それは、そのような行為で一時的な金儲けはできても、長い目で見たらファンを敵に回す行為であることを、メーカーや小売店は見抜いているからでしょう。

前述のとおり、ホビー、エンターテイメントは多かれ少なかれ夢を売る商売です。「夢を売る」というのは大変に微妙で、いつも単に安価であればよいというわけではなく、時には高価なもの(より正確に言えば、高価であることがファンに納得してもらえるようなもの)も「夢」には必要になるときもあります。ただ、重要なことは「阿漕な金儲けをしている」と思われてしまったらお終いだ、ということです。別にガンプラがこの世に存在しなかったからと言って、誰も飢え死にするわけではありませんから。

多分、あの業界もいろいろな経緯を経て、長い時間をかけてそう学んできたはずです。
私が中学生の頃、ご多分に漏れず私もガンプラを作ったことがありますが※、当時は抱き合わせ商法というやつで、他のプラモデルとセットでしか売ってくれないお店が多かったです。私が購入した時もそうでした。「伝説巨神イデオン」の何かのプラモデルと抱き合わせだったような記憶があります。
しかし今、そんな商売をしたら大問題になるでしょう。ガンプラ40年の歴史は「伊達じゃない」のです、多分。

※作品としてのガンダムは、当ブログでも2回くらい記事を書いたことがあるくらい好きですが、ガンプラにはそれほどのめりこまず、作ったのは、確かガンダム1体だけだったと思います。1/700ウォーターラインシリーズとか、戦闘機、戦車、はてはお城や家の模型まで、プラモデル自体にはかなり好きだったのですが。

一方、転売ヤーにとっては、市場がどうなるかなんてどうでもいいことです。ファンが離れようが何しようが、そんなことは関係ありません。目先の利益がすべてです。ガンプラの転売で利ザヤを稼いで、ガンプラの市場が破壊それたら、別の市場を標的に転売を行えばいいだけですから。


チケット転売と違って、プラモデルの転売は違法ではありません。だから何をやってもよい、というなら、それを防ぐ側も、違法でさえなければどんな手段で対抗したって構わないはずです。

ことは所詮(というのは失礼ですが)プラモデルだからこの程度の問題で済んでいますが、生活必需品だったらもっと大騒ぎになります。
わずか一年前、マスクの品薄と価格高騰が大問題になりました。50枚入が4000円5000円という値段になったこともある。自分で使う分の買いだめはともかく、転売目的の買いだめもあったのではないでしょうか。安く買って高く売るのが市場経済だから、そのような行為は問題ない、と池田は言うのでしょうか。
極論すれば、超巨大資本が日本中の米を買い占めて、キロ1万円で売ってもそれは正当な市場経済だ、と言うことになるのでしょうか。市場経済栄えて万骨枯る、というものです。こういう近視眼的市場経済は市場そのものを、ひいては社会を破壊するものと私は思います。





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最終更新日  2021.07.28 19:00:06
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