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昨日が上場初日となったポーラ・オルビスホールディングス(4927)ですが、1800円の公開価格に対して、初値は1693円でした。公開価格に対して6%下回りましたが、寄付後は急反発しました。私は当初から1693円という値に注目していたのですが、メジャーSQで多数の銘柄が大きく動いたことに目を奪われているうちに、チャンスを逃してしまいました。なぜ1693円という値に注目していたのかと言うと、証券会社の引受価額が 1693.80円だったためです。詳しくは、「公募価格割れIPO後の大口買い」 をご参照ください。私は1693円に大口買いが入ることを想定し、公開価格を割れた場合には、初値が1693円になる可能性が高いと予想していました。そして1693円を割れたら、ある程度下落したところで購入する計画でした。寄り付き直後に1666円まで急落後、すぐに急反発しているので、計画通りに行動していれば、成功していたはずです。SQなどに目を奪われずに、ポーラ・オルビスに集中すべきでした。二兎を追うもの一兎をも得ずですね。Paltac(8283) の時 もそうだったように、オーバーアロットメントがあるIPOの場合には、引受価額に大口買いが入る可能性があるため、この価格で株価は一旦下げ止まる傾向があります。今回は引受価額割れから引受価額までの反発を狙っていましたが、引受価額が抵抗線になるとわかっているのであれば、引受価額で買いに入って急反発を狙う方がよいかもしれません。もしも反発しなければ、引受価額を割る前に撤退すれば、リスクは少なそうです。ただしトランザクション(7818)のように、初値が引受価額と同じ1295円で寄り付いた後、反発することなく更に下げ続ける場合もあるので、確実に撤退することが重要です。次のチャンスは、12月15日に上場する大塚ホールディングス(4578)です。引受価額は2003.4円です。2004円と1973円あたりの2段構えで注文を入れておこうかな。大塚はIPOの抽選に当選したので、公開価格割れしないで上がってくれた方がうれしいですけどね。
2010.12.11
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ひと頃、バリュー投資のブログがブームになったことがありました。私自身はあまり分類にはこだわりが無かったので、積極的に議論に参加しませんでしたが、グロース投資とバリュー投資の優劣を競ったり、投資と投機の議論が盛り上がったりしていました。グロース投資というと、成長性に主眼を置いた投資というイメージがあります。一方バリュー投資は、主に資産価値と比べて割安な株に投資するというイメージがあります。私の場合は複数の戦略を使ってはいますが、収益バリューを評価基準として割安感のある株に投資するのが中心であり、成長性のある株の方が夢を見られるので好きです。資産価値は高いが、それを有効活用できずに業績が低迷している株は、好みではありません。(投資対象としてだめだと言っているわけではなく、単なる好みの問題です。)これって、グロース投資とバリュー投資、どっちなんでしょうね?自分としては成長株志向のバリュー投資家というように思っているのですが。それ以前に、ゲーム感覚でやっているという時点で、バリュー投資家として認められないという意見もあるでしょう。投機家と言われれば、その通りです。まあ分類なんてどうでもいいのですが、自分がどういう理由で投資しているのかを明確にし、投資手法がそれにあっているのかを考えることは、重要だと思います。グロース投資とバリュー投資の特徴について、よくまとめられている記事 がありました。広瀬隆雄さんが書かれた5回シリーズです。それによると、投資するにあたって、4つのチェック項目があるそうです。1.業績2.マーケットは強気相場か弱気相場か3.株価モーメンタム4.バリュエーショングロース投資家は、1.業績の成長率と 3.株価モーメンタムに特に注目し、2.マーケット動向にも注意を払います。4.バリュエーションはあまり気にしないそうです。順張り型の投資になることが多く、またベータ値が高い為ハイリスク・ハイリターンです。これに対してバリュー投資家は、4.バリュエーションに最も注目します。価値判定基準は、資産バリューだけではなく収益バリューも重視します。1.業績については、一時的に低迷して株価が急落した時に、将来業績が回復するかを検討します。回復すると判断した場合に買い向かうので、逆張り型の投資になります。2.マーケット動向や 3.株価モーメンタムは、気にしません。グロース投資とバリュー投資を比較すると、グロース投資の方が回転率が高く(売買頻度が高い)、銘柄の集中度も高いことが多いようです。グロース投資では、将来性に賭けることになります。将来を見通すことは難しいため、現在うまくいっている会社に投資し、しばらくの間好調が持続することに賭け、陰りが見えたらすぐに降りる(これが重要)という投資行動になります。そのため、投資タイミングとしては順張りになり、旬な銘柄に集中する傾向が強くなるのだと推察します。一方バリュー投資の場合はこれとは対照的に、現在誰にも見向きもされないような割安銘柄をひっそりと買い付け、いずれ正当に評価される時が来ることを信じて、何年も待つことになります。そのため、いつ報われるかわからないものを、逆張りで幅広く仕入れておき、じっと待つ(=回転率が低い)という投資パターンになるのだと思います。自分の投資スタイルをこれに照らし合わせてみると、次のようになります。投資対象の選別には、4.バリュエーション(主に収益バリュー)を用い、その評価をするために1.業績動向に注目します。このようにして選定した投資対象に対して、2.マーケット動向により、投資タイミングとポジションサイズを決定します。同じ銘柄を何度も売買することも多いのですが、3.株価モーメンタムはあまり気にしておらず、むしろ逆張り的な投資の方が、心理的な抵抗感は少ないです。銘柄は分散させており、ここ数年は売買頻度は高くなっています。うーん、やはりグロース投資とバリュー投資の特徴が混在していますね。特にグロース投資なら、成長性と株価モーメンタムの勢いに乗って、順張り投資で一気に資産を増やすというのが合理的なようです。私の場合は、バリュエーション評価において成長性を加味していますが、買い出動は割安であることが条件であり、タイミング的には逆張りのことが多いです。追っかけ買いには抵抗感があります。ただし一度保有した銘柄は、成長が続くうちは(割高にならない限り)とことん保有し続けることはできます。(一部の回転売買により、株数は変わります。) 大きく伸ばすことはできるのですが、大きく伸びると愛着を感じて、売れなくなってしまう事が欠点です。株価モーメンタムを意識して、順張り投資の方が良いのだろうか?成長性を加味してバリュエーションを評価することに、無理があるのだろうか?バリュエーション評価に確実性はないけど、評価が変わったらポジションも変えれば良いと、柔軟に考えているのですが。なんか、もやもやするなあ。どこかに矛盾があるのでしょうか?
2010.06.12
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普段はIPOには手を出さないのですが、昨年SHO-BIでおいしい思いをしたこともあり(私にとって初めてのIPO銘柄で、2倍以上になりました)、何となくPaltacのIPOに応募したところ、100株当選しました。正直言って、SHO-BIほどおいしいとは思いませんでしたが、うまくいけば30~50%程度の利益、はずれれば5~10%程度の損失といった、賭けのつもりで買ってみました。結果は見事にはずれ。公募価格2200円のところ、2079円で寄り付きました。一般的に、大きな出来高の後に株価が下がると、しこりができて上値が重くなります。公募割れも同様に考えて、すぐに売却しました。(これまでIPO銘柄には興味がなかったので、公募割れIPO銘柄の実際の値動きは知りません。)売却後もしばらく板を見ていると、定期的に15万株強の大口買いが入っていました。最初に気付いたのは、2079円です。それがすべて売り崩されると、数10秒後にまた15万株強の大口買いが入りました。これが何度も繰り返されます。大口買いの価格自体は、2078円2077円と少しずつ下がっていきました。大口買いが売り崩されると、一時的に6円程度株価は下がりますが、すぐに元の株価(あるいはその1円下)に次の大口買い注文が入ります。これはチャンスです。大口買い価格の6円程度下に買い注文を出しておけば、大口買いが売り崩された時に買えます。その後再び大口買いが出たら、その1円上に売り注文を出しておけば、誰かが買ってくれます。最悪誰も買ってくれなくても、大口買いが売り崩される寸前に大口買い注文にぶつければ、確実に鞘を抜けます。私は3回程度様子を見た後、2回転儲けることができました。したがって最低5回以上は、大口買いが入っていたと思われます。上場2日目も、やはり大口買いが入っていました。(ただの厚い買い板だった可能性もあります。)前日に味をしめた私は、少し大きめのポジションをとりました。ところが今度は2度と大口買いは入らず、株価は一気に急落しました。あの継続的な大口買いは、いったい何だったんだろう?売り出し期間中に安定操作取引として、株価を買い支えるのは理解できますが、IPO後に買い支える必要はありません。もしかしたら、オーバーアロットメントの買い戻しだったのかもしれません。オーバーアロットメントでは、創業者などの大株主から借りた株を、応募した一般株主に売り出し、後に第3者割当で公募価格より少し安い価格で割り当てを受け、それを貸株の返済に充てます。しかし今回は割り当て価格よりも市場価格が下がってしまったために、第3者割当は受けずに市場で買い戻した方が、証券会社にとっては利益が増えます。今回の大口買いは、貸株の返済用に市場から買い戻した可能性があります。もしも私の推測が正しければ、公募価格割れ初日にはチャンスがあります。だけど何株オーバーアロットメントがあったのかわからないと、大口買いがいつまで続くかわかりません。大口買いが途切れると急落する危険性もあるので、薄利の割りにリスクが高いかもしれません。しばらくIPO銘柄の初日の値動きに注目しようと思います。追記:・2079円というのは、証券会社の引受価額です。この株価以下であれば、第3者割当を受けるよりも、市場で買い付けたほうが有利になります。引受価額かその1円下あたりに、大口買いが入るのかもしれません。・また、初値も2079円であったことが、意味深です。チャートによれば、初値後に2010円まで急落し、すぐに2079円に戻っています。その場を見ていたわけではありませんが、大口買い注文が入っていたところで一旦寄り付いたものの、それが突破されたら一気に売り物に押されて急落し、再度次の大口買いが2079円に入ったために、すぐに戻した可能性があります。この瞬間を取れれば、大きいです。・大口買い売り崩し後の株価の下落幅は、当初のほうが大きく(10円程度?)、徐々に小さくなっていったように記憶しています。
2010.03.20
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昨日、信越化学が決算発表をしましたが、期待はずれな内容で、本日は6%も急落しました。一般的に素材産業は景気変動の影響を受けやすいため、業績変動も大きいのですが、信越化学の場合は非常に安定しており、過去10年以上赤字決算はありません。減益すら2009年3月期が初めてです。さすがに今回の世界的な不況では減益になりましたが、それでも1四半期たりとも赤字にはなっていないという、優良企業です。自己資本比率は8割と財務も強く、安心して保有できる銘柄です。(私にとってはトレーディング銘柄ですが)金融危機後の業績は、2009.3期のQ4を底に回復傾向にありましたが、昨日発表したQ3では、四半期営業利益が前四半期比で減益になってしまいました。今期の通期予想も初めて開示したのですが、そこから逆算するとQ4も減益が続く予想になっています。 2009.3:Q4 2010.3:Q1 2010.3:Q2 2010.3:Q3 2010.3:Q4(予)売上高 186,476 190,084 227,145 250,977 241,794営業利益 16,197 20,647 32,292 31,544 28,517粗利率 19.7% 23.1% 25.1% 22.9% ?前期までは安定して3割前後だった粗利率も、前期Q4を底に回復傾向だったのですが、Q3では22.9%と低迷しており、苦戦していることが窺えます。決算発表前までは、業績は順調に回復傾向にあると信じて疑いませんでしたが、完全に期待を裏切られました。私は先週金曜日に半分売却した分を、決算を確認してから買い戻そうと考えていたのですが、この内容では買い戻すどころか、残り半分もすぐに売却しなければいけないと判断しました。信越化学は東証と大証(更に名証も)の両方に上場しています。決算は 15:00 に開示されましたが、その後 15:10 まで大証では売買ができていました。実際に東証の昨日の終値は 5260円でしたが、大証では 15:00 以降に 5230円と5220円で出来ていて、終値は5220円でした。すぐに開示を確認していれば、大証で逃げることもできたかもしれませんが、私が決算短信を読んだのは 15:30 頃でしたので、間に合いませんでした。幸いPTSで5190円で売却できたので事無きを得ましたが、東証と大証の両方に上場している銘柄で、決算発表が 15:00 の場合には、サプライズ決算に備えてすぐにチェックすべきだと反省しました。なお本日金曜日の東証での値動きは、始値:4990円 高値:5020円 安値:4900円 終値:4945円 でした。ちなみに大証と名証の本日の始値は、共に5160円でした。窓を開けて株価が大きく動きそうな時には、上場している全取引所を確認する価値がありそうですね。(出来高少ないけど)
2010.01.22
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年末が近づき、節税売りを意識する季節になりました。私自身は 節税を意識しての売買判断には賛成しかねる のですが、他人の節税売りにより相場がどう影響されるのかは、意識に入れておく価値があるかもしれません。節税売りには、2種類の状況が考えられます。※ 以下では、源泉徴収しているという前提で書きます。1つ目は、年間で利益が出ている状況です。この場合には、含み損を抱えている銘柄を売却することにより、支払済みの税金を取り戻すことができます。2つ目の状況は、年間で損失が出ている状況です。この場合には、含み益の出ている銘柄を売却しても、過去の損失と相殺できるため、その時点で税金を払う必要がありません。すぐに買い戻せば、以前よりも買値が高くなることにより、翌年以降の売却時に支払う税金を安くすることもできます。市場への節税売りの影響を考える場合は、上記どちらのケースに該当する可能性が高いかを推測します。例えばその年が上昇相場であったならば、それまでの年間損益はプラスになっている人が多いでしょう。そうすると年末に売却対象になりやすいのは、含み損を抱えている可能性が高い、その年に下落した銘柄となります。逆にその年が下落相場であったならば、それまでの年間損益はマイナスになっている人が多いでしょう。このケースで年末に売却対象になりやすいのは、含み益の出ている可能性が高い、その年に上昇した銘柄となります。今年の場合はどうでしょうか。現在の株価水準を昨年末と比較すると、上昇率は異なるものの日経平均(昨年末8859), TOPIX(昨年末859)ともに多少上昇しています。ただし昨年後半はリーマンショック後の暴落があったため、年初を迎えた時点では、含み損銘柄を多数抱えた状態であったと思われます。したがって今年の実現損益は、マイナスの人が多いと推測します。その場合に節税売りをするとなると、利益の出ている銘柄になります。この仮説が正しければ、12月相場は最近堅調だった銘柄に利益確定売りが出て、下落しやすいという判断になります。ただし売却理由としては弱いものですので、個別に好材料があれば、そちらが優先されるでしょう。
2009.12.07
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今週は南伊豆に旅行に行ってきました。天候不順の影響もなく好天が続き、地震にも遭わず、いい海水浴日和でした。私は通常、週末に1週間の有効期限で、売買注文を出します。今週も旅行で不在でしたので、1週間分の売買注文を出しておきましたが、株式市場が下落したこともあり、4銘柄買えていました。しかし売却できたほうでは、悔しい思いをしました。三洋電機を4000株、市場ではなく kabu.com のPTSに239円で売却注文をだしておきました。(kabu.comのPTSでは、当日限りではなく有効期限を設定できます。)PTSにした理由は、売買手数料が安いためです。これまでも、出来高の多い銘柄で約定金額100万円以上の場合に、たまにPTSに注文を出していました。夜間のPTSは出来高が少ないのであまり使えませんが、昼間であれば市場との裁定取引を行う人がいるので、市場が240円以上をつければ約定する可能性が高いです。どっちみち239円で指値注文するので、その後市場価格が上昇していっても(裁定取引者に利益を取られても)同じことだと考え、PTSに注文をだしました。ところが8月19日に三洋電機の株価は、寄付から35円高の259円と大幅高で始まりました。トヨタが三洋電機の電池を、ハイブリッド車用に採用することになったと報道されたためです。私の注文は当然239円で約定しています。市場に注文を出していれば、259円で売却できており、8%以上安値で売却したことになります。2000円程度の売買手数料をケチって、8万円儲け損なってしまいました。寄付で窓を開けてギャップアップすることを想定していませんでした。通常売却指値注文を出すときは、現状の株価よりも高い価格で出しますし、買付注文の場合は安い価格で出しますので、もしも寄付でギャップアップ/ダウンした場合には、注文した株価よりも有利な価格で約定することになります。PTSでは注文数が少ないので板寄せはめったに発生せず、注文した価格のままで約定してしまい、ギャップアップ/ダウンの恩恵をこうむることはできません。ニュースや寄付前の状況を確認して注文内容を変更できるのでないかぎり、複数日をまたがった注文をPTSに出すことは、避けたほうが良いと学習しました。
2009.08.22
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小売業などでは、月次売上の対前年比を公表している企業が多くあり、月次発表に注目している投資家は多いと思います。大抵の場合、月次発表では対前年比の全店と既存店の売上が%で表示されているだけで、売上金額や利益額は記載されていません。季節や月によって、売上高や利益率は異なります。評価・分析をする際には、単純に対前年比の数値に一喜一憂するのではなく、各月の重みを考慮する必要があります。まずは簡単な例からみていきましょう。四半期ごとの営業利益の比重です。たとえばポイント(2685)の場合、各四半期の営業利益の、通期営業利益に対する比率は、次のようになっています。 1Q 2Q 3Q 4Q2005.2期 24.9% 19.5% 32.5% 23.1%2006.2期 25.7% 20.5% 31.6% 22.2%2007.2期 24.1% 16.0% 34.5% 25.5%2008.2期 26.1% 14.8% 36.0% 23.1%2009.2期 21.1% 16.8% 36.7% 25.4%2Q(6~8月)の比重が小さく、3Q(9~11月)の比重が大きくなっています。したがって夏の月次発表には過度に一喜一憂する必要はなく、秋の月次発表が重要であることがわかります。次に、月単位の売上高の変動について、考えてみましょう。ある月の売上が対前年比120%で、翌月が90%だった場合、売上高の進捗状況はどうなっていると思いますか?例えばこの企業がおもちゃ屋さんで、クリスマスの売上高が多いのであれば、12月の販売状況が重要になります。12月が120%であれば好調と評価できますが、11月が120%で12月が90%の場合には、不調と判断すべきでしょう。クリスマスやバレンタインデイなど、売上の多い月を想像できる場合もありますが、その比重や、それ以外ではどの月の売上高が多いのかは、わかりません。そこで、月単位の売上高の比重を推定する方法を、考えてみました。月次発表では、単月の対前年比と、累計の対前年比が記載されています。たとえば次のようになっていたとします。 前年の売上高 今年の売上高 今年の単月% 今年の累計%1月 100 120 120% 120%2月 200 180 90% 100%単月の対前年比が120%と90%という数字だけを見れば好調そうなのですが(単純平均だと105%)、この会社は2月の売上の比重が大きいようです。そのため累計では、100%に留まっています。実際に公表される数値は、対前年比の「今年の単月%」と「今年の累計%」だけです。これらの数値から、1月と2月の売上高の比重を推定します。2月の累計%がどのように計算されるのかを考えると、逆算方法がわかります。 (今年の1月の売上高+今年の2月の売上高) ÷ (前年の1月の売上高+前年の2月の売上高) = 2月の累計%です。 今年の1月の売上高 = 前年の1月売上高 × 1月の単月% 今年の2月の売上高 = 前年の2月売上高 × 2月の単月% 前年の1月の売上高を基準(=1)として考え、前年の2月の比重をAとすると、 前年の2月の売上高 = Aとなります。これらを最初の式に代入すると、 (1×1月の単月%+A×2月の単月%) ÷ (1+A) = 2月の累計% となり、この式が成立するようなAを求めれば、1月と2月の比重がわかります。前述の数値例ですと、 (1.2 + 0.9A) ÷ (1 + A) = 1となり、A=2 が導き出されます。すなわち前年は、2月は1月の2倍の販売量であったということになり、例題の数値と合っていますね。3月も同様の考え方で計算できますが、3か月分だと式が長くなりますので、ここでは割愛します。これを四半期売上(3か月分)ごとに区切って計算することにより、1月から12月まで各月の比重を容易に推定できます。(累計が四半期ごとの場合)累計が半期単位になっている場合は、6か月分まで計算する必要があります。なお天候の影響などにより、年により売上高にはバラツキがありますので、単年度だけではなく複数年度で計算して、月ごとの売上傾向を調べることを、お勧めします。さて、対前年比%には、全店と既存店があります。どちらの数値を使うのがよいのでしょう。各月ごとの売上高の傾向を知ることが目的ですので、安定しているほうが望ましいと言えます。したがって、既存店の数値を使うべきだと思います。ただし、既存店でも店舗数は月ごとに変動している可能性もあり、誤差が出てしまいます。厳密に算出したい場合には、店舗数の比率により調整するとよいと思います。四半期決算の売上高より、各月の売上高の数値も逆算できます。この場合には、前年の各月の売上推計には上記の方法で求めた比重を用いて、四半期売上高を各月に配分しますが、今年の売上推計は全店売上%を使うと良いと思います。 前年1月の売上高 = 四半期売上高 × 1 ÷ (1+2月の比重+3月の比重) 今年の月別売上高 = 前年の月別売上高 × 全店単月%また会社にもよりますが、単体四半期決算の売上数値を使ったほうがよいかもしれません。最後に実例として、ポイントの2008.2期および2009.2期の6月~8月の数値をもとに、月次売上高を計算した結果を例示します。(店舗数による調整は行っていません。) 2008.2推計 2009.2推計 2009.2全店% 既存店単月% 既存店累計% 比重6月 5791 6359 109.8% 90.4% 90.4% 1.007月 6354 7924 124.7% 105.5% 98.3% 1.108月 3572 4855 135.9% 109.3% 100.8% 0.62 2008.2期の2Q決算の四半期売上高:15718(単体)上記推計に基づく2009.2期6月~8月の月別売上合計は、19138 になります。これは2009.2期の2Q決算短信(単体)の売上高である、19203 と近い値になっています。参考:その前年(2007.2期)の比重は、6月:1.00 7月:1.48 8月:0.64 でした。昨年(2009.2期)の比重は、6月:1.00 7月:1.32 です。過去のデータを集計すると、2月と8月の売上が少なく、一番多いのは1月です。その他7月と10月以降が多くなっています。ただでさえ利益への貢献度の低い6-8月期にあって、その中でも8月の売上は特に低いようです。8月の月次は、あまり気にする必要がなさそうですね。ただし、月次発表を気にしている人が大勢いれば、株価への影響はあります。昨年の8月のポイントの売上は、全店135.9% 既存店109.3% と好調でしたので、ハードルが高いです。そのため今月の数値は、厳しいことが予想されます。それを嫌気して株価が下落したら、逆に投資のチャンスかもしれません。※タイミングの話をしているだけで、推奨しているわけではありません。ポイントの利益予測方法に興味がある方は、「ポイントの粗利率と在庫の関係」もご参照ください。
2009.08.06
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私は週間ベースで、投資日記(成績等)をつけています。ふと、最近週間ベースでのマイナスが無いように感じ、過去3か月の記録を振り返ってみたところ、以下のようになっていました。週 自分 日経平均 (単位は週間の変動率:%)6.29-7.3 +0.8 -0.626.22-26 +1.86 +0.936.15-19 +0.72 -3.456.8-12 +1.94 +3.776.1-5 +1.76 +2.585.25-29 +2.02 +3.225.18-22 +1.45 -0.425.11-15 +1.57 -1.785.7-8 +1.32 +5.074.27-5.1 +0.6 +3.094.20-24 +1.23 -2.244.13-17 -0.3 -0.634.6-10 -0.39 +2.45今週で11週連続プラスと、安定していることに気付きました。この間、日経平均は8749.84から9816.07へと12.2%上昇しており、基本的には上昇相場でしたが、日経平均ではマイナスの週もほぼ半分の5週間ありました。以前にも書きましたが、私はキャッシュポジションが前半は3割程度、後半は4割台中盤と高かったため、市場平均より変動が少ないのは、当然のことです。しかしこれだけの期間連続して、プラスを続けていたのは、その理由がわかれば今後の投資に活かせるかもしれません。そこで、過去の成績と投資スタイルを振り返ってみました。まずは私の性格ですが、信用取引こそ行っていませんが、リスクを取ることが好きな方です。その結果、投資成績の変動率が高まることは、やむを得ないと思っています。投資スタイルとしては、適正価格になるまで保有し続ける”本隊”と、主に相場のうねりをとりに行く”機動部隊”の2本立てで、構成されています。過去の成績を、時期を区切って簡単にまとめます。(1)2000年~2002年:ITバブル崩壊期市場は大きく下落しましたが、私の戦績は若干のプラスでした。ただし月間での変動率は、それなりに大きかったようです。トータルでプラスを維持できた理由は、ヤフーやファンケルなどにおいて、数か月単位でのうねり獲りが成功していたからだと思います。正確な集計はしていませんが(時系列で各時点での保有銘柄を把握し、その時価を計算することは困難)、おそらく本隊でのマイナスを、機動部隊でのプラスが補っていたのだと思います。(2)2003年~2005年:反騰期市場は2003年半ばから上昇に転じ、2004年~2005年前半のボックス相場を経て、2005年後半に急騰しました。この間私の投資成績は、安定的に高成長していました。アーバンやポイントの大活躍により、本隊が大きく貢献しました。特にアーバンの2003年中盤からの2年間のチャートは、惚れぼれするような、きれいな一直線の右肩上がりでした。成績が安定的に良かった理由は、主力部隊であるアーバンの株価が、乱高下することなく安定的にじりじりと上昇していたためです。全体を通して売買頻度はあまり高くなく、ただじっとしていただけでした。安定していたのは投資手法によるものではなく、偶然ですね。ただし成績を大きく伸ばせたのは、上昇相場においてはむやみに売買しないという投資手法の成果だと思います。(3)2006年~2008年8月:ライブドアショックからアーバン倒産までこの期間をひとまとめにするのは、変かもしれませんが、私の投資成績への影響としては、共通の要因によるものです。市場は2007年まで一進一退したあと、サブプライムショックの影響で2007年終盤から急落しました。私の成績はライブドアショックで大きく下落後、一旦盛り返しましたが、その後壊滅的な打撃を被りました。自分でも信じられないくらい乱高下しました。理由は明らかです。本来私は分散投資派なのですが、2005年までのアーバン急騰の結果、アーバン1社のポートフォリオに占める割合が、過半に達してしまいました。そのためアーバンの株価動向が、ダイレクトに私の投資成績に影響するようになっていました。アーバンは2006年以降乱高下し、2008年8月の倒産に至ります。アーバンに身をゆだね、何も手だてを講じなかっただけで、投資手法も何もありません。(4)2008年9月~2009年3月:金融危機で急落9月のリーマン破綻後に金融危機に陥り、世界の株式市場は急落しました。私の投資成績は、昨年秋の急落時点では軽微な損害で切り抜けることができ、相対的に安定していました。その理由は2つあります。ひとつは 乱高下していたのは日経平均採用銘柄だけ で、それ以外の中小型株などはそれほどでもなかったためです。もう一つの理由は、機動部隊による短期売買がうまくいっていたためです。ただし(1)の期間に行っていたような個別銘柄での数か月単位のうねり獲りではなく、短期的な市場全体の相場観に基づいた、1~2週間程度の回転売買です。以前のブログ では、利益が少ないと文句を言っていますが、貢献したことは間違いありません。(5)2009年3月~6月:急反発市場は3月10日を底値に、急反発しました。私の成績は、冒頭に述べたとおり安定しています。私は(4)の短期回転売買の延長のつもりで、3月下旬から売却を進めました。しかしその後も市場は上昇を続けたため、高いキャッシュポジションのまま、現在に至っています。ただし何もしなかったわけではなく、従来通りのうねり獲りに加え、デイトレードを含む、数日レベルの短期売買を繰り返していました。デイトレードといっても、一日に何回も売買するわけではありません。寄付で急落していたものを拾いすぐに売却する、あるいは保有株が寄付で急騰していたら一旦売却し、すぐに買い戻す、といった感じです。その他、M&A関連の裁定取引なども行っています。これらの手法は利益額は小さいのですが、勝率はかなり高いです。それが成績の安定化につながったようです。こうして振り返ってみると、本隊の長期投資手法は大きく変わっていないのですが、機動部隊の短期売買の方は、2000年代はじめの頃と比べて、どんどん売買の期間が短くなっていることに気付きました。どの時点の方法でも、短期売買は投資成績の安定化に寄与していました。本隊は利益を大きく伸ばす一方、機動部隊は安定化に役立つ、という役割分担になっているようです。<教訓>・上昇相場では、本隊主導で余計な売買をしないことが、利益を大きく伸ばす。・上昇相場以外においては、機動部隊によるうねり獲りが有効。・ポジションサイズは、上昇相場とボックス相場では、本隊が主体。 (いつボックス相場から上昇相場に移るかわからないため。)・下落相場においては、本隊の比率を下げ、現金比率と機動部隊を増やす。・売買期間を短くした方が、成績は安定する。 ただし上昇相場に乗り遅れるリスクがある。<資産を築くために忘れてはならないこと>・上昇相場に乗り遅れないこと。 上昇相場はいつ訪れるか、わからない。 割安である限り、常に参戦していることが肝要。 下落相場でなければ、本隊の比率を高めるべき。・下落相場で、資産を保全すること。 不穏な気配を感じたら、ポジションを思い切って縮小する。見切りが大切。 割安感が無くなったら、現金比率を高め、次のチャンスに備える。
2009.07.04
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サンウッドの今期の配当金は、7500円の予定です。権利付最終日の株価は6万円台でした。6万円台での値幅制限は 5000円であり、配当金よりも小さいです。権利付最終日の大引け間際に買えば、権利落ちで大幅安になったとしても、7500円の配当をもらって翌日に売却できれば、利益が出るのではないかと、ふと思い付きました。心配なのは、ストップ安比例配分になり、売却できないことです。思案した結果、サンウッドは出来高が少ないので、ストップ安比例配分になる可能性を考え、この作戦は実行に移しませんでした。もしも実行したらどうなっていたのか興味があり、翌日は寄付からサンウッドの株価に注目していました。9時直前には、なんと1万円以上下落した気配値を示しています。結局 9000円安で寄り付きました。想定していたストップ安以下の株価です。配当落ち日って、配当分を引いた金額を基準価格として、ストップ安/高の値幅制限をするんですね。今まで気にしたことがなかったので、初めて知りました。なお、前日比○円安/高という場合の比較対象は、配当金分減額前の前日終値が基準のようです。いい作戦を思い付いたつもりでしたが、実行に移さなくてよかったです。
2009.03.31
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企業を評価する際に、利益とキャッシュフローのどちらを重視していますか?両方チェックすべきなのは言うまでもありませんが、多くの人は利益を重視する傾向にあると思います。私は企業の適正価格を算出するのに、DCF法をベースに簡略化した独自手法を用いていますが、キャッシュフローではなく利益を使っています。DCF法では、将来のキャッシュフローを予測し、それを現在価値に割り引くことにより、企業価値を算出します。したがって、将来のキャッシュフローを予測する必要があります。私がキャッシュフローの代わりに利益を採用している理由は、以下の3点ですが、一言で表すと予測しやすいためです。1.キャッシュフローは安定しない将来の予測をする場合、まずは過去の実績を調べることから始めます。キャッシュフローの場合、年度ごとのバラツキが大きいことが多いため、将来を予測しづらいです。それに対して、利益の方が比較的安定しています。安定するように操作している面もあるかもしれませんが、特殊要因を除くことにより、巡航速度や企業の実力を判断しやすいと感じています。2.企業の経営計画では、利益を公表しているがキャッシュフローは公表しない企業のことを一番よくわかっているのは、経営者です。したがって、企業自らが公表している中期経営計画を、将来像の予測のベースにしています。しかしながら多くの場合、中期経営計画などで公表しているのは、売上高や利益など会計上の数値です。店舗数や契約数などの数値も含まれている場合はありますが、キャッシュフローを公表しているケースは少ないです。決算短信での今期の業績予想でも、売上と利益は公表していますが、キャッシュフローはありません。私には独自にキャッシュフローを予測する能力はありません。そこで、企業が公表した経営計画の数値をベースに調整しているため、会計上の利益を採用しています。3.成長企業を投資対象からはずしたくない今のような環境では信じられないかもしれませんが、経済環境や相場環境が良いときには、成長企業の株価上昇率はすさまじいものがあります。一般的に成長企業は、成長のための先行投資や運転資本の拡大のため、キャッシュフローはマイナスになりがちです。過去の実績だけから判断すると、キャッシュフローがマイナスの会社は評価不能になってしまいます。また将来のキャッシュフローを予測する能力は、私にはありません。そのため、キャッシュフローで評価すると、多くの成長企業が投資対象からはずれてしまいます。(はずすべきなのか、今は迷っています。)私は大きく資産を増やすチャンスを逃さないために、成長企業を投資対象からはずしたくありませんでした。利益で適正価格を算出すれば、投資対象に含めることができます。また現実に、過去においてはキャッシュフローよりも利益のほうが、株価変動に連動していました。(統計的に検証したわけではありません。)以上のような理由で、私は会計上の利益を用いて、適正価格を算出しています。しかし現在の状況では、次の2つの理由により、キャッシュフローの重要性が高まっていると感じています。1.会計上の利益には、評価性の費用が多額に計上されている最近の決算発表では、評価性の費用が多額に計上されており、企業の本来の実力がわかりづらくなっています。代表的な評価性の費用には、次のようなものがあります。・棚卸資産の評価損売上原価になりますので、売上総利益以下すべての段階の利益に影響を及ぼします。(適用初年度に限り、過年度分の評価損は特別損失になります。)これは本業の実態を表しているとも言えますが、今期(2008年4月以降)から強制適用になっていますので、一応挙げておきます。・暖簾の償却販売費および一般管理費になりますので、営業利益以下に影響します。なお負の暖簾の場合には、営業外収益になります。なんで正と負で、対応が異なるのでしょうね。・退職給付数理差異償却費用株価下落などの影響で、年金資産の運用が悪化した結果、退職給付数理差異償却費用を計上する企業が増えています。例えば 大和ハウス工業 は、325億円になる見込みであると発表しました。なおこれは、営業外費用になるようですので、経常利益以下に影響します。・投資有価証券評価損、およびその他減損損失これらは特別損失になりますので、純利益に影響します。(もともと特別損益は除外して評価していましたけどね。)上記が小額であれば、あまり気にしなくても良いのでしょうが、最近の決算では本業の利益をはるかに超える額になっているケースが、多く見受けられます。これらの影響を取り除くためには、キャッシュフロー計算書を見た方がわかりやすいと思います。2.資金繰り何も補足することはありません。アーバンのように最高益更新の決算発表の、わずか3ヵ月後に倒産する時代です。その後も黒字倒産が相次いでいます。DCFとは別の話ですが、資金繰りに問題ないかを調べるためには、貸借対照表とキャッシュフロー計算書のチェックが不可欠ですね。いずれにせよ、今のような非常時には、企業の適正価格を求めるのは難しいです。 株価自体、適正価格とはかけ離れていると感じるし。(だからこそ、チャンスのはずなんだけど...)
2009.02.11
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前回の個別銘柄での短期売買のレビュー をして、成功していると思っていた売買が、実は無駄な売買であったことを書きました。その原因を考えていたのですが、比較検証期間である8月中旬以降は、上昇トレンドであったことが理由ではないかと思い当たりました。「長期投資と短期投資、私にはどちらが向いている?」 でも触れましたが、上昇トレンドにおいては余計な売買はせずに、保有し続けた方が良いと考えています。途中で短期売買をしようとして売却すると、買い戻せずに持株数が減少する可能性が高いからです。短期売買は、下降トレンドや波乱相場において有効だと考えています。下降トレンドでただ長期保有していても、資産は減少するだけですので。前回のレビューで比較した8月中旬以降のポイントは、上昇トレンドであったため、短期売買の中で株数が減少して、値上がり益が少なくなったようです。それでは8月以降にポイントが上昇トレンドになると判断し、短期売買を控えることはできたでしょうか?私の全体相場観は、当分乱高下が続くと判断しており、上昇トレンドではありませんでした。上昇トレンドになるとは考えていなかったわけですから、短期売買をするという判断は、その時点では仕方がなかったと思います。私は短期売買手法を確立できていませんので、改善の余地が大きいことに変わりはありません。しかし今回のポイントの売買に、大きな欠陥があったわけではないと思い直しました。上昇トレンドにおける短期売買で、大きな利益を取れるようになれれば最高なんですけどね。今の私の実力では、そこまでは望んでいません。
2008.12.22
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昨年の秋以降、機動部隊による作戦(短期売買)を増やしていることは、何回か書いた通りです。私は短期売買において、主に2つの方式を採っています。・市場全体の相場観に基づき、主に日経225採用銘柄を中心に、 複数銘柄を一斉に買付/売却する。・個別銘柄の状況(決算や月次などの情報や株価推移)に応じて、 その銘柄の売買をする。相場観に基づいた売買については、転換点をうまく当てている割には、利益が少ないことは、以前述べたとおり です。今日は個別銘柄の短期売買について、レビューしてみました。始めに白状しておきますが、短期売買手法は確立されていません。何となく気分でやっているだけです。戦略無き戦闘を繰り返しているといったところです。上達する目的でレビューしており、売買技術は乏しいものとご理解ください。レビューする銘柄は、ポイントです。ブログでも何回かポイントのことを取り上げていますので、私がポイントに興味を持っていることは、お気づきの方は多いと思います。ポイントは2003年~2005年にかけて、アーバンに次ぐ中核銘柄でした。目標価格に到達したため売却しましたが、昨年の秋から短期売買を始めました。現在の位置付けは主力部隊ではなく、短期売買目的の機動部隊です。昨年の秋以降の売買は、以下のようになっています。 株価 売買株数 残株数A. 2007/09/04 5070 +200 200 B. 2007/10/05 4810 +200 400 C. 2007/10/09 5440 -200 200D. 2007/10/26 5990 -200 0E. 2008/02/01 4420 +100 100F. 2008/04/01 4880 -100 0G. 2008/06/19 3670 +200 200H. 2008/06/25 3230 +300 500I. 2008/08/12 3640 -200 300J. 2008/08/14 3210 +250 550K. 2008/09/02 3750 -250 300L. 2008/09/03 3910 -250 50M. 2008/09/16 3670 +270 320N. 2008/10/03 4350 -220 100O. 2008/10/06 4700 -100 0P. 2008/10/10 4110 +200 200Q. 2008/10/15 4890 -200 0R. 2008/10/27 4510 +220 220S. 2008/11/10 5380 -180 40T. 2008/11/19 4930 +140 180U. 2008/11/25 4510 +220 400V. 2008/12/16 5200 -110 290 一見売買は成功しており、相性のいい銘柄だと感じていました。自慢していると思うでしょ。実際は自分の売買技術の未熟さに気付き、少し恥じ入っています。J.2008/08/14 の550株が株数のピークなのですが、もしもそれ以降売買せずにそのまま保持していたら、今日の終値は5140円なので、時価は 2,827,000円となっています。一方J.2008/08/14 以降実際に売買した金額を、売却金額-購入金額 で積算すると、1,372,900円回収しています。(手数料を除く)現在290株保有していますので、時価は 1,490,600円であり、回収金額との合計は 2,863,500円になります。売買せずにただ保持していた場合と、ほとんど変わりません。昨日の株価で計算すると、売買しなかった方が多いくらいです。うまく売買タイミングを捉えることが出来ていると思っていたのに、無駄な売買をしていただけでした。何が悪いんだろう? 建玉数ですかね。これまでは深く考えずに、短期的な転換点だと感じた時に、基本的には100万円弱の単位で売買しているだけでした。T. と V. は、注文の一部だけが約定した結果、予定よりも少なくなっています。E. と F. は、優待権利取り目的で100株だけ買ったものです。どうすべきだったのか、まだ結論は出ていません。大幅に割安な価格帯(ポイントだと4000円以下)では、株数を維持することに注力すべきだったのかもしれません。一旦売却した場合には、底値を待たずに早期に株数を復活させることを優先すべきだと感じています。一応短期売買では、株数を増やす場合と現金を増やす場合 を意識しているのですが、うまく使いこなせていないようです。主力部隊では適正価格の3分の2以下で購入し、適正価格で売却することを基本としているのですが、短期売買を絡める場合には、適正価格の3分の2以下では株数の増加を優先し、3分の2以上適正価格以下では現金の増加を優先するのかな?これは全体相場が上昇トレンドなのかによっても、変わってくるでしょうね。上昇トレンドなら株数優先ですが、そもそも余計な売買はしない方が良いかな。また100万円均一ではなく、売買金額にもメリハリをつけたほうが効率的かもしれません。
2008.12.19
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最近、私の相場観は冴え渡っています。ここ1ヶ月を振り返ると、全体相場について以下のような判断を下して、投資行動を起こしています。10月27日 出撃 11月5日 資金回収 11月20日 出撃 (約定は21日寄付) 自分でも驚くほど、短期的な転換点を当てています。(こういうことを書くと、当たらなくなるんだよな。)しかしその割には、資産はあまり増えていません。ポートフォリオ内での、相場観による短期売買の比率が小さいことが原因なのですが、小さくなっている理由のひとつとして、売買手法に矛盾があることに気づきました。売買を判断する理由は、株価水準とタイミングに大別されます。中長期投資の場合には、選択した銘柄が十分に安い株価になった時に、買い出動します。この場合には、安値で指値注文するのも良いと思います。(ただし下降トレンドの場合には、それが反転するのを待ちましょう。)それに対して短期売買の場合には、タイミングが重視されます。タイミングを逃さないためには、成行注文が向いています。私の最近の短期売買では、急落したら買い、急騰したら売りというスタンスでしたので、急落に備えて安値に指値買い注文を入れることが多かったです。しかし冒頭の売買理由は、そろそろ全体相場が反転しそうだと感じたことでした。まさにタイミングによるものです。したがって、成行注文にすべきだったのかもしれません。売買判断理由と注文方法に、矛盾が生じていたようです。過去1ヶ月、タイミングはうまく捉えているのに、指値に引っかからずに逃したものが多数ありました。例えば先週の場合は、住友金属鉱山がそうです。600円以下になったら買おうと思って指値注文していたのですが、597円で反転してしまい、買いそびれました。成行注文にしていれば、11月20日の寄付きで601円で買えていたことになります。今日の終値は822円ですので、1週間で37%上昇しています。ここ1ヶ月間で、似た例が数回ありました。結果論かもしれませんが、イメージ通りの値動きをしているのにもかかわらず、利益を逃してしまうのは、もったいないと思います。今後は売買理由を意識して、タイミングをとらえた目先の相場観による売買の場合には、成行注文も検討しようと思います。指値注文で引成かな。
2008.11.27
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昨日はいい天気で気温も高かったので、海に行ってきました。水中眼鏡をつけて泳ぐと、青いきれいな魚がいました。プライベートビーチ気分を満喫して帰宅後、夕刊を見たら一面に、日経平均が1000円下落したと書いてあります。てっきり水曜日の新聞を間違って見てしまったのかと思ったら、当日の新聞でした。前日のアメリカ市場は下がっていたし、3連休前の手仕舞い売りである程度下がることは予想していましたが、まさか一日おいて再び1000円級の急落が続くとは、思いもよりませんでした。これだけ暴落が続くと、大幅な含み損銘柄がたくさんあります。含み損だからという理由は別として、それらの銘柄は割安なものばかりですので、売却したくなくなってしまいます。しかし持ち株以外にも、割安な銘柄がたくさんありますので、ここは冷静に考えるべき時ですね。レジなどで行列が出来ている時には、一番空いているレジに並ぶと思います。(中には、気に入った店員で選ぶ人もいるでしょうが。)しかし暫くすると、隣のレジの方が、進み方が速いことに気付きます。良く見ると自分が並んでいる列のレジの店員は新人らしく、要領が悪いようです。それに引き換え隣のレジの店員はベテランで、テキパキと手際よく処理していきます。このまま並んでいても、いずれ順番は回ってきますが、明らかに隣のレジに並び替えた方が、速そうです。こういう時に、あなたは隣のレジの行列に並び替えますか?株式投資でも同じだと思います。当初投資する時、A社とB社を検討したとします。2社を比較したら、A社の方が優れていると判断しました。しかしA社には割安感が無く、B社の方が割安だったため、B社に投資しました。(この判断には賛否あると思います。)後に市場全体が暴落したため、A社が割安になったのであれば、たとえB社が現在割安であったとしても、B社からA社に乗り換えるべきだと思います。今はそういうタイミングです。理想のポートフォリオを構築するチャンスですので、保有銘柄を点検しましょう。今なら好きな銘柄を選べますよ。
2008.10.11
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よく投資で成功するには、自分にあった投資方法を確立し、それを守ることが大切だと言われます。自分にあった投資方法とは、どういうことなのかについて、考えてみました。自分なりの投資方法を確立する目的は、自分の勝ちパターンを作ることだと思います。自分の勝ちパターンの時にのみ勝負することにより、勝利できる可能性を高めることができます。それでは、「自分にあっている」とは、どういうことでしょうか?無理なく継続できる、ということだと思います。たとえ勝ちパターンを見つけても、それを実行することが困難であれば、あまり役には立ちません。無理なく継続するためには、次のような点を考慮する必要があります。・面白いか・面倒くさくないか私は、自分が面白いと感じる方法を優先しています。そのため継続することは、通常は比較的容易です。(アーバンの場合は、銘柄に惚れて特別扱いしてしまったために、自分の方法を守れませんでした。)面白いと感じることと勝てる方法とは、必ずしも一致しない可能性もあります。しかし基本的には、勝てなければ面白くありませんので、上達しようという意欲さえ失わなければ、面白さの追求でも構わないと思っています。ただし、より良い方法があったとしても、そのやり方を面倒くさいと感じたり、好みのやり方でない場合には、採用しません。本来であれば好き嫌いに関わらず、より良い方法を身に着ける努力をしなければいけません。このあたりは、私の甘さだと認識しています。具体的な成果を経験すると、面白くなってくるかもしれないので、新しいアイディアは試してみるようにしています。さて、一口に投資方法と言って来ましたが、投資方法には3つの要素があり、互いに関係し合っていると思います。・投資哲学・投資手法・投資基準/売買基準それぞれ、絶対に守る必要があるのかを含めて、私なりの考えをまとめます。1つめは、すこし大げさな表現ですが、投資哲学です。株式市場や投資に対する見方や考え方、そしてそれを反映した、投資における行動指針のようなものです。当ブログの、「株式投資ゲームとは」と「投資の心得」のカテゴリのような内容です。これは、性格にあっている必要がありますし、自分の考え方を堅持すべきだと思います。2つめは、投資手法です。デイトレードなのか、バリュー投資なのかといったものです。これも、自分の置かれた環境や資質により、適した手法は異なります。昼間働いている人にとっては、デイトレードは無理があるでしょう。私の場合は、環境的にはデイトレードも可能ですが、能力がありません。性格的に、気長に辛抱強く待つことが出来る反面、瞬間的に反応することは苦手だからです。自分なりの適正価格をもとに、中長期投資をすることが中心です。またその同じ銘柄で、スウィングトレードも行っています。複数の手法を使うことに反対ではありませんが、まずはひとつの手法をマスターすることが先決ですね。マスターしていないにもかかわらず、次から次といろいろな手法に目移りすることは、避けるべきだと思います。3つめは、銘柄選定等の投資基準や、売買株価やタイミング,株数等に関する売買基準です。投資ルールという言葉が広く使われています。私にとってルールというのは、そのゲームの参加者全員が従わなければいけない、共通の決まりごと、と感じてしまうので違和感があるのですが、一般にいう投資ルールというのは、売買基準や投資基準のことではないかと想像しています。(もっと広い意味かな?)厳密に基準を決めていて、それを確実に実行することが出来る人は、偉いと思います。しかし私の場合、それではゲームが面白くありません。基本的な基準をもっていることは必要ですが、ある程度の裁量の余地があり、その都度考えて出した結論が正解だった場合に、喜びを感じます。そもそも、完璧な基準を作れるとは、期待していません。したがって、私は基本的なガイドラインとしての基準をもっていますが、杓子定規には拘らない方針です。(反論があるでしょうね)それでは基準を軽視しているのかというと、そんなことはありません。私が基準に求めているのは、大敗をしないための仕組みです。日常の投資行動では裁量が入ってよいと思いますが、大敗を避けるための仕組みづくりとして、基準を利用したいと考えています。すなわち私の基準には、日常の投資活動におけるガイドラインと、致命傷を避けるために絶対に死守すべき基準の、2種類があります。以上、自分なりの投資方法について、振り返ってみました。まだまだ未完成ではありますが、実戦のなかで調整していきたいと思います。
2008.10.06
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10万アクセスを達成いたしました。普段あまり読者のことは気にせず、自分本位で書いているのにも関わらず、多くの方に読んでいただきまして、感謝いたします。特に、コメントを頂いた時には、すごく励みになりました。さて、「敗軍の将、兵を語る」の最終回です。アーバン敗戦の主因は、自分の投資哲学を守れなかったことです。しかし投資手法にも、一部問題がありましたので、以下の変更を加えました。(1)中核部隊の廃止各銘柄への自信の強さに応じて、偵察隊/通常部隊/主力部隊/中核部隊 に分けています。初めて買い付けるときは偵察隊で、その後自信が強まるにしたがって、偵察隊→通常部隊→主力部隊→中核部隊 と昇格していきます。※機動部隊という言葉は、短期売買を意図した場合であり、自信の強さとは別の概念です。偵察隊/通常部隊/主力部隊については、ポジションの大きさが違うだけで、売却条件は同じです。簡単に説明すると、適正価格になったら売却します。(イベントの発生や時期が売却条件になっている場合もあります。)中核部隊の場合には、バブル価格(=適正価格の2倍)になるまで売却しないことにしていました。中核部隊になることはめったになく、過去に2銘柄だけです。しかし私の銘柄評価の精度は、それほど高くはないと判断すべきだと思います。そこまで信頼を置くことは、銘柄に惚れている証拠とも考えられます。そこで、中核部隊の位置づけを廃止しました。ちなみに、アーバンが中核部隊でなかった場合には、2005年12月~2006年1月のライブドアショック前あたりに、売却していたことになります。(売買基準としてはね。その通りに売却行動をとれたかどうかは、別問題ですけど。)(2)1銘柄あたりの最大ポジション30%売却条件にならない限り売却しない、という方針があります。アーバンは中核部隊という位置づけだったため、適正価格の2倍を売却条件としていました。そのため、株価が40倍になっても売却条件に達しませんでした。その結果、ポートフォリオ内でのアーバンの割合が、長期間に渡って半分以上になっていました。一方、私は本来は分散投資派です。ここに矛盾が生じていました。売却条件を守るか、分散投資を貫くか、ずっと悩んでいました。アーバン敗戦の影響の大きさを考え、1銘柄あたりの最大ポジションは、30%以下とします。株価上昇により30%を超えたら、超えた分を売却することにします。なお、30%という数字は、資産状況により変更する予定です。再び資産を増やせて守りを固める局面になった暁には、最大ポジションを小さくするつもりです。(3)ピークからの株価下落20%で、一旦売却かつては、株価下落による売却条件はありませんでした。しかし理由も無くじりじりと下落する場合には、私が認識していない悪材料があるかもしれません。そこで長期保有銘柄で、直近高値から20%下落したら、売却することにします。主力部隊では半分売却し、それ以外では一旦すべて売却します。今回で、「敗軍の将、兵を語る」シリーズは終了です。これを教訓に、同じ過ちはしないことを誓います。 第1回:アーバンを売れなかった理由 第2回:過去1年の各時点で、アーバンについて考えていたこと 第3回:アーバン敗戦から学んだこと 第4回:アーバン敗戦による投資手法の変更
2008.09.25
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私は長期保有銘柄で、短期回転売買を行っています。たとえば長期分として、1000株保有していたとします。その銘柄をさらに300株短期分として買い増し、値上がり後に資金回収する、或いは300株を売却し、株価が下がってから買い戻す、といった感じです。短期回転売買を長期保有銘柄と同じ銘柄で行う理由は、長年同じ銘柄を見ていると、株価の動きがわかりやすくなる場合があるためです。回転売買を行う場合、キャッシュポジションを増やすことを優先する場合と、長期保有分としての株数を増やすことを優先する場合があります。実際には売りから入る場合が多いのですが、買いから入った場合で説明します。私の1回の買付金額は、100万円程度です。たとえば株価が800円であれば、1200株買い付けます。株価が1000円になったところで、売却するとします。この時何株売却するのかが、今日のテーマです。キャッシュポジションを増やすことを優先する場合には、短期分として購入した1200株を売却します。この結果、200円 x 1200株 = 24万円 キャッシュポジションが増えることになります。株数を増やすことを優先する場合には、購入金額と同等分の株数だけ売却し、資金回収します。この例ですと、1000株(100万円)を売却します。その結果、株数は200株増加します。なお株数を増加させるために、キャッシュポジションを減らしているわけではないことに、ご注目ください。キャッシュポジションの増加と、株数の増加のどちらを優先するのかは、全体的な株式市場の相場観によって決めています。(ポートフォリオの観点から、各銘柄をどの程度保有するのかという側面も、別途考慮します。)たとえば金融不安などにより急落が頻繁におこるような環境においは、急落時に買い増しできるようにするため、キャッシュポジションを多く持つようにします。乱高下はあまりしなくなり、不景気などにより株価が低迷しているような場合には、将来の株価上昇に備えて株数を増やすことを優先します。現在の環境は、金融波乱は最終局面に近づき、徐々に不景気下での株価低迷局面に入っていくのではないかと思います。したがって、株数の増加に比重を移そうと考えています。
2008.08.12
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おいしいカブの塩漬けの作り方をご存知ですか?塩漬けができるためには、望ましい環境があります。それは、初期のうちに悪材料が判明しないことです。あっさりと株主の期待を裏切るようなカブでは、おいしい塩漬けは作れません。以前「ゆで蛙」でも書いたとおり、悪材料が出たときには、損切りは容易です。しかし理由がわからないまま、株価がずるずると下落していくと、損切りが難しくなります。これが塩漬けの作成にとって、好ましい環境となります。それでは、塩漬けが作成される典型的なパターンを、ご紹介しましょう。フェイズ1:株価がゆっくりと下落し続ける理由もなく(本当は知らないだけ)、株価が徐々に下落し続けます。バリュー投資家にとっては、企業価値は変わっていないのに、株価が下落しているわけですから、魅力が増したと考えます。買い増しを検討こそすれ、売却しようとは思いません。フェイズ2:下方修正が発表されるそのうち下方修正が発表されます。しかし既に株価は大幅に下落しており、下方修正分は株価に織り込まれていると感じます。現在の株価であれば割安だと考えて、保持し続けます。フェイズ3:再度下方修正が発表されるたいていの場合、下方修正は一度だけでは終わりません。再度下方修正されることが多いものです。ここに至って、業績の悪化が鮮明になります。しかし株価が大幅に下落した結果、配当利回りは高くなっています。そこで配当利回り株として、保有し続けても良いと考えるようになります。(当初購入した時の理由とは、変わってしまいました。)いずれ業績が好転して、株価も上がることを期待しながら...フェイズ4:減配が発表されるそうこうしているうちに、業績の悪化に伴い、減配が発表されます。その結果、配当利回り株としても、魅力が失われます。株価の値下がりにより、ポートフォリオ内での比率も小さくなっていますので、もうどうでも良くなってきます。そのまま放置です。こうしてめでたく、カブの塩漬けのできあがりです。
2008.06.20
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昨年夏以降、サブプライムローン問題に端を発した世界的な金融不安の影響で、私は資産を大きく減らしてしまいました。しかしこの期間中も、売買行動を起こしたものに限定すると、利益を出しています。売買行動を起こしたものというのは、短期売買で購入してから売却するまでの損益や、もともとの保有銘柄を一旦売却してから買い戻す(いわゆる現物つなぎ売り)までの損益を指します。売り切って買い戻さなかった場合には、売却時とその数ヵ月後の株価を比較しています。すなわち、何もしなかった場合と比較して、売買行動を起こしたことにより、資産がどう変動したのかを集計したものです。この結果からは、私の場合は積極的に売買をしたほうが、良い結果がもたらされています。特に成績が良かったのは、長年の保有銘柄での回転売買です。長年同じ銘柄を観察していると、値動きを読みやすくなるためだと思います。残念ながら、資金量としては何も売買せずにただ保有し続けていたものの方が圧倒的に大きかったため、運用資産全体では大きな損失となっています。私には短期売買の方が向いているのでしょうか?前回のブログでも書きましたが、私が大きく資産を増やせたのは、むやみに売買せずに、利益を大きく伸ばせたからであることは、紛れも無い事実です。この相反する事象を、どのように解釈すべきでしょうか?相場環境により、適した売買手法は異なるのだと、解釈しています。上昇相場では、長期投資でじっとしていることが、大きく利益を伸ばす源泉です。一方波乱相場では、機動的な短期売買の方が、適しているように感じます。あくまでも、”私の実績では” というだけであり、普遍的なものではないかもしれませんけど。一般的には、上昇相場で出来高は大きくなります。上昇相場に短期売買が増えるということを意味します。これは私の判断とは逆ですね。私は昨年8月以降、「当分不安定な相場環境が続くので、短期売買に徹する」という方針で臨んできました。この相場認識自体は正しかったのですが、実際の投資行動としては、売買の頻度を増やしただけで、もともと保有しているポジションを減らさなかったことが、反省点です。 (自分の基準に従わず、適切な対応を怠ったということの方が、もっと大きな反省点ですが)私のポジションは、銘柄の位置づけにより、いくつかに分かれています。想定保有期間と自信の強さのマトリックスになっているのですが、大別すると・中核部隊(長期投資用)・機動部隊(短期投資用)・予備兵力(キャッシュポジション)となります。この3種類には、それぞれ資金割り当て目標を定めており、相場認識に応じて資金割り当ての比率を変更することを、基本としています。なぜ昨年夏に比率を変更しなかったのか、自分でもわかりません。将来に備え、どういう場合に、どのように割り当てを変更するのかというガイドラインを、検討したいと思っています。※同じ銘柄が、長期投資用と短期投資用の両方に属している場合があります。たとえば、A社の1万株までが長期投資用で、それを越す部分が短期投資用、という感じです。昨年夏以降は、この短期投資枠を使った、数日から数週間程度の回転売買の戦績が、良いようです。
2008.05.07
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心当たりの無い小包が送られてきました。開けてみたら、中に四季報のCD-ROM が入っていました。IR情報配信サービス登録キャンペーンに当たったそうです。(ラッキー)子供の頃から、懸賞には当たったためしがなかったので、当たるなんて考えてもいませんでした。応募したことすら覚えていません。IR情報配信サービスに登録したら、自動的にキャンペーンにも登録されたような気がします。どう使えば、効果的なんでしょうね。やはりフィルタリングでしょうか?私はこれまで、フィルタリングをしたことがありません。何らかの理由で目に付いた会社を調査し、有望だと思ったら適性株価を算出して、割安ならチャートでタイミングをはかる、という手法でやってきました。7年前までは、紙の四季報を最初から最後まで読んだりもしていましたが。始めにフィルタリングで候補を絞る場合は、どんな指標でフィルターすればいいのでしょうね。いろいろと、試してみようと思います。それ以外にも、便利な使い方をご存知の方がいましたら、教えてください。
2008.03.21
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損切りって、難しいですよね。適正株価を算出し、現在の株価が適正株価よりも低い銘柄を購入するタイプの、いわゆるバリュー投資家にとっては、損切りは特に難しいと思います。なぜならば、株価が安くなればなるほど、より割安で魅力的となるため、売却という発想は出てこないからです。私も、認めてもらえないかもしれませんが、バリュー投資家のはしくれだと思います。需給論者ですし株式投資をゲームととらえていますので、マインド的にはかなりバリュー投資家とはずれていると思いますが、手法的にはバリュー投資をメインに採用していますので、損切りは苦手です。成功した場合の売却条件は、適正価格になった時ですので、簡単です。失敗した場合の売却条件は、以下の3通りがあります。・当初定めた悪環境になった時・当初見込みと状況が変わったことにより、適正株価が下がり、 時価が割安では無くなった時・その他、とにかく失敗したと思った時比較的わかりやすい失敗の認識は、下方修正です。下方修正の内容を吟味し、もはや割安ではないと判断した場合には、即座に撤退できます。その他、状況が急に悪化した場合などは、比較的判断は容易です。厄介なのは、理由がわからないまま、株価がずるずるとゆるやかに下落を続ける場合です。理由がわからないので、適正株価は当初算出したままであり、株価の下落にしたがって割安度が増していきます。その結果撤退できずに(むしろ買い増したい衝動に駆られます)、気がつくと株価は半値以下になっていることがあります。まるで「ゆで蛙」ですね。蛙は、沸騰したお湯にに入れると、すぐに飛び出して逃げられるそうです。しかし最初は水に蛙を入れてから、徐々に熱していくと、逃げることなく茹で上がって死んでしまうそうです。私の投資行動みたいです。私はこれまで、株価動向を理由にした失敗の認識については、基準を作っていませんでしたが、・理由も無くじりじり下落を続ける場合(保有期間が比較的長めの銘柄)・安いと思った買値から、更に下落した場合(購入後まもなく)について、撤退条件(市場全体の状況や銘柄の位置付けにより、何%下落したら持ち株の何割売却するか)を検討中です。
2008.02.29
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昨日は、URBAN の配当の急成長ぶりに驚きました。URBAN は私にとって最重要銘柄なのですが、こんなに配当が増えていたことを、はずかしながら昨日初めて知りました。株式投資からのリターンには、キャピタルゲインとインカムゲインがあります。これまで私は投資先を選定する時、銘柄によりキャピタルゲイン目的とインカムゲイン目的を、はっきりと分けて考えていました。たとえば REIT の場合には、インカムゲイン目的です。この場合は、最初から配当利回りを意識しています。一方、成長株の場合は、キャピタルゲイン目的です。成長株の場合、一般的に資金需要が旺盛なため、配当利回りは小さくなりがちです。また株価が数倍になることを夢見て投資していますので、1%程度の配当利回りは、誤差のうちと思えてしまいます。そのため、株価の上昇にだけ注目し、配当は無視する傾向にありました。しかし今回改めて、配当が成長するということの重要性を、再認識しました。昨日のブログで、「今後は、配当の成長も意識するようにしようと思います。」と書きました。しかし具体的にどう投資行動に反映させるのかは、難しそうです。将来配当が成長していくためには、利益が成長していく必要があります。すなわち、これまでやってきた成長株投資と、変わりはありません。バリュエーション面では、配当金額を反映させること(配当割引モデルの採用)は考えられますが、それにより実用上バリュエーション手法の精度が向上するのか、疑問です。結局のところ、今回の私にとっての新たな発見により、投資手法は大きく変わらないと思います。ただし、低成長ながら毎年増配を続けている優良企業に対しては、評価を高めてもいいかなと感じています。この場合は、割引率で反映させるつもりです。さて、今年の株式投資ゲームは終了しました。私にとっては、後半戦はつまらないゲーム展開でした。来年こそは、面白いゲーム展開になりますように。皆さん、良いお年を。
2007.12.29
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投資家モーちゃんさんが、優良成長企業の一株配当の推移について、書かれています。8年間でキャノンが 9.73倍、ホンダが 7.48倍、日信工業は9倍になっているそうです。凄いですね。私の中核銘柄である、アーバンコーポレイションについて調べてみました。初めて買ったのは 2001年ですが、それ以降の推移は以下のようになっていました。なお一株配当は、その後の株式分割を考慮して調整してあります。( )内は、調整前の中間期と期末配当、および株式分割実施履歴です。期末 一株配当2001.3 0.35 (0+3.5)2002.3 0.7 (0+7)2003.3 1.0 (0+10)2004.3 2.0 (0+20)2005.3 3.5 (5+15、2004.12 1:2 分割)2006.3 12.0 (10+10、2006.2 1:5 分割)2007.3 25.0 (5+20)6年間増加率 7143% (年平均成長率:約2倍)驚くべきことに、年平均2倍以上成長し、6年間で70倍以上になっています。債権の場合は満期までクーポンは一定です。2%なら満期まで2%のままです。しかし配当の場合は、企業の成長とともに、配当も成長していく楽しみがあります。(減配や無配の可能性もありますが)このことを頭の中では理解していましたが、改めて実感しました。私は成長企業が好みなのですが、ともすれば株価の上昇にばかり注目して、配当は軽視しがちでした。今後は、配当の成長も意識するようにしようと思います。
2007.12.28
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ここ数年、システムトレードが流行っているようですね。投資手法にはいろいろありますが、「判断」という切り口では、システムトレードと裁量トレードに大別できると思います。システムトレードにおいては、 1.十分な検証を通じ、有効なシステムを開発する。 2.そのシステムの指示にしたがって、忠実にトレードする。ということが重要になります。しかし私には、2番目ができないと思います。私は自分で考えた作戦の結果、勝つことに喜びを感じます。自分の判断が正しかったことを、証明されることが、楽しいのです。ゲームを後ろで見ている人の指示通りに駒を動かした結果勝っても、楽しくありません。(資産を増やすという本来の目的とは、ずれているとは思いますが)また、元々SEだったため、プログラムのバグや不完全な仕様に悩まされてきたことも、影響しているのかもしれません。盲目的にシステムを信用できないのです。このような理由で、私は典型的な裁量トレーダーです。(一応自分なりの手法を持っていますけどね)しかし、システムトレードの有効性を否定しているわけではありません。人間は非合理的な行動をとってしまうものです。感情を廃し、システムの指示に忠実にしたがっていれば、大きなミスを避けることが出来るかもしれません。システムトレードの価値は、この点にあると考えます。言い換えると、裁量トレードの弱点も、ここにあります。裁量トレードにおいて重要なことは、自分の心をコントロールすることです。非合理的な行動をとってしまった場合でも、心の奥底では、正しい答えがわかっていると思います。単に邪念が入り、本心が見えなくなったり、自分の心を偽っているのだと思います。私は、「自分の心に正直でいられるか」 を最重要視しています。
2007.10.12
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出来高が少ない銘柄を売買するときには、成行注文を出すと、とんでもない値段で約定する場合があります。したがって、指値で売買するのが一般的です。しかし流動性が低い銘柄だからこそ、売れるチャンスを確実にとらえるためには、成行注文を使った方がいい場合もあると気づきました。先日前場で、出来高が少ない銘柄を、378円で3000株売り注文を出しました。私が注文を出す前には、378円の売り注文は2000株入っていて、私の注文後には5000株になりました。378円で5000株以上出来れば、私の売却注文は約定されるはずでした。午後2時頃に Yahoo Finance で株価を確認したら、378円での約定があり、出来高も結構増えています。5分間チャートを見ると、後場寄付きに 378円で 6000株出来たようです。当然私の売却注文は約定したものと思っていましたが、約定しませんでした。いったい何が起きたのでしょうか?株価の決定方式としては、板寄せ方式とザラバ方式があります。前場や後場の始値と終値の決定は、板寄せ方式を採用しています。板寄せ方式では、次の3条件により値決めをします。・成行注文がすべて売買できる・約定値段より高い買い注文と安い売り注文が、すべて売買できる・約定値段で、売り/買いどちらかの注文をすべて執行でき、他方も1単元以上売買できる。 ※より詳しく知りたい方は、こちらをご参照ください。 これはカブドットコム証券のPTSでの説明ですが、東証などと同じ方式です。この条件で考えると、私の注文が約定しなかった理由は、後場寄付直前の板情報を見て、誰かが成行売り注文を入れたとしか考えられません。例えば、 売りA 378円で2000株 売りB 378円で3000株(私の注文) 買いA 378円で6000株となっているところに、4000株の成行売り注文をいれたと推測できます。この場合、成行売り注文4000株と、売り注文Aの2000株だけが約定します。結局私の注文は約定せず、翌週に指値を下げることにより売却できました。出来高が少ない銘柄では、売買するのに苦労します。希望の価格で売買できるチャンスがあれば、確実にものにしたいところです。前場と後場の寄付きでは、板状況によって成行注文を利用することも、有効だと感じました。
2007.06.09
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昨日の日記のコメントで、DCF法で企業価値を求める際の割引率として、最適資本構成から求めたWACCを使うべきであるという見解の根拠について、ご質問をいただきました。興味深い内容ですので、今日のテーマとして取り上げたいと思います。なお、私の個人的な見解が多分に含まれている可能性があることを、予めお断りしておきます。DCF法では、現在価値は次の式で算出されます。 現在価値(PV) = キャッシュフロー(C) ÷ 割引率(r)ここで割引率は、投資家の期待収益率になります。キャッシュフローを産み出す元となる資金を、全額株主資本でまかなっている場合には、割引率は株主の期待する収益率である、株主資本コストとなります。負債の場合のコストは、金利に節税効果を考慮したものとなります。株主資本と負債が混ざっている場合は、この2つのコストを比率に応じて加重平均したものを全体の資本コストとし、WACC と呼びます。返済の確実性が高い負債の方がコストは低いため、一般的には負債の比率が高いほうが、WACC は低くなります。割引率であるWACC が低いということは、現在価値は高くなります。ここからが今日の本題です。WACC を求める際の株主資本と負債の比率は、一般的には現実の比率を使うことが多いと思います。これに対して、最適な資本構成の比率を用いるべきだという見解もあります。私の見解としては、最適な資本構成を求められるのであれば、それを用いるべきだと考えます。まったく同じ収益力を持つ、A社とB社があったとします。この場合、A社とB社の持つ本来の事業価値は、同じですよね。仮に100の事業価値があるとします。ここで、A社は無借金でB社は50の負債があるとします。A社を買収する場合は、100以下で買収すれば、ペイします。B社を買収する場合は、負債も負担しなければいけないので、100-50=50 で買収すればペイすることになります。ここで、B社買収における実質的な負担額は、負債も引き継ぐのでやはり100であることに、ご注意ください。A社とB社同じですね。買収者は、B社に100の資金をつぎ込んだとします。うち50は、買収の際旧株主に支払いましたので、残り50をB社への増資の形にしました。B社はこのお金で、負債を返済し、無借金になりました。この時点で、A社とB社は収益力も資本構成も同じになっています。買収によりつぎ込んだ金額も同じです。負債返済前と後で、B社の事業自体には何も変化はありません。すなわち事業の価値は変わっていません。何を言いたいかというと、事業本来が持っている価値は、資本構成によって変わらないという点です。現状の資本構成からWACCを求めると、同じ事業でも資本構成によってWACCが変わってしまい、算出される事業価値も異なってしまいます。私は事業内容が全く同じであれば、事業価値は同じであるべきだと考えます。したがって、最適な資本構成があると仮定して(=WACCは一定)、それで割引くのが適切なのではないかと考えます。それでは、最適な資本構成はどうやって求めればいいのでしょうか?残念ながら、最適な資本構成の求め方は、確立されていないと思います。(私が知らないだけかもしれませんが)考え方としては、収入の安定度に依存します。元利払いが確実であれば、資本コストが低い負債を増やすべきです。このあたりは、確実な利益が見込めるのであれば、信用取引などでレバレッジをかけるべきだというのと、同じことですね。収入が不確実で返済に不安があれば、返済の必要がない株主資本の割合を増やすことになります。すなわち最適資本構成は、事業内容ごとに異なります。このサジ加減をどうすべきかという理論は、確立されていないと思います。しかたがないので、現実の資本構成で代用して、WACCを求めているというのが、実態ではないかと推測します。
2006.09.10
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○田×男さんが、分散投資と集中投資について、考察されています。○田×男さんは、多くの個人投資家の投資手法を分析し、わかりやすく整理されており、参考になります。「分散投資と集中投資」興味深いテーマですので、私見を述べさせていただきます。1.投資手法と分析能力による違い個別銘柄について深く分析する手法を用い、しかも分析能力が優れているのであれば、集中投資のほうがリターンは大きくなるでしょう。ただしこの世の中、絶対ということはありませんので、不測の事態に備えて、最低でも3社くらいには分散したほうが良いと思います。一方、ある程度の分析結果をもとに、勝率の高そうな銘柄に投資する場合には、分散投資するほうが良いと思います。2.投資家の置かれた状況や、目標による違い少ない資金で投資を開始したばかりの状況であれば、資金的に分散は難しいかもしれません。次に、これが一番重要な事ですが、どれだけのリターンを目指すのかによります。私の例ですと、早期にサラリーマンを止めて専業投資家になるためには、資金を高利回りで運用する必要がありました。すなわちハイリターンを目指していました。そのためには、ある程度のリスクも覚悟しなければいけません。ハイリスク・ハイリターンを目指す場合には、・集中投資・信用取引によるレバレッジ (私は採用していません)・投資対象は、低PER低PBR銘柄より、成長株 (または大穴株?)というような感じになると思います。私の場合は、銘柄数こそ多めかもしれませんが、時価総額的には集中投資型でした。しかし集中か分散かということにこだわっていたわけではありません。集中投資であるのかは、一要素にすぎません。私としては、「攻撃型布陣」をしいているという認識でした。現在は、状況が変わってきました。・給料という定期収入が無くなった。・運用資産を急成長させるよりは、堅実な成長で満足できるようになった。事により、「攻撃型布陣」から、徐々に「バランス型布陣」に変えようとしています。重要なことは、・どれだけの利回りを目標としているのか明確か?・目標に合ったポートフォリオになっているか?・自分がとっているリスクを認識しているか?という点だと思います。
2006.08.27
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これまで、株式投資ゲームのルールとしくみについて、ご紹介してきました。ここまでの話は、投資手法によらず共通の話です。こういうフィールドを舞台にして、プレイしていくことになります。株式市場のプレイヤー達は、長期投資やデイトレード,うねりとり,順張りや逆張り,さやとりなど、期間や手法といったプレイの仕方は千差万別です。同じフィールドで違うゲームをやっているといってもいいくらいです。だからこそ、同じ瞬間に売る人と買う人がいて売買が成立し、マーケットが成り立つのでしょう。特定のやり方が優れているということはありません。いろいろなやり方で名人がいます。それぞれ自分にあった手法を確立しています。比較的皆に共通している点を挙げるとすると、常に冷静で合理的な判断がくだせるよう、自分の心をコントロールできていることだと思います。明日から、合理的な判断を下すのに役立つ考え方について、記したいと思います。考え方を理解していただくにあたり、私の投資スタイルについて、簡単にご紹介しておいたほうが良いでしょう。私はゲーマーであり、ポイントを獲得できるチャンスがあれば、手法にはこだわりません。しかし得手不得手があり、私の場合売買がへたです。有利な状況以外では、勝負を挑みたくはありませんので、投資スタイルは長期が主流になります。大まかには次の3通りに大別できます。(1)短期(投資期間:数ヶ月~半年)オリンピック、猛暑、SARS、花粉症など、イベントや時事に関連して投資します。イベントが終わる前に、売却します。株価が急騰したら、すぐに売却します。例:後発医薬品普及のための処方箋変更を材料とした、沢井製薬への投資。 (後発医薬品の普及自体は、長期に渡るテーマですが)その他特殊ケースとして、TOB に便乗したり、売り残の踏み上げをねらうこともあります。(投資期間:数日~数週間)例:すかいらーくのMBO や、昨年末のサンマルク(ホールディング化のため上場廃止前に、売り残の買戻し)が挙げられます。本日はTOBが発表されたユニダックスへの買い注文を入れていますが、おいしい値段では買えそうにありません。(2)中期(投資期間:2年程度)景気循環や市況などの底入れで買い、ピーク手前で売ります。素材や半導体関連など、景気循環株で採用します。上昇トレンドが崩れたら、売却します。急騰したら、うねりとりをします。買い戻せなくても、深追いはしません。例:金属市況高騰を見込んだ住友金属鉱山や、JFEが挙げられます。(3)長期(投資期間:無期限)すごく気に入った企業(私は本命とか中核銘柄と呼んでいます)に投資します。主に成長企業です。気に入った理由がなくなった時に売却します。明らかなバブルになった時には、売却します。割安感がなくなっても、それだけの理由では売却しません。うねりとりもしません。例:わが中核銘柄である、アーバンコーポレーションが該当します。一応3通りのやり方をしていますが、実績を見ると、利益のほとんどは長期投資の中核銘柄によるものです。特に短期投資は、投入金額があまり多くないこともあり、大して利益には貢献していません。単にプレイするのが楽しいから、売買しているような気がします。(短期で予想があたると、気持ちいいのです)自分の投資スタイルの本質は、割安成長株への長期投資だと思っています。今後ご紹介する心得の多くは、長期投資をベースにしたものであると、お考えください。
2006.07.04
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