PR
カテゴリ
カレンダー
コメント新着
キーワードサーチ
市進の分析第5回目です。
本日も、第4回と同じく四半期P/Lからの分析を行います。
まだまだ財務諸表の数字を味わいつくすこともできそうですが、今回で数字の面からの分析は一区切りをつけます。
そして、私用で明日から1週間ほど留守にしますので、その間更新はないと思います。
(こんなマイナーなブログをチェックしている人もあまりいないでしょうが・・・)
さて、総費用=売上高-経常利益、と定義し、四半期ごとの売上高と総費用をグラフにプロットすると、線形な関係が得られます(1決算期につき4点プロット)。
プロットした4点を直線でフィッティングしたときの式を
y=ax+b
x:売上高
y:総費用
としたとき、aが変動費率、bは年間固定費の額になります。
このように業績を固定費と変動費率に分けて分析する手法を 固変分解 といいます。
経営分析の手法としては定番ですが、なぜか投資の分析として話題に上ってくることが少ないようです。(だからこそ価値があると私は考えています)
企業の事業構造を理解する上では必須の分析だと私は考えています。
知っている方、偉そうに説明してすいません。
言葉だけでは分かりづらいので市進の06年3月期の数字でやってみましょう。
この表をプロット&フィッティングすると・・・

つまり、年間固定費は37億円ほどで変動費率は約0.21です。
固定費の割合が高いですね。
直線が結構、プロットした点から離れているように見えますが、相関の強さを表す決定係数R^2は0.58程度。
相関係数Rに直すと0.76ですから、一応「強い相関がある」状態ですので、年間固定費37億、変動費率0.20というのはまあ信頼して良さそうです。
ちなみに05年3月期に対しても同様な計算を行った結果は、
変動費率 0.22
年間固定費 3,575百万円
相関係数 0.67
と、06年3月期とほぼ同様な結果でした。
06年3月期の四半期あたりの損益分岐点売上高は
固定費-(1-変動費率)=3702.3/(1-0.2051)≒4658
となりますので、年間では4倍して18,630百万円です。
これをもとに損益ポジション倍率を求めますと、
損益ポジション倍率=実際の売上高/損益分岐点売上高
=19,800/18,630
=1.06
と、たった約6%の売上高減少により赤字に陥ってしまう事業構造であるということが分かります。
ここで約に立つ指標が、売上高が1%変動したときに経常利益が何%変動するかの目安になる、「弾力係数」です(出典: ほんとうによくわかる株式投資 )。
弾力係数=(年間固定費+経常利益)/経常利益
市進の06年3月期について計算してみますと、
弾力係数=(3,702+930)/930=16.92 (単位:倍)
となります。この数字は 極めて高い と言えます。売上が1%変動すれば、経常利益が16.92%も変動することを意味しますので。
つまり市進は事業構造的に、業績予想修正が起こりやすい(上にも下にも)企業であるということが分かりました。
しかし、それにしても16.92倍という数字は感覚的に過大のように思われます。
固変分解のときに相関係数が0.7前後でしたが、この程度では信頼性が低いのかもしれません。
売上高に四半期依存性がある場合、どうしてもこの相関係数は低めになってしまいますので、最小二乗法を用いた固変分解の適用には限界があるかもしれません。
とは言え、大きくはずしてはないと思われるので、市進は業績修正が起きやすい事業構造をしているのは間違いなさそうです。
他の学習塾でもそうなのか、引き続き調査していく必要があります。
業界全体としてそういう傾向があるとすれば、学習塾への投資は思ったよりハイリスクということになってしまいます。
所詮、財務諸表の数字からしか判断してません。
実際にどの程度業績修正を出しているか、売上高予想はどの程度の精度があるのかといった視点で過去の実績を調べていけばある程度の傾向は分かると思われます。
学習塾というのは、数年間以上継続して通う生徒が一定割合存在する、言わば「セミストック型」ビジネスであることを考えると、売上高の予想精度は比較的高く、利益が振れやすい事業構造だとしても結果としてはそれほどの利益変動はないのではないかと想像しています。
これで詳細に調べていくためのバックデータがほぼ揃いましたので、あとは決算書の数字以外の部分や業界環境、他社の情報なども調べていきたいと思います。
SHOEI:岩手地震の影響なし 2008.06.16 コメント(1)
はま寿司はゼンショー傘下だったのか・・・ 2008.05.16
隠れたブランド品:DUNLOP FORT 2008.04.22 コメント(1)