今日のまとめ
IMFの「アーティクル・フォー」が発表された
国際通貨基金(IMF)がインドの年次協議報告書(Article IV Consultation)を発表しました。
2004年から2009年にかけて年率8.5%で成長してきたインド経済は現在年率+5.4%程度(2012~2013会計年度)に下がってきています。

IMFはインドの経済成長が伸び悩んでいる原因として電力不足などの構造的な問題、ならびに政府の政策がビジネス・フレンドリーではないことなどを指摘しています。
インドの物価は他の新興国の平均に比べて3パーセンテージ・ポイントほど高い状態が続いています。

インドは輸入超過に陥っています。

また経常赤字も慢性的に悪い状態が続いています。

また政府の財政赤字体質も遅々として改善していません。

インド政府はこうした落胆すべき経済のパフォーマンスに鑑み、一連の改革を打ち出しています。具体的にはディーゼルの統制価格の値上げ、LPガスへの補助金に数量制限を設けること、政府系送電会社の債務の再編、内閣に大型プロジェクトに関する一本化した窓口を設けることなどです。
インドの現在の外貨準備高は約2,900億ドルです。これは去年の3,050億ドルから減少しています。また毎年輸入額が増えているので外貨準備が輸入の何カ月分をカバーしているか? の比率はどんどん悪化しています。これが4カ月台に突入すると外貨準備の増減で為替が乱高下する状態になりかねません。

インドは経常収支の赤字を外国からの投資で補う形になっています。今のところ海外の投資家はインドの成長ストーリーを信じて継続投資をしています。

しかし外人投資家を本当に安心させるためには小売業の規制緩和をはじめとする、長年の懸案をどんどん処理してゆく必要があると思われます。
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