今日のまとめ
GDP成長率
ブラジルのGDP成長率は2012年の第2四半期に大底を打った後、反転しています。これはブラジル中銀の金利政策が、それまでの物価抑制から経済成長も視野に入れた、バランスの取れたスタンスに変わってきていることを反映していると評価できます。

ブラジルの政策金利であるSELICレートは2011年9月の12.5%をピークに、これまで10回、合計で5.25%引き下げられ、現在、7.25%が維持されています。これは過去最低水準です。
物価
その結果、消費者物価指数はじりじり上昇しはじめています。ただ同国の物価の歴史的な水準を考えると、現在の物価水準はまだ低いと言えます。

鉱工業生産
ブラジルの鉱工業生産は2011年8月以降低迷していましたが、ここへきて加速する兆しを見せています。
消費者信頼感指数
消費者のセンチメントも回復基調にあります。

消費者のセンチメントはここ数カ月の歴史的に低い失業率(4.6%~5.4%)に下支えされています。
ブラジル株式市場
このようにブラジルは景気が加速しつつあり、物価が安定しており、低失業率を背景に消費者のセンチメントも強いにもかかわらず、冴えない展開が続いています。

ブラジル株というと鉄鉱石の輸出などを通じて中国と密接に関係しているというイメージがあります。最近、中国の輸入や工業セクターの活動が鈍いことから、その連想でブラジル株も嫌気されているのです。
しかしブラジル経済の内容は着実に改善しており、ある時点でこの取り残されたマーケットに投資家の見直し買いが入ると考えられます。
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