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           ●特別企画!クロベエ氏の小説・第一部
                  「 犯行場面 - 空地から」



             ---車一台がやっと通れる狭い路地を突っ走ると、空地が現れた。
              車を頭から乗り入れ、力任せにブレーキを踏んだ。


              ハンドブレーキを引くのももどかしく、エンジンを掛け放しの
              まま車から飛び降りる。


第三現場・シートはずす レインコートを脱ぎ捨て、オートバイにかけ寄った。
シワに雨が溜まったボディカバーを一気に捲り上げ、
後方に放る。

右のミラーに引っ掛けておいたヘルメットを掴み、
被っていたハンチング帽を叩き落とした。
ヘルメットを被り、顎ひもを留金に通す。が、
力が入っているのか、かじかんでいるのか。
指先はいうことをきかず、うまく通すことができない。


              「落ち着け・・」私はそう自分に言い聞かせ、深呼吸をした。
              再び顎ひもを留金に通すと、今度は上手くいった。


武者震いする男 オートバイにまたがり、サイドスタンドを蹴り払う。
スロットルを捻ってクラッチをつなげる。

その瞬間、足元から異音が発した。
タイヤが砂利を撥ね散らしていたのだ。
後輪が滑るのも御構いなしに、狭い路地へと
飛び出した。

両側を家々に囲まれた路地は雨が紗を掛けて
                     いた。顔を伏せ気味にして、刑務所方向へと
                     一気に突っ走る。

              左後方に違和感を覚え、顔をひねる。

9:20 シートを引きずって・・ しまった。
放ったはずのボディカバーを引き摺っている
ではないか。

かといって停まって取り外す時間の余裕はない。
標的はすぐそこまで迫ってきているのだ。
待ち構え場所で外すしかないか。

程なく視界が開けた。刑務所前を通る学園通り。
                     路地が終わるぎりぎりのところでオートバイを停める。

              脈拍が上昇し、呼吸が酷く乱れているのがわかる。
              大きく息を吸い、ゆっくりと吐き出した。


現在の第三現場 足元を見遣る。ボディカバーは
サイドスタンドの先端に絡んでいる
ようだ。       どうする? 

余計な事に気をまわしているうちに
標的が通過してしまったら元も子も
ない。

私は舌打ちして、ボディカバーを
外すことを諦めた。
(つづく)

(不定期で掲載します。
 早く先が読みたい方は
                                 「コメント欄」をどうぞ!)
 ▲ その「出動場所 」である「第三現場」の現在。
  (画面、右の奥。 写真提供/クロベエ
氏)

  ※文中写真は  1975年 東映映画 「実録三億円事件・時効成立」 より。





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最終更新日  2010年11月17日 12時00分12秒
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