今回の津波で、愛する家族を失った人々を沢山見てきました。
その方々の気持ちに思いを馳せてしまいます。
家に戻った家族がいるのに、眼下に津波が押し寄せてくるのを、どんな思いで避難所の屋上から眺めていただろう。
戻らぬ我が子を探して、遺体安置所にどんな思いで毎日通っただろう。
変り果てた無残な姿の我が子を、どんな思いで確認しただろう。
わずかな時間差で生死が分かれた事実に、時間を巻き戻せないかと、無理を承知で何度願ったことだろう。
私がどんなに思いを馳せても、ご遺族の悲しみには到底及ばないのです。
私は経験していないからです。
自分がそのような理不尽な悲しみに遭遇したなら、私なら耐えられそうもない。
そうなんです、私はそんなに強くない、弱い、情けない人間なのです。
今まで明るく前向きな記事が書けたのは、そんな壮絶な悲しみに遭遇していないからなんです。
それなのに、人々は
「うちだけじゃないから、みんなが犠牲になったから…」って言う、
けな気に生きる姿に心打たれます。
どんなに悲しくても明日が明ける、辛くても人は生きなきゃならない、
私は自分が見聞きしてきたことをブログに書くだけ、書かずにはいられない、
そんな私が、褒められるのはとても嬉しいけれど、少しだけ後ろめたい気がしてます。
ところで、
一か月前にNHKで「閖上中学校に避難した人々…」と言う特別番組がありました。
避難所で、みんな画面を食い入るように見ていました。
私を含めほとんどの人がそこに避難したからです。
中学校の廊下に、無残にねじ曲がり泥だらけで流れ着いた自転車が写っていましたが、
あれは私の自転車(だと私だけ確信している)。
中学校に逃げて来た時、後ろから津波が迫っているのも知らずに、しっかり鍵をかけてから階段を上りました。
その時点で、津波より盗難を心配していた自分に笑えます。
この番組についてはまた書きたいと思います。
あれから1年8カ月経ちました。 2012.11.13
3.11 避難誘導があだとなった地区 2012.10.22 コメント(3)
この本を読みましたか? 2012.05.06
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