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1996年のアキ・カウリスマキ監督作品です。この作品は公開当時に1度見て、強い印象を持ったので、ふたたび見たいとずっと思っていましたが、見る機会がありませんでした。それにしても、96年公開の作品ならば、那覇に来るのが97~8年までくらいの時期だったと思います。その時期は子供が2,3歳で仕事と育児が人並みに忙しかったはずです。よく時間があったものだったと思います。パッと見た瞬間、主人公のカティさんが若い!と感じました。(かティさんはアキ・カウリスマキ監督作品の常連女優さんです)顔にシワがほとんどないし、髪の毛が意外ときれいなブロンド。若いのもそのはずで38歳設定ですが、実年齢は36歳くらいのはずです。私と4歳しか変わらないことに驚き。かなり上の世代の人と思っていました。電車の運転手と老舗レストランの給仕長の夫婦が同時期に失業して、どんどん生活がジリ貧になっていって、せっかくローンを組んで手に入れたソファやカラーテレビも手放さざるを得ない、他にもいろいろと挫折の種があり、それでも最後はちょっと希望のカケラを掴んで終わります。おそらく、この終わり方の心地よさが、10年以上も私を惹きつけていたのだと思います。この作品では登場人物がみんな岩のように無表情です。レストランの支配人が多少にこやかなくらいで、あとはみんな表情をこわばらせて、必要最低限のセリフしか話さない、とてもミニマムな演出となっています。というか、カティさんのような老け顔の女優さんに、派手な演出をつけても似合わないかも知れない。キャスティングするのも監督の裁量なのでしょうから、カティさんの質感を良く生かした演出なのでしょうね。必要最低限のセリフを更に字幕で見ているというハンディがあって、見る側としてはとてもアウェイな気分なのですが、これも小津映画を字幕で見る外国人の気分なのでしょうね。いやいや、日本を代表する大女優、田中絹代だってアゴがなかったですよ。それでもあれだけの成功をおさめたのですから、(晩年は残念でしたが)カティさんもがんばってフィンランドの田中絹代になっていただきたいです。
2013年11月15日
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1991年制作のジム・ジャームッシュ監督作品です。どうもジム・ジャームッシュとヴィム・ヴェンダースは、私の中でニコイチになっていて、イマイチ区別がつかなかったのですが、これを見てようやく両者の違いが少しわかったような気がします。ジャームッシュの方が新しもの好きで俗っぽく、ヴェンダースがストイックでコンサバティブな感じであたっているでしょうか。この作品は公開されたときに一度見ています。そのときに気付かなかった、マッティ・ペロンパーが出ているのを知って、再度見ようと思ったのです。マッティさんはあまり長生きできなかった役者さんですから、なるべく見たいなと思って。91年ですから当然、マッティさん若いです。ロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキ、5つの夜の街を流すタクシードライバーと客のやり取りを描いた、オムニバス映画です。ジャームッシュちょっとあざといな、最後にヘルシンキを持ってくるあたり。自分をオシャレに見せるコツを心得ていますね。たしかにそれに釣られて見てしまった自分もいるわけですが、結局、この映画ってウィノナ・ライダーを撮りたかっただけじゃないの?と、見終わって思うわけです。あまり、ウィノナ・ライダーが好きではないので、ジャームッシュにしてやられた感でいっぱいです。ウィノナ・ライダーって、こんな感じの単館上映作品系女優に進む道もあったと思うのですが、結局スキャンダル女優さんになってしまいましたね。つきあう男が良くなかったのかな。ジャームッシュ作品で良くも悪くも1本選ぶとしたら、「コーヒー&シガレッツ」です。あれを基準に考えると、これもそれなりに良いできの作品と思います。キャスティングが良かったと思います。公開当時は気にも留めていませんでしたが、喫煙シーンがとにかく多いです。禁煙したばかりの方とか、ご覧になったら罰ゲーム状態と思います。
2013年11月06日
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