志 錬
《其の九
岡野功先生の必勝法を連載して取り上げさせていただきました。
柔道マンは攻撃的でなくてはならない。いかにすぐれた作戦であっても、果敢な攻撃精神に根ざしたものでなければ無にひとしい。
一、自分を知り、相手を知れ
自分のいいところ、わるいところ、強い面、弱い面を日ごろからよく知っておき、相手のそれも熟知しておくこと。たとえば、自分は寝技が得意で相手は立技が得意だとしたら、寝技で勝つ方法を考えるのだ。
ニ、胸の高鳴りを気にするな
いざ試合となれば、興奮もするし、ある種の恐怖感も加わるから心臓がドキドキする。それでいいのだ。自分は気が小さすぎるなどと考えなくていい。だれでもそうなのだ。ドキドキしないほうがかえっておかしい。ドキドキするのは、それだけ勝負に真剣になっている証拠である。
三、仕掛人になれ
勝負は後手にまわったら不利だ。あくまで先手をとることを考えろ。先手をとるためには、最初の一発はまず自分からかけること。それが単なるオドシでも自分より先に仕掛けられてしまうと、気持のたてなおしをはかるのが容易でない。先手必勝だ。
四、最初から全力でぶつかれ
相手を甘く見て力を抜いてかかると、途中で、手ごわい、と気がついても調子の切りかえができない。どんな相手にでも最初から全力をつくせ。
五、気合をかけろ
気合によって相手を威圧することもあるが、ほんとうは弱気が出て臆しがちな自分のこころを、気合をかけることによって引きたたせ、ふるい起こす、これが気合だ。
六、ポイントをとったあと逃げるな
ポイントをあげたら、その後30秒くらいはそれまで以上に激しい攻撃をかけること。それによって相手の反撃を防ぎ、気勢をそぐのだ。逃げの気持がはたらくと、かならす挽回されるか、見苦しい試合になる。
七、技は連続してかけろ
ボクシングの試合を見てもわかるが、一発強烈なパンチが当たっても、つぎの手が出なければ相手は体勢をたて直してしまう。いったん技を出したら連続して最低2発、3発の技をかけろ。それ以上の攻撃ができれば、あたりまえだが、効果はなおさらあがる。スピードのある連続攻撃で攻めまくれ。
八、“チャンス”などねらうな
攻撃精神にあふれた技で徹底的な連続攻撃を心がければ、チャンスはくる。頭だけでチャンスを判断すると、仕掛けが一呼吸遅れてしまう。この一瞬の差が勝敗の分かれ目だ。体で、肌でチャンスを知れ。それを身につけるには稽古以外にない。
勿論、これが全てと言っているのではない。これを一つの教訓として精進して欲しいと願う。
続編もあるので、第二章として、またの機会に取り上げて行きたい。
第一章 完
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