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南アルプスの悪沢岳、赤石岳は百名山の中でもまだ登っていない山だが、これまでコロナの影響でなかなか足を踏み入れることができなかった(小屋やバスの休業も影響している)。もちろん時間をかければ行くことはできただろうし、人も少なくていいのだろうが、そこまではしようとしていなかった。しかし、今年はこの山域の山小屋等を管理する「東海フォレスト」が宿泊予約を再開するということでようやくこの2座を巡るチャンスが訪れた。ルートとしては、椹島を基点として千枚小屋から荒川三山を経て赤石岳に行くコースだ(一応全てテント泊)。登山前日は車中泊でも椹島ロッヂでの宿泊でもなく、その手前にある「白樺荘」に宿泊した。ここは宿泊料が安いことと椹島行きバスの第1便に間に合う距離でもある、宿泊地の千枚小屋には椹島から早朝に出なくても行けるということでそうした。安い、きれい、温泉もいい。自炊も外で可能なので、前泊するにはちょうどいい下山後立ち寄れば靴等も洗える翌朝、白樺荘からバス停のある夏期臨時駐車場までは車で10分もあれば到着する。駐車場は広く余裕で駐車できたが、第1便を待つ人はすでにバス停に並んでいた。150台くらい収容可能だそうだが、全く余裕のある状態だ。仮設トイレもある駐車場の上にバス停がある(左側)。このあと0便として2台やってきた第1便の発車予定は7時30分が、人が多いと発車時間や便数が変わるそうだ。ということでこの日は6時50分ごろに出発した(第0便になるのかな)。バスといってもマイクロバスで28人を詰め込み、ザックは膝に抱え、ヘルメットも被らされての乗車だ。道も決していい状態ではなく、途中落石があるとバスが止まり、ドライバーが石を退けて行くので椹島まで1時間はかかる。8時ごろにロッジに到着。途中、赤石岳が見える場所で停車してくれた。8時20分ごろに千枚小屋を目指して椹島を出発。長い吊り橋を渡って樹林帯をひたすら登っていく。途中視界の開けるところが「見晴台」というところだけで、千枚小屋まで森の中を歩く。右奥のテントのある場所がバス乗降場登山口まで林道を少し歩いていく登山口はこの吊り橋を渡るが、結構揺れる。momoも恐る恐る渡っていた途中にある水場。清水平という。冷たくて美味い!見晴台から荒沢岳方面を臨むが、ガスってます小赤石岳もガスで頭の方は見えません駒鳥池という苔で覆われた池出発して6時間ほど歩けば小屋に到着する。事前にWEB申し込みをしているので宿泊カードに必要事項を書いたら手続き終了。小屋前からの見晴しはよく、ベンチもあってくつろげるが、テント場は小屋から3分ほど離れた場所にあり、しかも樹林帯。これではあまりくつろげそうにもないので、テントを設営したら食材等を持って小屋前に移動し、そこで夕方まで過ごした。だって、トイレも水場も小屋前だしねえ。小屋泊は予約でいっぱいだそうです小屋前から正面い富士山が見えるが、この日は頭だけ時々見える程度だった眺望はないが、静かなテン場さて、明日に備えて休もう。
2022.08.10
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百名山踏破まであと二座、幌尻岳とトムラウシ山を残すだけとなった。幌尻岳を最終にする人も結構いるので、僕らも99座目トムラウシ山、100座目を幌尻岳でフィニッシュとしようと計画を立てたが、週間天気予報では曇りや傘マークなど今ひとつパッとしない。雨の日で最終を迎えたくないため、少しでもマシな天候で登るため、順番と日程を変更し、先に幌尻岳を登ることにした(予報的には晴れ間も出る感じだった)。ルートは3つあるうちの、とよぬか山荘からバスで登山口まで移動し渡渉を繰り返して幌尻山荘に至る額平川ルートにした。とよぬか山荘は、以前学校だった校舎跡を宿泊施設に改装したもので、2段ベッド6つの2部屋(男、女別)と浴場、食堂で構成されている。僕らは素泊まりで自炊の準備をして行ったのだが、管理人曰く、自炊によって火事になりかけたことがあるとのことで、現在はガス缶の使用を認めていないとのこと。雨も降っていないので外でしてはいけないか、など交渉をしたら、カセットコンロを貸してくれるとともに別部屋でするようにしてくれた(HPにも記載があったのを見落としていた。すいません・・・)。最大24人しか泊まれない。車中泊は禁止しているようだが…。内部は学校の様相翌朝出発は4:00の第1便。早い人は2:30に目覚ましをセットして準備していた(はやっ!)。着替えて準備するだけなので、そんなに早く起きなくてもいいのだが相部屋だと自分のペースよりも他人の早いペースに飲み込まれてしまうのが難点だ。この時期の4:00は明るくなりかけているがまだ暗い。出発して50分の林道走行で終点の第2ゲートに着く頃にはようやく明るくなっていた。第2ゲートには簡易トイレが2台設置されてあり、トイレットペーパーも完備されている。この先幌尻山荘までトイレは携帯トイレ用ブースが1箇所あるだけなので、思い残しがないようにして行く必要がある。前日に撮った時刻表第2ゲート。右の小屋は下山時の待機場所(靴を脱ぐ)。その左にトイレが2つ(携帯型ではない)第2ゲートから先は林道を歩く。轍があるが、管理用車両の跡だ2時間ほど歩くと、渡渉地点に出る。ここで渡渉用の履物に変えるのだが、行く前は履物の選択で結構悩んだ。ソールにフェルトが付いている沢靴がいいか、KEENのサンダル(爪先が保護されている)がいいか、海水浴で使われるようなアクアシューズ(ネプレーンの生地にゴム底)がいいか。結局、一度のことなので新たに購入するのはやめ、随分昔に購入し、お蔵入りになっていたアクアシューズで渡ることにした。この日の水量は、やや多めのようで流れも結構あった。そのため、膝辺りまで浸かることになった。幸い、水温はそれほど低いわけでもなく、むしろ心地い感じだった。パンツはこの渡渉に備えて膝までのハーフパンツとし、ふくらはぎ保護用にサポーターをつけていった。で、アクアシューズはというとそれ自体は歩きにくいものではなく、むしろスムーズな足運びが出来る。しかし、一旦川から出るとソールがない、単なる1枚ゴム底なので、次の渡渉までの移動で大小の石を踏んでいくと結構足裏に石の角が当たったりして痛くなる。天然の足ツボマッサージだ。最初の渡渉地点。ここで履き替えるハーフパンツもさらにめくっていくmomoは膝上まで浸かっていた。渡渉回数は他の方が言うように、10数回ある(数えるのも面倒なくらいだ)。とはいえ、浅いところ、膝上までくるところ、流れの早いところなど色々「楽しめる」。ただ気をつけたいのは、水中の石に足を置くと滑る危険がある。この場合フェルトの沢靴だと問題ないのかもしれないが、ゴム底のアクアシューズだとヌルッと足を取られそうになる。それさえ気をつければ、転けずに渡って行ける。ストックは深さ確認のためにあった方がいいが、流れの早いところに刺すと水の勢いで持っていかれそうになるので、こちらも気をつけた方がいい。1時間45分ほどの渡渉の終了地点は幌尻山荘すぐ下になる。そのため、山荘到着まで靴を履き替えることはない。9時に到着。先に宿泊手続きをしてシュラフを敷いて、場所確保。幌尻山荘に到着したら、先に手続きをして寝床の確保をしておく必要がある。完全予約制なので下山後でもいいのだが、スペースがなくなって行くので先に済ませたほうがいい(場所は指定された)。手続き終了後、幌尻岳を目指して登山開始(この時で9:30)。最初から結構な急登が続く。稜線に出て視界が広がると左手に戸蔦別岳を見ながら北カールの縁を巻くように進んでいく。幌尻岳の頂上も最初はガスに覆われていたが、次第に晴れていき、天気予報に反して晴れ間と青空が見えるくらいに天気が回復していった。稜線に出ると戸蔦別岳が見えてくる(写真は進路に対して後方になっている)カールの縁を頂上へ向けて進んでいく。ただこの辺り、クマの生息地で糞があった。ガスも消え、幌尻岳の全貌が現れた頂上は二人占めだった。頂上には12:30に到着。滞在者は誰もおらず、momoと2人だけの状態だった。ガスも消え、遠くの山々も臨める状態になっていた。ひとしきり堪能したら、下山開始。2時間半ほどで山荘に到着。15:30に到着。ブルーシートはここで座って食事をしてねという場所のようだ。椅子がないので。山荘内は寝るだけのスペースがあるのみで、食事は外で自炊となる。結構な山奥にあるので、ビールや水は売っているがかなり高めの設定だ。ビール350mlが800円、水500mlが500円。水は沢から引いたものがあるが、煮沸や濾過が必要になるので、それができない場合は購入することになる。消灯は19:30とかなり早い(電気の節約でしょう)。シュラフは持参で山荘がパタパタマットを貸してくれる。ただ、このマット、薄すぎて結構お尻あたりが痛くなる。僕は痛くてほとんど寝られなかった。荷物に余裕があれば、マットを持参するのもありかと思う。翌日は5:00に山荘出発。いきなり渡渉がスタートするが、昨日経験しているので躊躇することなくドンドン進んでいける。とはいえ、回数は変わらずの10数回。その後の林道歩きを経て、8:30にバス停に到着。小屋で休んで9:30のバスに乗ってとよぬか山荘まで戻った。明日はいよいよ100座目のトムラウシ山となる。天気も晴れてくれることを願いつつ、短縮登山口の麓にある東大雪荘へと向かった。*熊・・・幸い見かけることはなかったが、稜線にでてからの北カールあたりは生息地域で、登山道の途中に糞や餌となる草を掘り返した跡が何箇所か見られた。山荘で途中熊に唸られたと話している人がいたので、危険と隣り合わせの山行になる。*アブ、ブヨ・・・他のレポートではいるような記載があったが、渡渉エリアも登山道もいなかった。虫除けにネットも持参したが使うことはなかった。ただ、虫除けのフマキラースキンベースミストを身体中にかけて一応の防御はしていった。
2023.08.10
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テント泊ではシュラフの下にマットを引くが、僕らは多くの人が使っているであろうクローズドセル、お風呂のふたのようなパタパタ折りたたむタイプやクルクル丸めるタイプのもの、は使っていない。確かにそのまま広げれば使えて便利だが、ザックに外付けというのはどうも気が引ける。だからエアマットや自動膨張式のマットを使っている。これだとコンパクトに収納できるのでいいのだが、空気を入れて(吹き込んで)お好みの厚さにしないといけない作業がある。これはこれで結構面倒だ。特にエアマット。バルブを咥えて息を吹き込めばそれで済むのだが吐息は湿気があり、そのまま吹き込むのはどうも嫌だ。しかも山の上でフーフー息を吐きだす作業は結構疲れる。 モンベル_エアパッド posted by (C)momo夫(代理) エアパッドのバルブ posted by (C)momo夫(代理) じゃあどうするのか。 いろいろ調べてみたが、専用のポンプというものがメーカーによっては用意されている。しかし、便利であるが重さや費用を考えると手が出せない。そこで、似たようなものはないかと考えた。自転車用の携帯ポンプが思い浮かんだ(フロア式ではない、ハンディタイプのもの)。もちろんそのままではマットのバルブに嵌るわけではない。どう繋ぐか。ゴム風船を使ってみることにした。吹込み側を切ってポンプ側とバルブ側をつなぎ、ポンプをシュポシュポすることで空気を送り込むようにした。 自転車用携帯ポンプ posted by (C)momo夫(代理) ポンプとバルブをつなぐ posted by (C)momo夫(代理) まあこれはこれで出来たのだが、車中泊ではともかく、登山のテント泊にこのポンプを持っていくことは躊躇される。しかもそれだけのために持っていくのは軽量化に相反する。また時間もかかる。 さらに考えた。いや検索してヒントを得た。検索したら大きなスタッフバッグのような袋の一部に空気を充てんする口のようなものをつけて、それとバルブとつないで空気を送り込んでいるものがあった。これはいい、と思ったが、やはり特殊なものは少々値段が高い。よく似たものを自作できないかと思った。しかも軽量なもの。ゴミ袋で入れるという方法を紹介しているものがあった。しかし、バルブ側をどうやって固定するんだろう。手で握っておくのか? 固定するものを考えるとホースのバンドが思い浮かんだ。これでやってみた。ゴミ袋の端を切って、バルブにつなぎ、バンドで固定する。 ホースバンド posted by (C)momo夫(代理) ゴミ袋をホースバンドで固定 posted by (C)momo夫(代理) いい感じに固定できる。あとはゴミ袋を適当に広げて膨らまして空気を押し込めばOKだ。口から空気を送り込むよりはるかに速い。ゴミ袋はほかにも何かと使えるし、バンドなんて軽いし安いものだ。エアマットでも自動膨張式のマットに空気を足したい時でも便利だ。空気を押し込めばみるみる膨らむ posted by (C)momo夫(代理)エアマット使用者は同じような悩みを持っていて、いろいろ考えるだろうからすでに同じことをしている人がいるんだろうなあ。
2016.05.29
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GW以来1か月ぶりの山行だ。行先は大峰山系の稲村ヶ岳。しかもこの山を訪れるのは2年半ぶりだ。稲村ヶ岳を登る際は、登山口にある母公堂を起点に登っていく。間もなく?すでに?、夏山シーズンでもあり、登山口近辺は多くの車が停まっていた。自宅からい1時間半程度かかるので、現地には8時位に到着したのだが、それでも遅い方になったようで駐車場所もやや登山口から離れたところとなった。母公堂横の登山口 posted by (C)momo夫(代理)登り始めたら法力峠までは緩やかな道を進んでいく。法力峠を越えたあたりから稲村小屋まで緩やかな道と時々クサリのある道、鉄橋(崩落寸前のものも含む)を越えていく。とはいえ、特に危険な場所はない。これまで何度かこの道を通っているが、気づかずに通り過ぎているものがあった。通称?「パオーン杉」。ゾウか、マンモスが鼻を上げて叫んでいるように見える様子からその名がついたみたいだ。しかし、見た記憶も皆無なので今回は意識して歩いていくと確かにありました。言われてみればゾウが“パオ~ン”と叫んでいるように見えなくもないな。ただし、法力峠から稲村小屋へのルートから見るとそう見える。逆はどうかな?噂のパオーン杉 posted by (C)momo夫(代理)稲村小屋で小休憩して稲村ヶ岳までの途中にある大日山を目指す。遠くから見るとこんもりとした形の山だが、実際に登ると急登というか、ロープ、壊れたハシゴ(階段?)のあるところをよじ登っていく。恐怖感はないが、切り立った断崖のような山なので、木々がなかったらかなりスリリングな感じとなるだろう。実際頂上からの展望は望めないほど木々で囲われた場所だ。奥に見えるは大日山 posted by (C)momo夫(代理)クサリやはしごを登ります posted by (C)momo夫(代理)大日山山頂 posted by (C)momo夫(代理)稲村ヶ岳に登った人のレポートの中で時々「宝剣」を探しました、見つけました、といった文言を目にすることがある。これまでも修験道と結びついた山の頂上には祠、木札の他、宝剣や錫杖などを見かけたことはある。ここ、奈良の大峰奥駈道はまさに修験道の道であり、山上ヶ岳のほか八経ヶ岳など他の山々にも錫杖などの宗教的なシンボルがある。稲村ヶ岳もその一つであるため何かしらあってもおかしくはないのだが、実際、頂上には三角点と展望台があるのみで宗教的なシンボルは何もない。なので、宝剣があると言われても周りを見渡したところで木が生い茂り、何かがあるようには見えない。おまけに、発見した人のレポートには場所を記した情報は、ほぼない。やはり探して見つかった時の喜びを分かち合おうということかもしれない。地図を見て宝剣が置かれそうな場所を推測し、レポートの中からヒントになりそうな情報をもとに探すしかない。展望台からは山上ヶ岳、大普賢岳など大峰奥駈道にある山々が見渡せた。振り返ると金剛、葛城山、二上山も遠くに見えていた。ひとしきり展望を満喫したら探索活動を開始した。山上ヶ岳 posted by (C)momo夫(代理)左:竜ヶ岳 右:大普賢岳 posted by (C)momo夫(代理)展望満喫してさあ探索 posted by (C)momo夫(代理)目星をつけていたいくつかの場所を分け入っても、「ない」状態が続いた。頂上を基準に考えても西側は断崖なのであり得ない。手探りだと見落としていてもわからない。やむなく諦めて登山道に戻ろうとしたとき、momoが「あった!」と叫んだ。見つかりました、宝剣というか、法剣が。人目を忍んで設置されたのか、設置されたことが忘れ去られたのかわからないが、立派な剣がそこにあった。発見者がその感動を記せるようにメモ帳まで置いてあった。ひっそりと宝剣 posted by (C)momo夫(代理)見つけるまでは大変だったが、この場所から登山道へ戻るのは特に困難を伴うものではなかった。合流した際に一般の登山者とすれ違ったが、特に意にも介さず通り過ぎて行った。振り返ってその道を見ると、確信をもって進んでいかないとわからないだろうなと思った。稲村小屋に戻り、昼食をとって下山した。無事下山 posted by (C)momo夫(代理)
2018.06.03
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