1)「The Return of the Durutti Column」(1980)「LC」(1981) by Durutti Column 20年前から今日までずっとお世話になってます。Vini Reilly はギターを抱えた永遠の傷心の詩人。駄作も多い(オイラが良さを解からないだけだ)が、"Sketch for Summer"とか"Requiem Again"とか永遠の名曲が各LPに数曲入っている。ちなみに上のCDはLPレコードを1996年にCD化して再発したもの。もともとリリースされたLPレコードのジャケットは、なんと「クズのような音楽が録音されたほかのレコードを破壊するため」にサンドペーパーで作られていた!試聴リンクはこちら
2)「Popular Piano Works -Eric Satie」 サティは地球人じゃなかったらしい。彼の部屋にあったピアノには一度も弾かれた形跡がなかったそうな。別の世界から来たサティの表現したかったものはもともと7音階では表現し切れなかったに違いない。オイラはAldo Ciccoliniの演奏したサティが好き。3つのジムノペディと6つのグノシェンヌはむかしよくピアノで練習したもんだ。--それにしても、マラソンするようになってから不思議とサティを聴く気がしなくなったのは何故かな...?
2. オッサン/オバハンも聴けるオルタナティブ
3)「Cobra And Phases Group Play...(以下略)」(1998) by Stereolab 80年代に「ニューウェーブ」、90年代に「オルタナティブ」を聴いていた人たちが2000年になって30代のオッサン・オバハンになったら、いったいどんな曲を聴くようになるのだろうか...?オトナになってジャズとか聴くようになるのかな。オトナになり損ねたけど今さらスマパンとかNirvanaとか聴いても若者のホルモンが分泌しなくなったら、このStereolab とかにハマっちゃうのかもなあ。いいんだよなあ、この屈折とオトナの渋さとの融合が。フランス人ボーカルのアンニュイな歌声が最高。以下のサイトでぜひサンプルを聴いて欲しいです。とくに"The Free Design"のビデオはシブイ。リンクはこちら
4)「Pop På Svenska」(1993) by Komeda 10年近く前にKomedaのこのアルバムを聴いた時には「コイツらは宇宙人じゃないか」と思った。それくらい強烈にユニークでカッコ良かったのだ。案の定、宇宙に比較的近そうなスウェーデンのバンドだった。このデビューアルバムはレナ姉さんが力強い声で全編スウェーデン語で歌っている。私は30代も後半になり、10年前にリリースされたこのLPに没頭するにはホルモンの分泌が足りなくなってしまったが、私と同世代のKomedaもさいきん活動してないみたい。
3. お世話になりました-90年代
5)「Bossanova」(1990) by Pixies イギリスのオシャレな4ADレーベルからリリースされてるバンドなのに全然アメリカ臭くてはじめは好きになれなかったんだが、アメリカに渡ってから聴いてみたら、このバンドの醸し出すアメリカの「ジェネレーションX」の屈折が心に染みるようになったから不思議。歌詞もシブイんだ(ちょっとキンショーっぽいかも)。"Monkey Gone To Heaven"のライブバージョンを初めて聴いた時はオシッコと涙が一緒に出そうになったゼ。
6)「Ritual de lo Habitual」(1990) by Jane’s Addiction このバンドもアメリカに来るまではただ「ウルサい」としか感じなかったが、アメリカ文化と重ね合わせて聴けるようになってからこのバンドのスゴサが「解かる」ようになってしまった。言わば快感原則に従ってコカインを吸引し続けるような音楽。このアルバム(とくに"Three Days")はアメリカのサブカルチャーが生んだオルタナティブの金字塔だよな。
4. お世話になりました-80年代 7)「Virus Meadow」(1986) by And Also The Trees このバンドには暗かった青年期にホントにお世話になりました(笑)。「そしてまた、木も」なんてバンド名はまるで「筋肉少女帯」みたいに人を食った感じがするが、音楽はそうじゃあない。これがシブいんだ。しっとりしてて、屈折してて、重く、熱く、深く、悲しい。ジャケットもカッコいいよなあ。腐りかけた果物に西日が差してる静物画。アルバムタイトル"Virus Meadow"(ウィルスの草地)なんて、センス良過ぎ。
8)「Tender Pervert」(1988) by Momus 80年代なかば、The Smiths のLPが日本で売られるようになった頃、ジャケットの帯に「イギリスの知性。」などというコピーが入っていた。スミスがイギリス労働者階級の知性であるとすれば、モーマスはイギリスのミドルクラスの知性だ。ギターも歌詞もイギリス的なヒネクレとナルシシズムがプンプンしていて、さらにこのLPの場合は衒学趣味と倒錯を絡めてしかもポップにまとめている。さいきんは打ち込みによるチープな自動演奏のLPばっかりリリースしているMomusが、全編でちゃんとギターを弾き語りしている最後のLPがこれかも知れない。
10)「千のナイフ」(1978) 坂本龍一 実は今でもときどきお世話になってます。リリースから四半世紀が過ぎた今でも"Thousand Knives"や"The End of Asia"のメロディにはシビレます。ガキの頃はきっとYMOのミーハーでこんなLPを聴いていたのだろうが、今思えばゼイタクな話だよな。
6. 番外編
「Winter Songs/The World As It Is Today」(1979/1980) by Art Bears
「お好きな方」にはたまらない音楽。時代とか地理とかジャンルを超越した独自の世界。泣く子も黙る「その道」の大御所とも言える3人が組んだこのバンドが1978年から1980年にかけてリリースした3枚のLPは、現在は2作のCDに分けて収められ市販されている。オイラは"The World As It Is Today"を初めて聴いた時の感動は忘れない。"Freedom"の「絶叫」はホントウにスゴイ。誰かが言っていたが、Dagmar Krause のボーカルはまさに「ハルマゲドンの歌声」だ。右のリンクから一部サンプルを試聴できる(あいにく「絶叫」はサンプルに含まれていないが...)。 リンクはこちら