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2006年05月18日
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「黄昏の百合の骨」 
恩田陸著(講談社 2004年3月10日 第一刷発行)
黄昏の百合の骨

「自分が死んでも、水野理瀬が半年以上ここに住まない限り家は処分してはならない」
亡くなった祖母の遺言のため、イギリス留学を中断して帰国した理瀬。祖母は忙しい父に代わって自分を育てた、育て親でもあった。
理瀬を迎えたのは血のつながらない叔母の梨南子と梨耶子姉妹。祖母の再婚相手の連れ子。
一見大人しくきちんとした梨南子(夫に先立たれ未亡人)と自分勝手でわがままな梨耶子(夫とは別居中)。正反対の性格の二人だが何故か裏表を見ているような感じがある。

三人の住む白百合荘は祖母の頃から百合に囲まれた古い洋館。祖母の習慣に従ってお花の先生でもある梨南子は部屋に百合を飾り続ける。きつい百合の芳香。
周囲の人は昔からこの館を「魔女の家」と称していた。そしてそこに住む魔女たち。

編入した女子高で友人になった隣家の娘でもある朋子。朋子の幼馴染の雅雪。雅雪の友人で朋子に好意を持つ田丸。


朋子は弟の慎二が理瀬に会いたがっている、病弱で大人しい慎二が姉の友人に会いたがることなんて滅多にない。是非会ってやって欲しい。と理瀬に言う。
朋子の家に向かう間、叔母たちについてや、祖母の命日には亘たちが帰ってくるか聞かれる理瀬。亘と稔の二人は本当の兄ではないけど従兄弟。理瀬の父の兄の子ども。かつてこの街で一時期祖母と一緒に暮らした理瀬の兄たち。

そこに現れる雅雪。どうやら近道したのは田丸との交際を勧めに来る雅雪を避けるためであったようだ。朋子をかばい、転校したばかりの自分がお願いして付き合ってもらっていたと説明する理瀬。
理瀬が魔女の家の住人と知って驚く雅雪。次こそ田丸と会うことを約束させられる朋子。


慎二が無理をしてまで伝えたかったこととは?祖母の残したジュピターとは?叔母たちの狙いは?雅雪と分かれた後、消えた田丸は一体どこへ?そして魔女の家と呼ばれるこの洋館の秘密・・・・

眼に力のある美少女・理瀬。彼女は若いがその見掛けと異なり老成している。彼女の父は男が早死にする家系(これが魔女の家と呼ばれる一因でもあるが)のため幼少時は女として育てられたが今でも女装趣味があり梨耶子からは変態呼ばわりされている。親の決めた婚約者・ヨハンの存在。

亘は光輝かしい未来があるが、理瀬と稔はこちら側の人間。亘は何も知らずにアメリカに留学すれば良い。稔と早くジュピターを始末しなければ・・・

恩田さんはオセロゲームのようにパタパタひっくり返すのが好きなのだろうか?「 Maze 」を読んだときも裏の裏の裏・・・と言った感じだったし。
ジュピターの正体は田丸が消えたころから何となく想像できたし、梨耶子より梨南子のほうが恐ろしい女性だろうと言うのは予想がついたがまさか最後に”百合”が来るとはね。
それと稔が何故医者になったのかとか父の仕事とか。ヨハンの存在も最後にこう使われたか!といった感じだった。朋子については雅雪の話から、無意識に男子にもてはやされる少女にあり勝ちな身勝手さがあるのだろうとは思っていましたが・・・亘との関係はともかくその後の行動がねえ、普通じゃないです。それとジュピターを始末したがった祖母。


雅雪と理瀬との関係だけがこんなにどろどろした人間関係ばかりの中で高校生らしくプラトニックで、でも作り物で、理瀬が自分の底に残っていた感情に懐かしさを感じるところが少し悲しい。そして彼女に惹かれつつも自分は彼女とは異なる世界に住んでいると直感する雅雪も。
そのお陰で最後の最後、理瀬は助けられるのですが・・・
彼女は一体どんな風に育ってきたのでしょうね?好む・好まざるに関わらず魔女として育ってきたのでしょうね。

祖母の気持ち。処分したいものは異なるけど、ごみを捨てる度に近いものは感じる。(でも、変なものは処分してませんよ。何ともいえない罪悪感と安堵があるのですよ)

どろどろしたのはあまり好きではないのですがそれでも一気読み。


Maze  Maze。
六番目の小夜子  NHKで見たドラマのイメージがあるので原作未読。
図書室の海 夜のピクニック  この二作が好きかも


追記
簡単に調べて見ました。
「麦の海に沈む果実」(2000年7月)がまずあって、「黄昏の百合の骨」が続編のようです。
あまり詳細に調べるとネタばれを読んでしまいそうなのでネット書店のレビュー程度にしておいて、とりあえず図書館で予約します。理瀬が全寮制の学校に転校してくる話らしいです。

麦の海に沈む果実





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最終更新日  2006年05月18日 12時12分31秒
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『六番目の小夜子』しか読んでないです  
mam さん
本の感想の記事は本当にありがたいです。
どうしても自分の好きなジャンルに偏ってしまうので、こうして紹介して頂くと読んでみたいなと思って、幅が広がります。
さっそく図書館で予約してしまいました。
(2006年05月18日 11時03分30秒)

Re:『六番目の小夜子』しか読んでないです(05/18)  
mamさん

>どうしても自分の好きなジャンルに偏ってしまうので、

私もです。どうしてもいつも同じ作家を追いかけてしまいます。寡作な人が多いので待ちぼうけ状態です。

>さっそく図書館で予約してしまいました。

私も今度こそ小夜子、予約しようかな?
食わず嫌いは損ですよね。きっと。 (2006年05月18日 11時16分31秒)

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