日々のあぶく?

日々のあぶく?

March 10, 2007
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カテゴリ: 本
自衛隊モノということで、敬遠してみた時期もあったのだが、戦闘モノ×ラブロマの有川氏、


米軍横須賀基地で行なわれる春の桜祭りの日。
基地に隣接するのは対潜水艦作戦センター、第二潜水隊群司令部、潜水艦埠頭。
潜水艦埠頭に入港し、停泊中なのは最新のおやしお方潜水艦「きりしお」。
交代制で普段の三分の一となった乗員のなかには、停泊中の潜水艦でゲリラが乗り込んだら防げるかという話から実践に移してしまい、上陸禁止令をくらった
「有事に強いが平時にははアクが強すぎる問題児」で実習幹部でもある夏木大和三尉と冬原春臣三尉がいた。

突然、巨大なエビの大群が基地周辺に上陸、人を襲い始める。
逃げ遅れた桜祭りに来ていた子供達を誘導し、潜水艦に戻る夏木、冬原、川邊艦長。


孤立した潜水艦内。
子供達の中には唯一の女の子で高校生の森生望、その弟で事故で両親を亡くしてから喋らなくなった翔、
ご近所に絶大なる影響力をもつ母親によって自身も傍若無人に振舞う中学生の圭介と彼に従う友人、
他人にあまり関心の無いような子供、まだ小さい子供などがいた。
森生姉弟を敵視する圭介との間に入る夏木。
近所に住む顔見知りの子供達は親の影響もうけ、微妙な、時に歪んだパワーバランスを見せる。
口は悪いが情も厚い夏木と当たりが柔らかく、情もあるが、子供だからと言って容赦せず、冷徹でもある冬原が「有事に強い」所を発揮し、子供達を守ろうと力を尽くす。

外では県警本部警備課の明石警部が以上を察知し、上司から睨まれつつも今後の動きを読んで用意周到に下準備を進め、
彼の同期である県警第一起動隊隊長・滝野警部が彼の要望に応じ、
彼らを評価し、異論をはさむ堅物らを押し切って状況打破、異例の陸自への連携(リレー)を模索する若き警視庁の烏丸参事官(幕僚団団長)。
日本唯一だろう「レガリス」専門家芹澤を交え皆が奔走する。




陸自出動であっけなく駆逐されるレガリス。
反応が遅く、権力争いに時間を費やす政府に対し、陸自を出す為に覚悟の犠牲となる警察機構。
自衛隊への反発、警察の沽券に関わるとする内部の反発を御しながら活躍する烏丸、明石、滝野らの立場で描かれるそれは骨太の警察小説にもなるし、
警備対象が人間と災害だけの機動隊が想定外の未知の巨大生物に翻弄される皮肉な現状、
陸自らの出動でも災害出動か防衛出動か(警護出動か)によって使える武器が違ったり、

そもそも政府の命が下らないと出動したくとも、手を貸したくともできないと言う自衛官をはじめ、
市民やマスコミの対応にも追われたりと、
各部署の葛藤は現在の警察・自衛隊・政府のあり方を分かりやすく描いてある。
ちなみに明石は昔、警視庁の神様と呼ばれていたらしい。

「 空の中 」でも政府の対応、各国との均衡のために急に計画変更し、現場には説明なしとか、権力、沽券、プライドと現実対応よりも下らなく見えるところに腐心する人たちが描かれたりもしてたなぁ。

さりげなく(?)軍事関係のオタクも活躍する。

でもそれだけでは終わらないのが有川氏(笑)
そもそも、そんな警察、自衛隊が対応するのが学習能力がある巨大化したエビ「サガミ・レガリス」。
エビって・・・(笑)さすが怪獣モノ好き。
明石の対処の仕方も「ガメラ」を参考にして(電流流して防御壁をつくる)たりするし。

+(プラス)十五少年漂流記
潜水艦に逃げ込んだ子供達と海自の幹部実習生の物語。
青春と恋愛ものをココにたっぷりつぎ込んでると。

潜水艦が夜間は赤色灯なのは寝起きに目がくらまない為。

有川氏はさ行が好きなのだろうか?
「賢しら」「ざっくり(傷ついた顔)」「さっくり」という表現が多いから…

「 クジラの彼 」に番外編あり。
事件前後に照準を合わせた冬原の話、夏木と望のその後が描かれてます。





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Last updated  March 10, 2007 02:26:50 PM


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