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『壺坂霊験記』『高坏』と観て続き、三幕目
三、籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)
序幕 吉原仲之町見染の場より
大詰 立花屋二階の場まで
妹と並んで観られて満足!
以前にも書きましたが、
私が絶賛😊子育中、観劇なんて想像もできなかった頃に
「孝夫さんと玉三郎さんがステキだから」と
クリスマスやお誕生日に一等席のチケットを
プレゼントしてくれた妹
当時は、右も左もわからず
彼女についていくだけでした😁
ある時なんざ、芝翫さん休演の張り紙に嘆く彼女に
「え、こんなおじいさんがいいの?」なんて
訊いてしまったバチアタリな私。
(七代目芝翫さん、その後大大大大好きになる
女方の役者さんです)
孝夫さんが仁左衛門さんと名前が変わっても
変わらぬ美しさのお二人を今こうして
並んで拝見できるのは感慨深いです❤️
玉三郎さんは、やはり息をのむくらい美しく❤️
花魁道中
勘三郎さんの佐野次郎左衛門と同じ気持ちで
ウットリ眺めてました。
玉三郎さんが肩に手を置く巧一さんは
たいそう男前。
そうだよね、注目が集まるものね。
毎年のように観ている人気演目ですから、
吉右衛門さん、幸四郎さんと観続けて
あらすじがすっかりわかっているから
演技だけに集中して観られます。
生き馬の目を抜くという吉原は
自分たちには不釣り合いと帰りしな、
次郎左衛門が偶然すれ違ってしまった花魁道中。
そこで豪華絢爛な花魁の、
なかでも極めて麗しい八ツ橋に
釘づけになる次郎左衛門
放心状態の彼
いったん行きすぎてから
花道でフト振りかえった八ツ橋が見せる
艶然とした微笑み。
観る前からそこがポイント!と
期待はしていたのですが、
実際に目の当たりにして
魂奪われる次郎左衛門の気持ちが
良く分かる。
筋書きによると
花魁は知り合いがいても
一旦は無視して通った後、
ちょっと振り返って笑うのが
決まりごとだったそうな。
通り過ぎてしまって、
あ、サミシ、と思った時
振りかえられたら、
最初から会釈されるより効果絶大、
良く考えられているね。
玉三郎@八ッ橋さんの
ミステリアスな笑顔が忘れられない。
亀蔵さん、彌十さんは
今回は憎まれ役で、思いっきりイヤなヤツ!
いつも味のある役者さんが演じる治六役。
今回は誰かと思ったら勘太郎君。
観る前は、ピンとこなかったけど
勘太郎君、がんばってました。
立花屋(我當)さん、
おきつ(秀太郎)さんは
お芝居に深みを増してくれるし、
さよなら公演はほんと豪華です。
「
そ
り
ゃ
、
あ
ん
ま
り
そ
で
な
か
ろ
う
ぜ
」
八ツ橋に愛想尽かしをされた次郎左衛門を
気遣う花魁九重の魁春さん。
私は籠釣瓶の時に九重の配役が気になります。
(大好きな役なので)
魁春さん、良かった!華やかさもいたわりも。
芝雀さんもイイんです、九重。
九重がいいと、この芝居の価値が上がります。
仁左様@繁山栄之丞、
ああ、この人がライバルでは誰も敵わないでしょ。
八ツ橋の気持ちわかります。・゚゚・(>_<;)・゚゚・。
あばた顔、
見た目は芳しくないけれど
金離れも人柄もよいとわかって
じょじょに心を通わせ始めて来た頃は
吉原に商売仲間を連れて来た次郎左衛門を
わざわざ迎えに出た八ツ橋。 
そして、自分で吸いつけたキセルを
次郎左衛門に渡します
幸せの絶頂。
このキセルが次に活躍するのが
皮肉にも愛想尽かしのくだり。
皆から心変わりを責められた八ツ橋が
パン!と投げつける。
ニクイ演出。
次郎左衛門のつらい心情を表わすような
胡弓の音色が沁みまする。
そして、待ってました!の鶴松君の初菊。
先に観た友達、野分ちゃんや染子から
報告は受けておりましたので心待ちにしてました。
「鶴松君があんなにキレイだと思わなかった!」
失礼な!(-_-メ
どれどれ、(オペラグラス、スタンバイ!)
噂以上にキュート!
先月の「道成寺」の所化でも思いましたが、
着物の着方、立ち方、座り方、役を演じる為に
最大限の努力をしているのが見えて
そのひたむきさが大好きです。
少年だから初々しい、
若いから可愛らしい、
にオンブしてないところがいい!
さすがの鶴松君も
慣れない振袖で歩くのはまだしも、
座るときがたいへんそう。
なかなか袂や裾の始末が手際よく出来ないらしくて、
そこがほほえましかったりもするのですが…
いったん、綺麗に直せたら、
後はキチッと芝居に入り込む。
八ツ橋と次郎左衛門達のやり取りを
後ろで魁春さん、七君と並んで聞いているわけですが、
(優雅にはべっている)
その間も右手は袂に隠し、
左手でそっと前を押さえるのも、
人差し指だけでした。
たしかに指4本より1本のほうが
守ってあげたくなる女らしさを醸し出す。
これは自分で考えているんでしょうか、
勘三郎さんや芝翫さんに教わるのかな。
少女にしか見えないのはさすがです。
校庭でサッカーボール追いかけているような
中学生の男の子とは別物😳
主人の次郎左衛門が辱められているのに
どうすることも出来ず、傷つく治六を
ソッと見守る姿がいじらしいです。
途中からはずっと背中だけの演技です。
何も言葉はないところが、
どうなぐさめていいかもわからないけれど
ほっておけない優しさが伝わってくる。
最後に席をはずすときは、
秀太郎さん@おきつさんに
おうかがいをたてるところがまた可愛い。
おかみさんが、
「そうだね、おまえは下がったほうがいいね」
そんなやり取りのうえで退席するの。
(3階までは声は聞こえませんが)
中村屋“3人目の倅”中村鶴松の素顔
鶴松君の女方。
子役って感じが消えました。
七君と並んでいるとホントの姉妹みたい。
初めて鶴松君をいいなと思ったのは
当代の襲名披露の時。
太刀持ちをキチッとしっかり演じていたので
着ていた衣装の柄まで覚えているくらい印象的でした。
中村屋の兼ねる役者として育ってくれたら
18代目も喜んでくださるに違いない!
子役といえば、遣手お辰とからむ小按摩の清市が
秋山悠介君でこちらも嬉しかった!
玉三郎さんが政岡の時に共演していた坊や。
背も伸びて、セリフもしっかりしていて成長中!
次はどの演目で会えるかな。
(秋山君は今、成田屋さん門下、市川福太郎さんになりました)
さて、数年後 笑顔の再会。
八ツ橋が謝って、ほだされたかに見えるけれど
一刀のもとに彼女を斬ってしまう次郎左衛門。
玉三郎さんに謝られたら許しちゃいそうなものですが。
「なぜ殺しちゃったの」と
今まで疑問に思っていましたが
イヤホンガイドの解説で謎が解けました。
曰くあって、次郎左衛門のものとなった名刀で、
持ち主に不幸をもたらす妖刀、
それが籠釣瓶だったのですって。
だから、あんなに人のいい次郎左衛門を変えちゃったんだね。
斬られた八ツ橋が海老反りになったところで
拍手が起こりました。
腹筋も背筋もいるし、苦しい姿勢
なのに表情にも神経を行き届かせるのは
相当大変でしょう。だから美しいのでしょうね。
最後、八ツ橋の後に斬られるのが女中のお咲。
(代役は 國久さん
だったそうです。國久さんが良いお役なのは
贔屓としては嬉しいですが、小山三さんが心配です)
17世の愛弟子の小山三さんが
予定通り演じられたら、
文字通り、追善公演を締めくくり、
ラストを飾ることになるはずだったのに
大好きな小山三さんが
一日も早くお元気になられますように。
今月も見応え十分の歌舞伎座でございました。
ありがとうございました。
(2010年2月20日 歌舞伎座さよなら公演 二月大歌舞伎 夜の部)
今日のお弁当は
妹がおにぎりを買ってきてくれたので
木挽町辨松で
「うま煮」だけ買いました。
オイシ♪
2020.4.20 ごちそうさまでした 木挽町辨松さん


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