きまぐれうさぎ

きまぐれうさぎ

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2010.02.11
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テーマ: 本日の1冊(3799)
カテゴリ: カテゴリ未分類

家が近所の同級生さおりちゃん(仮名)に近道を教えたことがあった。
近道は学校からの帰り道にある駐車場の奥にあった。
そこの垣根を潜ると私とさおりちゃんの家のすぐ近くにあるお菓子屋の裏手に出ることが出来るのだった。
私は、嬉々としてさおりちゃんにその道を教えた。
「秘密だよ」
「うん、秘密ね」
私達はくすくす笑い合い、指切りをした。

翌日、下校途中に私はその駐車場でさおりちゃんとゆみちゃん(仮名)が垣根を潜るところを目撃することとなる。
しかも、そのとき私に見られていることに二人が気付き、
「やべぇ!」という表情であわてて逃げ去って行くというおまけ付きで。
垣根の向こうに消え去ってゆく二つの赤いランドセルを
茫然と見ている小学1年生の私。

思い起こす限り、あれが人生初の「裏切り」だったと思う。



その出来事に起因してなのか何なのか、私は人より少々、いや、かなり?疑り深い性格だ。
何も全く信用しないというわけではないのだが、
いつも悪い方へと必要以上に想像力を働かせてしまいがちになる。

「人を見たら泥棒と思え」という実に物騒なことわざもあるが、
「疑心暗鬼を生ず」や「七度尋ねて人を疑え」ということわざからもあるように、
あまり疑り深くても人生において良くない結果をもたらすことも確かなのである。

私も出来ることなら信頼において何事とも繋がりを持ちたいとは思うのだが、
いかんせん、子供の頃からの性格なのでなかなか改善することが出来ないのが実情だ。

しかも実際そのせいでしばしば、困った事態にも遭遇することにもなる。

そして今、直面している問題というのが、「鍋つかみ」との信頼関係について、である。

それは人からのいただきもので、
カエルを模したシリコン製のユニークなデザインの鍋つかみである。
今まで使っていた布製の鍋つかみに比べて、
そのシリコン製は薄くて物が掴みやすく、しかも滑りにくいという利点まであるので、
是非ともじゃんじゃん使い倒してみたいとは思うのだが、
未だそのシリコンカエルに出番はない。

それというのも、こんなペラペラのシリコン製で果たして熱い物をつかむことが出来るのかと疑いを持ってしまうからである。

今まで使用していた布製の鍋つかみでさえ、
テキパキ作業しないと熱がじわじわと手のひらに伝わってくることがあった。
それが、こんなペラペラしたシリコン製で本当にアツアツのグラタン皿をオーブンから取り出すという作業をこなすことが出来るのだろうか、などと疑ってしまう。
なので、どうしてもそのシリコン製の鍋つかみ一つで灼熱のオーブンに飛び込む勇気が持てないのだ。

シリコンカエルが「トラスト ミ―!」と訴えかけているようにも思えるのだが、
私にはどうしてもトラスれない!

とうわけでシリコンカエルの熱い視線を感じながら、
今日も布製の鍋掴みとともに、熱いオーブンへ挑む日々である。





「ゴールデンスランバー」伊坂幸太郎
仙台でパレード中に首相が何者かに暗殺される。主人公はその濡れ衣を着せられ逃亡することになる。


映画化もされ何かと話題のこの作品。やっと読み終えました。
作者の今までの作品の素晴らしい所だけを集めて濃く濃く抽出したような、
なんとも贅沢な仕上がりの作品でした。

ストーリ自体は、無実の罪を着せられた主人公が逃亡するという
、ありがちな設定なのですが、そこはさすが伊坂幸太郎氏です。
個性的な登場人物達と交錯する過去が物語を盛り上げ、
各所に散りばめられた伏線を経てやがて一つに繋がってゆくという様が相変わらず見事で、最後まで一気に読めてしまうと思います。


もちろん各所に伏線は張り巡らされているのですが、
たとえその伏線を抜いたとしても、
それはそれで深い意味が感じられるエピソードが多かったのも良かったと思います。
登場人物達のユーモアなやり取りや行動に伏線の為という不自然さを感じることなく読め、仲間達が見えないところで信頼し、繋がっているという感じも伝わってくるので自然と胸に迫って来るものがありました。

※以下若干ネタばれ防止のため、注意


ただ少し心残りは、この事件の首謀者について、なんとなくうやむやなまま終わっていたということでしょうか。
私的にはそこまではっきりとしていれば、すっきり終われたような気がしたのですが、
この作品はあえてミステリ色を濃くしてない気もするので、
もしかしたらそれは作者の意図するところなのかもしれません。
確かにこの作品はミステリという方角から少しずらして書かれているようにも感じます。

逃亡というハラハラと、信頼を経て人と繋がるという温かさの二つが味わえる、
まさに外はカリっと中はふんわりのような贅沢な作品です。





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最終更新日  2010.02.11 21:02:16
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事件のその後  
管理人09  さん
伊坂さんがとあるインタビューで「事件のその後については作中にヒントがあります」と話していました。
そして小説を読み返してみて、初読で違和感を感じていた「第二章」のノンフィクションライターの「20年後」の話を注意深く読んだときに凄いことに気づいてしまいました。まさしく「事件のその後」でした。何と、ノンフィクションライターの正体は!!?

ヒントは「筆者は昔、若者たちが悪いことはすべて自分らのせいにされる、まるでアメリカみたいだ、と嘆くのを聞いたことがある」という記述と「森の声は聞こえなかった」という表現です。^^ (2010.02.12 21:19:56)

先ほどの  
Twist  さん
コメントは私です^^; 申し訳ないです。 (2010.02.12 22:08:47)

Re:先ほどの(02/11)  
ぷるんつ  さん
Twistさん、こんばんは!

>コメントは私です^^; 申し訳ないです。
いえいえ、大丈夫ですよ~。

>伊坂さんがとあるインタビューで「事件のその後については作中にヒントがあります」と話していました。
そして小説を読み返してみて、初読で違和感を感じていた「第二章」のノンフィクションライターの「20年後」の話を注意深く読んだときに凄いことに気づいてしまいました。まさしく「事件のその後」でした。何と、ノンフィクションライターの正体は!!

そうなんですよね~。私も最初は割と気にとめないで読んでいた「第二章」を、読後もう一度読み返してしまいました。
新たに「第二章」を読み返すと、この章の重要さに気付きますよね。読み返して新たな発見がある作品って、奥深いですよね~。「第二章」を最後に持って来なかったところも、上手いな~と感じました。 (2010.02.13 00:41:27)

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