きまぐれうさぎ

きまぐれうさぎ

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2010.06.03
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カテゴリ: カテゴリ未分類
学生時代にふと訪れたあの不思議なひとときをともに経験した3人の男女。彼らはその頃を回顧しながら、語ることは…?



もう既に何冊も作品を読んでいるおなじみの作家さんの作品を読む時、それは何だか気心の知れた友達や知人の家へ遊びに行く感覚に似ています。読書の間中、もう何度も訪れ慣れた空間で過ごす時のような、安心を感じることが出来るからです。既に何度も訪れた家なので、どこに何があるのかなどの勝手も分かっているので、目新しさは少ないにせよ、その時の気分に合わせてどの作家さんの家へ遊びに行こうかと思案出来るのも楽しみの一つでもあります。

既にベテラン作家である恩田陸の作品を読む時も、そんな気持ちで読むことが多いのですが、この作品は恩田陸のこれまでの作品とは、少々違っていたように感じました。
とは言ってもジャズや映画(もしくは舞台)などが登場し、ノスタルジーも感じることが出来るので、雰囲気はきちんと恩田陸しているのです。しかし、この作者最大の魅力である、謎(ミステリ)が今回はほとんどありませんでした。なんだか恩田陸の家へ遊びに行ったけれど、いつもとは違う部屋へ通されたような感じとでも言いましょうか。


印象としてこの作品は、純文学に近いように思います。
これまでの恩田陸作品の中では、「夜のピクニック」に近い作品なのかもしれませんが、今回は若者向けというよりは、もう少し高めの年齢の方向けかもしれません。
親友とも言い難い微妙な関係の三人の登場人物が青春時代を回顧しながら物語は進んでゆくので。
しかも今回は展開らしい展開もないので、これは多分自分の学生時代と照らし合わせながら読んで楽しむ作品なのかもしれません。

無意味で無駄な時間だったように感じる一方で、今の自分を形作る一遍になっている学生時代の、ごちゃごちゃしていて、でも何故かうら寂しい感じが上手く表現されていると思います。


ふっと、学生時代を振り返ってみたくなった時などにおすすめかもしれません。





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最終更新日  2010.06.03 22:35:07
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