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2009年02月17日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
さて、「かみぽこ政治学」です。


「一院制導入論」

が浮上していることについて
書いてみたいんだよね。

小泉純一郎元首相が
「一院制導入」を
自民党の選挙公約とすべしと主張し、
麻生太郎首相も

言及している。

これは、国会議員の数を減らす

「国会リストラ論」

という、一見きれいな話として
論じられているんだけど、
実際は乱暴な話だと
思うんだよね

要は、参院を野党に抑えられたために、
麻生内閣がなんにも自力では
決められないから、
じゃあ、法律を変えて

いう話だからだ。

私は、参院は不要ではないと思っている。
「ねじれ国会」において、
参院が政治の停滞を招いたとする批判は
的外れだと思うからね。



「良識の府」

としての役割を
よく果たしてきたことを
指摘した上で、
参院がよりよく機能するための改革案を、
世界の二院制採用国の制度と
比較しながら提示してみたい。

私がまずもって言いたいのは、
小泉元首相が衆院選に大勝し、
郵政民営化の完全決着を
成し遂げたのは、参院の

「良識的」な法案否決

をきっかけとしていると
いうことなんだよね。

あの当時の記憶をたどると、
法案を否決した政治家たちの中で、
郵政民営化そのものに
絶対反対だった者は
実はそんなに多くなかったと思う。
むしろ、

「衆議院で法案が可決されたのは
首相の解散権を盾にした
多数派工作の結果であり、
審議を尽くした結果とは言えない」
「法案の内容が妥協の産物で問題がある」

として反対・棄権した議員が
多かったんだよね。

その典型は、平沼赳夫さんである。
皆さんよくご存じのように、
平沼さんは、郵政民営化の中身は
どうのこうの言っていないし、
元々、小泉内閣の経産相で、
麻生さんよりも(?=苦笑)
構造改革には賛成だった。

平沼さんが問題視したのは、
あくまで

「法案審議のプロセスが悪い」

ことだったわけだ。

まあ、平沼さんがいた
衆議院については、
小泉首相の「解散権」を盾にした
脅しがよく効いて、
(これが、平沼さんを
硬化させてしまった原因)
法案を可決してしまったけど
首相の「解散権」が効かない参院は、
法案を否決した。

これは、

「衆議院で可決した法案をチェックする」

参院の役割をきちんと果たした
「良識的」な判断だったと
私は評価している。
(2005年8月10日
郵政民営化:参議院が示した「良識の府」としての判断と衆議院解散について。 )

もちろん、これは

「建前」「きれい事」

だと、言ってしまえば
それはそうかもしれないけどね。

しかし、たとえそうであったとしても
参院議員たちが
「良識的」なロジックを立てて
法案を否決したことは、
軽視すべきじゃない。

「良識」は「政局」を
抑えられる時がある

ということだからね。

要するに、あの時参院が、
衆院の判断に迎合して
法案を可決していたら、
法案成立後も自民党内の不満は
くすぶり続けただろうね。

小泉政権は最後まで
権力基盤を確立できず、
構造改革も推進できなかった
かもしれない。

実は「一院制導入論者」の
小泉元首相こそ、
参院の「良識」から
多大な恩恵を受けていた
政治家だったと思うのだ。

ちなみに、定額給付金を巡る
小泉元首相のこの発言。

『「ねじれ国会」と言うが、
決してそんなに悪いことじゃない。
政策優先という国民の声が強いから、
衆参の意見が違ったら、
どういう政策なら国民が納得できるか、
よく協議してもいいと思う。

定額給付金についても、
首相は「さもしい」「自分はもらわない」
「いや、そんなことは言ってない」とか
いろいろと言っているが、
私は本当にこの法案が
(衆院の)3分の2を使ってでも
成立させねばならない法案だとは
思っていないんです。

私は引退表明して、あまり多くのことは言わないが、

「あの時賛成したけども、実はそうじゃなかったんだ」

と言いたくないから、給付金について
もっと参院の意見と調整して
妥当な結論を出してほしいと思っている。』

これは、小泉元首相が
参院の「良識」を利用して
自説を展開していると
言えないだろうか。

さて、次に「ねじれ国会」に
ついてだけれども、
参院を抑えた野党が
国会を止めることに
厳しい批判があるのは
皆さんよくご存じの通り。

しかし、参院が国会を止めた結果、

「日銀総裁人事」「年金問題」「薬害肝炎」
「防衛省問題」「ガソリン税暫定税率」などなど、

これまで国会論戦の焦点とならず、
素通りされていた深刻な問題点が
国民の前に明らかされたことは、
もっと正当に評価されていいと
思うんだよね。

例えば、福井俊彦日銀総裁の
後任人事について、
政府・与党が財務省出身の
武藤敏郎副総裁の昇格を
提案したことに対して、
野党側が「財政・金融の分離」の原則から
参院で否決したことを
振り返ってみたいんだよね。

これまで日銀総裁に
財務省(大蔵省)出身者が
就任してきた問題は、
参院での否決によって、
初めて国民に広く認識されることに
なったのではないだろうか。
 (2008年3月13日
日銀人事に思う。(前編)
日銀人事に思う。(中編)
日銀人事に思う。(後編) )
 それと、前回のエントリーでも触れたけど
 民主党・大塚耕平の英紙FTでの
 インタビュー記事での発言

「中央銀行総裁不在により、
日本の信用性と市場の安定性が
損なわれる懸念を、
間違った人材の任命を急ぐ危険が上回る」

「素人の民間人を任命するより空席のほうがいい」
( Financial Times「Japanese opposition in no hurry to see top central bank post filled」 )

 でわかるように、
この「日銀総裁人事」を巡っては
 実は、金融のスペシャリストによって
 与野党の間で議論が行われていたのだ。

 野党はただ反対していただけという
批判は明らかに不当だと思う。

また、「ガソリン税の暫定税率」が
30年以上も更新されていたことも、
参院がそれを問題視するまで
多くの国民はよく知らなかった。

防衛省・厚労省のスキャンダルも、
法案が参院で止まっているうちに
ボロボロと出てきた。

これらは、「ねじれ国会」で力を得た参院が
(2008年8月23日
民主党はどうなっているか(3):「参院民主党与党化」という日本政治の構造変化について。 )
政府・与党のごまかしを
許さなくなった
結果ではないだろうか。

それでは、後編へ。





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最終更新日  2009年02月17日 11時15分11秒


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