ラジオと映画とちょっとジャジーな日々

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渋谷毅さんのこと ♪-9


オロオロしたものだ。

でも、再びこのエレベーターに渋谷さんと乗る日が来て、
しかも、こんな形だとは・・・。

などという私の思いと、
「何階だっけ?」と聞いている渋谷さんの思いは、

当然ながら 全然違う

そこで、6Fのボタンを押しながら、
こっそり一人で感慨にふけることにした。

そんな私に、
「ねぇ、COOLさんのところの看板小さすぎると思わない、
もっと目立つようにした方がいいよね。」
なんて話しかける渋谷さんがおかしくて、

「じゃ、今度伝えておきますね。」と言いながら
笑いを噛み殺しているうちに到着。

お店のドアは、ワクワクする世界の入り口に見える。
「どうぞ。」と渋谷さんを招き入れるように、店内に入ると、

カウンターの向こうから
COOLさんが「よぅ、来たね!」と笑顔で迎えてくれた。

今日の会場を提供してくれてありがとう。

ライブの席は、ピアノの斜めすぐ後ろ、一番近くのカウンター、
・・・と思ったけれど、一応主催者なのでちょっと遠慮して、
2つ横にずれて確保。(遠慮していない?)

お客さんが、次々入ってくるのを迎える。
奥の席からは、友人達が手を振っている。

このライブの為に素敵なチラシを作ってくれたYちゃんだ、
ありがとう!

満員のお客さんを迎えて、
渋谷さんのライブは、本当にさりげなく始まった。

水割りのグラスをピアノの上にコトっと置いて、
「今日は、自分の曲全部弾いちゃう。」なんて言いながら。

渋谷さんの指がすべる様に鍵盤の上を動き出すと
様々な光が、差し込んできたような美しい音色が響く。

私は渋谷さんのピアノを聴くと 「光」 を思うのだ。
この音が見えるならば、きっと「澄んだ、やわらかな光」

やがて、会場の空気の質が、ググッと変わっていくのがわかる。
お客さんの顔に、喜びの表情が浮かぶ。

本当に一流の人なんだなぁ・・・と思わずにはいられない。

そして、こんな風に音楽に身も心も包まれる時間を、
これからもできるだけ持てますように、と祈った。

ライブが終わって、静かになった店のカウンターで
「お疲れさま」とゆっくりグラスを傾けながら、

渋谷さんが、小沢健二さんと仕事をした時のことを
ひとつひとつ思い出しながら、話してくれた。

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(つづく)


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