1

No.48 パノラマエクスプレス→C-62蒸気機関車No.48 C62蒸気機関車の塗り替え限定品として,銀河鉄道999号も製品化されています。No.49 神戸市営地下鉄→E257系わかしお・さざなみNo.49 神戸市営地下鉄は,当初は103系塗り替え,後に私鉄汎用型の塗り替えにかわっています。いずれも,1000形のイメージでしょう。103系塗り替え品は当初,側面の細帯の向きが前後逆になっており,前面の細帯とつながっていないというミスがありましたが,後に修正されました。No.49 E257系わかしお・さざなみのバリエーションとして,E257系2000番台「踊り子」2両セットがあり,貫通型・非貫通型が各1両となっています。No.50 小田急ロマンスカーHiSE→ロマンスカーRSE→E235系山手線E235系は,山手線のほか,横須賀・総武快速線(1000番台)も製品化されており,113系・E217系と3両セットの「横須賀線・総武快速線・3世代大集合セット」が発売されています。No.51 近鉄アーバンライナーNo.52 スーパー特急あずさ→特急ハウステンボスNo.53 スーパーひたち→E653系いなほ(瑠璃色)(ハマナス色)No.54 京阪電車→E233系中央線No.54 京阪電車は,おそらく1990年開催の花博に合わせて型が起こされたと思われます。ラッピング電車「花の万博号」(赤,青,緑の3色。なお,実車で6000系だったのは青のみ),「くずはタワーシティー号」,「10000系タイプ」といったカラーバリエーションがあります。また,これらとは別に,限定品「京阪特急」として,8000系も製品化されており,6000系,10000系タイプ,8000系の3両セットもありました。(1990年に開催された「花の万博」に合わせて製品化された「京阪電車花の万博号」)No.55 スーパー特急きらめき→名鉄パノラマスーパー→名鉄1200系パノラマスーパーNo.56 スーパービュー踊り子No.57 東武スペーシアNo.57 東武スペーシアは,窓回りの黒帯が追加されてリアルになりました。東武博物館で販売されるなど力の入った製品で,実車同様に雅,粋,サニーコーラル,DRC,日光詣の各色が製品化されています。No.58 成田エクスプレス→H5系北海道新幹線No.59 特急ライラック→885系白いかもめNo.60 フレッシュひたちNo.61 E4系マックス→E4系マックスときNo.62 通勤型グリーンNo.62~64は,209系をベースにしたモデルで,103系との区別のため当初「ニュー」通勤型を名乗っていました。前面以外は私鉄汎用型と同様です。製造時期によって?(前後不明),カプラーが前面スカートから突き出しているもの(本記事のグリーン,ブルー)と,前面スカートと一体のダミーになっているもの(本記事のイエロー)があります。2022年には,このモデルをベースに,No.44 伊豆急行3000系アロハ電車(実車は209系ベース)が発売されました。No.63 通勤型ブルー→東急5050系No.63 東急5050系は,限定品として,5000系,5050系Shibuya Hikarie号,5080系,横浜高速鉄道Y500系といったカラーバリエーションがあります。No.64 通勤型イエローNo.65 700系新幹線/No.65B 700系中間車No.65 700系新幹線は,限定品として,AMBITIOUS JAPANバージョン,東海道新幹線LAST RUNバージョンも製品化されています。No.66 電関EF81No.66 電関EF81には,限定品として,北斗星カラーもありました。No.67 EF81カシオペア
2022.07.01
閲覧総数 3067
2

私がこのブログを始める上で大きく影響を受けた「鉄道模型考古学」シリーズ。今回はその軌跡を追ってみたいと思います。「鉄道模型考古学」は,松本吉之氏が,レイルマガジン29号(86年5月号)から144号(95年9月号),RMM2号(95年10月号)から18号(97年2月号)にかけて連載されていました。このうち,レイルマガジン29号から104号(92年5月号)掲載分は「鉄道模型考古学」として単行本化されており,機関車を中心に16番の歴史が辿られています。レイルマガジン107号(92年8月号)から140号(95年5月号)連載分は「鉄道模型考古学N」として単行本化されています。16番と同様,機関車を中心としてNゲージの歴史が辿られており,ソニーマイクロトレーンなども紹介されています。「鉄道模型考古学N」の単行本には3種類あり,1つ目は,95年にレイルマガジン95年6月号増刊としてとして刊行されたもの。2つ目は,97年に書籍として刊行されたものです。両者は一見よく似ていますが,表紙の「レイル・マガジン1995年6月号」記載の有無,後者にはトミーOOOゲージ(RMM18号(97年2月号)で紹介)の記載が追加されているなどの違いがあります。そして,2013年,旧版ではほとんどがモノクロだった写真をカラーとし,レイルマガジン142号(95年7月号)から144号とRMM2号から18号の掲載分(プラスティックモデル編)のダイジェストを収録するなどした「愛蔵版 鉄道模型考古学N」が刊行されました。旧版をお持ちの方もそうでない方も,Nゲージの歴史を辿る上で必携の書だと思います。なお,この他,単行本に収録されていない分として,レイルマガジン92年6月号掲載の「鉄道模型考古学-74 こだま型補足」,92年9月号掲載の「補遺 宮沢模型のEB10」,94年12月号掲載の「鉄道模型考古学番外編 発掘された幻のモデル3題」,RMM97年3月号掲載の「鉄道模型考古学番外編 16番モデルのヤとル」があります。また,RMM96年7月号には「16番プラスティックトレーラー考古学」,99年11月号には「16番試作車モデル考古学」が掲載されています。(レイルマガジン94年12月号「鉄道模型考古学番外編 発掘された幻のモデル3題」)「新・鉄道模型考古学N」は,山下貴久雄氏による連載で,機関車中心の松本氏と異なり,電車や気動車といった箱物中心の内容となっています(山下氏はそれまでにも「Nゲージモデルアーカイブス」(ネコムック222,2001。後年カトーから刊行された「KATO Nゲージアーカイブス」とは全く別の本)において,Nゲージ製品リストをまとめるなど,Nゲージの歴史に詳しい方として知られていました。)。RMM72号(01年8月号)から123号(05年11月号)掲載分は「新・鉄道模型考古学N」,129号(06年5月号)から160号(08年12月号)連載分は「新・鉄道模型考古学N2」としてそれぞれ単行本化されています。あいにく,以下の連載分はまだ単行本化されていません。161(2009-01)国鉄電車編31 51系(考古学ミニコラム 動力ユニットの勢力争い)162(2009-02)国鉄電車編32 201系 part1163(2009-03)国鉄電車編33 201系 part2164(2009-04)国鉄電車編34 70系165(2009-05)国鉄電車編35 80系166(2009-06)国鉄貨車編1 トキ15000,トキ25000167(2009-07)国鉄気動車編12 キハ40000,キハ41000,キハ04,キニ05168(2009-08)国鉄気動車編13 キハ40系 part1169(2009-09)国鉄気動車編14 キハ40系 part2170(2009-10)国鉄気動車編15 キハ40系 part3171(2009-11)国鉄気動車編16 キハ55系 part1(考古学ミニコラム 学研の時代)172(2009-12)国鉄気動車編17 キハ55系 part2173(2010-01)特別編 エーダイナイン誕生から30年174(2010-02)国鉄貨車編2 コキ10000系 part1175(2010-03)国鉄貨車編3 コキ10000系 part2176(2010-04)国鉄客車編23 50系 part1177(2010-05)国鉄客車編24 50系 part2178(2010-06)国鉄客車編25 32系 part1179(2010-07)国鉄客車編26 32系 part2180(2010-08)国鉄客車編27 古典客車(コラム 中村精密のNゲージ用室内灯セット)181(2010-09)国鉄貨車編4 ワキ5000,ワキ8000,ワサフ8000,ワキ10000182(2010-10)私鉄編12 近鉄 part2(12200・15200系)183(2010-11)私鉄編13 近鉄 part3(3000・8810・20100系)184(2010-12)私鉄編14 近鉄 part4(1810・2410・2430・2600・2610・2800・8800系)185(2011-01)私鉄編15 伊豆急 part1186(2011-02)私鉄編16 西武 part1(101・新101・301・401・801系)187(2011-03)私鉄編17 西武 part2(5000系)188(2011-04)国鉄貨車編5 レ2900,レ5000,レ6000,レ12000189(2011-05)国鉄電車編36 117系190(2011-06)国鉄電車編37 157系 part1191(2011-07)国鉄電車編38 157系 part2192(2011-08)国鉄電車編39 143系 part1193(2011-09)国鉄電車編40 143系 part2194(2011-10)国鉄電車編41 事業用車(旧性能),クモユ141,クモヤ145,クモユニ147195(2011-11)国鉄貨車編6 ワム80000 part1196(2011-12)国鉄貨車編7 ワム80000 part2197(2012-01)私鉄編18 都営地下鉄198(2012-02)私鉄編19 東武 part1(8000系1)199(2012-03)私鉄編20 東武 part2(8000系2,5000・5070系,850型)201(2012-05)私鉄編21 京浜急行 part1(1000系1)202(2012-06)私鉄編22 京浜急行 part2(1000系2)203(2012-07)私鉄編23 京成電鉄 part1(AE車)204(2012-08)国鉄貨車編8 ヨ3500,ヨ5000,ヨ6000205(2012-09)国鉄電車編42 381系 part1206(2012-10)国鉄電車編43 381系 part2207(2012-11)国鉄電車編44 183,189系 part1208(2012-12)国鉄電車編45 183,189系 part2209(2013-01)国鉄電車編46 451,455,457,475系 part1211(2013-03)国鉄電車編47 451,455,457,475系 part2213(2013-05)国鉄貨車編9 ワム50000,トム50000215(2013-07)私鉄編24 名鉄 part1(7000系)217(2013-09)私鉄編25 京阪電鉄 part1(3000系,8030系)219(2013-11)私鉄編26 東急 part2(3600,3700,7000系)221(2014-01)私鉄編27 京浜急行 part3(800形)223(2014-03)私鉄編28 京阪電鉄 part2(5000系)そして,忘れてはならないのが,RMM125号(06年1月号)から139号(07年3月号)にかけて連載された,大田治彦氏の「紀元前N世紀」シリーズです(125から128号,130号,132号,134号,136号に掲載。139号は番外編)。「紀元前N世紀」シリーズの内容は,このブログでも何回か紹介させていただきましたが,英,米,独,日各国の資料を駆使し,Nゲージの起源に体系的に迫られた非常に密度の濃い記事であり,ぜひ,単行本化など,より多くのNゲージャーが手に取ることができるような形になってほしいと思います。(追記:その後,2016年末に発行された「KATO Nゲージ生誕50周年記念誌」に「紀元前N世紀」の内容が概ね収録されています。)その他,ネコ・パブリッシング社からは,「鉄道模型考古学」の姉妹書というべき,「国産ミニチュアカー考古学」も刊行されています。1996年に発行された「国産ミニチュアカー考古学」は,「モデル・カーズ」8号から29号までの連載をまとめたもので,モデルペット,ミクロペット,ダイヤペットといった国産ミニチュアカーの歴史が綴られています。2002年に発行された新版では,以前の版に掲載されていた写真をすべてカラーとし,また,「モデル・カーズ」に連載されていた「トミカダンディ探訪」が加えられています。【追記】「愛蔵版・鉄道模型考古学N」159頁でアオシマ製として紹介されている「こだま号」の木製キットは,タミヤ製品であろうと思われます。「田宮模型全仕事」(文藝春秋刊)にはOゲージのこだま号,HOゲージのこだま号,HOゲージのビスタカーといった木製模型キットが紹介されており,同書掲載のパッケージは,「愛蔵版・鉄道模型考古学N」掲載のそれと酷似しています。なお,当時,タミヤは,おなじみの星のマークではなく,「田宮模型教材」をあらわす「TMK」マークを用いていました。また,同163頁でオオタキ製として紹介されているD51 101のディスプレイモデル(縮尺1/75)も,正しくはシンセイ(新正工業。建設車両中心のミニカー・シンセイミニパワーシリーズで知られる)製のようです。
2016.04.24
閲覧総数 6418
3

これまで,ミニミニレールやマイレール,SONIX9といった,Nゲージに近似した電動玩具を取り上げてきました。今回ご紹介するのは,(株)ジパングから発売されていた,「エクストレイン」なる玩具。他に,「ノスタルジックトレイン」(マルカ(株)),「サウンドトレイン」,「ロマンティックジャーニー」(日本オート玩具(株))など,様々な名称で販売されているようです。(ジパングの「エクストレイン」)(日本オート玩具の「サウンドトレイン」)(「サウンドトレイン」の駅舎(奥)とTOMIXの木造駅舎)車両はNスケールよりやや大きく,軌間は13ミリ程度。単3電池1本で駆動します。米国型ディーゼル機関車2種,蒸気機関車1種,TGV,2階建て客車,タンク貨車があり,車輪が大きいため,やや腰高となっていますが,プロポーションは悪くなく,実物のイメージをとらえていると思います。「サウンドトレイン」の箱には,「景品用」とあるので,ゲームセンターなどで流通しているのでしょうか。「サウンド」の由来は,駅舎に内蔵されたICから,汽笛や踏切の音など様々な音が出ること。プラレールにも「おしゃべりステーション」という6種類の音を選んで出せる駅がありましたが,こちらはボタンが1つしかないので,決まった順番に音が鳴るだけです。駅舎の形状は,Nゲージャーにはおなじみ,TOMIXの木造駅舎に酷似しています。大きさも,TOMIXの木造駅舎とほぼ同じなので,Nゲージレイアウトに置いても違和感はないでしょう。ここで,意外な発見をしました。「エクストレイン」シリーズは,1970年代に販売されていた,ヨネザワのマイレールと軌間がほぼ同一で,曲線半径も同一。そのため,エクストレインとマイレールは,互いの線路で走らせることができます(エクストレインの一部車両はマイレールのポイントで引っかかる場合あり)。2軸のマイレールとボギー車のエクストレインでは,プロポーションがかなり異なりますが,車体の高さや幅はほぼ同一。連結器も似た形状で,互いにつなげることができました。
2019.10.27
閲覧総数 2965
4

今回は,Nゲージをはじめとする鉄道模型の入門書を取り上げたいと思います。1970年代後半,入門書の出版が相次ぎました。まず,鉄道模型趣味1976年11月号のミキストでは,保育社のカラーブックスシリーズから刊行された同誌主筆・山崎喜陽氏の「鉄道模型」(1976)と,日本放送出版協会から刊行された長真弓氏の「鉄道模型レイアウト」(同)が紹介されています。いずれも入門書の古典として長く読み継がれた本です。「最近発行された『長真弓著,鉄道模型レイアウト(日本放送出版協会)750円』を買ってみた。レイアウトを主題とした単行本で,初心者向の解説書が望まれているおりから絶好の企画といえる。著者はオーディオ関係の著書を持つ人で,鉄道模型は最近趣味として再開と記してあり,TMSでは318号のドイツ製のNゲージロコその他の投稿を掲載している。・・・第二章のレイアウト工作は,TMSにのった私の9mmゲージレイアウトの作り方(レイアウトテクニックにも収録)や,9mmゲージ小レイアウトの製作(中村汪介・308~310号)などの内容を整理してミックスしたもの70%に他の本誌の記事を10%加えたものと言ってもよいだろう。・・・9mmレイアウトの工作例を幹として,なかなか結構にまとまっているのが第二章である。ところが,第三章の電気関係に入ったあと,特にポイントの電気方式に関係する項は,各社まちまちの給電をまとめるのにてこずったあとがありありと見えて,電気関係のライターである著者でさえもさすがに苦労している。・・・しかし,この部分は非常な労作である。悪いのは勝手な電気方式のポイントをばらばらに出したり,途中で変更したりするメーカーである。・・・私の場合は紙数が少ないこともあって,切捨てるべき部分は切捨てて説明せずに書いてしまった。その方が初心者に判りやすいと思ったからである。私の書いた本は機芸出版社からではなく,保育社のカラーブックスのうちの一冊『鉄道模型』であって,一般人を相手にしたものだから,こういう切捨てもできるのであるが,それでもポイント関係を書きながら腹がたってきた,というのが本音である。・・・私の本と相前後してもう一冊単行本が発行される予定がある。水野良太郎氏の『鉄道模型の愉しみ』という新書判であるが,この本については私も連絡を受けていて,同氏独特のたのしみ方が得意のイラストをまじえて展開されるであろうと期待している。今年は3冊の書きおろしが揃うことになり,読む方は楽しかろうが,書く方は苦しみの方がずっと大きい。」続いて,鉄道模型趣味1977年7月号のミキストでは,廣済堂出版から刊行された水野良太郎氏の「鉄道模型入門」(1977)が紹介されています。同氏らしく,イラストがふんだんに使われた楽しい本となっており,Nゲージ史の観点からは,ソニーマイクロトレーンについて取り上げたことも注目される一冊です。「昨年11月号の本欄で予告した水野良太郎著『鉄道模型入門』(廣済堂出版:680円)が発行された。水野氏の面目躍如ともいえる本である。・・・いろいろな理由はあるが,書名とか写真の問題などとにかく著者自身の意に副わない形態で出版されたのは残念である。『鉄道模型の愉しみ』という書名で書き始めた原稿が,販売面から『入門』という書名に変更となったのは著者としても心苦しいところがあるのは無理もない。勿論『愉しみ』にしても入門書のつもりで執筆し始めたのではあろうが,読者の受取り方は違ってくる。この本には本誌の読者が読めばすぐわかるようなミスが少なくない。その責の半分は編集サイドにあると思われるが,『愉しみ』なら初版では単なるミスとして許されるかもしれないミスが,『入門』ともなれば初版でさえも許されない性質のものへと変化する。特に年少の初心者が最初に覚えたことが一生つきまとう例をたくさん知っているからである。・・・このようなことを別にすれば,著者の姿勢は,流れるような文章とすぐれたイラストによって鉄道模型全般をよくとらえて表現され,その中に良い意味の独断を混えて私ではとても書けないような部分も散見するのはうらやましく,それが鉄道模型業界の批判ともなっている点は喜ぶべきことであろう。・・・第1章の大部分を占める世界の鉄道模型の歩みに関する記述の殆んどは巻末に示してある英国の『The World of Model Trains』にたよっている。どうせ書くなら,もっと正しい参考書を何冊か使ってもらいたかったと思う。この参考書は鉄道模型の専門家が書いたものではなく,乗物や模型全般のライターがまとめた本で,著者のGuy R.Williamsは英国の鉄道模型界で執筆者としても模型製作家としても有名なGuy Williamsとは全くの別人である。それだけに内容的に怪しい所や誤った説明が少なくない。・・・話がそれたが,水野氏の鉄道模型に対する気構えは『たかが,シロウトに毛の生えた程度のマニアであるぼくが・・・・・・』に始まるあとがきに端的に表れている。」日本放送出版協会からは,1977年には菅原道雄氏の「鉄道模型車両の作り方」が,1978年には長真弓氏の「Nゲージ鉄道模型」が刊行されています。前者はHOの車両工作中心ですが,後者は書名のとおりNゲージの入門書となっています。レイアウトのストラクチャーは輸入品中心で,車両も関水,トミー,グリ完,学研といった懐かしい製品が登場します。また,1979年には,「子供の科学」の連載をもとにした中村汪介氏の「Nゲージの鉄道けんせつ」が誠文堂新光社から刊行されました。さて,1980年代に入ると,有名なケイブンシャの大百科シリーズで鉄道模型が取り上げられます。ラインナップは以下のとおりです。No.70「鉄道模型大百科」(1980)/No.167「鉄道模型テクニック大百科」(1983)/No.200「鉄道模型Nゲージ大百科」(1984)/No.243「鉄道模型Nゲージ2大百科」(1985)/No.272「鉄道模型2大百科」(1986)/No.351「鉄道模型決定版大百科」(1989)/No.397「鉄道模型車両カタログ気動車編大百科 90年版」(1990)この他に,大百科別冊として,1986年にえがしら剛氏の漫画「鉄道模型入門」が刊行されました。また,大百科シリーズには,類似した企画もいくつかありました。その一つ,実業之日本社からは,こどもポケット百科「鉄道模型大作戦 楽しいNゲージのすべて」(1981),カラーカタログ「鉄道模型大百科」(1984)が大百科シリーズと同じ判型で刊行されています。同社からは,南正時氏と長谷川章氏による「鉄道模型Nゲージ入門」(1980) もありました。インターネットで有用な情報が多数手に入る時代ですが,ビギナーにとって,しっかりした編集方針の下にまとめられた入門書は存在価値を失っていないと思います。令和の時代には,どのような入門書が現れるでしょうか。
2020.03.31
閲覧総数 5081
5

Nゲージを意識して作られた玩具というのは意外にたくさんあるようです。まず思いつくのは,軌間が9ミリとなっているダイキャスト製玩具(ダイカスケール,トレーン社のNゲージシリーズ等),SLブームやブルトレブームの下に生み出されたNゲージサイズのプラモデル(アオシマ,バンダイ,フジミ等),童友社の電池で自走する軌間9ミリのプラモデル(都電やC58等の蒸気機関車)といったところでしょうか。また,20年ほど前にはセガ・ヨネザワからソニックスナインという電池で自走する9ミリゲージの玩具が発売されていました(広告等にも「9(ナイン)ゲージモデルトレイン」と明記)。そして,Nゲージを強く意識した玩具として外せないのが,高橋商店の関西私鉄特急シリーズ(?)でありましょう。(JTBムック「鉄道玩具大全」より)いずれも軌間9ミリ,縮尺は1/150よりやや大きめ,プラスチック製4両編成という仕様で販売されており,近鉄30000系ビスタカー,近鉄21000系アーバンライナー,阪急6300系,京阪8000系,南海50000系ラピートがあります。近鉄30000系ビスタカーには,切符,改札鋏,笛が一緒にセットされているので,「のりものキップあそび」等の電車ごっこ用玩具に由来するのでしょうか? このあたりの歴史に詳しい方にご教示いただけると幸いです。(追記:当ブログでは「のりものキップあそび」等との比較を行っているので,そちらもご覧ください)Nゲージと一緒に走らせるにはサイズ面でやや難があるものの,意外にあなどれない出来といえるでしょう。特に,南海ラピートや京阪8000系は,マイクロエース製品が発売される以前に,このシリーズをNゲージ化された方が少なくなかったようです(RM131号には,京阪8000系をNゲージ化する記事が掲載されています。一方,近鉄や阪急については,トミックスやカトーの優秀なプラ製品が早くから存在していたため,あまりNゲージャーの関心を惹かなかったように思います)。
2015.12.02
閲覧総数 7147
6

東大阪市にある玩具メーカー・真田プラスチック工業所(おもちゃのサナダ)は,「ユカちゃん」のままごとシリーズで有名ですが,軌間9ミリのプラ製鉄道玩具もいろいろ製品化しています。そこで,今回は,鉄道玩具を中心に,私の手元にある真田製品を一挙にご紹介したいと思います。(扇にSP(サナダ・プラスチック)のマーク)(玩具商報1972年7月15日号より。「創立十五周年 新社屋完成 ご挨拶」の広告) まずは,軌間9ミリのプラ製鉄道玩具から。「D51デゴイチ組立セット」 D51とダブルルーフ旧型客車1両が,組み立て式キットとしてパッケージされています。 縮尺は1/130です。私の手元にあるモデルはオーソドックスな黒とぶどう色ですが,カラフルなモデルもありました。(レイルマガジン2003年6月号より。真ん中のスペースには信号機が入っていた)「D51のりものセット」 D51とダブルルーフ旧型客車1両のセット。縮尺は1/130です。(まんだらけZENBU No.94より)(玩具商報1975年1月号より。D51のりものセットが広告に登場する)「銀河特急」 583系2両のセット。同じ商品名で,0系や485系もどきのセットもあったようです。 また,0系や485系もどき4両を入れた長いパッケージもあったようです。(商品名不明) シルバーメタリックのD51とダブルルーフ旧型客車,0系,103系もどきが入っています。切符や鋏,笛は入っていません。 商品名の記載が一切ない謎のセットです。余談ですが,シルバーといえば,KATOのC62贈答用銀塗装を連想しますね。「レジャーセット」残念ながら未入手です。(まんだらけZENBU No.94より)(玩具商報1975年9月号より。レジャーセットが広告に登場する)「メタリックD51・機関車」(トヤマツヤマという会社から発売されたシルバーメタリックのD51と客車。パッケージデザインはウッド時代のダイカスケールを連想させる)[追記]上記「メタリック D51・機関車」の発売元について「トヤマ」と記載しておりましたが,「ツヤマ」の誤りでした。訂正しお詫び申し上げます。なお,「ツヤマ」は大阪市鶴見区にあった会社で,下記の「ひかり号・国電セット」を発売していた「ツヤマ玩具」(東京都墨田区)とは異なる会社のようです。「ひかり号・国電セット」(ツヤマ玩具から発売された「ひかり号・国電セット」。ツヤマ玩具のロゴの上からサナダのSPマークのシールを貼ったバージョンもある)「のりものキップあそび」 0系2両と103系もどき1両のセットです。 私の手元にある製品は,裏面に「新幹線 東京~博多間が開通しています。また現在,東北,上越,両新幹線の工事がすすめられています。」との記述があるので,博多開業(1975年)以降,東北・上越新幹線開業(1982年)以前の製品ということになります。さらに,セットの「こども鉄道局」発行の切符に「53.-9.」とあるので,1978年の製造分とみてよさそうです。「東北上越新幹線開通記念」と同一のパッケージです。「東北上越新幹線開通記念」とあるので,1982年頃に販売されていたものでしょうか。日銀券が1984年の図柄変更前のものとなっています。箱がありませんが,ボンネット特急も製品化されています。 100系2両のセットです。 私の手元にある製品は,「こども鉄道局」発行の切符に「のぞみ」とあるので,1992年以降に製造されたものということになります。 485系もどき2両のセットです。 私の手元にある製品は,「こども鉄道局」発行の切符に「スーパー雷鳥 サンダーバード1号」とあるので,1995年以降に製造されたものということになります。 その割には,ヘッドマークがL特急「やまびこ」になっているのが,時代錯誤です(笑)「トレーンセット」 100系2両と103系もどき1両のセットです(485系もどき2両と103系もどき1両のセットもあり)。箱入りの「のりものキップあそび」と異なり,ビニール製のパッケージとなっています。雑誌「鉄道おもちゃ」第1号では,当時,大阪にあった交通科学博物館の売店で取扱われていたことが紹介されています。 なお,同種のパッケージで「レジャーパック」「L特急セット」等の名称で販売されていたものもありました。 また,「トレーンセット」には,「SP」の真田プラスチック工業所のロゴマークに代えて,鬼怒食品KKのロゴが印刷されているものもあります。[追記]切符やはさみに換えてSLと客車が入っていたセットもあります。(鬼怒食品KKのロゴマーク)「トラベルパック」「トラベルパック」には,真田プラスチック工業所のロゴマークは入っておらず,笛には「中」の字が刻印されています。また,103系もどきも妻面が前後逆となっているなど,不思議な製品です。「東海道・山陽 上越・東北 新幹線」 0系新幹線1両と紙製の信号機が入っています。「ゴー!ゴー!トレインあそび」 100系2両と485系もどき2両,103系もどき1両が入った豪華版セットです。 なお,ヘッドマークは相変わらずL特急「やまびこ」です(笑) パッケージには真田プラスチックの看板娘,ユカちゃんが登場します。 裏面にE3系量産車が登場しますので,1996年以降の製品ということになります。「電車シリーズ」 車両1台に紙製の標識,切符が含まれています。 発売元は,千葉県松戸市の(株)ヤマキとなっていますが,ヤマキのシールを剥がすと,真田プラスチックのロゴが印刷されています。シールには「ごいしガム1個入」とあるので,カバヤのマジョレット製ミニカーのように,スーパーで食玩として販売されていたようです。私の手元の箱には,イトーヨーカドーの「185円」のシールが貼られています。 箱には,ラインナップとして「富士 EF65/国電 モハ103/ビスタカー 30000系/ひかり 21 1000/白鳥 クハ183/はつかり クハネ583/やまばと クハ481」が記載されています。私の手元にあるのは,0系の先頭車,中間車,0系(緑)の先頭車,中間車,485系もどきの先頭車,中間車,583系の先頭車,中間車です。したがって,ラインナップのうち,EF65や103系,ビスタカーは手元にありません。中でも特に興味深いのが「富士 EF65」ですね。これまでに真田製のEF65は見たことがありませんので・・・。 電車シリーズの485系もどき。赤帯は暗褐色のものと鮮紅色のものがある。[追記]謎の100系新幹線こちらの100系新幹線もどきは,先頭部がトレーンの100系に,側面と中間車は真田の485系もどきにそれぞれ酷似しています。真田ではこれとは別に100系を作っており,全く謎のモデルです。どなたか情報をお持ちの方,お待ちしております。[さらに追記]謎の100系新幹線の正体この謎の100系は,墨田区の玩具メーカー,(株)ヒーローから発売された「たのしいしんかんせん」に含まれていたものです。100系3両のほか,こども銀行券・硬貨,キップ,鋏,笛,腕時計が含まれていました。(株)ヒーローは,(株)ザ・アクセスの関連会社で,変形ロボ「攻速機動ゼロシーダ」シリーズで有名なようです。(謎の(株)ヒーローの100系新幹線)(真田の100系との比較。真田製品とは異なり,車輪にフランジはない)「ビスタカーセット」 近鉄30000系の4両セットです。 「日本子供鉄道」のキップや笛,鋏がセットされています。 なお,「ビスタカーセット」とよく似た,高橋商店の「阪急電車」「近鉄新特急」「京阪特急」「南海空港特急」や,ニシノの「マリンライナー」には,真田プラスチックのロゴがありませんので,真田製品ではないと思われます。以下,軌間9ミリのプラ製鉄道玩具以外の製品をご紹介します。「義経号」「弁慶号」 立体パズルのようなプラ製の機関車1両と客車2両で,これまでご紹介したスケール志向の玩具と異なり,かなりデフォルメされた形態となっています(軌間9ミリではありません)。 ケースには「おみやげ」とあり,ケースはみかんを入れるような網に入れられています。この製品は真田製品の中でもかなり古いもので,玩具商報1969年9月15日号の広告で確認できます。 なお,札幌市の古谷製菓から,「ニコニコポッポー フーセンガムつき」として,義経/弁慶号にガム1個を付けて販売されていました。また,古谷製菓からは,「超特急型フーセンガムつき」として,先にご紹介した0系2両にガム1個を付けた製品も販売されていました。(義経号,同客車のキット)(上記キットと同一の箱絵だが,箱は一回り小さい)「コンバットセット」 戦車,飛行機,軍艦,兵士等のミニチュアが多数入っています。「コンバットセット」 同一商品名ながら別物。「コンバットセット」 同一商品名ながら別物。「コンバット」 大きめのジープや戦闘機が入っています。「コンバット」 同一商品名ながら別物。「新コンバットセット」 戦車,飛行機,軍艦,兵士等のミニチュアとあわせて,「交通セット」と共通のトラックが入っています。「WATER-PLANE」 水上機の組み立てキットです。「ウルトラS.P号」「ウルトラS.P2号」 ウルトラセブンに登場するウルトラホーク1号,3号を模倣したと考えられる,飛行機の組み立て式プラキットです。「ミニミニ旅客機シリーズ」 パンナムのボーイング747と日航のコンコルド。組み立て式のプラキットです。 この他に,パンナムのボーイング727と日航のDC-8があったようです。 日航のコンコルド発注がキャンセルされるまでは,日航カラーのコンコルドの玩具,模型が多数製作されていました。「交通セット」 自動車4台(ハイエース救急車,フェラーリ・ディーノ,トラック2台)と紙製の道路標識がセットになっています。トラック2台の底には真田プラスチックのロゴの刻印がありますが,他2台にはありません。 大阪の会社らしく,箱絵には大阪府警のパトカーと「大阪-九州」と書かれたトラックが描かれています。また,この救急車をキット化した「救急車組立セット」もありました。 なお,これらのトラックは,TATSUMIYA TOYS(大阪の玩具問屋・辰巳屋のことか?)からも「トラックあそび」(ダンプ,タンクローリー,ミキサー車のセット)として発売されていました。「建設車シリーズセット」キャブは「交通セット」のトラックと共通です。「トラックセット」もありました。「スーパーカー」 プラ製のミニカー4種で,スーパーカーブームの頃の製品と思われます。ランボルギーニ・カウンタック,ランボルギーニ・イオタ,ポルシェ・ターボ,フェラーリ・ディーノがあります。 フェラーリ・ディーノは先の交通セットの色違いです。「レスキューカーセット」6台入りの豪華なセットです。一番の目玉ははしご車でしょう。救急車やトラックは「交通セット」のものと同一です。はしご車は単品販売もありました。「パワーマシーン」フリクション付きの大型玩具です。写真のネオプランバスのほか,トラックもありました。(真田プラスチック工業所の看板娘・ユカちゃん)
2019.06.24
閲覧総数 8474
7

東武鉄道の看板特急として長年,日光・鬼怒川と浅草の間を走り続けた1720系デラックスロマンスカー(DRC)を置き換えるべく,平成2年に登場したのが東武100系電車「スペーシア」です。Nゲージでは,平成4年,グリーンマックスから20周年記念製品として,未塗装キットが発売されました。東武東上線沿線にある同社としては,伊勢崎線系統とはいえ東武の看板特急は,記念製品にふさわしい題材であったといえましょう。品番も,400番代のエコノミーキットから飛んで,701が与えられています。このキットは,スペシャルキットと銘打たれ,未塗装・板キットながら,成型色が白となっておりステッカーまたはデカールにより,実車の複雑な塗装を容易に再現できるようになっていました。(Nゲージマガジンvol.17よりGM製未塗装キットの組み立て方解説)その後,グリーンマックスの新製品は塗装済みのトータルキット(品番は1000番代)が中心となったことを受け,平成6年には,スペーシアも一体成型ボディ・塗装済みのトータルキット(品番1003T)に移行しました。そのため,スペシャルキットは,701番で打ち止めとなっています。一方,トミックスも,平成7年にスペーシアを完成品として発売したため,グリーンマックスの塗装済みキットと競合する形となりました。両社製品の違いはいくつかありますが,顕著な点としては,妻面の塗装があります。グリーンマックス製品では,実車同様,帯が妻面まで回り込んでいたのに対し,トミックス製品の妻面は真っ白で,付属のデカールを使って自分で妻面に帯を入れる必要があったことです。この辺は,妻面の塗装へのこだわりを説いていたグリーンマックスらしいところですね。ただし,平成15年頃からは,実車でも妻面の帯は省略されてしまいました。(成美堂出版・日本と世界の鉄道模型カタログ'95~'96より。トミックス製品は,妻面にデカールを貼る必要があった)(GMクラフツマンズマニュアルより。製品では省略されがちな妻面を実車どおりに再現することを勧めていた)近年,スペーシアには様々な変化が生じ,トミックスはそれに合わせた商品展開をしていますが,グリーンマックスにはその間動きがありません。平成18年には,東武・JRの直通運転が開始され,Nゲージの世界でも,トミックスからスペーシアのリニューアル製品が,カトー(ラウンドハウス)からは「485系日光・きぬがわタイプ」がそれぞれ発売されました。そして平成23年,翌年に控えた東京スカイツリーの開業に合わせ,スペーシアの塗装が変更されたため,トミックスも,平成24年に「粋カラー」「サニーコーラルオレンジカラー」「雅カラー」を発売。平成27年には金色も眩しい「日光詣スペーシア」を発売しています。さらに,先日「日光詣スペーシア・新エンブレム」が発売されたのは記憶に新しいところです。(スペーシアは玩具でも各色取り揃えられている。一例としてニシキのダイカスケールを並べた。同シリーズではDRCや200系りょうもう号も製品化されており,軌間はいずれも一応9ミリである)
2017.02.22
閲覧総数 5950
8

「Nゲージ」と名乗るダイキャスト製玩具については,Nゲージ鉄道模型と同列に取り上げることに違和感をもつ方もおられるかもしれませんが(注),「日本Nゲージ史・外伝」としては,やはりダイキャスト製玩具の存在感を無視することはできません。<ロンスター製品> ダイキャスト製Nゲージとして,古くは,ロンスターのOOOゲージがありました。 初期の製品は,軌間8ミリで無動力。「Locos」シリーズと呼ばれており,日本では,旭玩具製作所(のちのアサヒ玩具)が輸入販売していました。 その後,ロンスター製品は,軌間9ミリで動力付きの「Treble-O-Lectric」,軌間9ミリで無動力の「Treble-O-Trains」へと変遷しており,「Treble-O-Trains」は増田屋斎藤貿易(現在の増田屋コーポレーション)により輸入販売されています。(増田屋斎藤貿易が輸入販売したロンスターの蒸気機関車)(東京玩具商報1963年2月号より) 増田屋斎藤貿易により輸入販売された「Treble-O-Trains」は,今日でも中古市場でよく見かけます。当時の資料として,1971年に集英社から刊行された「まんが版入門百科 模型工作教室」では,「ちょっと、手がかかるけど、ロンスター社のミニ鉄道にモーターを組み込めたらレールも安いし、わりとよく動かせるぞ。」(150頁)として,ロンスター製品が紹介されており,「台車 Nゲージ用のモーター付を改造してつける」「レール レールのまん中にダブルのビニールコードを図のようにけずってつける」「レーシングカー式ガイドシューを自作し集電する」と指示されていました。 なお,同書には他に,「Nゲージのプラ模型は、SLが何種類かそろってるぞ。」「これも、モーター付台車に改造すれば走らせることができるね。」(134頁。フジミ製品を指したものか?),「NゲージのSLは、ほとんど外国型で、キットもないし日本のSLファンには、むかないよ。」(146頁)との記述があります。<小茂田商店・SLシリーズ(1/130)> さて,ロンスターといえば,ロンスターの貨車とタンク機関車化された「C58」を組み合わせた多田製作所のロコメートを「日本Nゲージ史・外伝」第4回で取り上げました。その後,ロコメートの「C58」は,「電装解除」され,銃の玩具で有名な小茂田商店から再発売されています。 小茂田では,他に,C62,D51を1/130で製品化しており,こちらはC58と異なり,なかなか精巧な外観となっていました。 なお,トイジャーナル1972年6月号によれば,これら小茂田商店発売のSLの製造元は,(有)鈴木製作所となっています。(玩具商報1970年12月15日号より)<米澤玩具・ダイヤペット(1/200)> 1974年には,米澤玩具のミニカー・ダイヤペットから「鉄道シリーズ」が登場。縮尺は公称1/200とNゲージより小さめ(幅,高さ等はNゲージとあまり変わらず)でしたが,軌間は9ミリとなっています。(鉄道模型趣味1977年4月号より。ダイヤペットの1/200・EF66電気機関車をNゲージ化した例(中村文一氏))<ウッド(のちニシキ)・ダイカスケール(1/180)> 同じく1974年には,ウッドから1/180の「ダイカスケール」が登場。やはりNゲージより小さめの縮尺ですが,軌間は9ミリで,パッケージには「N GAUGE」と明記されていました。その後,1984年に製造・発売元がウッドからニシキにかわり,「N GAUGE」との表記はなくなっています。 さらに,ダイカスケールでは,1980年にバスシリーズ(1/100)を発売。全国各地のバスを製品化したことは,当時としてはきわめて画期的でした。(玩具商報1974年8月1日号より)(トイズマガジン1980年3月号より)(トイズマガジン1981年1月号より)(トイズマガジン1981年1月号より)(1983年東京国際玩具見本市カタログより。(株)ポエムから発売された「クラクションバス」。つくりはダイカスケール バスシリーズに酷似しているが,縮尺は一回り大きい1/85。床板の刻印は,ASCウッドでもポエムでもなく「WDC ワイド」となっている。トイズマガジン1981年9月号110頁によれば,ワイド(株)は,ウッドの社員が独立して設立した会社とのこと。なお,ウッドのロゴマークの「ASC」は,姉妹会社のアオシン(青真商会)を意味するようだ)(追記:パッケージを確認したところ,「企画製造 WDCワイド 発売元 ポエム」と明記してありました)(トイズマガジン1985年2月号より。縮尺1/85,各500円となっているので,クラクションバスから音声機能を撤去したものだろうか)<サクラ(のちトレーン)・Nゲージダイキャストモデル(1/130)> 少し時代が下って1979年には,それまでにも各種ダイキャスト製鉄道玩具を発売していたサクラから,1/130の「Nゲージシリーズ」が登場。1983年には,サクラから「Nゲージシリーズ」を引き継いで,トレーンが設立され,現在に至っています。近年のトレーン製品は,非常にクオリティが向上しており,新車両の製品化も積極的に行われています。 また,サクラやトレーンも,ダイカスケール同様,多数のバスモデルを発売しています。(「サクラカー」の東武線(左)と「サクラペット」のミニ急行電車(右)。いずれも軌間は9ミリ)(1980年東京国際玩具見本市カタログより)<米澤玩具・ダイヤペット(1/130)> 同じく1979年,ダイヤペットから1/130の「鉄道シリーズ」が登場。サクラのNゲージシリーズをショーティーにしたようなつくりですから,サクラが製造に当たっていたのでしょう。 <その他> この他,確認できた範囲で,ダイキャスト製の「Nゲージ」としては,ツヤマの「ダイキャストSLシリーズ」(D51,C57,弁慶号),ニッコーの「世界のSLシリーズ」(D51,C57,弁慶号),サンライクの「ミニ合金 ブルートレイン」(EF65,24系客車)がありました。他に,Nゲージに近似したスケールの製品としては,エーダイ「グリップゼッケン」(D51,同半流,ひかり号),青木商会の「日本の蒸気機関車」(D51)がありました。(サンライクの「ミニ合金 ブルートレイン」。写真の製品は連結器が一部破損している)(青木商会の「日本の蒸気機関車」。縮尺1/120で一見,小茂田商会のSLと似ているが,別物)(注)日本模型新聞 鉄道模型版 第10号(1979年5月)では,日本Nゲージ鉄道模型工業会会長・加藤祐治氏が以下のように述べられており,最後の部分はダイキャスト製玩具を念頭に置いた発言と思われます。「Nゲージという鉄道模型の統一名称を徹底強化します。業界では『ナイン』とか『9ミリ』とか『ナロー』とかマチマチな呼称を使われているが、日本Nゲージ鉄道模型工業会というメーカー団体が存在する以上、あくまで“N(エヌ)ゲージ”という統一名称を促進して行く。別に商標登録ではないが、鉄道模型の『Nゲージ』であるかどうか、製品を見ればすぐ分るわけで、本当のNゲージは『こう言う商品です』と評価に値するものでなければいけない。また最近、玩具などでも『Nゲージ鉄道模型○○』というまぎらわしい名前を付けて広告宣伝しているが、今後工業会でこれは問題視されるでしょう。」日本模型新聞 鉄道模型版 第13号(1979年8月)でも,加藤氏の以下の発言があります。「私ども(日本Nゲージ鉄道模型)工業会会員の製造販売している製品が走る鉄道模型です。ところが一般市場には、”Nゲージ”と称して売られながら我々のNゲージとは全く違ったものが流れている。一般の方は区別が出来ない。これは非常な迷惑なんです。規制をするということは出来ないと思うが、紛らわしいし、そのままレールに乗せたらショートしたとか、走らないものを乗せて事故でも起こされたら非常に困るということです。」 また,大田治彦氏も,RM MODELS 2006年3月号で,「“N”という意味は周知のように英語のNineの頭文字であり、欧州でN-Internationalと命名されたことに端を発する。これは英語のみならず、ドイツ語でNeun、イタリア語でNove、フランス語でNeuf、スペイン語でNueveとなることから、その後も含めてNゲージ生産の実績のある欧米諸国の言語に対してもそのまま有効であり、非常にうまく付けられた名称と言えよう。ただし縮尺については別途定めなければならなかった。ここで英語表現を考えてみると、ゲージが軌間、スケールが縮尺を意味するので、特に米国で広く普及しているN scaleという名称はわかりにくく、英国でよく用いられるN gaugeという表現の方がはるかに理解しやすい。しかしN scaleという規格には標準縮尺1/160の規定を暗黙的に含めているので、HOナローとの混同や、日本でのダイキャスト製玩具の例に多々あるように、線路幅さえ9mmであればN gaugeと呼ばれるような状況を回避しているとも言える。」として,ダイキャスト製玩具に言及されています。
2018.08.27
閲覧総数 6038
9

これまで,トレーンの「Nゲージダイキャストモデル」やセガ・ヨネザワの「ソニックス9」など,Nゲージをうたう玩具をいくつかご紹介してきました。今回ご紹介する,タカラの「ポケデン」もそうした玩具の一つです。1984年に発売された「ポケデン」は,ゼンマイで走行する玩具ですが,ゼンマイ車輪とは別に軌間9ミリの車輪が取り付けられており,広告には「Nゲージタイプ」と明記されています。ラインナップは東海道・山陽新幹線,東北・上越新幹線,ブルートレイン,L特急の4種で,価格は各600円でした。(テレビマガジン1984年9月号より,ポケデンの広告)(幼児と保育1984年9月号より。ポケデンが懸賞商品となっている)(テレビランド1985年2月号より。ポケデンが懸賞商品となっている)ところで,この「ポケデン」は同じタカラから1983年に発売された「ダイアクロン トレインロボ」と雰囲気が似ています。台車など一部のパーツが共通しているのかもしれません。(追記:その後,両製品を比べてみましたが,部分的に似た表現はあるものの,パーツの共用はないようです。誤った推測を記載したことをお詫びいたします。)(ポケデンのパッケージ)(タカラのポケデン4種。よく見ると,0系と200系では屋根が作り分けられている)(ダイアクロン トレインロボ。軌間は9ミリだが車体はポケデンよりかなり大きい。なお,2022年には,タカラトミーからHOスケールの車両を変形させるトレインボットの発売が予定されている)(ダイアクロン トレインロボのジオラマ。左下にトミックスの三菱ふそうバスが見える)(追記:軽便鉄模アンテナ管理人様がtwitterで,ダイアクロン トレインロボのジオラマは,TMSに掲載されたNゲージレイアウト「武蔵野鉄道」であると指摘されています。「武蔵野鉄道」は,TMS255号(1969年9月号)掲載の「9mmゲージ ストラクチャーを自作して」で登場。406号(1981年9月号)で第4回レイアウトコンテストの入賞作として紹介された後,433号(1983年8月号)で全体像が詳しく取り上げられています(433号の記事は「Nゲージレイアウト1」に収録)。)(鉄道模型趣味255号(1969年9月号)より)さて,タカラのゼンマイ玩具といえば,1980年に発売された「チョロQ」が有名ですね。チョロQ及び関連する鉄道玩具についてごく簡単に振り返ってみましょう。まず,チョロQでは,1992年の「スーパー新幹線」(300系)を皮切りに,様々な鉄道車両が製品化されています。鉄道会社限定品も多数発売されているほか,浴玩・ガチャガチャなど,ブラインド形態の製品も少なくありません。(「チョロQ大図鑑Vol.8」より「ドラゴンキューブ・ちびっこ電車」第3弾のシークレット。東芝府中工場の103系とはなんともマニアックである)2001年には,単4電池を内蔵して走行する鉄道玩具「ポケトレイン」が発売されました。チョロQを搭載した貨車が製品化されるなど,チョロQワールドの鉄道版というべき存在でした。特筆すべき点は,軌間が16.5mmであったこと,ショーティ化されているとはいえ車両のつくりが精巧であったこと,レールや情景部品などが豊富で高度なシステム性を備えていたことです。これらの特徴から,RM MODELSなど鉄道趣味誌でも大きく取り上げられましたが,残念ながら,後述する「デジQトレイン」「Qトレイン」と同様,短命に終わっています。翌2002年には,コナミとの協力のもと,赤外線操縦により走行する鉄道玩具「デジQトレイン」が発売されました。車両はバンダイの「Bトレインショーティ」より一回り大きい程度であったことから,宣伝用のレイアウトにはNゲージのストラクチャーが積極的に用いられました。また,連結器にはなんとアーノルトカプラーが用いられていました。特筆すべきは,車両の精巧さと種類の豊富さ,特に国鉄型の特急列車などが揃っていたことで,「ポケトレイン」よりも大人のファン獲得のねらいが色濃く出ていました。(「鉄道玩具大全」より。デジQトレイン。車両の後ろにトミックスの詰所が見える)さらに,トミーとの合併後の2008年には,軌間9ミリで,やはり赤外線操縦で走る鉄道玩具「Qトレイン」が発売されています。車両は「Bトレインショーティ」よりもさらにショーティ化されており,車体長は台車1台分とほぼ等しくなっています。ラインナップは以下のとおりです。<2008年発売>QT01 EF81 81(北斗星),QT02 485系L特急(雷鳥),QT03 EF66(あさかぜ),QT04 E233系(中央線),QT05 E231系(山手線),QT06 113系 ※湘南色,QTS01 コンパクトジオラマセット E233系(京浜東北線)<2009年発売>QTN01 181系(とき)45号車鉄道博物館仕様,QTN02 103系(山手線),QTN03 EF81(トワイライトエクスプレス),QTN04 113系(横須賀色),QNS01 コンパクトジオラマセット E231系(山手線)(この他に,EF81(カシオペア),江ノ電300形,0系新幹線,N700系新幹線の製品化が計画されていたが,いずれも未発売)赤外線操縦により線路の配線を不要とすることで手軽さをアピールしたかったのだと思いますが,つまるところ単調になってしまったのかもしれません。そういえば,マイクロエースが2002年頃に発売した「ジオラマレール」でもRCコントロールセットが発売されましたが,後が続かずに終わっていますね。[追記1:鉄道模型と無線操縦の関係については,別稿であらためて触れております。][追記2:2020年,かつてARNOLDのNゲージを輸入販売していた國際貿易から,軌間9ミリのプルバック鉄道玩具「プルプラ」が発売されました。同じくプルバック走行のタカラの「ポケデン」が,9ミリ用の車輪を走行車輪と別のダミーとしていたのと異なり,「プルプラ」ではレールやリレーラーも用意されており,線路上でのゼンマイ走行を前提としている点で,かつての永大のNスケールD51を思わせます。ただし,「プルプラ」は,軌間こそ9ミリですが,車体はNゲージよりはるかに大きなサイズとなっています。]
2018.11.26
閲覧総数 6904
10

レイアウトのメンテナンスは,長年モデラーを悩ませてきた課題のようです。Nゲージでは,ドイツ・フライシュマンの古典電気機関車が,比較的古くからある製品として有名です(TMS323号(昭和50年5月号)参照)。国内メーカーのNゲージで初めて量産製品として発売されたクリーニングカーは,昭和56年にトミックスから発売された193系レールクリーニングカーです(注)。車輪にヤスリを装備し,レイアウトを走行するだけでレールの表面を研磨できるという画期的な製品でした。(トミックス・193系レールクリーニングカーの広告)(TMS323号(昭和50年5月号)より,ドイツ・フライシュマンのレールクリーニングカー)(TMS513号(平成元年4月号)より,長澤速人・大次郎両氏のレールクリーニングカー)(TMS506号(昭和63年10月号)より,亀井良雄氏のレールクリーニングカー)(TMS581号(平成6年2月号)より,亀井良雄氏のレールクリーニングカー)193系は,実車が昭和55年に登場したばかりの,当時最新の電気検測車で,線路を守るという使命といい,高運転台のカッコイイ「特急顔」といい,レールクリーニングカーにぴったりの題材で,これを選んだトミックス開発陣の方々のセンスが光っているといえるでしょう。日本模型新聞鉄道模型版38号(昭和56年9月)でも,「アイディアたっぷり、実用性たっぷりのクリーニング機能をもたせた上、車種的にも極めて個性あるこのクモヤ193系の登場、珍しさ、面白さも加わって、Nゲージ鉄道模型にいまひとつの楽しみを加えると共に、レイアウト製作には欠かせない実用車両ともなろう。」と称賛されています。その後,トミックスでは平成12年に,乾式(ヤスリ),湿式(布),吸引という3つの機能を兼ね備えた画期的製品,マルチレールクリーニングカーを発売しました。まず,青,スケルトン,2000年記念限定塗装(オリエント急行風)の3色が発売され,その後も,様々なカラーバリエーションを展開。英国Dapol社からも,大きな弟というべきHO/OOゲージ用が発売されています。マルチレールクリーニングカーの登場により使命を終えた193系については,平成14年にはクリーニング機能を廃し塗色を変更した443系タイプが,平成15年にはクリーニング機能なしの193系が発売されました(クリーニング機能なしの193系は,昭和57年にも一度製品化され,その後絶版となっていたので,実質的には絶版品の復活ということになります。)。443系タイプは塗色を変更しただけなので,パンタグラフ周辺などが異なっていますが,雰囲気は十分に出ており,私は大変好きなモデルで,鉄道コレクションの富山地方鉄道などと一緒に楽しんでいます。なお,実車では443系の方が193系より10年早く登場しており,模型とは逆に443系の方が先輩となります。なお,トミックス以外にも,Nゲージのレールクリーニングカー製品としては,平成15年に,マイクロエースがクリーニング機構を搭載したマヤ34軌道試験車を発売しています。他にも,津川洋行の「ソフト君」,ペアーハンズのマヤ34などがありました。(Nゲージ・ニューモデルス2003(ネコ・パブリッシング)よりマイクロエースのマヤ34)(注)平成24年にマイクロエースから193系50番台が発売されていますが,これは交直流用の495系を出自とする車両で,トミックスの0番台とは全く異なる外見です。なお,TMS400号(昭和56年4月号)では,羽田二郎氏が,カトーの153系を大改造した495系を発表されています。
2018.03.06
閲覧総数 7806
11

グリーンマックスの創業者・鈴木雅夫氏は,須津谷急行(すずやきゅうこう)というレイアウトを四次にわたり製作されていました。それらはいずれも鉄道模型趣味(TMS)誌上で発表されていますので,簡単にご紹介します。(TMS96号の表紙を飾る,第一次須津谷急行)第一次須津谷急行は,TMS96号(昭和31年6月号)に掲載。当時,鈴木氏は早稲田大学に在学中。東武東上線大山駅近くの洋装店の裏庭に建設されていた,3線式Oゲージの庭園レイアウトでした。「花咲きみだれる模型の国 須津谷急行訪問記」と題された山崎主筆の紹介文を引用します。「運転室が須津谷急行の御自慢の一つであろう。…公衆電話のボックスを一廻り小さくしたものと思つて頂けばよろしい。窓まわりは黄色,上下が茶色と2色に塗り分けられ,モハ601と白ペンキでレタリングしたこの運転室は,実物に似せたコントローラーを始め,数々の運転設備が備えられている。」とあります。何と,自宅から張り出すように「運転室」があるという,大変凝ったつくりでした。そして,山崎氏による鈴木氏へのインタビューが行われていますので,一部を抜粋します。 山崎氏「雨や雪は?」 鈴木氏「雨は問題ではないです。降つている最中でも走ります。屋根から雨ダレをたらしながら走るのはいゝものですね。しかし何と云つてもすばらしいのは雪の日の運転です。中央レールが殆ど見えなくなり,両側だけで走つているみたいです。ところがこのあとが困ります。御覧の通り,三方が家でかこまれていますので,屋根の雪がドスンと落ちる。これでレイアウトの細部がこわされるのです。それから,雨のあとは日に照らされると道床とセメントの間に隙間があく時もあります。」(TMS218号の表紙を飾る,第二次須津谷急行)第二次須津谷急行は,TMS218号(昭和41年8月号)に掲載。設置場所は室内となり,ゲージはHOとなりました。TMS編集部によると,「ほとんど部屋いっぱいをしめた約2400mm×2300mmのスペースが主要部となり,そこから本線の一部が隣接した部屋へと高架で延長されて,終端駅に達している。カーブ半径450mmの,電車用レイアウトと言ってよいタイプで,合計3つの駅がある。」とあります。また,鈴木氏によると,「昭和38年より赤字路線として家中を騒がした須津谷急行も,その後,政治的に強引に問題が解決され,土地買収,測量を終りました。しかし何分にも資金ぐりに苦しみ,工事も牛歩的でしかも気まぐれにおこなわれ,やっとのことで第1工区の日間名市(ひまなし)駅と秋内(あきない―商い)駅間が陽の目を見ました。当初は急行電鉄とは名ばかりで待避も追抜きもなく,急行と各停は表定速度を変えて運行するありさまでした。しかし,39年度ともなりますと沿線に工場や団地等が開発され,40年初頭からは,かねてから要望されていた範城(はんじょう)駅までの路線延長がなされ,追抜き,待避線もそなえて,急行電鉄の名に恥じない線に昇格いたしました。」ということです。(TMS272号の表紙を飾る,第三次須津谷急行)第三次須津谷急行は,TMS272号(昭和46年2月号)に掲載。第二次と同様,室内に設置されたHOゲージのレイアウトです。鈴木氏自身の手になる紹介文を引用します。「日間名市駅と秋内温泉駅を結ぶ電車線で,途中に4つの駅があり,つつじヶ丘以外は待避線または側線を持っています。基本プランの第一は,ポイント・ツー・ポイントとし全線単線,一部のみは複線に見せるようにしました。…スペースは,2階の洋間1部屋いっぱい,3500×2600mmで,部屋の入口あたりが運転席として残っているだけで,あとは修理用の穴が2個所あいているにすぎません。…車輛は,須津急独特のイメージを出すように統一をはかり,フリーランスが主力となっています。特急車以外は2扉車とし,また,車種をあまり増さずに同一形式の増備をする方針です。」(プレイモデルNo.9より)(1982年度版グリーンマックスカタログより)そして,1982年版のグリーンマックスカタログと,TMS増刊・プレイモデルNo.9に掲載されたのが,第四次須津谷急行です。もちろん,Nゲージのレイアウトであり,グリーンマックスのストラクチャーが随所に用いられています。コの字型のレイアウトに,日間名市駅から秋内温泉駅までの6駅を結ぶ路線が,折りたたむように巧みに展開されており,ターミナルである日間名市駅ビルには,西武デパートが入居し,屋上に「ポートピア’81」の広告が入っています。1982年度版カタログに掲載された「須津谷急行電鉄への御招待」を抜粋しておきます。「須津谷急行電鉄(略称スズキュー)、この不思議な名前の鉄道を御記憶の方はかなり古いマニアでしょう。Oゲージ庭園鉄道として25年程前スタートし、専門誌上に何度となく発表されてきたこの電鉄も、すでに最後の発表(第3次須津急-HO固定式レイアウト)から丸10年が経過し、ここにNゲージへと改軌なった第4次須津急の完工をむかえることになりました。…国鉄某線の終着駅であり、須津急のターミナルでもある日間名市…唯一の地元資本だったターミナルデパートもついに大手の傘下にくだり、建物も一新されて都会センスあふれるショッピングセンターへと変身しました。…そうこうする内、ホームには当社自慢のA特急の入線です。何?どこかで見た事のあるデザイン?-それもそのはず…1号車パーラーカー(なつかしい呼び名です……。)は西武特急の運転台と国鉄払下げのオシ16の客室を接続するというまさに木に竹を継ぐ如き狂気の大工事の結果生まれたもので、現場工場の苦労は言語につくせぬものがあったと聞きます。…視野はパッと拡がり左手に海!車内が急に明るくなります。…B特急の停車駅でもあり、国鉄よりの乗入車の折返駅でもある矢根浦海岸は、地形の関係で島式ホーム1本、それも3連で一杯の苦しさで、運行上一つのネックとなる処です。…ここから先は単線。カーブと急勾配の連続する山岳線です。須津谷渓谷の河口を渡り、頭上歴史に名高い須津谷城(知らない人はもう一度教科書を見よ!)を仰ぎつつ長大なループトンネルに突入します。トンネル内に新設された新つつじが丘駅も瞬時に通過し、ぐんぐん急勾配を登ってトンネルを出ると風景はがらりと一変し、清流岩をかむ渓谷の上流を再び渡ってスイッチバックの大山駅。…列車は更に山間の勾配を登り続け、山並が真近にせまる頃車内放送がまもなく終点秋内温泉到着を告げ車内はざわめきはじめます。…」グリーンマックスの歴史と切っても切れない関係にある須津谷急行の歴史を,駆け足で振り返ってみました。「創る楽しみいっぱい!」の原点ここにあり,というわけですね。<追記>2017年版のグリーンマックス製品カタログでは,須津谷急行について特集が組まれていますね。特に,第四次須津谷急行については,車両の詳細な解説も掲載されています。なお,日本模型新聞991号(昭和51年5月1日)には,板橋区大山にあったグリーンマックス店舗の取材記が掲載されており,グリーンマックスファン必見というべき内容です。また,雑誌「商業界」昭和53年4月号にもグリーンマックスの紹介記事があります。
2017.02.12
閲覧総数 10238
12

今回は,Nゲージの話題からは離れますが,以前ご紹介した,財団法人日本輸出玩具登録協会,財団法人日本機械玩具検査協会発行の雑誌「ニューデザイン」誌を中心に,今日では取り上げられることの少ない,初期のプラレール製品をいくつかご紹介したいと思います。<「羽田線モノレール」>まず,「羽田線モノレール」は,車体はブリキ製で,レールもプラレールとの互換性はないため,プラレールと一緒に取り上げることに異論もあるかとは思いますが,当時のプラレールの広告にも登場しているため,ここにご紹介いたします。(「ニューデザイン」54号(1964年10月)より「羽田線モノレール」セット)<「プラ電動ハイウェイバス」>「プラ電動ハイウェイバス」は,プラレールの線路の上でバスを走行させるというもので(レールバスやトロリーバスではない,純然たるバス),大らかな時代の産物といえましょう。車両単品のほか,セットもありました。(「ニューデザイン」66号(1966年4月)より「プラ電動ハイウェイバス」セット)<「ゆうえんち汽車」>「ゆうえんち汽車」は遊園地の豆汽車をイメージした製品です(プロトタイプになった施設があるのかどうか,私には分かりません)。当初は,正面に「顔」の描かれた背の高い汽車となっていましたが,トンネル等への接触を避けるため,背の低い汽車に改良されたそうです。余談ですが,プラレールでは後の1972年に発売された弁慶号でも,機関車の背が高すぎるという問題が発生しています。なお,1973年に発売された「ディズニーデラックスセット」は,ゆうえんち汽車セットをベースにした製品であり(後年,東京ディズニーランドの開園に伴って製品化された「ミッキーポッポ」とはまったくの別物),背の高い初期形の機関車が用いられています。(「ニューデザイン」77号(1968年2月)より「ゆうえんち汽車」セット。左側の機関車は笛を内蔵しており,運転室が長くなっている)(機関車の背が高い「ゆうえんち汽車」の初期製品)なお,既に他のウェブサイト(※)で指摘されていることですが,「プラレールのすべて」(ネコ・パブリッシング)では,後に発売された「プラレールランド」シリーズの汽車の写真が「ゆうえんち汽車」として紹介されており,明らかな誤りです。この点,タカラトミーから2014年に刊行された「プラレール超図鑑」では,両者が正しく紹介されています。「プラレールランド」シリーズは,プラレールのレール(成型色は色とりどりで,曲線は通常製品より急カーブとなっている。)を用いつつも,「かんらんしゃ」「ヘリポート」「ようちえん」「どうぶつえん」といったギミックのついたストラクチャーがセットされており,車両も汽車のほか,ようちえんバス,象といったメルヘンチックなデザインとされていました。さらに後年,ディズニーやハローキティ,ポンキッキのキャラクターシールが貼られた製品も発売されています。(「プラレールのすべて」(ネコ・パブリッシング)より。「プラレールランド」の汽車が誤って「ゆうえんち汽車」として紹介されている)<輸出用? ひかり号>初期のプラレールの新幹線は,車体が白,スカートが赤という,実車と大きく異なる色であったことは有名です。ところが,その白赤とも異なる色の製品がありました。車体が薄青,スカートが白という配色で,北米に輸出されていたようです。(「ニューデザイン」66号(1966年4月)より)<おまけ>光球商会から発売された「プラスチックレール弁慶号セット」は,レールの形状がプラレールとよく似ています。ただし,トイジャーナル1968年1月号65頁では,プラレールの模倣ではないとする光球商会側の反論が紹介されています。(「ニューデザイン」83号(1968年12月)より)(玩具商報265号(1968年2月1日)掲載の光球商会広告より)(※)ウェブサイト「プラレール博物館」(ttp://www2u.biglobe.ne.jp/~akeda/DOLL/purarail.html)
2018.08.06
閲覧総数 4387
13

以前,銀河鉄道999のNゲージについて取り上げました。999以外に,Nゲージで製品化されたキャラクターものとしては,きかんしゃトーマスがあります。そもそも,きかんしゃトーマスのTVシリーズはかつて,1番ゲージの模型を用いて撮影されていました(現在はCGで撮影)。そうすると,トーマスの模型というのは,模型の模型化ということになるのでしょうか? 模型を模型化した(?)市販のトーマスの製品としては,今回取り上げるNゲージのほか,HO/OOゲージで,かつてはHornby製品,現在はBachmann製品が幅広くシリーズのキャラクターをラインナップしています(また,かつてはメルクリンから3線式HO用のトーマスもありました)。より大型の模型としては,BachmannのGゲージ製品が日本の一部模型店でも販売されているほか,LionelもGゲージ,Oゲージで製品化していました。さて,Nゲージのトーマスとしては,TOMIXとBachmannの2社から製品化されています。TOMIXは1998年にトーマス,客車のアニーとクララベルをNゲージ化。駅,風車,水車小屋といったストラクチャーや,レイアウトも製品化されました。その後,ジェームス,ヘンリー,パーシー,客車,郵便車,貨車が発売されましたが,予告されていたゴードンの製品化は実現しませんでした。(2002年版トミックスカタログより)(RM MODELS1998年6月号より)2016年以降,TOMIXのトーマス,パーシー,ジェームスはCGバージョンに合わせて顔がリニューアルされています。一方,Bachmannは,2020年にトーマス,パーシー,アニー,クララベル,貨車を製品化。後発だけに,大柄なTOMIX製品に比べ,Nスケールに近い大きさとなっているようです。[追記]その後,ジェームス,エミリー,トビー,ゴードン,ディーゼルなどが加わっています。(左からトミカ,TOMIX(新),Bachmannのトーマス)また,実物の鉄道で,トーマスとコラボレーションした例は多数あり,Nゲージ化されたものもあります。C11と旧型客車をトーマスに化けさせた大井川鉄道の車両は,ネコ・パブリッシング(プラキット,2015),TOMIX(完成品,2021)の2社で製品化。また,トミーテックの鉄道コレクションでは,トーマスのラッピング車両として,富士急5000形,富士急6000系,京阪大津線700形が製品化されています。トーマスの玩具は数多くありますが,特に印象深いのが,1992年にバンダイから発売された,トーマスエンジンコレクションです。ダイキャスト製の重量感ある作りで,車種も多岐にわたっていました。磁石を用いた連結器が特徴的であり,この連結器がビートレイン(Bトレインショーティとは別物)に生かされています。また,2018年にアガツマのダイヤペットから,1/64(Sゲージに相当)の統一スケールで,トーマス,パーシー,ジェームス,ヒロなどが発売されています。トミーでは,プラレールでトーマスシリーズを多数製品化しているほか,トミカでもトーマスシリーズのキャラクターや,トーマスのラッピング車両を製品化しています。(バンダイのトーマスエンジンコレクションとビートレイン)(トミカの京阪電車 きかんしゃトーマス号。縮尺は1/135とされている)(拙作の超特急・ケンジ。LimaのHOゲージ0系がベース。)999やトーマス以外に,Nゲージ製品化が期待できそうなのは,ハリーポッターのホグワーツ特急あたりでしょうか。HornbyやBachmannのHO/OOゲージや,LionelのGゲージ,Oゲージが既に発売されているので,Graham FarishかDapolのNゲージ製品化を期待したいところです。(左から,USJ限定トミカとドリームトミカのホグワーツ特急,Lone Starのレッドプリンセス。この他,2025年には,トミカプレミアムunlimitedでホグワーツ特急が製品化された。機関車・炭水車・客車のセットで,Nゲージより一回り小さい)
2021.06.14
閲覧総数 11131
14

No.27 ブルートレイン→EF81貨物色→京王電鉄5000系No.28 寝台特急→空港特急はるかNo.29 欠番→スーパー特急あずさ→E353系あずさ・かいじ1980年頃のカタログでは,No.29 近鉄電車と記載されていますが,1982年頃のカタログでは記載がなく,未発売と思われます。No.30 近鉄特急→特急サンダーバード備考:No.40新近鉄特急とNo.30近鉄特急の比較。側面は同一形状で,近鉄特急の屋根上はNo.10東海形急行の流用。No.31 阪急電車→E7系かがやきNo.31 阪急電車は6300系をモデル化しており,サクラ時代からのロングセラーでした。限定品としてウルトラマン・コスモスのラッピング車もありました。No.32 欠番→南海こうや号→新幹線ドクターイエロー→923形ドクターイエロー1980年頃のカタログでは,No.32 阪神電車と記載されていますが,1982年頃のカタログでは記載がなく,未発売と思われます。No.32 南海こうや号は,トレーンになってからの早い時期に発売されており,後にNo.76で復活しています。No.33 名鉄電車No.33 名鉄電車は6000系をモデル化しており,サクラ時代からのロングセラーです。No.34 欠番→特急きりしま→きりしま・ひゅうが→E233系1000番台京浜東北線1980年頃のカタログでは,No.34 相模鉄道と記載されていますが,1982年頃のカタログでは記載がなく,未発売と思われます。No.35 小田急ロマンスカー→500系新幹線No.35 小田急ロマンスカーは,3100形NSEがモデルで,後にNo.86で復活しています。No.35 500系新幹線は,当初の製品名は「500系スーパー新幹線」となっていました。W1編成のセンサー窓が再現されており,ロゴなし→JR500(一般的な活字体)→「(JRマーク)500 WEST JAPAN」ロゴタイプと変遷しています。最近ではエヴァンゲリオン新幹線(非売品)や,ハローキティ新幹線といったカラーバリエーションモデルもあります。No.36 東武ロマンスカー→小田急ロマンスカーEXE→小田急ロマンスカーEXEαNo.36 東武ロマンスカーはトレーンに移行した1984年時点の製品一覧にも掲載されているので,未発売とは考えられませんが,一体どのような製品だったのか,未解明であり,情報をお待ちしています。No.37 東武りょうもう号→E3系こまち→N700S新幹線備考:No.37東武りょうもう号と,スペーシアの塗り替えで限定発売?された新型りょうもう号。No.37りょうもう号は前面以外No.30近鉄特急の流用。No.38 D-51蒸気機関車備考:No.38 D51蒸気機関車は,1975年頃に製品化されたサクラペットNo.244「D-51774 蒸気機関車」をベースにした製品で,シリーズ中最古参ということになります。No.39 近鉄ビスターカー→E233系7000番台埼京線No.40 近鉄特急No.40 近鉄特急は,No.30との関係で長らく「新」近鉄特急を名乗っていましたが,現在は単に「近鉄特急」となっています。サクラ時代からのロングセラーです。No.41 DD-51ディーゼル機関車No.41 DD-51ディーゼル機関車も,サクラ時代からのロングセラーです。No.42 ブルートレイン客車→阪神電車→西武鉄道30000系No.42 ブルートレイン客車は,屋根以外はL特急中間車の流用です。No.42 阪神電車は,私鉄汎用型の塗り替えで,8000系をイメージしたと思われます。No.43 東北新幹線→特急あかぎ・草津・水上→E6系スーパーこまちNo.44 欠番→E2系あさま→伊豆急行3000系アロハ電車No.44は,当初,欠番となっていました。順序からすると,東北新幹線の中間車あたりを検討していたのでしょうか?No.45 特急踊り子号→E217系総武快速・横須賀線→885系特急電車No.46 リレー号→スーパー北斗No.47 上越新幹線→883系ソニックNo.47 上越新幹線が,サクラ時代最後の新製品と思われます。
2022.07.01
閲覧総数 3230
15

RMモデルズ2016年5月号では「デビュー30周年! 1986→2016 211系とその一族」として,「211系顔」をもつ211系,213系,415系1500番台,JR東日本719系,JR四国6000系が特集されています。211系は,カトー,トミックス,グリーンマックスの3社から発売されました。発売当初の実車のバリエーションは,湘南色の東海道線(東京口)用と高崎線用,青帯の東海道線(神領区)用の3つがあったため,各社の製品もこの3つに対応したものとなっていました。特に,実車が4両編成2本しかない東海道線(神領区)用までもが3社そろい踏みとなったのが面白いところです。(機芸出版社「NゲージマガジンNo.7」より。右から順にカトー,トミックス,GM,トミックスの各製品。左上に神領区用の青帯車も)カトー製品は,伊豆急リゾート21に続き,ドローバーを用いた独特の連結方法がとられましたが,扱いづらかったためか,のちにKATOカプラーに切り替えられています。神領区用は「中京色4両セット」として発売されたものの,実車が湘南色に切り替わったこともあり,4年ほどで絶版となっています。また,カトーからは,最近,長野色も製品化されています。トミックス製品は,神領区用を「シティライナーセット」として発売。やはり3年ほどで絶版となりましたが,2004年に限定品として再び製品化。その後,2007年には房総色,2013年には長野色,高崎線開業130年記念カラー(限定品)が発売され,トミックスらしく多彩なバリエーションが展開されています。また,トミックスでは,「211系顔」の415系1500番台も早くから製品化されており,これは他社と競合していません。グリーンマックス製品は,エコノミーキットとして未塗装板キット形態で発売。デカール及びステッカーには,東海道線(東京口)用及び高崎線用の湘南色,東海道線(神領区)用の青帯の両方が用意されています(その他,719系用の方向幕等も含まれています)。そして,民営化後にJR東海が導入した5000番台がエコノミーキットのラインナップに加わっています。グリーンマックスは,その後,5000番台に特化した商品戦略を展開し,塗装済完成品として5000番台のバリエーションが次々と登場しています。なお,マイクロエースでは,211系は製品化されていないものの,「211系顔」の213系,719系を製品化。また,鉄道コレクション26弾でも,213系と719系の製品化が予定されています。「211系の一族」について見てきましたが,未だにプラ製品がないのが,JR四国の6000系と,クハ415-1901です。後者については,かつて東京堂モデルカンパニーからレジン製キットが発売されていました。このメーカーは色々と曰くがあるのですが,このキットはその希少価値から現在でも強い人気があり,インターネットオークション等でも高値で取引されているようです。その他,RMMの特集では,211系の一族の番外編?的な位置付けで,伊豆箱根鉄道3000系二次車が登場しています。Nゲージの世界では,伊豆箱根鉄道は,西武からの譲渡車以外はまだまだ製品が限られていますが[追記あり],グリーンマックスの「103系改造用パーツ」に3000系二次車の前面が含まれています。「103系改造用パーツ」には,103系低運(いわゆるブタ鼻),103系1000番台・1200番台,105系500番台,伊豆箱根鉄道と4種類の前面が含まれており,他の3つは同社101系キットと組み合わせ,103系のバリエーションを増やそうという趣旨のものですが,211系キットと組み合わせて私鉄の車輌を作ろうという伊豆箱根鉄道の前面のみが異彩を放っています。[追記]その後,鉄道コレクションで3000系二次車,7000系が製品化され,鉄コレの1300系(元西武新101系),1000系(大井川鉄道1000系として製品化),マイクロエースの1100系(元西武701系)とあわせ,駿豆線の車両は非常に豊富となりました。<おまけ>かつて,ニシノという会社から,「スーパーサルーンゆめじ」の玩具が発売されていました。一応,軌間は9mmです。近鉄ビスタカーなど,東大阪にある真田プラスチック工業所の玩具と似たパッケージですが,箱には「MADE IN KOREA」のシールが貼られており,真田製品ではないようです。それにしても,「MADE IN KOREA」とは珍しいですね(他にはトミックスの自動車(セルシオ,スカイライン,ベンツ)くらいしか思い当りません)。(追記:調べたところ,「MADE IN KOREA」の鉄道模型というのも,トミックスのHOなど,結構いろいろあるようですね。私の認識不足でした)(ニシノの「マリンライナー スーパーサルーンゆめじ」)
2018.03.21
閲覧総数 7502
16

お菓子のおまけは,グリコをはじめ数えきれないほどの種類がありますが,鉄道模型ファンの間で有名なのは,何といってもカバヤのビッグワンガム(BIG1ガム)でありましょう。[追記]カバヤの製品を調べていると,しばしば「サンアイ菓工」という会社から同じ製品が発売されています。両社の関係をご存じの方がおられれば,ご教示いただけると幸いです。(ビッグワンガムのMLU-001(左)とターボライナー(右)。いずれもシール未貼付)グリーンマックス1983年度版カタログ26頁には,以下のような記述があります。「カバヤのおまけつきチューインガム(チューインガム付きのおまけとも考えられる。)の付録プラモには、かつてNサイズのクロコダイル電関やS.Pデイライト用SL、JNRのロータリー雪かき車など、信じられない様なマニアックな機種がリストアップされていました。(このシリーズは旧作をつぎつぎに絶版にして行き、新製品に置き換えている。-現在はT.G.V.が人気の的で、これの入手には苦労します。)このプラモは、幼児向けの為スチロールでなくポリ系の軟質樹脂製であり、そのままパーツを転用する事は出来ませんが、気に入った部品はシリコンで型取りしてポリエステルやエポキシに置き換え、改造用に使用することが可能です。-出来の良いキットなどすべてのパーツを置き換えて完全に組立塗装して走らせたい程です。」鉄道雑誌では,レイルマガジン誌が,「RMフォーラム」欄で,何度かビッグワンガムや,森永のスポーツマンクラブキャラメルのおまけであるミニスケールトレイン(MST)など,お菓子のおまけを紹介していました(92年7月号,9月号,10月号,12月号,93年3月号など)。特に,圧巻は,92年11月号に掲載された「前代未聞 総天然色 RMフォーラム これがカバヤBIG1ファミリー&MST(ミニスケールトレイン)だ!」「大解説 カバヤBIG1ファミリー」と,93年2月号に掲載された「RMフォーラムスペシャル 驚天動地! おまけをなめたらいかんぜよ」「大解説 カバヤBIG1ガム遂に完結?」であり,ビッグワンガムや,その他のカバヤ製品が多数紹介されており,大変楽しい記事となっています。(レイルマガジン1992年11月号より)(レイルマガジン1993年2月号より)また,ビッグワンガムの資料として価値が高いのが,レイルマガジンと同じネコ・パブリッシングの自動車模型雑誌「モデル・カーズ」23号(94年10月号)です。平野克己氏の連載「愛しの食玩・玩具と模型と菓子の相関関係」第3回(注)でカバヤのビッグワンガムが取り上げられるとともに,「日本プラモ今昔物語 特別企画」として,1978年からのビッグワンガムシリーズを総特集。ビッグワンガム,デラックスビッグワンガム,ニュービッグワンガム(途中のシリーズ7まで)が紹介されており,これほど貴重な資料はなかなかないと思われます。以下,鉄道車両のラインナップを書き出しておきます(初期のビッグワンガムはスケール表記なし。なお,一部の年月日は「日本懐かしおまけ大全」(辰巳出版)の記載に基づき修正)。(モデル・カーズ1994年10月号より)<ビッグワンガム(100円)>・シリーズ1(1978.4):SL D51,583系特急電車・シリーズ2-3(1978.12):SL ビッグボーイ(テンダーなし)・シリーズ3-2(1979.7):SL C62・シリーズ3-3(1979.8):EF65電気機関車・シリーズ5(1980.12):ポーター蒸気機関車,EF65電気機関車・シリーズ6(1981.5):ロータリー除雪車キ620・シリーズ8(1982.3):SL あじあ号(1/193)・シリーズ9(1982.6):SL 弁慶号(1/85)・シリーズ10(1982.12):ターボライナー(1/155)・シリーズ12(1983.7):183系特急電車(1/153)・シリーズ13(1983.11):東北新幹線(1/200)・シリーズ14(1984.4):SL D51(なめくじ型)(1/141)・シリーズ18(1987.7):100系新幹線(1~4号車,5~8号車,9~12号車,13~16号車)(1/500)・シリーズ20(1988.5):フランス超特急TGV(1~3号車,4~7号車,8~10号車)(1/330)・シリーズ21(1988.7):JR北海道フラノエキスプレス,JR東日本スーパーエキスプレスレインボー,JR東海ユーロライナー,JR西日本スーパーサルーンゆめじ,JR四国アイランドエキスプレス四国,JR九州オランダ村特急(いずれも1/400)<デラックスビッグワンガム(150円)>・シリーズ1(1980.5):SL C57(1/115。門鉄デフ),電気機関車クロコダイル(1/130),新幹線ひかり号(1/134)・シリーズ2(1980.11):SL デイライト(1/161)・シリーズ4(1982.2):フランス国鉄超特急TGV(1/112)・シリーズ5(1982.6):リニアモーター・カー(1/110。MLU-001)・シリーズ6(1982.11):DD51ディーゼル機関車(1/150)・シリーズ10(1984.3):SL C57やまぐち号(1/115)・シリーズ11(1984.7):EF66電気機関車(1/150)<ニュービッグワンガム(200円)>・シリーズ6(1993.11):JR東海 新幹線のぞみ(1/189),JR東日本 新幹線つばさ(1/187)・シリーズ7(1994.5):JR西日本 試験電車WIN350(1/201)・シリーズ8:関空特急「はるか」(1/162),Max(1/210)・シリーズ9:南海空港特急ラピート(1/170),JR東日本スーパーあずさ(1/166)・シリーズ10:スーパー雷鳥(サンダーバード)(1/165),房総ビューエクスプレス(1/165)(フラッシュ エキサイティング2008年8月1日号掲載「ビッグワンガム なつかしの乗り物おまけコレクション95」より)(カバヤの「寝台特急」シリーズ。軌間は9ミリ)(カバヤの「大爆進」シリーズ。炭水車が短縮化されているのが特徴)(カバヤの「国電セット」。ほぼNゲージサイズで,台車も首を振るという優れもの)(注)平野克己氏の「愛しの食玩・玩具と模型と菓子の相関関係」は,モデル・カーズ19号から不定期連載され,第1回(19号)は機動戦士ガンダム,ゲゲゲの鬼太郎,サンダーバードなどキャラクターもの,第2回(20号)は前回に引き続きナガサキヤのゴジラ伝説などのキャラクターものやフルタのマイクロモデルなど,第3回(23号)は,前述のとおりビッグワンガムを紹介しています。第4回(24号)では,サンヨー食品の「サッポロボーイ おもしろカップ」やナガサキヤの「グレート100」などを紹介。「おもしろカップ」はシリーズ7まであり,鉄道ものはシリーズ1の東海道新幹線ひかり号(青帯ながら形態は200系寄り?),リニアモーターカー(HSST-03),シリーズ2の小田急ロマンスカー(LSE),シリーズ3の箱根ロープウェイが同誌掲載のリストに挙がっているほか,リストに挙がっていない商品も色々あるようなので,この他にも鉄道ものがあるのかもしれません。また,「グレート100」(1979)はシリーズ2まであり,シリーズ2には「特急列車タイプ+レール」と「機関車タイプ+レール」があったそうです。「特急列車タイプ+レール」はクハネ581がプロトタイプ。「機関車タイプ+レール」はわかりません。第5回(25号)では,ロッテのコマンドシリーズ(1979)などを紹介。コマンドシリーズはシリーズ3まであり,その名のとおり,軍用機や軍艦が中心の内容(全43種)ですが,シリーズ3には「列車砲レオポルド」(1/325)がありました。第6回(26号)は,カバヤのスーパーリアル図鑑,ナガサキヤの昆虫の森など,生き物の食玩が,第7回(27号)では,森永のスポーツマンクラブキャラメル,グリコのプラモガムなどが紹介されています。スポーツマンクラブキャラメルといえば,鉄道車両の種類が豊富なことで知られていますが,モデル・カーズではE1系などごく一部のパッケージがモノクロで紹介されている程度です。なお,モデル・カーズ19号では,KATOの1/43フェアレディZが大きく取り上げられており,インタビューで加藤祐治社長(当時)は以下のように述べられています。「鉄道模型を基盤にしながら、クルマのモデルをも手掛けてみたい…と、以前から考えていたんですよ。ひとくちにクルマと言っても、外国車もあれば国産車もある。そんな中でどこに的を絞るか…となった時、僕はやるなら国産車のモデルを、と思っていたんです」「日産自動車にフェアレディZのモデル製品化の話をしに出掛けたわけですが、こんなモデルを…と先方に見せるモノが無い。仕方が無いので、鉄道模型の車輌を持って行きましたよ(笑い)」
2017.12.06
閲覧総数 16689
17

今回と次回は,サクラ・トレーンの各種玩具を取り上げたいと思います。サクラは,自社ブランドの「サクラペット」や,ヨネザワの「ダイヤペット」でダイキャスト製ミニカーを多数製品化していました。特に,1970年代後半のいわゆるスーパーカーブームでは,ランボルギーニなどの1/43ミニカーが大ヒットとなっています。※サクラペット,サクラカーについては,「ミニチュアカー考古学」等にもほとんど記述がなく,資料が乏しい状況です。品番や発売時期など,情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら,ご教示いただきたいと思います。(玩具商報449号(1974年7月1日号)より)<サクラペット HOゲージ>ミニカー「サクラペット」は,1973年3月に発売開始されました(玩具商報446号(1974年5月15日号)69頁,トイズマガジン1976年8月号146頁参照)。サクラペットに鉄道モデルが登場したのは翌1974年で,玩具商報449号(1974年7月1日号)159頁では,以下のように紹介されています。「今までミニカーだけだったサクラペットモデルシリーズに,鉄道シリーズが加えられ,東海型電車(写真)が発売された。HOサイズの本格的なダイカスト製鉄道モデルで,色も実物色,ドアもオープンし,中にはちゃんと座席まで付いていて,子どもから大人のコレクターまで広く楽しめる・・・同シリーズには,このほかに,国鉄電車,地下鉄電車が同時発売されたが,従来のダイカストミニカーに加えて鉄道ものの新需要層を開拓しそう。」ダイヤペットの1/200鉄道モデルが発売されたのが1974年7月(「ミニチュアカー考古学」参照),ダイカスケール鉄道シリーズの発売が1974年8月(玩具商報掲載の広告による)ですから,1974年は日本型ダイキャスト製鉄道モデルにとって画期的な年であったといえるでしょう。玩具商報掲載の広告によれば,当初のラインナップは,以下のとおりです。なお,HOゲージは,ドアが1カ所(先頭方向左側)開閉するギミックが備えられていました。・24cmシリーズ200 東海形電車,201 国鉄電車(※103系低運),202 地下鉄電車(※東海形電車を丸ノ内線色に),203 特急形電車(※ボンネット特急)(上からNo.200 東海形電車,No.201 国鉄電車,No.217 EF66電気機関車)・18cmシリーズ204 東海形電車,205 ひかり号,206 修学旅行(※東海形塗り替え),207 食堂車(※東海形塗り替え),208 電気機関車(※車番はEF60 15)・連結36cmシリーズ209 ひかり号2輌連結(※18cmシリーズ2両)後に,211 超特急ひかり号レールセット(18cmシリーズ2両+レール。動力なし),213 ひかり号中間車(18cmシリーズ),東海形電車中間車(18cmシリーズ。品番不明),216 ひかり号(24cm?),217 EF66電気機関車,246 ちんちん電車などが加わっています。[追記]No.246 ちんちん電車は,後に品番4010に変更されています。都電7000形をモデルとしており,雑誌「高速有鉛」40号でも紹介されています。バリエーションとしては,当初の赤帯,荒川線ワンマン化後の青帯,名古屋か京都をイメージした?クリームとグリーンのツートンカラーがあり,青帯は都電7000形更新車を意識したのか前面窓が一枚窓に改修されています。(玩具商報453号(1974年8月臨時増刊号)より)(月刊ミニチュア・カー1975年1月号より)(ちんちん電車各種)<No.200「通勤形電車」>サクラペットのNo.200「通勤形電車」は,16.5mmの線路に一応乗せることができますが,台車は首を振らず,ドア開閉アクションもないなど,HOゲージシリーズとは異質の製品となっています。(No.200 通勤形電車。HOより小さくNより大きいという不思議な製品。軌間は16.5mm)<サクラペット ミニシリーズ>サクラペットには,ミニモデル7.5cmシリーズがありました。これは,軌間9mmですが,車体はNゲージよりずいぶん小さくなっています。ラインナップは,以下のとおりです。211 ひかり号,222 東海形,223 国鉄電車,230 国鉄電車,231 東海形電車,232 ひかり号,233 ひかり号中間車,234 地下鉄電車(※103系を丸ノ内線色に),240 国電4輌連結,241 東海形4輌連結,243 ひかり号4輌連結,250 ひかり号(※2輌),257 急行電車(※東海色2輌),258 急行電車(※スカ色2輌)(玩具商報461号(1974年12月1日号)より)(サクラペット ミニシリーズ。車高,幅などNゲージよりずいぶん小さい)<サクラペット D51>軌間は9mm。縮尺は約1/130で,改修の上,現在もトレーンから販売されています。(トイズマガジン1975年8月号より。右下に見えるのがD51)(サクラペットNo.244「D-51774 蒸気機関車」)<強合金サクラカー>軌間9mmで,車体はショーティながら,サクラペット ミニシリーズより一回り大きく,よりNゲージに近いスケールとなっています。0系,103系低運,D51,都電7000形,電気機関車がありました。特筆すべきは,「私鉄線」と称する103系低運の塗り替え製品で,京成,東武,西武,小田急,京王,東急,京急,相鉄といった各私鉄のカラーが製品化されていました。(追記:「強合金」との名称は明らかに,1974年から発売されたポピーの「超合金」に倣ったものでしょう。サクラでは「ダイガスト合金 ザクラマン」というロボット玩具も発売していました)(強合金サクラカー。上からNo.222 ひかり号,No.226 ちんちん電車,No.280 私鉄線,No.227 中央線,No.228 山ノ手線,No.229 総武線。この他にNo.260 京浜東北線も製品化されていた)(電気機関車もあった。下回りは他の製品と同様)<番外編:ブリタニカ>ここで,サクラペットにそっくりな製品をご紹介したいと思います。ミニカー5点セットで,車2台,飛行機1機,ボート1隻,電車1両となっており,電車はご覧のとおり,サクラペット・ミニシリーズの東海形電車に酷似しています。バスはトミカの三菱ふそう 東名高速バス(1973)にそっくりです。箱には「乗り物遊び」とあるだけで,STマークや価格の表記等は一切ありません。裏板には「ブリタニカ」と刻印されています。TBSブリタニカ(1972年からブリタニカ百科事典日本語版を刊行)の販促品だったという情報もありますが,未確認です。(ブリタニカ「乗り物遊び」)<パーコンシリーズ>1975年に発売された「パーコンシリーズ 新幹線ひかり号レールセット」は,「強合金サクラカー」の0系を動力化したもので,軌間9ミリの線路から集電して走るようになっています。軌間9mmの0系電動モデルとしては,トミーOOOゲージ(1964),多田製作所のロコメート(1967)に続き,3番目の製品となります(車体に乾電池を搭載するシズキョー製品(1964)を入れれば4番目)。なお,サクラでは後に,バンダイから発売されていた香港・プレイアート社製のHOゲージ0系セットを発売しています。(パーコンシリーズ 新幹線ひかり号レールセット。乾電池式のパワーパックにより線路に電流を流し走る)
2020.06.30
閲覧総数 6440
18

最近,くらじたかし「マルサン-ブルマァクの仕事 鐏三郎(いしづきさぶろう)おもちゃ道(みち)」(文春文庫,2001)という本を読んだところ,気になる記述がありました。[追記]本稿公表後に知ったのですが,くらじさんは今年の夏に亡くなられたとのことです。ご冥福をお祈りいたします。p164「石田幸太郎は,マルサン商店時代の試作担当,ゴジラ・プラモをマルサン商店に導いた渡辺保男の元を訪れている。パワーパック付きのNゲージの電車を開発するためだったが,残念ながら商品化には至らなかった。」[追記]軽便鉄模アンテナ管理人のうかいさんも,上記の記述について,2010年にツイッターで「『マルサン-ブルマァクの仕事 鐏三郎おもちゃ道』…によれば1970年代?にNゲージの製造を考えた事があるようですね。」と指摘されています)。この本の主人公,鐏三郎は,中学を卒業すると,マルサン商店(1947-1968。ブリキ自動車の最高傑作・キャデラックや,国産プラモ第1号を標榜した潜水艦ノーチラス号などで知られる)に入店。マルサンの倒産後は,石田幸太郎らとブルマァク(1969-1977。ウルトラマンなどのソフビ人形などで知られる)を設立しました。上記の幻のNゲージ開発が何年のことだったのか,明確な記載はありませんが,前後の流れからすると,ブルマァクが設立されて間もない,1969年か1970年代初頭のようです。そうすると,石田幸太郎はどこから,Nゲージ開発というアイデアを得たのでしょう? 候補としては,以下のルートが挙げられそうです。1.レベル社前記のように,マルサンでは,国産第1号を標榜した潜水艦ノーチラス号のプラモデルを発売していますが,これは実は米国・レベル社製品のコピー。その後,なんとマルサンはレベルと業務提携し,正式にレベル製品を取り扱うようになります。ところで,レベル社では,西ドイツ・ARNOLDのNゲージを自社ブランドで発売していました。そうすると,レベル社をヒントにNゲージ開発を構想した可能性があります。2.学研マルサンは,倒産前に工場設備を学研に売却。倒産時には従業員の再就職を受け入れてもらうなど,玩具業界への進出を図る学研とは浅からぬ関係がありました。その学研は,1968年から,西ドイツ・TRIXのNゲージを輸入販売していました(後の1975年には0系新幹線を製品化)。そうすると,学研の取り扱っていたTRIX製品がヒントになった可能性もあります。3.トミー「マルサン-ブルマァクの仕事」には,トミーは登場しませんが,大手メーカーであるトミーの動向は,ブルマァクも当然目にしていたはずです。トミーは,1969年頃から,米国・バックマンのNゲージをトミーNスケールとして発売。広告も積極的に展開していたので,これがブルマァクのヒントになった可能性はあります。4.童友社童友社では,1969年にC58のプラモデルを発売(童友社のC58が,多田製作所のロコメートを参考にしていると思われることは,当ブログで指摘しています)。1975年には米国・バックマンのNゲージを輸入販売しています。童友社がユニークなのは,乾電池式のコントロールボックスに車両・レールを収納できるようにしていたことで,「パワーパック付きのNゲージの電車」という文言からは,童友社製品を思わせる部分がないわけではありません。5.サクラブルマァクでは,マルサン時代よりブリキの国電・新幹線を発売していましたが,これは後にサクラ(現在のトレーンはサクラの流れを汲んでいる)に引き継がれています。そうすると,サクラから発売されたパーコンひかり号は,実はブルマァクで構想された製品だったのかもしれません。(サクラのカタログ(1970年代末か1980年代初頭)よりブリキ製新幹線・国電)(「マルサン-ブルマァクの仕事 鐏三郎おもちゃ道」p219よりブルマァクのショールームに展示されているブリキ製新幹線・国電)(神永英司「マルサン物語 玩具黄金時代伝説」(朝日新聞出版,2009)よりマルサンのブリキ製国電)以上のように,様々な物語が想像されますが,試作品の画像か設計図でもない限り,いずれも想像にとどまりそうです。果たして真相は・・・
2025.12.01
閲覧総数 937
19

今回ご紹介するのは,皆様おなじみ「Nゲージダイキャストスケールモデル」シリーズです。線路幅9ミリ,縮尺1/130程度で,同じくダイキャスト製,線路幅9ミリの「ダイカスケール」より二回り大きなサイズとなっています(在来線車両は狭軌感が出ている?!)。発売元は,かつては(株)サクラ,現在は(株)トレーンです。(サクラ時代の「Nゲージダイキャストスケールモデル」の一つ,京成スカイライナー)サクラは「サクラカー」「サクラペット」のブランドで,米澤玩具のダイヤペットと似たミニカーやダイキャスト製鉄道玩具を作っていました。HOスケール(103系低運,165系,181系,EF60,EF66,新幹線0系,都電旧7000形等)のものや軌間9ミリのものなど大小様々なダイキャスト製鉄道玩具があったようです。HOスケールの製品は,横浜で開催された「世界鉄道博2016」で,故・原信太郎氏の膨大なコレクションの一部として展示されていました。(玩具商報449号(1974年7月1日)より。サクラペットのHO東海形電車)(1975年頃に発売されたサクラペットのダイキャスト製D51(上)。軌間は9mmで,トレーンのD51(下)はこれを改修したもの。)(1975年日本玩具国際見本市カタログより)(日本模型新聞967号(1975年8月15日)より)(サクラから発売されていた「強合金サクラカー」の一つ。写真は京急色のもの。このほかにも様々な私鉄の塗装を身にまとった国電のモデルがあった。軌間は9ミリである)(サクラから発売されていた「サクラペットNo.203 HOサイズ鉄道シリーズ 181系特急形電車」 サクラペット鉄道シリーズは,いずれも左前方のドアにのみ開閉ギミックが設けられている)(1980年東京国際玩具見本市カタログより)(奥がトレーン,手前がトミカのE7系)トレーン社ウェブサイトによりますと,昭和58年8月,サクラから,Nゲージダイキャストスケールモデルシリーズ(25種)を引受け,現在のトレーンが設立されたそうです。「Nゲージダイキャストスケールモデルシリーズ」は,かつては103系(高運,非ATC)を各私鉄色に塗り替えたものばかりでしたが,今は造形,塗装とも相当精密になっており,多種多様なラインナップが展開されています。また,平成11年には「ポケットバス」シリーズ(1/80)を発売。ダイカスケールのバス(1/100)のように,全国各地のバス会社のカラーが発売されました。平成20年には,よりリアルな「フェイスフルバス」シリーズ(1/80)に代わっています。(RM MODELS 1999年10月号よりトレーンのポケットバス)(トレーンのJR四国5000系にNゲージの下回りを組み合わせ,KATOの223系と連結させた)その他,トレーンからは,線路幅9ミリの路面電車ダイキャストモデル「トラムズ」シリーズが発売されており,「Nゲージ」モデルをそのまま小さくしたような「新幹線コレクションZ」(縮尺1/300程度)もありました。(講談社刊「ミニトレイン100点」)写真は,講談社の「のりものアルバム」シリーズから「ミニトレイン100点」です。「のりものアルバム」シリーズは,鉄道系は広田尚敬氏が監修されており,私の子供時代の宝物でした。「ミニトレイン100点」は,大澤郁甫氏の撮影で,トレーンのNゲージが100種類紹介されています。プラレール以外の鉄道玩具が,このようにまとまった形で書籍となっているのは,かなり珍しいのではないでしょうか?(追記:このほか,トレーンのNゲージを特集した書籍としては,金の星社から刊行されている,「Nゲージ大百科 しんかんせん大集合」,「Nゲージ大百科 にほんのれっしゃ大集合」があります。)
2016.08.23
閲覧総数 6387
20

カトー(関水金属)と並んで日本のNゲージ界をリードするトミックス。現在のNゲージャーのほとんどの方は,トミックスかカトーの入門セットからNゲージを始められたのではないでしょうか。そのトミックスも来年40周年を迎えるこの機会に,トミックス以前におけるトミーのNゲージへの取り組みを探ってみたいと思います。業界誌「東京玩具商報」(現在の月刊トイジャーナル)昭和39年4月号には,実に興味深い広告があります。前年の昭和38年に富山商事から改称したばかりのトミーの広告です。「新製品 OOO(スリーオー)ゲージ夢の超特急 全国売価¥2,450.ちかく発売する精巧で高級な汽車レールです。HOゲージの1/2という寸法は,トミー技術陣の長い研究結果がもたらしたもの。レールものがしだいに大型化していく傾向とは反対に,小さな幼児にも親しみやすい大きさをねらいました。前進,後進,スピード調節が,スイッチ操作で容易にできます。電源は電灯線からとります。お店でぜひセットしてみてください。」(東京玩具商報昭和39年4月号より)そうです。ネコ・パブリッシングの「鉄道模型考古学N」等でも紹介されたトミーOOOゲージです。かなりデフォルメされながらも,ほぼNゲージサイズの新幹線試作電車3両編成と軌間9ミリのレール,パワーパックのセットです。残念ながらトミーOOOゲージはこの「夢の超特急」セットのみで,シリーズ展開といったものはないようですから,トミックスの直接のご先祖とは言いにくいでしょうが,トミーのNゲージへの取り組みの第一歩として特筆されるべきでありましょう。(東京玩具商報昭和39年5月号より)追記トミーは,大正13年に富山玩具製作所として発足。昭和34年に販売部門の富山商事(広告等では「とみやま商事」の表記が多い)が設立され,「くま」マークが商標とされました。昭和38年に富山商事をトミーに商号変更。翌昭和39年6月には商標が「くま」マークから「仲よしマーク」に変更されています。(参考:『トミー75年史』)トミーOOOゲージの箱に「TOMIYAMA」の文字が入った「くま」マークが描かれている一方で,「TOMY COMPANY. INC.」と記載されているのは,いわば過渡期の製品を特徴づけるものといえるでしょう。
2015.11.09
閲覧総数 5138
21

このブログでは,トミックス以前のトミーの歴史を取り上げてきました。そのトミーから昭和45年に発売されたのが,小スケールミニカーのトミカです。ミニカーの代名詞といっても過言ではない存在感の大きさは,ことあらためて述べるまでもないでしょう。さて,トミカには,いくつかの鉄道モデルがあります。現行及び最近のモデルとしては,C11(1/181),D51(1/133),EF510(1/140),京阪10000系(きかんしゃトーマスのラッピングカラー2015年版,2020年版。1/135),新幹線(700系・923形(1/198),N700系・N700A系(1/195),E2系(1/187),E3系(1/165),E5系(1/189),E6系(1/164),E7系(1/188)),超電導リニアL0系(1/187),「TRAIN SUITE 四季島」(1/151),広島電鉄650形(1/162),江ノ電300形(1/162),同1000形(1/162。現行塗装。江ノ電グッズショップ限定)などがあります。スケールはまちまちですが,Nゲージに近似したものも少なくありません。(奥がトレーン社,手前がトミカのE7系新幹線。トミカは車輪が樹脂製?のためか,若干転がしずらい)また,かつてトミカから発売されていた鉄道モデルとしては,D51(現行モデルとは別),DD13,ED75,サンフランシスコのケーブルカーがありました(D51は1975年,DD13とED75は1979年,ケーブルカーは1980年発売)。さらに,「トミカトレイン」と称する鉄道モデルも発売されていました。いずれもNスケールより少し小さめです。ラインナップは,東海道新幹線セット(0系),東北新幹線セット(0系(200系塗装)),ブルートレインセット(ED75(直流機塗装)+24系客車(オハネ25の表記あり)),L特急セット(485系と思い込んでいましたが,「クハ183」「モハ182」との表記があり,先頭部の帯の形状からも,183系であることがわかります),蒸気機関車セット(D51+有蓋車+タンク車+コンテナ車),ディーゼル機関車セット(DD13+有蓋車+タンク車+コンテナ車),電気機関車セット(ED75+タンク車+郵便車+コンテナ車)がありました。中でも3種の貨車は,さすがにトミーらしく,リアルな標記類を持った素晴らしい仕上がりです。なお,機関車と貨車1両の組み合わせが「ロングトミカ」として発売されていたこともあります。その他,「新幹線トレーラーセット」(1993)では,トレーラーに0系,0系(200系塗装),L特急(かもめエクスプレス塗装)が,「新幹線トレーラーセット2」(1994?)では,300系,400系,E1系が搭載されていました(「新幹線トレーラーセット」「セット2」の車両はいずれも先頭車のみ)。[追記1:かつてトミカから発売されていた鉄道モデル,「トミカトレイン」,「新幹線トレーラーセット」の軌間について]旧D51,DD13,ED75,300系,400系,E1系はプラ製車輪で一応Nゲージの線路に載せることができます。一方,0系,L特急,24系客車,ケーブルカーは金属製車輪で載せにくいです。貨車は製造時期?によってプラ製,金属製双方があるようです。(L特急(かもめエクスプレス塗装)とサンフランシスコのケーブルカー)(200系塗装の0系新幹線。スノープロウ,ボディマウントの下回りは0系と作り分けている。また,緑帯も実車同様,0系の青帯より前方に長く伸びている)(L特急。「クハ183」「モハ182」との表記がある)[追記2:その後の新幹線トレーラー各種]トミカで新幹線トレーラーがモデル化されたのは,前述した「新幹線トレーラーセット」「新幹線トレーラーセット2」のほか,1999年に発売された97-4として「新幹線トレーラー」がありました。これは,ロングトミカではない通常サイズのため,搭載された500系新幹線はかなり寸詰まりになっており,車体もプラ製でした。ただし,一応フランジが付いており,Nゲージの線路に載せることができます。1995年の「ゆかいなトレーラーセット」では300系,1996年の「ゆかいなトレーラーセット2」では400系が搭載されていました。他に,トミカくじとして,400系新塗装があります。現行品としては,122-3「三菱ふそうスーパーグレート H5系新幹線はやぶさ輸送車」,「ならべてたのしい!新幹線輸送トレーラーセット」(※車両はE5系はやぶさ,先導車・後方警戒車とのセット)があり,こちらは大変リアルなつくりとなっています。(「ゆかいなトレーラーセット」「同2」「新幹線トレーラー」搭載の300系,400系,500系)(左から122-3「三菱ふそうスーパーグレート H5系新幹線はやぶさ輸送車」,「新幹線トレーラーセット2」,97-4「新幹線トレーラー」)
2016.06.06
閲覧総数 3086
22

このブログで紹介してきた「のりものキップあそび」,「トレーンセット」,高橋商店の関西私鉄特急シリーズについて整理したいと思います。このシリーズは,いずれも9ミリ軌間となっており,Nゲージを強く意識した製品となっています。「のりものキップあそび」の名称で販売されていた商品としては,0系新幹線,ボンネット特急,電気釜スタイルの特急,103系もどき,100系新幹線が確認できます。この他に,商品名は不明ですが,レイルマガジン2003年6月号で紹介されているSLとダブルルーフ客車も,同じ製造元(真田プラスチック工業所)の製品です。(なお,鉄道おもちゃ1号(2004年7月)では,同誌編集部が関西で「トレーンセット」2種,近鉄ビスタカー,高橋商店の特急3種(京阪,ラピート,アーバンライナー)を入手する様子が紹介され,9号(2005年2月)でそれらの製品が読者プレゼントとなっていました。)「のりものキップあそび」をはじめ,古い製品の多くに共通する特徴は,・パンタグラフが菱形で,軟らかい線状のパーツが用いられている・台車枠が床板と一体成型で,曲線を曲がれない・床板と一体成型のフック=リング状の連結器が用いられていることがあげられます。ただし,電気釜スタイルの特急は,途中から・パンタグラフが下枠交差型で,硬いプラパーツが用いられている・台車が床板と別パーツで,首を振るようになっている・アーノルトカプラーを模した連結器が用いられているという特徴を備えるようになっており,高橋商店の関西私鉄特急シリーズと共通点が多くなっています。また,電気釜スタイルの特急は,古い仕様では赤帯が暗い色であったのに対し,新しい仕様では,非常に明るい色となっています。(0系新幹線。東北新幹線カラーもあった)(ボンネット特急。中間車もあったが,パンタグラフは先頭車,中間車とも付いていない)(電気釜スタイルの特急。写真のモデルは台車が別パーツとなった後年の仕様。赤帯は非常に明るい色となっている)(103系もどき。スカイブルーやウグイス色など各種カラーがあった)(レイルマガジン2003年6月号より。1/130のD51とダブルルーフ客車)(追記)0系新幹線やボンネット特急,103系は「レジャーパック」の名称でも販売されていました。また,0系新幹線や電気釜スタイルの特急は,「銀河特急」の名称でも販売されていました。「銀河特急」には,さらに,電気釜スタイルの特急の姉妹製品?として,583系がありました。・パンタグラフが菱形で,軟らかい線状のパーツが用いられている・台車枠が床板と一体成型で,曲線を曲がれない・床板と一体成型のフック=リング状の連結器が用いられているという,旧時代の仕様となっています。中間車は赤帯の電気釜スタイルの特急(485系もどき?)と同一車体ですが,先頭車の運転室の高さは中間車の屋根と同一となっています。というよりも,485系もどきの運転室が,583系の高い屋根をはるかに超える高さとなっていると言った方がよいでしょうか。(485系もどき?の特急と,583系)なお,485系もどきや583系には,貫通扉の窓の下に,機能上意味のない穴があり,学研の583系(1976年(昭和51年)発売)を参考にしたのではないかと私は推測していますが,果たして…?(電気釜スタイルの特急の妻面に存在する,機能上意味のない穴)「トレーンセット」の名称で販売されていた商品としては,100系新幹線,電気釜スタイルの特急,103系もどきを確認しています。(「トレーンセット」のパッケージの一例)(「トレーンセット」のパッケージには,扇に「S.P」と書いたマークが表示されている。「S.P」とは「真田プラスチック工業所」の頭文字)(100系新幹線。パンタグラフは電気釜スタイルの特急より小ぶりのパーツが用いられている)次に,高橋商店(タカハシ)の関西私鉄特急シリーズを見てみましょう。このシリーズは,「ビスタカーセット」と「阪急電車」以外は窓ガラスが入っており「のりものキップあそび」「トレーンセット」より高級感(?)があります。「ビスタカーセット」の名称で販売されていたのは,近鉄30000系の4両セットです。「日本子供鉄道」のキップや笛,鋏がセットされ,その分,他の箱より横長となっています。実車の登場が1978年(昭和53年)ですので,発売時期はそれ以降と考えられます。パンタグラフは下枠交差型の硬いプラパーツ,台車は床板と別パーツで首を振るようになっており,アーノルトカプラーを模した連結器が用いられています(追記:ビスタカーにも,パンタグラフが菱形で軟らかい線状のパーツが用いられており,台車枠は床板と一体成型で曲線を曲がれない仕様の製品があったようです)。(「ジョイライフ 玩具商報」1983年3月号より。初期の仕様のビスタカーセット)(ビスタカーセット。製造元は真田プラスチック工業所となっており,パッケージ右上にトレーンセットと同様,扇に「S.P」と書かれた同社のマークが表示されている。)「近鉄新特急 アーバンライナー」の名称で販売されていたのは,近鉄21000系の4両セットです。実車の登場が1988年(昭和63年)ですので,発売時期はそれ以降と考えられます。パンタグラフについては菱形で軟らかい線状のパーツのものと,下枠交差型で硬いプラパーツのものという2種がありますが,床下はいずれも,台車枠が床板と一体成型で,曲線を曲がれない仕様となっており,アーノルトカプラーを模した連結器のみが首を振る構造となっています。「京阪特急」の名称で販売されていたのは,京阪8000系の4両セットです。実車の登場が1989年(平成元年)ですので,発売時期はそれ以降と考えられます。ビスタカーと同様,パンタグラフは下枠交差型の硬いプラパーツ,台車は床板と別パーツで首を振るようになっており,アーノルトカプラーを模した連結器が用いられています。「南海空港特急ラピート」の名称で販売されていたのは,南海50000系の4両セットです。実車の登場が1994年(平成6年)ですので,発売時期はそれ以降と考えられます。ビスタカーと同様,パンタグラフは下枠交差型の硬いプラパーツ,台車は床板と別パーツで首を振るようになっており,アーノルトカプラーを模した連結器が用いられています。(高橋商店(タカハシ)の関西私鉄特急シリーズ3種)「阪急電車」の名称で販売されていたのは,6300系の4両セットです。実車の登場が1975年(昭和50年)ですので,発売時期はそれ以降と考えられます。電気釜スタイルの特急と同様,当初は,パンタグラフが菱形で軟らかい線状のパーツが用いられており,台車枠は床板と一体成型で曲線を曲がれず,床板と一体成型のフック=リング状の連結器が用いられていましたが,後の製品では,パンタグラフが下枠交差型で硬いプラパーツが用いられ,台車も床板と別パーツで首を振るようになり,アーノルトカプラーを模した連結器が用いられています。新しい仕様の製品にも2種あり,実車が「H」のシンボルマークから花をイメージした現在の社章(1992年(平成4年)導入)に取り替えられたことから,新旧両マークの製品が存在しています。(高橋商店(タカハシ)の阪急電車。この他,現社章の製品もある)その他,ニシノから「JR瀬戸大橋線マリンライナー スーパーサルーンゆめじ」の名称で販売されていた,JR211・213系の4両セット(実車は3両編成ですが…)も,これまで取り上げた製品と酷似した特徴を持っています。実車の登場は近鉄アーバンライナーと同じ1988年(昭和63年)ですので,発売時期はそれ以降と考えられます。製品の仕様も,パンタグラフは菱形で軟らかい線状のパーツとなっており,床下は台車枠が床板と一体成型で曲線を曲がれない仕様,アーノルトカプラーを模した連結器のみが首を振る構造となっており,高橋商店の近鉄アーバンライナーの初期製品とほぼ同様です。このことからも,この2つはほぼ同時期に製品化されたとみてよさそうです。ただし,マリンライナーはアーバンライナーと比較すると,車体,台車,床下機器いずれも非常にのっぺりとした表現となっています。(ニシノのマリンライナー。箱には「MADE IN KOREA」のシールが貼られている)
2017.12.20
閲覧総数 4778
23

1番ゲージや35ミリゲージからOゲージ,OゲージからHOゲージ,HOゲージからNゲージと,鉄道模型の歴史は小型化の歴史であったとも言えましょう。そして,1972年にドイツ・メルクリン社から発売されたZゲージは,縮尺1/220,軌間6.5ミリという規格で,これ以上小さなものは出ないという意味で,アルファベット最後の文字「Z」が選ばれたことは有名な話です(注)。さて,日本におけるZゲージ及び関連する製品(タカラのマイクロゲージ,日本の鉄道など)については既に紹介しました。今回は,「鉄道模型」と呼べるかどうかにこだわらず,Zゲージよりもさらに小さな鉄道車両たちを取り上げてみたいと思います。(左から,ZZトレインの485系,ミニックトレーンの485系,Cゲージの103系)<エーダイ・ミニックトレーン>鉄道模型の世界ではNゲージ「エーダイナイン」で知られる永大から,1976年に発売されたのが,縮尺およそ1/300のダイキャスト製鉄道車両「ミニックトレーン」シリーズでした。モーター等は搭載しておらず,転がして遊ぶ玩具となっていますが,車輪が金属製のため,よく転がります(これに対し,最近のトミカの鉄道車輌モデルは車輪がプラスチック製のため,あまり転がりません)。1980年の永大倒産後は,マミートに引き継がれ,「マッドマックス ワールドトレイン」シリーズと称していました。ラインナップは以下のとおりです。1 新幹線ひかり号,2 C62 SL特急列車,3 EF58特急貨物列車,4 583系寝台特急電車,5 167系修学旅行電車,6 DD51ディーゼル特急貨物,7 167系急行電車,8 EF58特急列車,9 C62 SL貨物列車,10 DD51ディーゼル特急列車,11 485系特急電車,12 103系国電,13 101系国電,14 地下鉄6000系丸の内線,15 EF81特急列車,16 地下鉄6000系千代田線,17 EF81特急貨物列車(マミート・ワールドトレインのミニカタログ)なお,別稿でも紹介していますが,永大では,1972年にNスケールのプラ製ゼンマイ式D51を製品化しています(RM MODELS 1996年1月号参照)。また,ダイキャスト製ミニカー「グリップゼッケン」シリーズでは,No.30 D51蒸気機関車(標準型)(1975)1/130,No.32 D51蒸気機関車(半流線型)(1975)1/130,No.35 新幹線ひかり号21型(1976)1/170 といった,Nスケールに近似したダイキャスト製鉄道モデルがありました(中島登「日本のミニカー」(保育社)参照)。他に,1/80のプラモデルで,D51,EF58,旧EF58,EF15,EF65 1000,貨車6種のキットがありました(松本吉之「愛蔵版 鉄道模型考古学N」(ネコ・パブリッシング)参照)。こうした鉄道モデルへの取組みの集大成といえるのが,1979年に参入したNゲージ「エーダイナイン」でしたが,あまりにも早い幕切れとなったことが惜しまれます(山下貴久雄「エーダイナイン誕生から30年」(RM MODELS 173号(2010年1月号)所収)参照)。<森永製菓・スポーツマンクラブキャラメル>森永製菓から発売されていた,スポーツマンクラブキャラメルのおまけ「ミニスケールトレイン」シリーズは,縮尺およそ1/300の鉄道車両です。レイルマガジン1992年7月号,9月号,11月号に写真が掲載されていますが,ラインナップは機関車,客車,電車はもちろん,貨車,私鉄,ジョイフルトレイン,外国形まできわめて多岐にわたります。モーター等は搭載していません。大手メーカーから長い間発売されていたシリーズの割には,情報が少ないように思います。まだまだ研究のしがいがありそうですね。<アオシマ・マイクロプラモデル>1980年にアオシマから発売されたマイクロプラモデルは,100円という低価格で,極めて小さなプラモデルがたくさん入っているという,何とも不思議なコンセプトのシリーズでした。「かんたんなくみたて!(もぎとるだけです。)」とパッケージにあるとおり,ランナーパーツにモデルがモールドされているだけです。シリーズ中,唯一の鉄道モノである「No.6 特急鉄道」は,ひかり(0系先頭車),はくちょう(485系先頭車),ふじ(EF65 500),D51の4種類が6両ずつの計24両と,線路が含まれており,手元の製品を測ったところ,縮尺は約1/1000となっています。その他のラインナップは,以下のとおりです。No.1 アメリカジェット機,No.2 ドイツ戦車,No.3 アメリカ・イギリスジープ,No.4 ジェット旅客機,No.5 国産車,No.6 特急鉄道,No.7 ヘリコプター,No.8 外国車,No.9 大型トレーラー,No.10 最新鋭ジェット機,No.11 戦闘戦車,No.12 最強艦船,No.13 無敵ロボ トライダーG7,No.14 伝説巨神イデオン,No.15 戦闘ロボ シャイアード,No.16 無敵鋼人ダイターン3,No.17 無敵超人ザンボット3,No.18 ロボット アトランジャー(アオシマのマイクロプラモデル No.6「特急鉄道」)(松本吉之「愛蔵版・鉄道模型考古学N」より。セットの内容)(鉄道模型趣味1981年7月号掲載,大野雅志氏のモジュールレイアウト「化学プラントとライブスティーム」。アオシマのマイクロプラモデルをNゲージレイアウトに組み込んだ例)<ケロッグ・高速鉄道シリーズ??>シリアル食品の代名詞ともいうべきケロッグは,様々なおまけでも知られており,プラモデルも色々ありました。その中に,高速鉄道シリーズとでもいうべき(正式名称不明),世界の花形車両たちをモデル化したものがありました。無動力の組み立てキットで,縮尺は1/300よりやや大きいようです。200系新幹線(日本),ターボライナー(アメリカ),ER200形電車(ソビエト),403形電車(西ドイツ),TGV(フランス),クラス370電車(イギリス),ETR401電車(イタリア),LRC(カナダ)の8種がありました確認されています。このラインナップからすると,発売は1980年代前半ではないかと推測します。(ケロッグのおまけ。手前右側から,ETR401,TGV,LRC,ER200,200系)なお,レイルマガジン1993年3月号,「フィギュア王 No.61」(ワールドフォトプレス,2003),昭和子供文化研究会編「ケロッグのおまけ」(2015)によれば,鉄道関連のものとしては他に,・「プラスチックのきしゃ」シリーズ(鉄道ファン1963年11月号66頁で紹介されています),・「歴史上有名な乗り物」シリーズ(蒸気機関車「北極星号」とサンフランシスコのケーブルカー),・「むかしむかしの乗り物」シリーズの(蒸気機関車「ロケット号」と蒸気機関車「グラント将軍号」),・「鉄道シリーズ」(ニューヨーク・セントラル鉄道の流線型ディーゼル機関車など米国型主体で,踏切なども付属)があったようです(別稿)。(レイルマガジン1993年2月号より。写っている未組立の製品がケロッグのおまけ)<ドイツ・シャバクのルフトハンザエアポートエクスプレス>旅客機のダイキャストモデルで知られるドイツ・Schabak社から,1980年代後半に,ルフトハンザエアポートエクスプレス(403形電車)のダイキャストモデル(無動力)が発売されています。パッケージ(未入手)には縮尺1/300と記載されているようですが,1/360が正しいようです。先頭車2両のセットで中間車はありません。(DC-10旅客機は1/600)<カバヤ・ビッグワンガム>カバヤのビッグワンガムについては,以前ご紹介しましたが,1987年から1988年にかけて発売されたシリーズ18~21は,1/330~1/500という小さなスケールで(レイルマガジン1993年2月号では「伝説の1/400シリーズ」と紹介されていますが,モデル・カーズ1994年10月号によれば,下記のとおりの縮尺です),長編成を楽しむというモデルとなっていました。もちろん無動力です。1987年発売のシリーズ18は,1/500の100系新幹線。全て揃えると16両編成が組めるようになっていました。1988年発売のシリーズ20は,1/330のTGV。やはり全て揃えると10両編成が組めるようになっていました。1988年発売のシリーズ21は,1/400のJR各社のジョイフルトレイン。フラノエキスプレス,スーパーエキスプレスレインボー,ユーロライナー,スーパーサルーンゆめじ,アイランドエキスプレス四国,オランダ村特急の6種がありました。<東京駅のペーパークラフト>1988年に集文社から発売された1/500ペーパークラフト「クラシック・ステーション東京駅」には,同スケールのペーパー製省電が3編成付属しています。<アメリカ・マイクロマシンーンズの鉄道シリーズ>アメリカ・マイクロマシーンズから,1980年代末に,プラスチック製の鉄道モデルが発売されました。専用レールの溝にフックを引っ掛け,手転がしできるようになっています。縮尺は1/300よりやや小さいようです。<サークルKサンクス・スーパー新幹線コレクション>飲み物のおまけと思われる,新幹線のミニチュアです。正確な発売年代は不明ですが,サークルKとサンクスの合併が2004年であり,800系新幹線がラインナップされていることからも,2004年頃の製品と思われます。ややショーティ化されており,縮尺は1/300よりやや小さいようです。<JR西日本・西日本一日乗り放題きっぷ>JR西日本では,2016年まで毎年,「鉄道の日記念 西日本一日乗り放題きっぷ」という記念品付きの切符を発売しており,特に,2001年から2004年にかけては,以下のとおり,毎年3種の約1/330のミニチュア列車模型が付属していました。台座と一体になっており,取り外しは不可能です。もちろん無動力です。(2003年の485系雷鳥)2001年:ひかりレールスター/500系のぞみ/300系新幹線2002年:SLやまぐち号/0系新幹線(※フレッシュグリーン)/103系(※大阪環状線)2003年:0系新幹線/EF58(※茶色塗装・150号機)/485系雷鳥(※ボンネット)2004年:トワイライトエクスプレス(※EF81)/サンライズエクスプレス/彗星・あかつき(※EF66)また,2003年には,「新幹線オリジナルミニチュア列車模型セット」という特製セットが作られ,抽選でもらえたようです。内容は,300系新幹線/500系のぞみ/700系新幹線/ひかりレールスターの4両となっていました。<フルタ・チョコエッグ>フルタ製菓のチョコエッグには,動物やキャラクターなど様々なシリーズがありますが,鉄道ものとしては,SL&ブルトレ(2004年1月,19種),新幹線&特急(2004年9月,18種),SL&ブルトレ2(2005年1月,19種),新幹線&特急2 (2006年1月,13種),私鉄特急(2007年1月,14種),新幹線(2011年9月,12種)があります。縮尺はまちまちですが,概ね1/300前後となっています。もちろん無動力です。<フルタ・世界SL紀行>2004年に発売された,フルタ製菓の食玩「世界SL紀行」は,ベルギー・クラス18(1/130),オーストリア・シリーズ310(1/180),イギリス・クラスA1「フライング・スコットマン」(1/190),日本・パシナ「あじあ号」(1/200),ニュージーランド・クラスAb2(1/130),ドイツ・クラス03(1/200),イギリス「マラード号」(1/190)の7種で,もちろん無動力です。<バンダイ・ZZトレイン>2005年,バンダイから,1/300,軌間4.8ミリの「ZZトレイン」が発売されました。ボタン電池で自走するようになっており,屋根上にスイッチが設けられています。なお,駆動台車が一軸となっているのは,奇しくも,かつてのソニックス9(セガ・ヨネザワ)と同様の構成です。もともと,小学館の雑誌「ラピタ」2005年3月号の付録として発売された「ラピタ・トレイン」(新幹線試作電車1000形A編成)の流れを汲むもので,ZZトレインとしては,第1弾(0系(1964年),0系(1984年),E3系こまち,E3系つばさ,800系つばめ,0系(お召・シークレット),911形ディーゼル機関車(シークレット)),第2弾(485系,485系しらさぎ,253系成田エクスプレス,E231系(山手線),E231系(中央・総武線),485系きりしま・ひゅうが(シークレット)),レールセット(0系(1964),E3系こまち,800系つばめ,485系,253系成田エクスプレス,E231系(山手線))がラインナップされていました。<JR東海・山梨リニア実験線ジオラマ>2005年の愛知万博の際,JR東海エージェンシーから,1/306のMLX01と実験センター等の模型を合わせた山梨リニア実験線ジオラマが発売されました。<トレーン・新幹線コレクションZ>2006年,Nゲージダイキャストモデルで有名なトレーンから,「新幹線コレクションZ」という食玩が発売されました(菓子はガム2個。縮尺は1/290~1/340)。ラインナップは,500系(1/340),700系,同ひかりレールスター(1/340),E2系あさま(1/320),E3系こまち,E3系つばさ(1/290),200系(2000番台。1/315),1000形A編成,941形(1/315)の10種となっています。後に,お菓子なしでブリスターパッケージに入れられた製品も販売されています。いずれも,トレーンのNゲージダイキャストモデルをそのまま小さくしたようなつくりで,もちろん無動力です。<Tゲージ>2008年に栄進堂から発売された「Tゲージ」は,1/450,軌間3ミリという極めて小さな規格であり,しかも,線路から集電して走行する(直流2線式)ため,スピードコントロールが可能であり,前照灯も点灯する(第1弾は103系電車)など,他の鉄道玩具とは一線を画した内容となっています。その後,栄進堂は撤退してしまいましたが,海外のメーカーでTゲージの製造が続けられているようです。[追記]2019年,Tゲージが再び国内で販売されています。製造は香港のメーカーが行っているようです。<Cゲージ>2018年には,スタンド・ストーンズから,Cゲージと称する1/400の鉄道車両が,カプセルトイとして発売されました(「C」はカプセルの頭文字に由来するようです)。「Vol.1 歴代山手線編」では,103系,205系,E231系がラインナップされています。車輪に鉄球を使用しているのが特徴で,車両を直に机上に置くと上手く立ちませんが,付属の線路に乗せてやれば,よく転がります。モーター等は搭載されていませんが,鉄球を使用しているので,線路の下から磁石で動かすことができるかも・・・??また,「Vol.2」では,E5系新幹線はやぶさ,E231系500番台総武線,205系京浜東北線,103系中央線が予告製品化されています。[追記]Vol.3ではE6系新幹線こまち,E233系京浜東北線,205系京葉線,103系中央線・総武線各駅停車が,Vol.4では0系2000番台,700系,923形ドクターイエロー(いずれも東海仕様)が,Vol.5ではC62と旧型客車,満鉄あじあ号,0系(大窓車)が,Vol.6では江ノ電(1000形,600形,500形,300形)が,Vol.7では500系,700系レールスター,681系サンダーバードが製品化されています。また,Vol.6では,磁石を使って走らせるための「ハンドルレール」が登場しています。<figma>2018年末には,グッドスマイルカンパニーのフィギュアシリーズ「figma」として,1/350のE233系中央快速線が発売されています。フィギュアの手足を動かすための関節パーツを電車の連結器とした構造がユニークです。(注)例えば「科学朝日」1972年6月号では「世界最小のミニ模型」と紹介されています。なお,同号の表紙を撮影した大辻清司氏は「表紙のことば」で「うわさには聞いていたものの,現物を見るまでどんなに小さいか想像できなかった。これはいかにも小さい。それにモールドが実に精巧である。リンク機構の省略はやむを得ないと大目に見れば,へたなNゲージやHOゲージより細密である。そこで表紙は,小さいことと,細密さを表わすことを目標とした。小ささの表わし方には,硬貨やタバコを並べて写すテもあるが,それではあまりに月並みである。思案のあげくのヒラメキで,先月号の表紙の上にレイアウトした。ストラクチャーの一つでもあれば,まとまった風景になったろうが,あいにくまだ入荷していなかった。そこで,キャンベルの樹木用のこけで森林を作った。色をつけたオガクズとHOに使うジャリも少々まいた。細密さは黄色いバナナ輸送貨車の,彫りの深さで表わしたつもりである。走らせてみると,まことにスムーズで安定している。残念ながら,こればかりは現物で味わうほかはない。」と述べられています。
2018.04.12
閲覧総数 7993
24

Nスケールのプラモデルのうち,1960年代に発売されたものについては,第2回,第5回で取り上げました。そこで,今回は1970年代以降の製品について見ていきたいと思います。この頃になると,Nゲージの規格が確立されたことから,もはや「OOOゲージ」の語は用いられず,各製品は「Nゲージ」「9ミリゲージ」と明記するようになります。そして,SLブームやブルトレブームを背景としたこともあり,題材は蒸気機関車,ブルートレインやL特急が中心となります。なお,本稿で記載する発売年代は,一部を除き日本プラモデル工業協同組合編「日本プラモデル50年史」に依拠しています。<フジミ・ミニトレインシリーズ>まず,1970年に発売されたのが,フジミのミニトレインシリーズです。D51,C62,8620,C58の4種が製品化されました。シンナーの乱用が社会問題となっていたこともあってか,「接着剤不要」が大きくアピールされています(当時の「日本模型新聞」を見ると,シンナーの問題が繰り返し取り上げられています)。(鉄道模型趣味1976年12月号より,フジミのプラキットを加工した作例)この頃は,SLブームを背景に,他のスケールでも,蒸気機関車のプラモデル化が相次ぎました。フジミのC53(1969,1/45),オオタキのD51(1969,1/50。その後,相次いで1/50で大型蒸機を製品化し,現在はマイクロエースに引き継がれている),ナガノのC62(1969,1/75)とD51(1970,1/75),緑商会のD51(1972,1/80)などが代表的です。<エーダイ・グリップミニトレーンD51>組立式のプラモデルとは異なりますが,鉄道100年にあたる1972年には,永大からプラ製でNスケールのD51が発売されました。ゼンマイで駆動するようになっており,永大らしく外観もなかなかシャープです。(松本吉之「鉄道模型考古学N 愛蔵版」より)<真田プラスチック工業所・D51>また,やはりプラモデルとは異なりますが,プラ製で1972年~1973年頃に発売されたのが,真田プラスチック工業所のD51(1/130)です。真田プラスチック工業所は,この他にも,軌間9ミリのプラ製鉄道玩具をいろいろ製品化しており,興味深いところです。(玩具商報1973年1月1日号より。1/130のプラ製D51が広告に掲載されている)真田プラスチック工業所は,1972年5月に株式会社となり,同年6月17日には創立15周年記念・新社屋完成祝賀会を開催しています。これより前,1968年には,(株)藤田屋商店(のち(株)藤田屋)や大倉清商店(のち(株)大倉トーイ)などと共に,大阪の小物玩具メーカーによる業界団体・大阪トイズユニオンを結成するなど,小物玩具メーカーとして知られています。(玩具商報1969年9月15日号より)(玩具商報1972年7月15日号より)(キッズライフ(旧玩具商報)1993年1月号より)<クラウンモデル・SLシリーズ>クラウンモデルからは,蒸気機関車3種(C51,D51,弁慶号)のプラモデルが発売されました。いずれも無動力のディスプレイモデルで,展示用の瓶とセットにしたボトルシップならぬボトルトレインのキット,車体・レールのキット(説明書は別刷り),車体のみのキット(組立解説は蓋の裏に印刷)がありました。「日本プラモデル50年史」には,ボトルトレインのみが掲載されており,1974年発売とあります。(RM MODELS 15号(1996年11月号)より)<ジーマーク・山の乗り物シリーズ>Oスケールの古典路面電車プラキットを製品化していたジーマークから,1978年,ケーブルカーとロープウェイのプラモデルが発売されました。いずれも動力入りの本格的なモデルで,これを組み込んだレイアウトとなると,中々の迫力でしょう。[追記]ロープウェイのプラモデルとしては他に,1960年代に今井科学が「スクールシリーズ」として,1/80の「No.1 ゴンドラ」「No.2 ロープウエー」(日本平ロープウェイ)と「No.4 マンモスロープウェイ」「No.5 発着所つきロープウェイ」(箱根駒ケ岳ロープウェイ)を製品化しており,No.5は1970年代に再販され,鉄道模型考古学N愛蔵版160頁で取り上げられています。また,ドイツのBRAWAでは,HO・Nスケールでケーブルカーとロープウェイを製品化しています。(日本模型新聞1039号(1978年5月1日)より)1979年には,ブルトレブームを背景に各社からNゲージプラモデル製品が相次いで発売されます。東京・科学技術館で第1回鉄道模型ショウが開かれたのもこの年です。<フジミ・Nゲージシリーズ>フジミは,1979年,Nゲージシリーズとして,従来のSL4種に加えて,C57,EF65,485系,583系を製品化。「高級ケース付き」と謳っているのがフジミ製品の特徴です。(松本吉之「鉄道模型考古学N 愛蔵版」より)<アオシマ・ミニ特急シリーズ>1/50の電気機関車を製品化していたアオシマは,1979年,EF65,24系,485系,583系を製品化。塗装済一体ボディキットで,特筆すべきは単3乾電池を組み込んで走るようになっていたことで,同社の意気込みを感じます。(日本模型新聞1078号(1979年12月15日)より)<バンダイ・トレインシリーズ>バンダイは,1979年にEF65,24系,485系を製品化。塗装済板キットで,バンダイらしく,いずれも素晴らしいディテールを誇っており,鉄道模型趣味1980年1月号の新製品紹介欄でも取り上げられています。(日本模型新聞1078号(1979年12月15日)より)<オオタキ・近鉄ビスタカー>1980年には,1/50蒸気機関車シリーズで有名なオオタキから,近鉄30000系ビスタカーのNスケールプラモデルが発売されました。先頭車・中間車が用意され,非常にシャープなモールドを誇っており「エンドウ製動力ユニットを始め関水,エンドウ,GM製の台車,GM製パンタグラフなどの使用で一級水準並みのオリジナル車輌が創れます。」(広告より)と謳われるなど,動力化も想定したモデルでした。(日本模型新聞 鉄道模型版27号より。広告では「ナインゲージ・キット」と称している。「N鉄道模型へナウい提案」とあるのが時代を感じさせる。)<東京シャープ>東京シャープの「日本の蒸気機関車シリーズ」「日本の列車シリーズ」は,「日本プラモデル50年史」にも掲載されておらず,発売年代等の詳細は不明です。「Nゲージ」と名乗っていますが,軌間が9ミリというだけで,車体はNスケールよりかなり小さなサイズです。ラインナップは,「日本の蒸気機関車シリーズ」がNo.1 C57,No.2 C62,No.3 D51,No.4 D52,「日本の列車シリーズ」がNo.1 新幹線ひかり号,No.2 新幹線こだま号,No.3 DD13,No.4 DD51,No.5 特急ひばり,No.6 特急白鳥,No.7 寝台特急富士,No.8 寝台特急さくら,No.9 C57,No.10 C62,No.11 D51,No.12 D52となっています。(RM MODELS 15号(1996年11月号)より)<参考資料>(頁番号及び敬称略)松本吉之「鉄道模型考古学」レイルマガジン133号(1994年10月号),RM MODELS 15号(1996年11月号)山下貴久雄「新・鉄道模型考古学N」RM MODELS 139号(2007年3月号), 160号(2008年12月号)
2018.08.26
閲覧総数 5034
25

前回,津川洋行のボンネットバスをご紹介しました。今回は,同社のNゲージ車両製品のうち,初期のものを振り返ってみたいと思います。(1990年代の津川洋行の車両製品たち。左からキハ10,キハ07,南部縦貫鉄道キハ10,沼尻鉄道ガソ101(※HOナロー))1970年代からシーナリーやストラクチャーといった鉄道模型用品を製品化してきた津川洋行は,1997年,南部縦貫鉄道のレールバスをNゲージで発売しました。プラ製,無動力(後年,動力入りも発売)のアクセサリー車両としての製品化でしたが,この年に南部縦貫鉄道が廃止になったこともあり,大変話題になった製品でした。(1994年6月発行の津川洋行カタログ。表紙の南部縦貫鉄道キハ10は試作品だろうか)(RM MODELS 1997年8月号より。南部縦貫鉄道キハ10。ペアーハンズのエッチングキットと競作となった)続いて,キハ07,キハ40000,キハ10が,やはりプラ製,無動力のNゲージ製品として発売されました。また,キハ07のバリエーションとして,夕張鉄道キハ202があります。(RM MODELS 1998年2月号より。キハ07)(RM MODELS 1998年7月号より。夕張鉄道キハ202)(RM MODELS 1998年10月号より。鹿児島交通キハ100と東急5000系。いずれも未発売)(RM MODELS 1998年10月号より。キハ40000。山下貴久雄氏が同誌2009年7月号掲載の「新・鉄道模型考古学 国鉄気動車編12」で詳しく紹介されている。)(RM MODELS 1999年4月号より。キハ10)これら津川洋行の初期の車両製品は,他社にない題材をプラで発売した点で画期的であったものの,塗装がもう一つシャープさに欠けていたためか,未塗装版を求めるユーザーの声があり,メーカーでもキハ07やキハ10の未塗装版を発売しています。今日から見ると,私鉄譲渡車のカラーバリエーションが夕張以外にあってもよかったと思います。キハ07の鹿児島交通カラーはメーカーでも検討していたようですが,結局製品化されませんでした。キハ10の南部縦貫鉄道カラーがあれば,レールバスとの相乗効果もあったと思うのですが…。その後,長らく車両の新作がありませんでしたが,2009年頃から,銚子電鉄デキ3や,キハ40000動力付き,モーターカー,有田鉄道コッペル1号機,有田鉄道キハ201(元・キハ40000)といった意欲的な小型車両を次々に発売し,ファンを驚かせていることは周知のとおりです。これらの製品は,動力,ディテール,塗装などあらゆる面で,かつての津川洋行製品とは段違いの出来となっています。かつての津川製品の大らかな味わい(特に,レールバスのぼてっとした塗装には,何とも言えないあたたかみを感じます。)も捨てがたいのですが,やはり,今日の水準で初期製品の改良再発売を期待したいところです。例えば,キハ07のバリエーションとしてキヤ92あたりも面白いと思います(マイクロエースがJAM限定品で発売しましたが・・)。
2018.11.15
閲覧総数 6232
26

鉄道模型において,誰しもが描くのが,レイアウトを持つ夢でありましょう。10年ほど前には,東京マルイのZゲージ・PRO-Zが,まずレイアウト(同社は完成ジオラマコースと呼称)と車両を一気に発売するという手法で話題となりました。そこで,今回は,Nゲージにおいて,地形や線路があらかじめ作られた,半完成のレイアウト製品を振り返ってみたいと思います(すべての製品を網羅しているわけではありません)。まず,ドイツのARNOLDでは,まだRAPIDO200(1/200)と称しNゲージの規格(1/160)が確立する前,発泡スチロール製のレイアウトを販売していました。日本模型新聞506号(1965年3月5日)の記事によれば,日本にも1963年頃に輸入されたようです。(ARNOLD RAPIDO200のレイアウト)イタリア・LIMAの小型レイアウトは,パワーパックや車両も同一のパッケージに収めたもののようですが,1971年に集英社から刊行された「まんが版入門百科 模型工作教室」では,このレイアウトとおぼしき製品に対して,「そんな単線のエンドレス(ぐるぐる同じところをまわるだけ)なら、オモチャのほうがましだよ。」と言われてしまっています。(科学教材社「模型とラジオ別冊 工作ガイドブック'70」より,イタリア・LIMAのレイアウト)スペインのIBERTRENでは独自の直流3線式Nゲージを展開していましたが,レイアウトも販売されていました。カタログでは,軽量で壁に掛けて収納できることがアピールされています。(IBERTRENカタログより)さて,日本のメーカーから販売された製品を見ていきましょう。古くは,トミーナインスケールや,「模型とラジオ」の科学教材社がレイアウトベースを発売していました。(1970年頃のトミーナインスケールカタログより)(子供の科学1977年2月号より)1980年代には,学研やトミックスの製品が現れます。これらのベースをもとにレイアウトを作られた方は多くいらっしゃるのではないでしょうか?(1980年版学研Nゲージカタログより「エヌランドベース」)(1986年版トミックス総合カタログより「8017 レイアウトベースキット」)[追記:トミックスのレイアウトベースキットは,ホビットから発売されていた「レイアウトベース」によく似ています。両者の関係等をご存知の方がおられれば,ぜひご教示ください。(鉄道模型趣味1981年3月号より,ホビットのレイアウトベース)]1990年代末にNゲージに復帰したマイクロエースでは,アメリカ・LIFELIKEの線路・パワーパックを用いた「レイアウトボックス」を発売。また,後にジオラマレールと称する情景付き線路を発売しましたが,その後は車両に専念しています。(マイクロエース総合カタログvol.1より,レイアウトボックス)そして,1998年,カトーから,この種のレイアウトの決定版ともいうべき「デスクトップレイアウト」が発売されました。ドイツ・NOCHとの提携のもと,美しく仕上げられた地形が印象的です。後にカトーからは,やはりNOCHとの提携のもと,より大型の「アルプスの氷河特急 デスクトップレイアウト」も発売されています。(RM MODELS 1999年2月号より。5名のモデラーがデスクトップレイアウトの作例を発表された。なお,同誌2000年6月号では,「第1回デスクトップレイアウト完成作品コンテスト 誌上作品展」が掲載されている。)(RM MODELS 1999年2月号より,中部浩佐氏のデスクトップレイアウト作例。駅前のスペースに合わせてHOナローとNのベースを作り,ベースを載せかえて楽しめるようになっている。残念ながら,昨今話題の猫屋線の車両は,デスクトップレイアウトではトンネル通過が厳しいようだ)同じ頃,トミックスでは,きかんしゃトーマスの世界をNゲージで楽しめる「きかんしゃトーマスDXセット」が発売されました。(RM MODELS 1999年4月号より,トミックスのきかんしゃトーマスDXセット。後に本製品をもとに「8018 レイアウトベースキット」が発売された)その他,これらとは少し違ったアプローチとして,地面や道路を描いたマットを発売したメーカーもあります。古くはミニトリックス,最近では,トミックス(8191,8192パノラママットや,きかんしゃトーマスセットに付属のもの),カトー(24-032ジオラマシート)などが代表的です。[追記]最近では,Bトレインショーティ レイアウトベース(B4サイズ)や,津川洋行のプレジオベース(A4サイズ)など,小型車両に特化したレイアウトも発売されていますね。
2019.01.08
閲覧総数 10533
27

以前,Zゲージの歴史について書きました。日本型Zゲージ略史日本型Zゲージ略史 補遺初の日本型Zゲージ製品の発売から15年たつ今年,Zゲージの歴史について,あらためて振り返ってみたいと思います。<ZJゲージ以前(1972~2006)>1972年,西ドイツ・メルクリン社から,世界最小の鉄道模型として,縮尺1/220,軌間6.5mmのZゲージが発売されました。Nゲージでさえ種類が限られていた時代に,より小さなZゲージを製品化したメルクリン社の技術力は驚くべきものがあります。当時の「科学朝日」1972年6月号では,以下のように紹介されています。「うわさには聞いていたものの,現物を見るまでどんなに小さいか想像できなかった。これはいかにも小さい。それにモールドが実に精巧である。リンク機構の省略はやむを得ないと大目に見れば,へたなNゲージやHOゲージより細密である。」1979年,イタリア・リマの鉄道模型の輸入で知られていた朝日通商から,Zゲージサイズのディスプレイモデルが発売されました。メルクリン製品を扱っていた不二商は,朝日通商のグループ会社であり(「玩具商報」311号には,「不二商は昭和三十九年,朝日通商の国内販売会社として独立,加藤守社長の令兄で,当時専務取締役にあった加藤信氏を,社長にいただく文字どおりの兄弟会社である。」と記載されています),メルクリンのZゲージに範をとったのでしょう。(朝日通商のZゲージサイズのディスプレイモデル)(ZJゲージ(左)と朝日通商(右)の485系)その後も,メルクリン以外にZゲージを製品化したメーカーは,アメリカ・マイクロトレインズ社くらいで,日本型ファンにとって,Zゲージは長らく縁遠い存在でありましたが,21世紀に入ると,状況が変化し始めます。2004年には,1/220のSLとジオラマを組み合わせた食玩「鉄道ファン 情景フィギュア」が,翌2005年には,タカラから食玩「マイクロゲージ」が発売されました。「マイクロゲージ」は,単4乾電池で駆動するEF81,24系客車,レールを製品化しており,一応Zゲージの規格に則ったものとなっていました。同じく2005年には,バンダイから縮尺1/300,軌間4.8mmで,ボタン電池駆動の食玩「ZZトレイン」が発売されるなど,モーターの小型化により,Nゲージよりさらに小さな鉄道模型の可能性が広がりつつありました。なお,一部ガレージキットメーカーでも,日本型Zゲージの製品化が試みられていました。(タカラのマイクロゲージ)(RM MODELS 2000年9月号より。日本型Zゲージのガレージキット)<ZJゲージ登場(2006)>2006年4月24日,アキアから,食玩「ZJゲージ」が発売されました。縮尺1/220,軌間6.5mmで,車体は精巧なプラ製,車輪は金属製で,線路から集電して走るという立派なZゲージ鉄道模型でした。第1弾は485系国鉄色とひたちカラーの2種で,レアアイテムの動力車以外には線路が付属していました。追って線路がセット販売されたほか,抽選でプレゼントされていたパワーパックも販売されました。(「ZJゲージ完全マニュアル」より。ZJゲージ第1弾とレール,パワーパック)ネコ・パブリッシングの雑誌「鉄道おもちゃ」(現「鉄おも」)では,メルクリンのZゲージ,ZJゲージ,タカラのマイクロゲージ,バンダイのZZトレインを「U9規格」と名付け,精力的に取り上げていきます。2006年8月,「鉄道おもちゃ」の増刊として「ZJゲージ完全マニュアル」を発行。ZJゲージの開発過程や製造工程,ディテールアップの方法,今後のラインナップなどが詳しく紹介されたうえ,485系レッドエクスプレス塗装3両が付属していました。(「ZJゲージ完全マニュアル」より。マイクロゲージとZJゲージとの関連が示唆されている)2006年10月には「ZJゲージ」第2弾として,485系かがやき・きらめカラー,スーパー雷鳥カラー,白鳥カラーが発売されました。第1弾で評判がいまひとつだった線路が刷新されたほか,箱買いすると,必ず動力車と乾電池式のミニパワーパックが含まれるようになりました。また,イーベルから,ZJゲージ用のストラクチャーとして,特急停車駅・架線柱セット,延長用ホーム,トラス鉄橋が発売されました。(RM MODELS 2008年3月号よりイーベルのZゲージ用ストラクチャー)一方,同じく2006年にタカラトミーからは,マイクロゲージの後継シリーズというべき「日本の鉄道」が発売。単4乾電池の関係上,縦方向に間延びしたスタイルでしたが,日本型Zゲージの少ない当時としては,貴重な存在であったといえるでしょう。(タカラトミーの日本の鉄道)<ZJゲージの停滞とPRO-Zの参入(2007~2008)>アキア(プラスアップ)では,食玩として,第3弾・485系ボンネット車,第4弾・485系パノラマ車,第5弾・103系の製品化を予告していましたが,結局いずれも発売されませんでした。一方,食玩のZJゲージの上級ブランドとされた「REAL ZJ」では,道床付き線路,架線柱,車両ケース,パンタグラフ,485系セット(食玩第1弾の改良品)が発売されています(余談ですが「REAL ZJ」の線路は,他社のZゲージ線路より枕木間隔がかなり広いので,Nナローの線路に似合うと思います)。(「ZJゲージ完全マニュアル」より。第3弾・485系ボンネット車,第4弾・485系パノラマ車,第5弾・103系の製品化が予告されていた)(RM MODELS 2008年3月号より「REAL ZJ」の線路)2007年末から2008年には「REAL ZJ」として,EF81(ローズピンク,北斗星)が発売されましたが,牽引相手となる24系客車は結局発売されず,天賞堂ブランドで発売が予定されていたEF81(お召,レインボー)も発売中止となってしまいました。2008年には「REAL ZJ」ブランドで,テラネッツから489系白山色セットが発売されましたが,これが事実上,最後のZJゲージとなっています。(RM MODELS 2008年3月号より「REAL ZJ」のEF81。下2種は未発売に終わった)(RM MODELS 2008年3月号より「REAL ZJ」の24系。未発売に終わった)一方,エアガンメーカーの東京マルイから,2007年12月17日,「PRO-Z」と題する鉄道模型が発売され,アキアに続く,2社目の日本型Zゲージとなりました。特筆すべきは,ジオラマコースと称する完成レイアウトと共に発売されたことであり,車両・建物いずれも室内灯が入った楽しいモデルとなっていました(ジオラマコースはかなりカーブが急であり,特にトンネル内のS字クロスは他社製品にとって鬼門のようです)。その他,PRO-Zの特徴としては,Nゲージのアーノルドカプラーを縮小した形状のものを採用したことが挙げられます。車両は,まず,E231系(山手線),EF65 500,20系客車が製品化され,その後,コキ50000が加わりました。<蒸気機関車,新幹線の登場(2009~2010)>2009年,東京マルイと同じくエアガンメーカーのクラウンモデルから(予告からだいぶ経過後),「PRMLOCO」ブランドで,EF64-1000が製品化。同社は,貨車,24系客車(未発売のZJゲージの改良品か),スハ43系客車,線路,パワーパック,ストラクチャー,トータルセットといったシステム展開も行っていきます。同じく2009年には,鉄道模型界の雄・天賞堂から,「Premium Z」ブランドで,日本型Zゲージ初の蒸気機関車となるD51が製品化。その後,同社は,C62,貨車,オハ35系客車,トータルセットなどを発売しています。この他,2009年には,近鉄リテールサービスから,近鉄電車のZゲージディスプレイモデルが発売されています。2010年には,プラッツから,f-toysの食玩という形で,0系新幹線が製品化され,日本型Zゲージは,蒸気機関車から新幹線まで揃えられるようになりました。一方,「PRO-Z」は,車両のカラーバリエーションや増結用ジオラマコースの発売があったものの,長続きせず,末期は在庫処分的なセット販売が目立ちました。(2009年,デアゴスティーニの「週刊マイディズニーランド」94号・97号で製品化された,軌間6.5mmの米国型汽車。車体の大きさからいって,Zゲージとは言い難い)<ロクハンの参入(2010~)>2010年,トイテックが「ロクハン」ブランドでZゲージの線路を発売。翌2011年には113系を製品化し,車両にも参入しました。その後も,ロクハンは新幹線,SL,私鉄など幅広くZゲージ車両を発売するのみならず,ストラクチャーやアクセサリーをも精力的に展開し,本邦唯一ともいうべきZゲージの総合メーカーとなっています。また,2018年には,Zショーティーと称する短縮版モデルを製品化し,Nナローの貴重な動力源ともなっています。なお,2015年から2017年にかけてデアゴスティーニジャパンから刊行された「昭和にっぽん鉄道ジオラマ」は,ロクハンのZゲージを基本としたジオラマとなっていました。ロクハン以外では,ワールド工芸が2011年にED17(キット)を,天賞堂が2011年にC62,2013年に165系を,クラウンモデルが2013年に485系(ZJゲージの改良品か)を,プラッツが2015年にキハ40を製品化していますが,ここ数年,ロクハン以外の新製品は途絶えてしまっているようです(例えば,天賞堂では,キハ58の製品化を予告していましたが,実現していません)。[追記]このほか,2016年に発売された「北海道新幹線開業記念 フレーム切手(ミニカー付き)」,「923形ドクターイエロー・フレーム切手セット(ミニカー付き)」,2018年に発売された「C62形 蒸気機関車3号機 製造70周年記念フレーム切手(ミニチュアモデル付き)」には,京商によるH5系,923形,C62蒸気機関車3号機それぞれのZゲージサイズのディスプレイモデルが付属していました。<参考>RM MODELS 2000年9月号ZJゲージ完全マニュアル(2006,ネコ・パブリッシング)RM MODELS 2008年3月号Zゲージ パーフェクト入門(2013,ネコ・パブリッシング)サイクロン Zゲージ! のブログ(ttps://ameblo.jp/zgauge100606/)日本郵便ウェブサイト
2021.07.05
閲覧総数 6368
28

現在,トレーンから発売されている「Nゲージ ダイキャストスケールモデル」シリーズについては,このブログでも何度か取り上げてきました(トレーンでは最近まで「ダイキャスト」ではなく「ダイカスト」と表記していました)。同シリーズは,1979年にサクラから発売が開始され,1983年にトレーンに引き継がれています。1990年代以降は,製品に封入されたミニカタログ等によってラインナップを確認できますが,それ以前については,資料が入手できておらず,不明な部分があります。(トイジャーナル1984年12月号より)1984年時点でのラインナップは,下記のとおりです。No.12,18,29,30,34,44が欠番となっています。また,No.36「東武ロマンスカー」が何を指すのか(DRCか,No.37の「りょうもう号」と同じく1800系か),No.40「新近鉄特急」のほかに製品化されていたスナックカーは何番かなど,疑問は尽きません。<1984年時点のラインナップ>No.1 ひかり号,No.2 ひかり号中間車,No.3 エル特急,No.4 エル特急中間車,No.5 地下鉄,No.6 通勤型(オレンジ),No.7 通勤型(グリーン),No.8 通勤型(ブルー),No.9 通勤型(イエロー),No.10 東海型急行,No.11 電関(ブルー),No.12 ??,No.13 電関(ブラウン),No.14 通勤快速(ブルー),No.15 通勤快速(レッド)※交直流急行色,No.16 通勤快速(オレンジ)※修学旅行色,No.17 京成スカイライナー,No.18 ??,No.19 小田急線,No.20 京王線,No.21 京成線,No.22 東武線,No.23 西武線,No.24 ステンレスカー,No.25 京浜急行,No.26 東京急行,No.27 ブルートレイン ※電関塗り替え,No.28 寝台特急 ※エル特急塗り替え,No.29 ??,No.30 ??,No.31 阪急電車,No.32 南海こうや号,No.33 名鉄電車,No.34 ??,No.35 小田急ロマンスカー,No.36 東武ロマンスカー,No.37 東武りょうもう号,No.38 D51汽車,No.39 近鉄ビスターカー,No.40 新近鉄特急,No.41 DD51ディーゼル,No.42 ブルートレイン中間車,No.43 東北新幹線,No.44 ??,No.45 特急踊り子号,No.46 リレー号,No.47 上越新幹線[追記]その後,1980年頃?のカタログ,価格表と1982年頃?の価格表を入手し,不明な部分が下記のように判明しました。ただし,No.30の近鉄特急(スナックカー)以外は1980年頃?の時点で価格表から脱落しており,また,現物を実見できていないことから,未発売だったのではないかと思われます。No.12 電関客車No.18 スカイライナー中間車No.29 近鉄電車No.30 近鉄特急(※スナックカー)No.32 阪神電車No.34 相模鉄道No.44 欠番(1980年頃?のカタログ。No.42まで欠番なく掲載されている)(上記カタログに同封されていた1980年頃?の価格表。No.42まで掲載されているが,先の価格表にあったNo.12 電関客車,No.18 スカイライナー中間車,No.29 近鉄電車,No.32 阪神電車,No.34 相模鉄道は脱落している)(1982年頃?の価格表。No.47まで掲載されているが,No.12,No.18,No.29,No.32,No.34に加えてNo.44が欠番となっている)(1980年頃?のカタログより)
2021.08.18
閲覧総数 5208
29

Nゲージのコンテナの歴史について,簡単に振り返ってみたいと思います。日本型Nゲージでコンテナ車を初めて製品化したのは,関水金属(カトー)でした。1967年,当時最新鋭のコンテナ貨車であったコキ10000・コキフ10000を製品化。初期製品は,X2Fカプラーを装備していましたが,後にアーノルドカプラーに替わり,コンテナのレタリングの改良などを経て,現在に至るロングセラーとなっています。(RM MODELS 2006年6月号より。カトーのコキ10000とコキフ10000)1973年には,トミーから「トミーナインスケール」初の日本型として,香港製の2軸貨車6種が製品化され,うち1種がコム1でした。1978年には,カトーから,コキ5500が製品化されています。これらカトー,トミー両社のコンテナは,いずれも複数のコンテナを一体成型した「つながりコンテナ」となっており,今日のように,コンテナを載せ替えて楽しむということは,想定されていなかったようです。1980年にはトミックスからコキ5500(香港製)が,翌1981年にはコム1(2代目・香港製)が製品化され,コンテナは個別の成型となりましたが,載せ替えはまだ想定されていませんでした。(「鉄道模型考古学N」より。トミックスの初代・2代コム1(いずれも香港製))一方,1981年には,カトーから,西武百貨店池袋店にあった鉄道模型店「しぐなるはうす」の特注品として,「SEIBU Lions」のロゴや,マスコットキャラクター「レオ」が印刷された,「レオコンテナ」が製品化され,話題となりました。同社E851電気機関車との組み合わせが楽しく,今日もファンの多い製品です。(「鉄道模型考古学N」より。カトーの西武ライオンズ仕様コンテナ)1986年にトミックスから製品化されたコキ50000・コキフ50000(日本製)は,コンテナ有りと無しがそれぞれ製品化されるとともに,リアルな爪をもち着脱の容易なコンテナが用意され,コンテナを載せ替えて遊ぶことができるようになりました。翌1987年には,コム1(日本製・3代目)も同様のコンテナを載せた製品となっています。トミックスでは,引き続き,各社のロゴも楽しい12フィート,20フィートコンテナをはじめ各種コンテナを積極的に製品化するとともに(未塗装キットもありました),フォークリフトや,5tコンテナ2個積三菱ふそうトラックといったラインナップを展開しました。なお,1990年には,銀座・松屋の鉄道模型ショウの記念品として,「Let’s Enjoy New Hobby Life 1990 TOMIX」のロゴが印刷された特製コンテナが配布されています。(1990年の鉄道模型ショウで配布されたトミックスのロゴ入り特製コンテナ)(「Nゲージモデル・アーカイブス」より。1999年に発売されたプレイステーション/ウィンドウズ用ゲーム「ガタンゴトン」のロゴ入りコム1)1993年には,カトーからも,コンテナ載せ替え可能とした,コキ104が製品化されました。2002年には,マイクロエースが「たから号」「北海ライナー」でコンテナ車に参戦。2004年には,カトーから,M250系コンテナ電車「スーパーレールカーゴ」が製品化されました。2006年には,トミーテックから「ザ・トレーラーコレクション」で,40ftコンテナが製品化され,トミックスでも,同型のコンテナを搭載したコキ104が発売されました。同年には,マイクロエースから,コキ71カーラックコンテナが製品化されています。2012年には,グリーンマックスから,開閉式ギミックを採用したコンテナが製品化されています。上記のほかにも,朗堂やプラッツといったメーカーからも,多数のコンテナが製品化されています。近年では,アニメキャラクターをプリントしたコンテナまで製品化され,ますます多様化していますね。そして,これら各社のコンテナが互換性を持っていることは,ユーザーにとって非常にありがたいことです。<参考文献>TOMIXのすべて(2001),KATO Nゲージアーカイブス(2007),TOMIXの40年(2016)
2021.11.14
閲覧総数 6626
30

以前,セガ・ヨネザワのソニックスナインをご紹介しました。ソニックスナインのような,小スケール・リアル志向の鉄道玩具としては,近年ではプラレールアドバンス(タカラトミー),かつてはミニミニレール(バンダイ)が有名ですね。この他,ミニミニレールと同じ頃に発売されたマイレール(ヨネザワ)という玩具がありました。今回は,ミニミニレール,マイレールをあわせてご紹介したいと思います。(ミニミニレール,マイレールの広告(いずれもトイジャーナル1975年8月号より))(比較的後期のミニミニレールセット。箱の写真にはNゲージ用ストラクチャーも登場する)(上記セット同梱のカタログより抜粋。車輌製品はこの他に,西武レッドアロー,京成スカイライナー,TGVなどがあった)ミニミニレールは軌間がNゲージよりやや広く,11ミリ程度。もともとバンダイには単5電池で動くミニミニカーという自動車玩具があり,その鉄道版として1974年に登場したのがミニミニレールでした。そのため,当初はミニミニレールも単5電池2本で駆動するようになっており,「世界で最も小さい電池で走るミニミニレールシリーズ」と宣伝されていました。ただ,やはり単5電池は入手しづらいためか,ミニミニレールは後に,単3電池1本で駆動するように改められています。車輌,情景部品,レールともに豊富なラインナップを誇っており,今日の目から見ても非常に魅力的です。後期の箱には,GMやトミックスのストラクチャーを用いたレイアウトの写真が掲載されていました。[追記]なお,バンダイ系列のポピーでは,ミニミニレールをベースに銀河鉄道999仕様とした「メガロポリスステーションセット」を発売していました。ペーパークラフト部品により,ミニミニレールの駅を「メガロポリスステーション」に見立てられるようになっているのがユニークでした。(マイレールの「No.2 ポイント汽車セット」)(上記セット同梱のカタログより抜粋)1975年に登場したマイレールはミニミニレールよりさらに軌間が広く,13ミリ程度となっています。車輌製品のラインナップは,D51,EF65,客車,貨車,0系があり,いずれも単3電池1本で駆動します。私の手持ちのD51は,今でもちゃんと走ってくれました。情景部品としては,駅舎,架線柱,踏切,信号機,樹木,トンネル,橋などがあります。マイレールは,ポイント部の構造や自動往復機能など,全般的にミニミニレールとの類似点が多いように思いますが,車輌のラインナップが少ないなどミニミニレールに比べ,どうも迫力不足の感があります。そのためかどうか,ミニミニレールほど発展しなかったのは残念なところです。
2018.05.14
閲覧総数 12568
31

RMモデルズ2017年6月号の特集は,トミーテックからHOナロー「猫屋線」シリーズが発売されたことを受け,「ナローゲージ はじめの一歩!」となりました。 当ブログは,一応,Nゲージをテーマとしておりますが,HOナローは,Nゲージと切っても切れない関係にあります。Nスケールで狭軌を再現するNナロー,Njゲージとあわせて紹介したいと思います。<HOナロー> 鉄道模型趣味200号(1965年2月号)では「ナローゲージ散策」として,西ドイツ・エガーバーン社製のHOナローゲージなどが紹介されています。以下,一部を抜粋します。「Egger製品の軽便鉄道の一式が,堂々と日本のデパートの店頭に並んだし,先号の広告で御承知のとおり,日本製のすぐれた9mmモデルが市場に姿を現わすのも間近い。かくて,2呎6吋のプロトタイプをHOで模型化する絶好のチャンスが到来したのである。…昨年のミキストが海外の9mmを紹介し,日本型9mmの縮尺を検討するなど,回を重ねてスペースを割いているのは,9mm製品の発売が広告された今日あるを期していたからにほかならない。これをHOn2 1/2に利用できることは以前から十分承知していたのである。問題は,いつこのゲージの具体化がお知らせできるかにかかっていた。この記事が,ただ偶然で本号に掲載されているのではないことをよく考え合わせていただきたいのである。」(鉄道模型趣味1965年2月号より。西ドイツ・エガーバーン製品の紹介) また,同誌209号(1965年11月号)の「ミキスト」欄では,あらためてHOナローとNゲージについて記述されています。「わかっているようで意外に理解していない人が多いのが,9mmゲージとHOn2 1/2のちがいである。どちらも『線路の巾が9mm』だから混乱してしまうらしい。一言でいうなら『この二つは一緒のレイアウトにはならない』のである。大きさからいうなら0番と16番のような全くちがったものである。…ナローとはちがって今回発売の関水金属製9mmゲージは日本の場合1/80・16.5mmと相対するものである。」(鉄道模型趣味1965年11月号より) このように,HOナローは,Nゲージとほぼ同時期に製品が登場しており,同じ軌間9mmであることから,多くのナローゲージャーがNゲージの動力を利用した作品を発表されています。 例えば鉄道模型趣味238号(1968年4月号)では,橋本真氏が,カトーの103系などの部品を利用したHOナローのガソリンカーと客車を発表されています。 一方,完成品やキットに目を向けると,70年代以降,乗工社やしなのマイクロなど,様々なメーカーからもHOナロー製品が発売されました。これらはほとんど真鍮製で,Nゲージと異なり,プラ製品はほとんどありませんでした。 プラ製のHOナロー製品としては,1983年,東京ディズニーランドの開業に伴い発売されたトミックスの「ウエスタンリバー鉄道」があります。実車どおりカウキャッチャーを付けた,いかにもアメリカ西部開拓時代らしいスタイルとなっています。(機芸出版社「プレイモデルNo.11」より)「ウエスタンリバー鉄道」は早期に絶版となってしまい,「TOMIXのすべて」にも写真は掲載されていないなど「知る人ぞ知る」製品でしたが,最近は「猫屋線」ブームに伴い,中古市場での人気が再燃しているようです。(隔月刊誌「N」2017年4月号より。ウエスタンリバー鉄道と猫屋線が並べて紹介されている) また,90年代後半からは,津川洋行が,プラ製のHOナロー製品を展開しています。(RMモデルズ1998年6月号より。西大寺鉄道の単端式気動車。三ツ星商店から動力ユニットが発売された)(RMモデルズ2001年11月号より。松井大和氏の「A4サイズで楽しむマイ・レイアウト」では手軽に楽しめるHOナローとして津川製品が紹介されている) 沼尻鉄道や西大寺鉄道の単端式気動車,立山砂防軌道のトロッコなどがありました。最近では,モーターカーや軌道バイクなどが発売されています。 沼尻鉄道あたりを再生産してくれれば,猫屋線と一緒に遊べると思うのですが…。<Nナロー> 1972年,西ドイツ・メルクリン社から軌間6.5mm,縮尺1/220の鉄道模型・Zゲージが発売されました。これにより,Zゲージの動力を利用して,Nゲージの世界でナローゲージを模型化しようとする動きが現れます。 例えば,イギリス・PECO社では,メルクリンの蒸気機関車の下回りを利用する蒸気機関車キットを古くから発売しています。(鉄道模型趣味1984年10月号より。PECO社製Nゲージナローの広告) 日本では,ペアーハンズが,沼尻鉄道や九十九里鉄道の車両のキットを発売しています。(レイルマガジン1994年8月号より。ペアーハンズのNゲージナロー沼尻鉄道) 近年では「クラフト工房ていくわん」から,ZJゲージの下回りを利用した三岐鉄道北勢線のキットが発売されており,ワールド工芸も様々なNナロー製品(キット・完成品)を発売しています。 そして2011年10月,トミーテック「鉄道コレクション」から,下津井電鉄モハ103・クハ24の1/150モデルが発売されました。(RMモデルズ2012年2月号より)(隔月刊誌「N」2017年4月号より) 製品は無動力で,下津井電鉄は762mm軌間であったことから,5.1mm軌間を採用(762mm÷150≒5.1mm)。アルモデルから,ZJゲージの動力を加工して組み込むキットが発売されました。ZJゲージの動力を利用する場合,軌間は5.1mmより若干広い6.5mmとなりますがZゲージ用のレールがそのまま使えるメリットは大きいといえるでしょう。 残念ながら,今のところ下津井電鉄に続くNナロー製品はトミーテックから発売されていません。<Njゲージ> 2006年にアキアからZJゲージが発売されてから,わが国においてもZゲージの普及が一気に加速することになりました。 これにより,Zゲージの動力を利用して,Nゲージに狭軌感を持たせようとする,Njゲージに取り組まれる方が徐々に増えてきました。 すなわち,9mm×150=1350mmである日本型Nゲージでは,1067mm軌間のJR線等には広すぎる,あるいは新幹線をはじめとする1435mm軌間との差を表現したいといった考えから,Nゲージの車両とZゲージの下回りを組み合わせた,Njゲージという発想が生まれました。 この場合,6.5mm×150=975mmとなり,1067mmに近づくというわけです。 なお,ZJゲージ以前にメルクリン・ミニクラブの動力を利用した例としては,鉄道模型趣味1982年8月号で,長真弓氏が,Zゲージの下回りをNゲージに組み込んだ作品を発表されています。(鉄道模型趣味1982年8月号より。GMの都電にメルクリン社製Zゲージ動力を組み込んだ例) 最近では,隔月刊誌「N」2017年4月号でNjゲージが紹介されています。(隔月刊誌「N」2017年4月号より。Njゲージの紹介)<番外編> RMモデルズ1997年4月号,1998年1月号には,1/48・軌間9mmの人車の模型製品が紹介されています。 宮城県の松山町商工会が「むらおこし」事業として,同町で活躍した人車を,プラで模型化して販売していたもの。価格は,完成品が1万円,キットが7000円だったそうです。今なら,Nゲージの小型動力で走らせられそうですね。(RMモデルズ1997年4月号より)(RMモデルズ1998年1月号より。1/48なので,Oスケールの9mmナロー製品ということになる)
2017.06.24
閲覧総数 8302
32

新幹線の鉄道模型について,概ね昭和50年頃までの製品を中心に振り返ってみたいと思います。これまでに当ブログで書いたことと重複する部分も多いですが,ご容赦ください。<HOゲージ>HOゲージの新幹線としては,まず,1963年に宮沢模型から真鍮製の1000形試作車がモデル化されました。(RM MODELS1999年11月号より宮沢模型の1000形試作車)1964年には,鉄道模型やミニカーの輸入で知られた國際貿易からプラ製の1000形試作車がモデル化されています。(鉄道ファン1964年7月号より國際貿易の1000形試作車)そして,1964年に,カツミから真鍮製の0系が発売され,これがおそらく最もメジャーなモデルとなっています。また,プラ製の0系のHOゲージ製品としては,近年では造形村の製品が有名ですが,かつては,リマ(1975),バンダイ(1977)の2社から発売されていました。リマは大窓車,バンダイは小窓の1000番台を製品化しています。バンダイの製品は,香港・プレイアート社製造で,国内ではサクラからも発売されたほか,海外では米国・モデルパワー等のブランドで発売されていました(参考:RM MODELS2013年10月号)。なお,プレイアートでは,0系の他にもプラ製のHOゲージ485系を製品化しています。(バンダイ(左奥)とリマ(右手前)の0系)<Nゲージ>1964年,トミーから「トミーOOOゲージ夢の超特急」として,軌間9mmの電動モデルが発売されました。当時,TMSのミキスト欄でも「日本最初の9mmゲージ製品」と紹介されており,ややショーティながら,Nスケールといってよい大きさとなっています。1000形B編成をモデル化しており,アンテナは車体と一体で表現されています。1967年,鉄腕アトムの玩具などで知られた多田製作所から「ロコメートNo.2超特急ひかり号」として,軌間9mmの電動モデルが発売。はっきりと「1/160」「N」を標榜していました。形状は0系とも1000形とも解釈できそうです。なお,No.1「C58」は,後に童友社のプラモデルの元ネタになっています。(多田製作所のロコメート(左)とトミーOOOゲージ(右))(RM MODELS1997年11月号より。電車とバスの博物館で行われたイベントで,ソニーマイクロトレーンと並んでトミーOOOゲージが展示された)(Nゲージモデル・アーカイブスよりトミーOOOゲージの説明書)1975年にサクラから発売されたパーコンレールひかり号は,軌間9mm,車体は極端にショーティ化されたものとなっています。(サクラのパーコンひかり号)同じく1975年には学研からプラ製の0系大窓車が発売されました。Nゲージでは,初の0系のスケールモデルとなります。そして,1978年にはエンドウから真鍮製の0系1000番台が発売されています。<Oゲージ>1965年,カツミから3線式Oゲージの0系が発売されました。同社のOゲージとしては最後の製品です。ショーティモデルとなっており,ディテールも簡素ですが,雰囲気の良いモデルだと思います。Oスケールの0系は,その後,日車夢工房やバンダイ・大人の超合金からも製品化されていますが,いずれもディスプレイモデルであり,走行するモデルとしてはカツミ製品が唯一のようです。(鉄道模型趣味1965年7月号よりカツミのOゲージ新幹線の予告)<TTゲージ>1967年,東ドイツのZEUKEから,0系にしか見えない謎のTTゲージ車両が発売されました。ショーティモデルで2軸車となっており,入門用モデルという位置付けだったようです。(東ドイツ・ZEUKEのTTゲージ)(1967年版ZEUKEカタログより)<プラモデル>1964年に発売されたタミヤの「走る超特急」は,1/122でモーター,乾電池を搭載して自走するモデルとなっていました。先頭車のみのキットは1000形B編成,先頭車・中間車2両ずつの4両編成は0系が箱絵となっています。1/122といういかにも中途半端なスケールは,鉄道模型を意識せず,モーターや乾電池の大きさから決められたのでしょうか?説明書には,新幹線のスカートについて,「ソ連の重戦車なみ」の装甲であると記載されているのが,タミヤらしくユニークです。同社は,木製模型時代は,OゲージやHOゲージで,こだま形,ひので号,近鉄ビスタカーなどの鉄道モデルを製品化していますが,プラの鉄道モデルとしてはこの「走る超特急」と,後年の「楽しいトレイン」くらいであり,タミヤの歴史上においても,非常に珍しいモデルといえるでしょう(参考:田宮模型全仕事3)。(静岡模型全史よりタミヤ・夢の超特急)同じく1964年には,EF90(後のEF66)やEB30(EF30のショーティ)などのHOプラモデルで知られるオリエンタル模型からも,新幹線のプラモデルが発売されました。縮尺は1/87とされており,他社製品に比べ,先頭部がやや平べったく見えます。アンテナの形状等からして,1000形をモデル化したようです。(レイルマガジン1995年8月号よりオリエンタルのプラモデル)静岡教材社(シズキョー,シズキョウ)では,1963年から1964年にHO,TT,OOOの3スケールで新幹線を製品化。いずれも先頭車・中間車があり,中間車にパンタグラフ2基搭載の1000形B編成をモデル化しています。残念ながら,私の手元にはOOOゲージのレールしかありませんが,軌間は約8ミリとなっています。(子供の科学1965年7月臨時増刊号より静岡教材社のOOOゲージ)童友社は1965年,イギリス・ロンスターのダイキャストモデルのコピー的要素の強い「TOゲージ」を発売しています。「夢の超特急」やこだま形は,一応オリジナルモデルであったようです。(RM MODELS2006年4月号より童友社のTOゲージ)<ブリキ玩具>かつては,玩具の主役はプラではなくブリキでした。当然,新幹線も多数のブリキ玩具が存在しますが,特に興味深いのが,ヨネザワのスピコンレールです。「スピコン」とは「スピードコントロール」の略で,16.5mm軌間の線路に電流を流し,パワーパックでコントロールするという,HOゲージ鉄道模型と同様のシステムとなっています。ブリキ玩具では「HOゲージ」を謳っている場合,車両に乾電池を搭載する場合(プラレールと同様,車載のスイッチを操作して走行/停止を切り替え)と,スピコンレールのようにパワーパックの操作で走行させるモデルがありますね。(RM MODELS1996年12月号よりヨネザワのスピコンひかり号)<ダイキャスト玩具>ヨネザワのダイヤペット(1/200,1/80,1/130),サクラのサクラカー,サクラペット,エーダイのミニックトレーンといったダイキャスト製玩具では,当然に0系新幹線が製品化されていました。(左からサクラペットミニシリーズ,サクラカー,永大グリップゼッケン,サクラのナインゲージ,トレーンの現行製品)<プラ製玩具>1966年にバンダイから発売された「レーシングトレーン」は,新幹線とスロットカーを競争させる玩具でした。ボディは2軸のショーティでライトも省略されるなど非常にトイ的ですが,軌間は16.5mmで,走行はスロットカー同様,線路に集電ブラシを押し当てるようになっているので,HOゲージの線路上も走行可能です。(バンダイのレーシングトレーン)トミーのプラレール,スーパーレール,バンダイのミニミニレール,ヨネザワのマイレールといった車体に電池を搭載して走行するプラ製電動レール玩具でも,当然に0系新幹線が製品化されていました。ここにご紹介するのは,「HAJI」「マンセー」のブランドで各種玩具を発売していた万盛玩具の「電動ひかり号」です。0系を元にした他社製品と異なり,951形を元にしたという点が珍しいですね。他に951形を元にした製品は,DAIYA(寺井商店)のブリキ製品がありました。(マンセーの新幹線ひかり)<912形・911形ディーゼル機関車>DD13をベースにした912形ディーゼル機関車は,トミーナインスケール,マイクロエース,ラウンドハウスの各ブランドでNゲージ化されています。特に,トミーナインスケール製品は,学研の0系よりも早く,新幹線車両のスケールモデルとしては,Nゲージ初ということになります。他に,1970年代にリマのHOゲージで,西ドイツ型(?)のディーゼル機関車を2軸化した入門用機関車が,青に黄帯,側面には「912-1」という仕様で日本型貨車とセット販売されていました。(リマの912形風ディーゼル機関車)また,箱形車体が特徴的な911形ディーゼル機関車は,トミックスから,マルチレールクリーニングカーとのセットで発売された機関車があります。これは,DD54形ディーゼル機関車を911形ディーゼル機関車風に塗り替えたものです。実車では911形の方が先に登場していますが,両者の類似点はよく知られているところで,RM MODELS1998年6月号の投稿欄にも,DD54を911形風にしたモデルが掲載されています。他に,911形のモデルとしては,バンダイの電動玩具・ZZ TRAINのシークレットがありました。(2002年版トミックスカタログよりマルチレールクリーニングカーセット)
2020.12.16
閲覧総数 5371
33

過去記事が雑多になったので,主要な記事の一覧を掲記します。<パワーパック駆動のもの>トミーOOOゲージhttps://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201511090000/https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201709190000/https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201804220000/多田製作所「ロコメート」https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201804250000/https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201808240000/https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201708260000/https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201908220000/サクラ「パーコンひかり号」https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201808250000/https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/202006300000/<Nスケール玩具(プラ製)>シズキョーのプラモデルhttps://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/202209130000/https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201804230000/童友社のプラモデルhttps://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201804260000/https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201804230000/アオシマのプラモデルhttps://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201605140000/https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201808260000/フジミ,バンダイ,クラウンモデル,オオタキ,ジーマークのプラモデルhttps://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201808260000/東京シャープのプラモデルhttps://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201910090000/https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201808260000/真田プラスチック工業所,高橋商店,ニシノ,ヒーローなどhttps://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/ctgylist/?ctgy=16https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201808260000/エーダイ「グリップミニトレーン」https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/202209010000/https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201808260000/バンダイ「スタートレイン」https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201801210000/バンダイ「スーパーステーショナリー」https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201810080000/リニアのディスプレイモデルhttps://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/202212200000/タカラ「ポケデン」「ダイアクロン」https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201811260000/セガ・ヨネザワ「SONIX9」https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201708090000/バンダイ「ミニミニレール」,ヨネザワ「マイレール」,ジパング「エクストレイン」https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201805140000/https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201910270000/神崎レンタルサービス「トレイン」https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/ctgylist/?ctgy=21カバヤ「ビッグワンガム」https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201712060000/ナガサキヤ「グレート100」「グレート150」「ライトトレイン」https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/202205070000/https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201911250000/國際貿易「プルプラ」https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/202109300000/トイコー「ペントレイン」https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/202304270000/超特急新幹線セット(※実際はTTスケール程度)https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/202306060000/KIDCOのディスプレイモデルhttps://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/202306230000/スーパービークルhttps://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/202312160000/<Nスケール玩具(金属製)>ロンスター「OOOゲージ」https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201511240000/https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201808270000/小茂田商店「SLシリーズ」https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201808270000/https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201710130000/サクラ/トレーン「サクラカー」「サクラペット」「Nゲージ」https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/ctgylist/?ctgy=19https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201808270000/ウッド/ニシキ「ダイカスケール」https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/ctgylist/?ctgy=18https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201808270000/ヨネザワ「ダイヤペット」https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/ctgylist/?ctgy=20https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201808270000/トミカの鉄道モデルhttps://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201606060000/イワヤ「スーパーダイキャストトレイン」https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201912010000/https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/202202210000/JR九州商事のダイキャストモデルhttps://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/202002040000/デルプラド「世界の鉄道」,アシェット「国産鉄道コレクション」https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201905130000/ツヤマ「ダイキャストSLシリーズ」,ニッコー「世界のSLシリーズ」https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201710100000/サンライク「ミニ合金 ブルートレイン」https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201808270000/東武鉄道「トク500」「DRC」https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201604060000/https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/202305010000/中国・香港の地下鉄,ALLOY TRAIN 合金列車模型https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/202211010000/https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/202309220000/NEWRAY「RAILROAD N」シリーズhttps://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/201904140000/京商「リビングトレイン」https://plaza.rakuten.co.jp/koshinongauge/diary/202109300000/
2023.02.19
閲覧総数 2088
34

グリーンマックス(以下「GM」)の歴史については,別稿で簡単に記載しました。今回は,GMの製品群の中でも特に中核というべき,品番400番台のエコノミーキットについてご紹介したいと思います。なお,本稿は,下記の書籍,雑誌記事,ウェブサイトを参考にしています。山下貴久雄「新・鉄道模型考古学N」(2007,ネコ・パブリッシング)山下「新・鉄道模型考古学N2」(2009,ネコ・パブリッシング)山下「新・鉄道模型考古学」(RM MODELS 161号~223号)山下「SINCE 1965 Nゲージの辿った軌跡」(「鉄道模型で遊ぼう! NゲージQ&A新入門!」(2012,ネコ・パブリッシング)所収)NEO・Pの小屋(http://neonaop.web.fc2.com/)<エコノミーキット前史(~1982年)>初期のGM車両製品としては,1974年から発売された客車キットシリーズ(品番は当初No.21~。後にNo.121~に改番しNo.120以前にも拡張),1976年から1977年にかけて発売された完成品電車(いわゆるグリ完。品番はNo.101~112),1977年から発売された旧型国電キットシリーズ(No.150~),主に旧グリ完の流れを汲むペアキットシリーズ(No.170~ほか)といった製品がありました。そして,1979年から1980年にかけて発売されたのが,NEW電車シリーズ(No.201~218)です。NEW電車シリーズでは,最新の国鉄201系や私鉄・地下鉄などが積極的に製品化されました。また,1981年から1982年にかけては,エンドウから京成スカイライナー用に18m動力が供給されたことを機に,カスタムキットシリーズ(No.301~309)として17~18m車が製品化されました。<1982年>NEW電車シリーズなどを一部改良(床下機器をウエイト兼用のダイキャスト製からプラ製へ変更)し,4両キットとしたエコノミーキットシリーズがいよいよ展開されました。1982年は,No.401~405まで製品化されています。<No.401 東武8000系(1985年版カタログより)>NEW電車シリーズNo.217,218をエコノミーキット化したもの。おまけ前面としては,東武7800系(63系キット利用),西武2000系,京王6000系(201系キット利用)に加えて,東武9000系(コルゲート板も付属)が付属します。<No.402 国電201系(量産車)(1985年版,1987年版カタログより)>NEW電車シリーズNo.201,202(試作車)を量産車とし,エコノミーキット化したもの。「初心者用」「特に安価に提供」とされています。おまけ前面としては,相鉄アルミカーに加えて,国電301系,営団5000系が付属します。プレイモデルNo.11(機芸出版社)で組み立て方が解説されています。1997年に塗装済みキットが発売されています。<No.403 身延線低屋根41/43系(1985年版カタログより)>おまけ前面としては,クモハ11 200が付属します。<No.404 小田急2600形(1985年版,1987年版カタログより)>NEW電車シリーズNo.205,206の小田急9000形(5200形)キットをエコノミーキット化したものです。おまけ前面としては,小田急9000形が付属します。NEW電車シリーズと,製品名/おまけの関係が逆転しているのが面白いですね。後年,製品名は5000形(2600形)となっています。<No.405 西武101系(1985年版カタログより)>NEW電車シリーズNo.209,210をエコノミーキット化したものです。おまけ前面としては,西武101系(新・旧),西武401系が付属します。<1983年>No.406~408まで製品化されました。また,同年にはNo.601~のバリエーションキットシリーズも開始されます。<No.406 国電80(湘南型)(1985年版カタログより)>おまけ前面としては,クハ86(2枚窓・3枚窓),クハ85(切妻)が付属します。<No.407 阪急3扉通勤車(1985年版,1987年版カタログより)>エコノミーキット初の完全新規製品です。おまけ前面としては,阪急2000系・5300系・6000系,大阪市営地下鉄60系(東急7000系キット利用)が付属するほか,2800系用の2扉側板まで入っています。1992年には,8000系前面が追加されました。<No.408 京急(旧)600形(1985年版カタログより)>おまけ前面としては,京急400形が付属します。後に,琴電1070形キットが本製品をベースに発売されています(貫通型の前面パーツ追加)。<1984年>No.409,411~418まで製品化されました。また,同年にはNo.101~のP.C.トレインセットシリーズも開始されます。<No.409 京成3500形(1985年版カタログより)>おまけ前面としては,京成3150形更新車(京急1000形キット利用),都営5200形が付属します。<No.411 近鉄8810系(1985年版カタログより)>おまけ前面としては,3000系,8000系アルミ試作車が付属します。<No.412 阪神3901(3801)形(1985年版カタログより)>1983年版カタログでは,カスタムキットNo.310として予告されていました。おまけ前面としては,5001形,5201形,山陽電鉄3000系,京成3300形が付属します。1983年版カタログで予告されていた西鉄600形のおまけ前面は残念ながら実現しませんでした。<No.413 115系+クモニ83(1985年版カタログより)>115系の方はグリ完の流れを汲む一体ボディキットです。<No.414 国電103系(1985年版カタログより)>グリ完の流れを汲む一体ボディ・高運ATC車のキットで,6両入りという「Eシリーズ中でも特に経済的なセット」をアピールしていました。<No.415 流電(1985年版カタログより)>52系流電という,旧国の中でも難しい題材を製品化しています。<No.416 東武10000系(1986年版カタログより)>おまけ前面としては,東武9000系,名古屋市営地下鉄3000系が付属します。従来,東武9000系は,No.401の8000系キットのおまけとして扱われていましたが,本製品の登場により,8000系キットとは切り離されることになりました。また,後に都営地下鉄10-000形のおまけ前面も東武8000系キットからこちらに移っています。後年,本製品とは別に一体ボディ塗装済キット,完成品が発売されました。<No.417 京王6000系(1986年版カタログより)>おまけ前面としては,京王7000系,都営地下鉄6000形が付属します。従来,京王6000系は,No.401の8000系キット付属のおまけ前面とNo.402の201系を組み合わせることとされていましたが,本キットの登場により,6000系のおまけ前面は役割を終えました。6000系は後年,本製品をベースとする塗装済みキットが発売されたほか,本製品もNo.450として引き続き発売中です。<No.418 東急8500系(1986年版,1987年版カタログより)>カスタムキットの東急5000系キットに東急8500系のおまけ前面が含まれていましたが,新たに製品化されました。おまけ前面としては,東急8000系,京急2000形(阪急通勤車キットの阪急2800系側板を利用)が付属します。8500系は後年,本製品とは別に完成品や一体ボディ塗装済キットが発売されました。また,8000系は,本キットをベースとする塗装済みキットが製品化されています。<1985年>No.401の内容が一部変更されたほか,No.410,419~426まで製品化されました。<No.401 東武8000系(1986年版カタログより)>No.416東武10000系,No.417京王6000系の製品化に伴い,おまけ前面に東武2000系,都営10-000形が加わりました。<No.410 西武5000系(1986年版カタログより)>NEW電車シリーズNo.215,216をエコノミーキット化したものです。おまけ前面としては,西武クハ1411(国電クハ55キット利用)に加えて3000系が付属します。他社の西武5000系製品では,トミックス製品が1997年に絶版,カトー製品が2014年に発売されましたが,GMからは特段動きがありません。<No.419 身延線低屋根国電パートⅡ(1986年版カタログより)>No.403に次ぐパートⅡとなりました。ホーム用の手押車・積荷といったアクセサリーが付属するのが非常にユニークです。<No.420 飯田線旧国 荷電併結(1986年版カタログより)>おまけ前面として,西武501系(クハ41キット利用)が付属するほか,やはりホーム用の手押車・積荷といったアクセサリーが付属します。<No.421 小田急9000(8000)形(1986年版カタログより)>No.404の2600系セットに,No.95-2 小田急用改造パーツ集の前面(8000形,2220形(京急1000形キット利用))を加えたものです。箱の写真は,走るギャラリー号塗装となっています。8000形は後年,本製品とは別に完成品や一体ボディ塗装済キットが発売されました。<No.422 京王3000系(1986年版カタログより)>エンドウから1982年に製品化されていましたが,プラでは初めての製品化となりました。NゲージマガジンNo.5で組み立て方が解説されています。後年,更新車の前面が追加されたほか,クロスポイントブランドで北陸鉄道8900系キット,塗装済板キット(同キットを組み立てたユザワヤ製品もある),1次車一体ボディキットといった製品が展開されています。<No.423 京急1000形(1987年版カタログより)>カスタムキットNo.301・302をエコノミーキット化したもの。後年,塗装済キット化されたほか,本製品とは別に一体ボディ塗装済キットが発売されています。また,北総,琴電といった譲渡車の製品化も盛んです。<No.424 東急7000系(1987年版カタログより)>カスタムキットNo.304・305をエコノミーキット化したもの。東急7200系,営団3000系,静鉄1000系のおまけ前面に加え,1993年にも前面パーツ(地方私鉄譲渡車用の切妻顔,東急9000系(205系キット利用))が追加されています。<No.425 東急8090系(1987年版カタログより)>カスタムキットの東急5000系キットに東急8090系のおまけ前面が含まれていましたが,新たに製品化されました。NゲージマガジンNo.14で組み立て方が解説されています。前面パーツが3種類(8090系2種,6000系)含まれていましたが,6000系については,全く車体が異なることから,かなりの腕が求められるところです。1993年に8590系の前面パーツが加わっています。近年,本製品とは別に,完成品(秩父,富山への譲渡車を含む)が発売されています。<No.426 近鉄12400系(1987年版カタログより)>NEW電車シリーズNo.207として近鉄12200系がありましたが,それとは別に新たに12400系キットが登場しました。おまけ前面として,12200系,12600系が付属しますが,側板切り継ぎなどが必要です。その後,12200系,12410系,12600系が完成品として発売されています。なお,12200系はトミックスからも予告されています。<1986年>No.427,428には,営団6000系と京阪2200系が予告されていましたが,いずれも飛ばして(営団6000系は後にNo.420として製品化。京阪2200系は結局実現せず),No.429~433まで製品化されました。<No.429 西武451系(1987年版カタログより)>GMとしては,101系,5000系レッドアローに続く3番目の西武製品となりました(旧型車除く)。おまけ前面として601系が含まれ,地方私鉄譲渡車も含めた豊富なステッカーが付属しました。塗装済キット化等もなく,大きな動きはありません。<No.430 東武6050系(1987年版カタログより)>東武に力を入れるGMとしては当然の製品化といえるでしょう。後年,本製品とは別に完成品や一体ボディ塗装済キットが発売され,鉄道コレクションと競合しています。<No.431 211系(1987年版カタログより)>カトー,トミックス,GMと3社揃い踏みの製品化となりました。GMならではの特徴として,「103系改造パーツ集」に含まれる,伊豆箱根鉄道3000系の前面と組み合わせることが可能であったことが特筆されます。現在は「1000番代」キットとして発売されています。<No.432 101系(1987年版カタログより)>プラとしては初めての製品化となりました。前面パーツが3種類(1灯,ブタ鼻,900番代)用意されています。後年,秩父鉄道1000系として,クロスポイントブランドで塗装済みキットが製品化されています。<No.433 205系(1987年版カタログより)>客用扉の窓が小さい,いわゆる初期型の製品化となっています。おまけ前面パーツとして207系900番代が含まれており,絶版後,探し求めるファンもいたようです。<1987年><No.434 国鉄155系(1987年版カタログより)>プラとしては初めての製品化となりました。後年,マイクロエースやカトーからも製品化されていますが,GMからは特段動きがありません。<No.435 103系(低運転台)(1987年版カタログより)>一体ボディキットで,GMとしては初めての103系低運転台の製品化となりました。古くからあるカトー製品と異なり,前照灯は2灯型となっています。103系は各社から多種多様な製品が発売されていますが,GMでは,本製品とは別に,西日本車を中心とする完成品や一体ボディ塗装済みキットのほか,全く新しく「エボリューションシリーズキット」「ハイクオリティエコノミーキット」などを発売しています。<1988年>この年の末から,旧国は,No.201~の「エコノミーキット(スペシャル)」として再編され,No.401~のエコノミーキットからは順次離脱していきます。<No.436 京急2000形(1987年版カタログより)>GMとしては,1000形,600形に続く3番目の京急製品となりました。後年,クロスポイントブランドで,3扉化用の側面パーツが加わったキットが製品化され,GMからもNo.441として,同様のキットが発売されています。<No.438 小田急1000形(1992年版カタログより)>GMとしては,5000(2600)形,9000(8000)形に続く3番目の小田急製品となりました(旧グリ完由来の1800形を除く)。NゲージマガジンNo.10で組み立て方が解説されています。後年,No.1002Tとして塗装済キット化されたほか,本製品をベースとするワイドドア車キットや2000形キット,完成品(本製品とは別もの)など多彩なバリエーションが展開されています。<1989年>この年には,元トミックスの香港製貨車が限定品としてGMから発売されました。(1990年版カタログより。新たにNo.401,403となった近鉄2610系と東武8000系)<No.403 東武8000系(1992年版カタログより)>旧No.401のキットにかわり,更新車の前面が加わった新キットとなりました。前面パーツは原型車・更新車の2種類のみとなり,東武7800系,東武2000系,西武旧2000系の前面パーツは引き継がれなかったため,中古市場ではプレミアがついたようです。後に塗装済みキット化されたほか,本製品とは別に完成品や一体ボディ塗装済みキットが次々と発売されています。マイクロエース,鉄道コレクション,カトー(更新車のみ)からも発売される人気車両となっています。<No.415 103系(高運転台・非ATC車)(1992年版カタログより)>グリ完以来の流れを汲む一体ボディキットですが,運転台後ろの戸袋窓が開口された非ATC車となりました。No.415は流電が空いた枠となります。6両中4両が一体ボディキット,中間車2両は101系キットを流用した板キットとなっています。<1990年><No.406 205系後期型(1992年版カタログより)>客用扉の窓が拡大された,205系後期型の製品化となっています。No.406は80系の枠です。京葉線のいわゆるメルヘン顔に加え,原型顔,1000番代と計3種類の前面パーツが用意されました。NゲージマガジンNo.13で組み立て方が解説されています。後年,本製品に新規製作前面を加えた塗装済板キットとして相模線の500番代が発売されたほか,本製品とは別に,武蔵野線の5000番代(完成品),クロスポイントブランドで南武線や八高線の中間車先頭化改造車が一体ボディキットで製品化されています。<No.401 近鉄2610系(1992年版カタログより)><No.427 近鉄2600(2430)系><No.428 近鉄2410(1810)系>NEW電車シリーズNo.208の近鉄2410(1810)系が絶版となって久しく,全く新たにNo.401として登場しました。その後,本製品とは別に完成品,一体ボディ塗装済みキットが発売されています。<1991年><No.413 111(115)系初期型><No.414 113(115)系量産冷房車>それまでの,グリ完の流れを汲んだ一体ボディキットから一新された,はめ込み窓を採用した板キットとなりました。トミックス,カトーともユニット窓車を製品化する中,No.413は貴重な初期型の製品化となりました。なお,No.413は115系・クモニ83,No.414は103系6両セットから引き継いだ品番となります。113,115系は各社から多数の製品が発売されていますが,GMは本製品とは別に,広島や京都といったJR西日本の地域色を完成品で発売しています。<No.420 営団6000系(1987年版カタログより。この時点ではNo.427とされていたが,結局,飯田線旧国の移動で空いたNo.420とされた。実際の製品版とはパッケージが若干異なる)>NEW電車シリーズNo.203・204とは全く別の金型で,いわゆる1段下降窓の後期車が製品化されました。NEW電車シリーズ同様,7000系,8000系のおまけ前面が含まれています。営団6000系は,後年,マイクロエース,カトー,鉄道コレクション(いわゆるハイフン車)で製品化されていますが,GMの方は,クロスポイントブランドで旧NEW電車シリーズの2段窓車が再生産された程度で,特段動きはありません。<1992年>1992年には,東武スペーシアがキット化。No.701の「スペシャルキット」としての製品化でした。白成型の板キットで,ステッカーまたはデカールにより,実車の複雑な塗装を容易に再現できるようになっていました。NゲージマガジンNo.17で組み立て方が解説されています。(1992年版カタログよりNo.701)<No.437 国鉄157系(RMM190号より)>NEW電車シリーズNo.211~213,No.166貴賓電車セットをベースに,新規製作の前面パーツなどを加えてエコノミーキット化したものです。後年,マイクロエースやカトーからも製品化されていますが,GMからは特段動きがありません。<No.439 西武新2000系(1992年版カタログより)>GMとしては,101系,5000系レッドアロー,451系に続く,4番目の西武製品となりました。No.1007Tとして早々と塗装済キット化されたほか,本製品とは別に完成品や一体ボディ塗装済みキットが発売されています。なお,GMからは,2000系初期車の完成品や一体ボディ塗装済みキットも発売されています。<1993年>エコノミーキットNo.441として製品化が予告されていた東武10030系が,塗装済キットのNo.1001Tとして製品化。以後,GMの新製品は,「トータルセット」と呼ばれる動力なども含んだ塗装済キットが中心となります。(未発売のNo.441。1992年版カタログより)<1994年>No.184をベースとする119系5000番代キットが「限定品」No.491として,No.415をベースとする103系3000番代キットが「限定品」No.492としてそれぞれ発売されました。なお,No.1002Tの小田急1000形は,東武10030系同様,板キットに着色したものでしたが,No.1003Tの東武スペーシアは,一体ボディに改められています。(未発売のNo.419。1992年版カタログより)<No.419 211系5000番代>身延線低屋根国電パートⅡが空いたNo.419として,営団05系(おまけ前面は営団9000系)が予告されていましたが,未発売に終わり,No.419は211系5000番代に充てられました。No.431の211系キットをベースに,新規製作の前面パーツなどが加わっています。塗装済みキット化はされませんでしたが,GMでは完成品として多彩なバリエーションを展開。近年カトーから発売されるまで,5000番代はGMの独壇場となっていました。<1995年>旧グリ完の流れを汲む小田急1800形が,「限定品」No.493として発売されました。また,エコノミーキットNo.440として製品化が予告されていた京急1500形が,塗装済・一体ボディキットのNo.1004Tとして製品化。動力も,ウエイトが黒くなった新しいものとなりました。(未発売のNo.440。1992年版カタログより)<No.433 伊豆急100系(RMM185号より)>NEW電車シリーズNo.214を大幅にリニューアルした製品で,No.433の品番は,205系(初期型)から受け継いでいます。箱の裏はスコールカーのペーパーキットとなっています。伊豆急100系は,その後,マイクロエースや鉄道コレクションで製品化されていますが,GMからは特段動きがありません。<まとめ>前述のとおり,1990年代からの塗装済みキット登場,さらに2002年にはグリ完や貨車以来の完成品となるキハ200の発売により,GMは新たな時代を迎えたといえるでしょう。また,1996年のマイクロエースD51,1998年のモデモ路面電車シリーズといった動きを見ると,Nゲージ界全体が1990年代後半に時代の転機があったといえそうです。こうして振り返ってみると,「エコノミーキットの時代」は1982年から1995年までで,特に1986年までがピークということになります。この間,ブルトレブームによりNゲージプラモデルを発売した各社や,旧マイクロエース,エンドウ,学研,ナカセイといったメーカーがフェードアウト。わが国のNゲージはカトー,トミックス,GMの3社が中心となりました。その中で,GMは,大手2社とは一線を画した,私鉄通勤車や旧国のエコノミーキットを軸に第三極を形成したとみることができます(なお,カトーは1981年の京急800形,1982年の阪急6300系でキット形式を採用しましたが,長続きせず,1985年の西武新101系は当初から完成品で発売しています)。エコノミーキットの品番はこの後も続きますが,塗装済キットの未塗装化や,既存キットのリニューアルが中心となっています。その中でも,特色ある板キット製品を3つだけ挙げておきます。<No.446 地方私鉄タイプ電車>1980年代から予告されていた「日車標準型」が,運輸省規格型と併せてようやくクロスポイントブランドで製品化されました。なお,日車標準型は鉄道コレクション第6弾で,運輸省規格型は鉄道コレクション第14弾でも製品化されています。<No.448 小田急2200(2220)形>2200形・2220形の前面パーツは,京急1000形・小田急8000系キットに含まれていましたが,改めてクロスポイントブランドで製品化されました。客用扉の形状を作り分けられるようになっているなど,新世代の板キットというべき内容です。なお,小田急2200形は,鉄道コレクション第3弾でも製品化されています。<No.955 営団300/400/500形>もともとRM MODELS 2005年10月号の付録としてつくられたキットです。なお,他社の丸ノ内線旧型車としては,カトーから完成品が発売されています。
2024.07.24
閲覧総数 5407
35

以前,佐藤昌武氏のTTゲージをご紹介しました。(TMS1956年1月号より。佐藤昌武氏のTTゲージ)佐藤氏は,2011年5月に逝去されましたが(とれいん2011年7月号171頁参照),2000年にTMS(11月号・12月号)で「たのしかった模型趣味の70年 駆けめぐった夢,新たな希望」と題する回顧録を執筆されています。今回は,上記記事から,TTゲージに関する部分を特にご紹介したいと思います。佐藤氏は1919年生まれ。戦前,主にOゲージで車両を自作されていましたが,子供の科学1934年4月号に掲載された,河北一久氏の軌間9.5ミリの電気機関車に「大きな刺激」を受け,1936年に軌間11ミリ,1/100のED17を自作されました。戦後,TTゲージが海外から伝わると「特に私の場合,昭和11年に作ったED17形をこのゲージに変更できると考えて大きな親近感をもって迎えた。日本形に採用すべき縮尺は客貨車110分の1,機関車は0番における43分の1と同じ考え方から105分の1が適当と私自身で決めた。」として,TTゲージの製作に邁進されました。(TMS2000年11月号より。佐藤昌武氏のTTゲージ)(TMS2000年12月号より。佐藤昌武氏のTTゲージ)すなわち「この結果10年ほどの間にアメリカ形ハドソン(TMS36号(注:1951年9月号)発表),C59(同90号(注:1956年1月号)発表),EF58(同220号(注:1966年10月号)発表)と制作が進み,真鍮製で,マイネ40とサロン車に改めたマイネ41を含む切妻10輌編成各等急行列車を誕生させ,初心のつばめ号とは肌合いが多少異なるものの一応昭和5年以来の長編成列車の夢を果たした。その上で100分の1のED17も改造改軌した。」とあるとおり,C59やEF58に加え,多数の客車を製作され,編成として楽しまれたことが特筆されます。また,海外で,英独スイスのTTゲージも購入され,「現在これらのTT車輌は私が約30年前に建てた家の広間の一隅に,中尾 豊氏の『機関庫のある風景』を模範にして設けた駅構内風景レイアウトで往復運転を行ない,たのしんでいる。」とありますが,あいにくTMSにはレイアウトの写真は掲載されていません。最後に,佐藤氏の次のお考えは,今日非常に重要な意義をもっていると思われますので,引用させていただきます(太字は引用者)。「今迄TMSにのせて頂いた作品記事などによるのであろうか,それを読まれて私が細密工作の信条に燃えているように思って居られる向きもあるようであるが,私はその積りはない。…実物のメカニズムや寸法にこだわりすぎず,しかし実物から受ける印象を的確に表現しつつ実用的にまとめるという仕法が私には好ましく思われる。模型メーカーの発売品も近時細部に至るまで縮尺固守を貴しとする傾向があるが,上述の線に沿ってお願いしたい。その結果として買い易い価格でこの趣味の普及に寄与して頂きたい。」
2025.02.02
閲覧総数 1363
36

以前,このブログで,現行のダイヤペットの鉄道シリーズの大きさ(約1/100)について「鉄道模型ファンから見ると,ちょっと中途半端な縮尺」と書きました。実は,ほぼ同じ大きさの鉄道玩具として,1993年にバンダイから発売された「Bトレイン」(ビートレインとも)シリーズがあります。これは,2002年に発売が開始された「Bトレインショーティー」とは全くの別物で,ダイヤペットやトレーンのようなダイキャスト製の玩具。「Bトレイン」は約1/100,弟分の「Bトレインミニ」は約1/200くらいの大きさでした。特徴としては,いずれも,磁石を用いた連結器を備えていたことが挙げられます(バンダイから1992年に発売された「トーマスエンジンコレクション」のシステムを用いたもの)。大ぶりな連結器やそのツマミが目立つことを除けば,いずれも,バンダイらしく,重量感,精密感を兼ね備えた製品です。JRマークなど,実車でロゴが入っている部分に「B-TRAIN」と記載されていたことは,同社らしい遊び心といえるでしょう。(ビートレインの300系(奥)と,ダイヤペットの東北新幹線(手前))ビートレイン1 300系新幹線のぞみ2 400系新幹線つばさ3 成田エクスプレス4 蒸気機関車D515 100系新幹線ひかり6 0系新幹線こだま7 房総ビューエクスプレス8 200系東北新幹線やまびこ9 300系新幹線のぞみ中間車両10 681系ニュー雷鳥11 787系つばめ12 371系あさぎり13 500系新幹線試験電車WIN35014 E351系あずさ15 ディーゼル機関車DE10(※車掌車付き)16 貨車連結セット(ホッパ車+タンク車)17 蒸気機関車C6218 蒸気機関車弁慶号(※開拓使号客車付き)19 485系特別急行電車(※ハウステンボスカラー)20 E1系新幹線マックス21 電気軌道総合試験車ドクターイエロー22 レッドエクスプレス23 485系L特急はつかり 24 はしる!マックス中間車(電動)※他に,リモコン走行の「ビートレインEX」があり,300系のぞみとD51が製品化されています。ビートレインミニ1 新幹線のぞみ2 新幹線ひかり3 新幹線やまびこ4 新幹線つばさ5 新幹線マックス6 成田エクスプレス7 スーパービュー踊り子8 蒸気機関車D519 つばめ10 房総ビューエクスプレス11 伊勢志摩ライナー12 485系特急電車(※ハウステンボスカラー)13 ニュー雷鳥14 山手線15 L特急はつかり16 レッドエクスプレス17 通勤電車京浜東北線(※205系)18 通勤電車総武線(※205系)(トーマスエンジンコレクションとビートレインのラインナップが掲載された下敷き)
2017.08.08
閲覧総数 6136
37

このブログでは「Nゲージ的玩具」としてダイキャスト製のミニカーなどを取り上げてきました。今回ご紹介するのは,もっともNゲージに近いディテールを誇った食玩,バンダイの「スタートレイン」シリーズです。スタートレインはプラ製で,綺麗に塗装された精巧な車体に,室内まで再現されているなど,バンダイらしく遊び心のある好製品でした。あえて難点を挙げるとすれば,組み立てた際に分割線が非常に目立ってしまう点ですが,これを修正するとなると,かなり根気が要るでしょう。[追記]鉄道ホビダスでも,スタートレインが取り上げられています(ttps://rail.hobidas.com/feature/337902/)(愛・地球博限定 MLX01-1/MLX01-901(2005年))それでは,スタートレインの歴史を振り返ってみましょう。<スタートレイン前史>1997年から2000年にかけて「ハイパートレイン」「リアルトレイン」といった食玩(ラムネ菓子入り)が発売されます。ラインナップは以下のとおりです(【】内は筆者補足)。ハイパートレイン(1997) 1.Max【E1系】,2.つばさ【400系】,3.ひかり【100系】,4.やまびこ【200系2000番台】,5.のぞみ【300系】,6.踊り子【251系】,7.成田エクスプレス【253系】リアルトレイン(1998) 1.500系のぞみ,2.0系こだま,3.100系ひかり,4.300系のぞみ,5.E4系Max,6.E351系スーパーあずさハイパートレインEX(2000) 1.700系のぞみ,2.E3系つばさ,3.E3系こまち,4.E4系Max,5.200系やまびこ,6.100系こだま,7.251系スーパービュー踊り子,8.E351系スーパーあずさ,9.253系成田エクスプレスリアルトレインEX(2000) 1.700系のぞみ,2.700系レールスター,3.500系のぞみ,4.300系ひかり,5.100系こだま,6.0系こだま,7.E3系こまち,8.E3系つばさ,9.883系ソニック,10.681系サンダーバード<スタートレイン時代>2002年,「タイムスリップグリコ」など様々な食玩が発売される中,「スタートレイン」が発売されます。窓が抜けるなど「ハイパートレイン」「リアルトレイン」に比べ,精密感が飛躍的に増しています。特に,第1弾のE4系や第2弾のE2系1000番代,第4弾のゆふいんの森は,当時,大手メーカーのNゲージ製品がなかったこともあり,Nゲージャーから注目され,改造の種車になりました。コンビニエンスストアなどで販売された通常製品のほか,700系スケルトン仕様(RMモデルズ2003年2月号特別付録),E231系山手線(2003年発売のPS2用ゲームソフト「電車でGO! FINAL」初回特典),700系「AMBITIOUS JAPAN!」バージョン(2003年頃?)といった製品があります。また,特筆すべき製品として,冒頭に写真を掲げた愛・地球博限定 MLX01-1/MLX01-901(2005年)がありました。第1弾(2002.7)1.700系のぞみ ,2.500系のぞみ,3.E653系フレッシュひたち(赤),4.E653系フレッシュひたち(青),5.683系サンダーバード,6.E3系こまち,7.209系通勤電車【京浜東北線】,8.E4系Max第2弾(2003.3)1.0系こだま【ウエストひかり色】,2.0系こだま(フレッシュグリーン),3.ひかりレールスター,4.E2系1000番代はやて,5.E3系つばさ,6.205系山手線第3弾(2004.1)1.923形新幹線電気軌道総合試験車ドクターイエロー,2.200系2000番代,3.E231系中央・総武線各駅停車,4.E653系フレッシュひたち【グリーン】,5.253系成田エクスプレス,6.281系はるか,7.485系300番代雷鳥【国鉄色】,8.485系300番代あいづ【国鉄色】電車でGO! FINALスペシャル(2004.5)1.E231系山手線,2.209系南武線,3.E231系中央・総武線各駅停車,4.205系埼京線,5.E231系常磐線 快速,6.205系横浜線,7.209系京浜東北線,8.201系中央線第4弾 つばめ、翔ぶ。編(2005.1)1.800系つばめ,2.787系リレーつばめ,3.885系かもめ,4.883系ソニック,5.キハ72系ゆふいんの森,6.113系東海道本線,7.205系京葉線,8.201系京阪神緩行線パノラマ特急編(2005.9)1.E26系カシオペア,2.253系成田エクスプレス,3.251系スーパービュー踊り子(グリーン),4.E3系つばさ,5.251系スーパービュー踊り子(グレー),6.300系ひかり,7.E653系フレッシュひたち【オレンジ】,8.783系ハウステンボス号新幹線スペシャル(2006.1)1.0系こだま【フレッシュグリーン】,2.300系のぞみ,3.400系つばさ【新塗装】,4.500系のぞみ,5.700系のぞみ,6.800系つばめ,7.E1系Maxとき【新塗装】,8.E2系1000番代はやて,9.E3系こまち,10.E4系Maxやまびこ日本縦断特急編(2006.6)1.100系こだま【フレッシュグリーン】,2.500系のぞみ,3.キハ281系スーパー北斗,4.24系トワイライトエクスプレス,5.283系オーシャンアロー,6.485系にちりん,7.E231系山手線,8.103系大阪環状線<リアルトレイン鉄道図鑑時代>名称は再び「リアルトレイン」が用いられ,価格は300円(ただし,リアルトレインEXとハイパートレインEXは200円)から400円に改訂。穴あきのラムネ菓子(ただし,日本縦断特急編はガム)にかわりガムが同梱されています。リアルトレイン鉄道図鑑(2009.1)1.N700系新幹線,2.0系新幹線(オリジナルカラー),3.0系新幹線(フレッシュグリーン),4.E231系山手線,5.E233系中央快速線,6.E233系京浜東北線余談ですが,バンダイといえば,かつて,Nスケールの塗装済プラモデル(EF65-1000・24系25形,485系)を発売しており,ヘッドマークの違いにより,ブルートレインは富士・あさかぜ・出雲,485系はひばり・雷鳥・しらさぎと各3種ありました。EF65-1000と24系25形は,鉄道模型趣味1980年1月号の新製品欄や鉄道模型考古学Nでも取り上げられており,そのクオリティは非常に高く評価されています。
2018.01.21
閲覧総数 6204
38

今回は,Nゲージでは比較的珍しい,自由形製品に焦点を当ててみたいと思います。HOゲージやOゲージでは,入門向けとしてショーティ化された自由形製品が多数ありますが(注),わが国のNゲージでは,ショーティ化された製品はソニーマイクロトレーンのスハ43くらいで,関水金属の103系(1966年)をはじめ,黎明期から,20メートル車であってもショーティ化されることなく,スケール志向で製品化されていました。ところが,1980年代になると,ショーティ化された自由形製品の発売が相次ぎます。<マイクロエース「Cタイプ」機関車>(「Nゲージモデル・アーカイブス」より。マイクロエースの「Cタイプ」機関車各種)マイクロエースの「Cタイプ」機関車は,旧マイクロエース末期の1982年に発売されました。185系などと並び,旧マイクロエースでは数少ないプラ製品です。旧マイクロエースでは,電気機関車では国鉄ED91タイプ,国鉄ED11・14タイプ,関西電力・富山地鉄タイプが,ディーゼル機関車では国鉄DD51タイプ,工事用凸タイプ(関電・地鉄タイプを改修)が発売されました。この他,レールクリーニングカーも予告されていましたが,未発売に終わっています。DD51タイプは,後述するトミックスの「Cタイプ小型ディーゼル機関車」に似ていますが,トミックスより小柄な印象を受けます。その後,新生マイクロエース発足直後の1998年から2000年にかけて,185系などと共に,Cタイプシリーズも帰ってきました。ED91タイプ,ED45タイプ(ED91タイプ色替え),ED11・14タイプ(青),ED11・14タイプ(茶),DD51タイプ,DD51タイプ(北斗星色),工事用凸タイプ(黄),工事用凸タイプ(青)といった旧製品の復活・カラーバリエーション追加に加え,新規にEF67タイプ,EF61-200タイプ(EF67タイプ色替え),ED41タイプ(茶),ED41タイプ(黒),8500(後のDD12)タイプ,DD12タイプ,EF10タイプ(茶),EF10タイプ(銀)の4種8色が発売されました。ED41タイプやEF10タイプは,私鉄の小型電気機関車と見立ててもそれほどおかしくないスタイルではないかと思いますが,あまりヒットしたとは聞きませんし,その後,Cタイプシリーズは再生産もないようです。[追記]2021年,マイクロエースから,EF59タイプ(EF56改),EF59タイプ(EF53改),DD51タイプ お召仕様,産業用ディーゼル機関車タイプ DD383の4種が発売されました。2022年には,Cタイプディーゼル機関車(※DD51タイプ)パノラマライナーサザンクロス色,Cタイプ電気機関車(※EF67タイプ)やすらぎ色,Cタイプ電気機関車 EF57-1タイプ 特急はと ヘッドマーク付,Cタイプディーゼル機関車 DD12タイプ 茶色 黄帯,Cタイプ電気機関車 ED91-1タイプ 朱色の5種が発売されています。<トミックス「Cタイプ小型ディーゼル機関車」>(鉄道模型趣味1983年2月号より。トミックスの「Cタイプ小型ディーゼル機関車」)トミックスの「Cタイプ小型ディーゼル機関車」は,1982年に発売されました。それまで発売されていた「Cタイプ入換用ディーゼル機関車」が,米国プリマス社のディーゼル機関車のモデル(オーバースケールだが自由形とは言いがたい)を日本風に仕立てたものであったのに対し,こちらは,完全に実在の車両とは切り離された自由形となっています。鉄道模型趣味1983年2月号では,動力について「C57のテンダーから中1軸を抜いた構造で,軸距などそっくりだが,よく見ると,そのまま全部を流用したものではない。」として,C57(旧製品)との共通性が指摘されています。入門用の「ファーストセット1」の動力車としてデビューし,その後,1986年から単品での販売も行われています。カラーバリエーションは,「ファーストセット1」ではオレンジのみ,1986年にイエロー,ブルーが加わり,3種類となりました。その後,2000年に緑,白,茶が加わり6種類に。また「ベーシックセットSD貨物/SD貨物2/SD貨物列車」といった入門セットでは,それぞれ単品とは異なるカラーが用意されました。2013年には,トミックスワールド大宮のオリジナルカラーとして,かつての東大宮操車場の101系教習車をイメージしたような,白地に緑帯のバージョンを発売。2016年には,レギュラー製品としてエメラルドグリーンが,トミックスワールド大宮オリジナルカラーとして,オレンジ,スカイブルー,ウグイスの3種が追加されました。これら2016年に加わったバリエーションは,いずれも前面にゼブラ模様が,側面には社紋らしきマークが入れられ,帯が一本入るのみであった従来の6種とは一味異なった,よいアクセントとなっています。[追記]2020年には,鉄道模型ファーストセットの牽引機として,国鉄風のオーソドックスなカラーが登場しています。<カトー「ポケットライン」>(鉄道模型趣味1982年12月号より。カトーの「ポケットライン」シリーズの試作品)カトーの「ポケットライン」シリーズは,1982年から1983年にかけて発売されました。まず,路面電車の「チビ電」,続いて凸型電機の「チビ凸」と「チビ貨車」,最後にBタンクの「チビロコ」と「チビ客車」が発売されました。「チビ電」は,広島電鉄3500形あたりをイメージしたスタイルで,赤・青・緑・黄・橙・茶の各色がありましたが,後年は赤・青・緑のみとなりました。「チビ凸」は,よくある凸型電気機関車のスタイル。黄・緑・茶がありましたが,後年は黄のみとなりました。「チビ貨車」も,よくある2軸無蓋貨車のスタイルで,黒・緑・茶がありましたが,後年は黒のみとなりました。「チビロコ」は,緑色のドイツ風?Bタンクで,無動力の「ユーレイ」方式。「チビ客車」は,何の変哲もない2軸客車で,動力入り・なしがあり,赤・青・茶がありました。[追記]チビロコ,チビ客車は「ドラえもん・ヨーロッパ鉄道の旅」にも登場する,オランダのホールン・メーデンブリック鉄道がプロトタイプのようです。これらは単品のほか,乾電池式・スピード調節機能なしの専用パワーパックと一緒に入門用セットとしても販売されていました。さらに,住宅や給水塔,信号所といった輸入物のストラクチャーをポケットラインシリーズの一員として発売し,メルヘンな世界の構築をすすめていましたが,こちらは早々に絶版になったようです。(1982年発行・カトーカタログより)(1984年発行・カトーカタログより。「チビDL」は未発売に終わった)ご存知のとおり,2010年以降,ポケットラインは新たな装いで復活しています。「チビ電」は広島電鉄5000形風のカラーや「チキンラーメン」広告車,ホビーセンターカトー東京店新装開店記念号,「チビ凸」は社紋入りの茶や青で「チビ貨車」とのセット,「チビロコ」は,かつての入門用パワーパックにサウンド機能を加えたパワーパックを同梱した入門用セット(明るい赤と青の遊園地風カラー),伊予鉄道の坊っちゃん列車あたりをイメージしたような深緑色,オーソドックスな黒色,ホビーセンターカトー京都店開店1周年記念号,STEAM LOCOMOTIVE COFFEE SL列車セットといった,楽しいカラーバリエーションが展開されています。色替えのみならず,「チビ電」や「チビ凸」では,旧製品では固定式だったパンタグラフ(同社の0系や200系の旧製品と同様)が可動式となるなど,ディテールも改良されています。さらに,2019年には,ポケットラインの動力が大幅に改良されました。[追記]海外向け製品としてLEMKEブランドで,オーストリア連邦鉄道風塗装のチビロコセットや,登山鉄道風塗装のチビ凸と客車のセットが発売されています。カトーからは,チビ電の「パト電」仕様,チビ凸の英国風「E3682」塗装,「いなかの街の貨物列車(黒)」,東武ED4022タイプ(限定品),「クリスマスのSL列車」が発売されています。ホビーセンターカトーからは,チビ電フィギュアニマル「赤きつねとたぬき」号,チビ凸の米国風「TRACTION 50」塗装,ドイツDB風「BR169」塗装,ドイツ産業用スイッチャー風「Lok4」塗装が発売されています。ホビーセンターカトー京都からは,「京のおもたせチビロコセット」,「古の都のSL列車チビロコセット」,「古の都のSL列車チビロコセット(弐)」,「文明開化のSL列車チビロコセット」,チビロコの単品,チビ凸の名鉄風塗装(尾張の国の貨物列車),南海風塗装(ミナミの街の貨物列車),伊豆箱根鉄道ED33タイプといった特製品が発売されています。これらの状況をみると,「'80年代、小型モデルブーム?」(Nゲージモデル・アーカイブス10頁)といえる状況があったことは間違いなさそうです。同書でも述べられているとおり,この頃になると,Nゲージもある程度成熟して,フリーランスやマイナー車種をモデル化する余裕が出来ていたということなのでしょう。さらに,2002年には,バンダイからBトレインショーティが発売されます。これについては今さら説明は不要でしょう。なお,2004年には,おそらくBトレインショーティの成功に影響を受けて,ヨーデルのアートライナー,エポックのダイキャストレインといったショーティモデルが発売されます。これらはいずれも,動力化を前提としていない点で,Bトレインショーティとは大きく異なりますが,軌間は9ミリとなっています。(鉄道おもちゃ8,9,11号ほか参照。ダイキャストレインはフランジがついており,Nゲージの線路に載せることができますが,アートライナーはフランジがついておらず,載せづらいです。)アートライナーのvol.1は,EF81スーパーレインボー,EF81カシオペア色,EF81赤2号,EF81 500番台,EF81更新機,シークレット(301号機)の6種,vol.2は485系ボンネット車(国鉄色ひばり,白山色,上沼垂色白鳥,勝田色ひたち,レッドエクスプレス),485系300番台(かがやき色,上沼垂色白鳥,国鉄色つばさ,雷鳥色,勝田色ひたち,レッドエクスプレス),シークレット(カモメエクスプレス)の12種,vol.3は115系基本色,115系中央線,115系長野色,115系新潟色,115系瀬戸内色,ムーンライトえちご,169系三鷹色,165系モントレー,165系湘南色,475系リバイバル国鉄色,475系北陸本線,シークレット(しなの鉄道115系としなの鉄道169系)の13種がありました。ダイキャストレインのvol.1は681系特急スノーラビット,681系特急サンダーバード,485系特急ビバ会津,485系特急北越,113系湘南色,113系スカ色,500系新幹線のぞみの7種,vol.2は681系ホワイトウイング,485系特急かもしか,485系特急雷鳥,113系JR西日本リニューアル色,113系阪和線色,113系湘南色,500系新幹線のぞみ,485系特急レッドエクスプレス(シークレット)の8種,vol.3は485系きりしま・ひゅうが,500系新幹線,681系サンダーバード,113系スカ色,485系雷鳥,681系スノーラビット,113系湘南色の7種がありました。(注)例えば,Oゲージでは,EF58の短縮型である「EB58」1両と,レール,コントローラーを同梱したセットが,代表的な入門向け商品でした。EB58のバリエーションは,RM MODELS 1999年4月号から7月号にかけて連載された「EB58物語」(中西進一郎氏)で詳しく紹介されています。また外国のNゲージでは,ARNOLDの米国型ステンレス製流線形客車など,ショーティ化された製品がありました。
2018.09.04
閲覧総数 13006
39

トミックスの歴史を扱った書籍類では,トミーナインスケールに関する記述は1974年のED75から始まるものが多く,1969年から1974年までの,もっぱらバックマン製品を扱っていた期間がほとんど取り上げられていないのは寂しい気がします。そこで,今回は,そのころの日本模型新聞の記事をいくつかご紹介し,Nゲージの普及に努めていたトミーの姿を明らかにしたいと思います。ご紹介する記事は,ほとんどが模型見本市の記事で,執筆者はいずれも火星模型店の店主「火星人」氏です。(日本模型新聞719号(昭和44年10月6日)より)(初期のトミーナインスケールのロゴ)(後期のトミーナインスケールのロゴ)724号(昭和44年11月10日)28面「トミーナインスケール(セット部品各種)トミー これはプラスチックモデルではないが,プラキットの鉄道物を紹介したついでに紹介しておこうといっても当製品はすでに見本市後発売ずみの品故,仕入ずみの店ではご存知のことと思うので概略だけにしておこう。安い方のセットは五千八百円からあるが,セットの価格では,すでにメルクリンのHOゲージのサービスセットが六千円(ばらで買うと七千円以上の内容)で前から出ているのでこれと比べれば驚かぬが,他のメーカーの9ミリゲージの価格と比べれば,同トミーのナインスケールは,やはり香港の低賃金国で作らせただけあって,●●(判読不能)と割安で,同タイプの物で二割から物によっては三割近くも安いのが一番の魅力点。 アメリカ型ディーゼル機関車に貨車四両,曲線四本,直線レール二本,パワーパック付の五八〇〇と,違ったタイプのディーゼル機関車に貨車が一両多い六,八〇〇円の二つのセットがあり。またこれ等車やレールのばら売もあり,モーター付のディーゼルは二〇〇〇円から,貨車は三八〇〇(三八〇の誤植か)と四〇〇,その他レールやアクセサリーも色々と出される予定。 このばら売,ゲージは勿論,連結器も同型の物を使用しているので流用が効くので,すでに他のメーカーの9ミリゲージを買って楽しんでいる客に,案外売れて行くのではなかろうか。 これで,車両が馴染みのある国鉄の物を出してもらえば申し分ないのだがせめて車はアメリカタイプでも,セットの箱は輸出兼用でなく外と内に印字してある字は英字をやめて,日本タイプで出してもらいたかった。」758号(昭和45年7月27日)11面「Nゲージセット(六八〇〇円)トミー 同社のNスケールのこの新セットは,八月下旬に発売の予定だが,今までのセットにはない,アメリカタイプだが蒸気機関車がセットされているのが魅力。動輪二つのBタイプだが,後ろにボギー台車の炭水車をつないでいる。他に貨車四両とトランス,レール付。 HOジーゼルF9セット(七千円)同 また同社から九月初旬にはHOサイズの鉄道セットが発売される。 こちらもアメリカタイプの貨車が五両付でトランス・レール(丸型)とモーター車は,アメリカのディーゼルカー,サンターフェアがセットされている。別にGP40(七五〇〇円)のも発売される。 HOレーシングセット(六八〇〇円)同 以上の鉄道セットと同じバアッチマン製のHOサイズのレーシングカーセットも当トミーから九月初旬に発売される。セット内容は写真の通りだが,コースは横幅一メートル,円型部の直径約四十センチの八の字立体交叉型となっている。」775号(昭和45年12月7日)25面「トミーのNスケール鉄道セット各種 プラ模型ではないが,鉄道物の一つとしてトミーの完成品の鉄道セットもここで紹介しておこう いずれも日本の子供客にはなじみの薄い外国タイプの車両だが,買い易い価格が魅力で専門店でも売れている同社のNスケールセットに新製品が二点加わる。 一つはドックサイダー蒸気機関車セット(六千三百円)と,炭水車を後ろに牽引するUSRA蒸気機関車セット(六千八百円)が,共に貨車四両付で発売される。 今回のセットから,今までのような重さばる大きなボール紙版の箱でなく,エンビ板で特別に整型されたセット箱を使用 商品価値を高めているが,小売店でも重さばらず取扱いやすい品となっている 先発のF9ディーゼル車セット(五千八百円)とGP40ディーゼル車セット(六千八百円)も今回からは前記のエンビ整型によるセット箱で発売される。 トミーのHOスケール鉄道セット また同社からあらたにHOゲージの鉄道セットも発売されるが,勿論これも直流のパワーパック付でF9ディーゼル車セット(七千円)と,GP40ディーゼル車セット(七千五百円)の二点が共に直径九十センチの曲線レールと貨車四両付で市販される。」848号(昭和47年7月3日)26面「Nスケール鉄道シリーズ新製品,トミー プラキットではないが鉄道部門の商品としてついでに紹介するならば,トミーの香港製Nスケールは,買い安い価格が魅力で子供客に売れているが,新製品として初めてボギー台車をつけた客車がこの秋に発売される。 また喜ばしい新製品ニュースとしては,十月頃になるとのことだが,日本の貨車が七種類発売されるとのこと。 さらに先のことになるが,来年には日本の電気機関車も企画されているとのこと。」929号(昭和49年7月15日)46面「九ミリ貨車九点(予価三〇〇〇円)トミー 国鉄の貨車を始め,先日はED75の電気機関車(二、九〇〇)円を発売)俄然人気の出て来た同社の9ミリゲージ製品に,今秋には国鉄貨車が先の九組に続いて、またまた九組車が発売される 車種は,ワキ,ク,タキ,ツム,セラフ,ワムトムフ,ヨ,カの九点だが,さらに年末にはDD13型の電気機関車(原文ママ)も発売を予定しているとのことだが楽しみだ。」942号(昭和49年11月25日)26面「9ミリのCディーゼル(千九百円)トミー これはプラキットではなく,トミーから十一月下旬に発売される香港製の9ミリの完成車。入換用のCタイプのディーゼル機関車だが,全長五センチの大きさで,三車輪とも,ギヤーが連動されている。 また写真の後部に見えるSLは,アメリカのノーザン242で,炭水車も入れると全長二三センチもある。しかし,動輪が四つもあり同社からの発売の曲線レールでは回りきれぬので,出荷は思案中とのことだが(価格も未定)他のメーカーのゆるいカーブを持っている客もあるのだから,遠慮せずに出して欲しいものだ。」(日本プラモデル工業協同組合編「日本プラモデル50年史」より)
2019.08.04
閲覧総数 5447
40

以前取り上げた,東京シャープ模型の「日本の列車シリーズ」が手に入ったので,ご紹介したいと思います。このシリーズは,RM MODELS 15号(1996年11月号)と,Model Cars元編集長・平野克己氏のブログ(下記URL参照)で紹介されている以外にはほとんど情報がなく,日本プラモデル工業協同組合の「日本プラモデル50年史」にも掲載されていません。(「日本の列車シリーズ」No.6 白鳥とNo.10 C62)(「日本の列車シリーズ」は全12種類がラインナップされていた)(キットの内容。連結器の形状は森永のスポーツマンクラブキャラメルのおまけに似ている)(キットを組み立てたもの。485系のパンタ周りの表現は,やはり森永のスポーツマンクラブキャラメルのおまけに似ているように思われる)(森永のスポーツマンクラブキャラメル(上)と東京シャープの「Nゲージ」(下))箱には,「Nゲージ」と明記されていますが,軌間がかろうじて9ミリというだけで,車体はNスケールよりかなり小さく,ディテールも簡素で,フジミやアオシマ,バンダイのプラモデルとは雲泥の差です。ラインナップは,No.1 新幹線ひかり号,No.2 新幹線こだま号,No.3 DD13,No.4 DD51,No.5 特急ひばり,No.6 特急白鳥,No.7 寝台特急富士,No.8 寝台特急さくら,No.9 C57,No.10 C62,No.11 D51,No.12 D52となっています。発売時期ですが,C57の写真に集煙装置付きのものが使われていること,特急ひばり(東北新幹線の開業に伴い廃止)がラインナップされていることからすると,1979年から1982年の間と思われます。こだま号の箱に0系1000番台の写真が使われていることや,富士・さくらの牽引機がEF65 1000番台となっていることも,この推測と符合します。東京シャープ模型では,他に「日本の蒸気機関車シリーズ」があり,ラインナップは,No.1 C57,No.2 C62,No.3 D51,No.4 D52となっています。(「日本の蒸気機関車シリーズ」は全4種類がラインナップされていた)両シリーズの前後関係ですが,「日本の列車シリーズ」のC62のシールに「日本蒸気機関車シリーズ」(ママ)と記載されていること,「日本の列車シリーズ」の方がよりカラフルなパッケージとなっていることからすると,先に「日本の蒸気機関車シリーズ」が発売され,後に「日本の列車シリーズ」に編入されたのではないかと私は推測しています。なお,「日本の蒸気機関車シリーズ」の品番は「TSM-SL○-200」,「日本の列車シリーズ」の品番は「TSM-JT○-200」となっており,TSMは東京シャープ模型,SLはSTEAM LOCOMOTIVE,JTはJAPANESE TRAIN,200は200円を表わしていると思われます。[追記]上記2シリーズのほかに,「ブルートレインシリーズ」が存在することがわかりました。品番は「TSM-BT○-200」となっており,BTはBLUE TRAINと思われます。ラインナップはNo.1 ひばり,No.2 白鳥,No.3 富士,No.4 さくら となっています。「日本の蒸気機関車シリーズ」と同様に,「ブルートレインシリーズ」が先に発売され,後に「日本の列車シリーズ」に編入されたのではないかと私は推測しています。(RM MODELS 15号より。「日本の蒸気機関車シリーズ」と「日本の列車シリーズ」)(「ブルートレインシリーズ」No.1ひばり。全4種がラインナップされていた)(参考)model cars 初代編集長 平野克己の「猫の耳に大仏」湘南鎌倉便り 昭和プラモデル物語(40)ttp://toy.hobidas.com/blog/khirano/archives/2007/05/40.html
2019.10.09
閲覧総数 5112
41

これまで,各社のダイキャストモデルを取り上げてきました。今回は,JR九州商事から発売されていた,Nスケールのダイキャストモデルを振り返ってみたいと思います。九州新幹線開業前の2003年,JR九州商事から800系つばめのダイキャストモデルが発売されました。縮尺は1/160で,価格は1890円。中間車(2号車)も発売されました。(雑誌「鉄道おもちゃ」6号より。パッケージの雰囲気はワンマイルのディスプレイモデルと似ている気もするが・・・)さらに,九州新幹線開業時には,787系リレーつばめのダイキャストモデルも発売されています。雑誌「鉄道おもちゃ」7号9頁には,「JR九州商事が発売している『リレーつばめ』Nゲージダイキャストモデル。(略)全12編成出揃ったのはなんと開業前夜であった。ところが,開業当日発売された本製品では既にこのロゴ類までが見事に再現されていたのだ。つまり,この商品は実車と模型を同時進行で制作していたという,JR直系メーカーならではの成せる業であったのだ。」と記されています。この他,キハ72系ゆふいんの森も製品化されていました。JR系の会社から発売されたダイキャストモデルといえば,リニア・鉄道館の0系新幹線,MLX01-1,L0系が思い浮かびます。東海はいずれも「製造元 株式会社トレーン,発売元株式会社ジェイアール東海エージェンシー」とパッケージに明記されていますが,九州はどこが製造に当たっていたのでしょうか?(800系つばめ,787系リレーつばめ,キハ72系ゆふいんの森)
2020.02.04
閲覧総数 5941
42

今回は,鉄道玩具やプラモデルについて,思いつくままに取り上げたいと思います。<六甲ケーブルのダイキャストモデル>兵庫県・六甲ケーブル線の2代目車両の無動力ダイキャストモデルで,縮尺は1/100となっています。「Nゲージ考古学」としてこのモデルが見逃せないのが,レールにエーダイナインもしくはトミックスの道床付きレールが用いられていることです(私の手元のモデルはエーダイ製レールを使用)。レールには勾配がついているので,本来は滑り止めのストッパーが同梱されていたようですが,私の手元のモデルにはありませんでした。発売時期などの詳細は不明ですが,関西のケーブルカー巡りのスタンプラリーの記念品として配られたこともあったようです。(六甲ケーブルのダイキャストモデル。縮尺は1/100だが,レールにエーダイもしくはトミックス製品を用いている)<トミーのポケットライト>単3乾電池により先頭の豆電球が光るという,以前ご紹介した,トミーのライトトレインのご先祖と言える(?)玩具です。新幹線とSLの2種類があり,車体の幅や高さはNゲージに近似していますが,フランジ等はありません。(ニューデザイン71号(1967年1月25日発行)より)<三共のプラモデル>HOゲージの鉄道プラモデルといえば,古くはヨネザワやオリエンタル,後にはアリイ製品が有名ですが,ピーナツシリーズなどで知られる三共もHO鉄道プラモデルを発売していました。C62と貨車数種があり,貨車はたまに見かけますが,C62は見たことがありません。作った感想や,当時のHOゲージャーの受け止めなど,情報をお持ちの方がいらっしゃれば,ぜひお伺いしたいところです。(光文社「少年」1963年1月号より)(レイルマガジン1995年9月号より)<新幹線のプルバックトイ>鉄道おもちゃ19号でも紹介されている新幹線のプルバックトイ。発売元は東大阪市のキムラです。300系,500系,700系がありました。何とものんびりした造形がユニークです。後に,東京のドリームズ・カム・トゥルーから,700系ひかりレールスターとE2系あさま(未入手。詳細不明)に,キップや車掌さん人形を付けたセットが発売されており,鉄道おもちゃ2号,3号でも紹介されています。(キムラのJRしんかんせん。300系,500系,700系の3種)(ドリームズ・カム・トゥルーの「ひかりレールスター 新幹線&車掌さんセット」。車両はキムラ製品と同一)<がんばる!!SL君>電動のSLとカブースのセット。発売元は尾上萬です。機関車は下回り共通で何種類かあるようです。軌間は12ミリですが,軌間に対して機関車本体のサイズがずいぶん大きいので,HOナローに流用できるかもしれません。サイドロッドや連結器の形状は,バンダイのミニミニレールを思わせるものとなっています。RMモデルズ1996年12月号,鉄道おもちゃ16号,レイルマガジン2002年12月号で紹介されています。(尾上萬のがんばる!!SL君。レールは入っていない)(海外バージョン? SLの下回りとカブースはがんばる!!SL君と同一。軌間12ミリの線路が付属)
2020.08.02
閲覧総数 3968
43

ケロッグのおまけについては,以前別稿で取り上げましたが,あらためて振り返っておきます。本稿は,昭和子供文化研究会編「ケロッグのおまけ」(2015),ワールドフォトプレス「フィギュア王 No.61」(2003),のりピー様のフォト蔵(ttp://photozou.jp/photo/list/2527479/6401787)を主に参考としております。<プラスチックのきしゃ シリーズ>(「ケロッグのおまけ」より)鉄道ファン1963年11月号66頁でも紹介されているシリーズです。車体は左右2分割で,下回りは2軸にデフォルメされているようです。<鉄道シリーズ>(「ケロッグのおまけ」より)レイルマガジン1993年3月号140頁でも紹介されているシリーズです。Nゲージより一回り小さく,縮尺は1/170~1/180くらいです。機関車はロッド付き,客車や貨車の下回りはボギー台車となるなど,精密さが格段に向上しています。<高速鉄道シリーズ(仮)>レイルマガジン1993年2月号51頁でも紹介されているシリーズです。「ケロッグのおまけ」には掲載されていないので,「高速鉄道シリーズ」と仮称しておきます。Zゲージより一回り小さく,縮尺は1/250~1/280くらいです。200系新幹線(日本),ターボライナー(アメリカ),ER200形電車(ソビエト),403形電車(西ドイツ),TGV(フランス),クラス370電車(イギリス),ETR401電車(イタリア),LRC(カナダ)の8種が確認されています。このラインナップからすると,発売は1980年代前半ではないかと推測します。<その他>その他,鉄道関連のものとしては,以下の2シリーズがあります。「歴史上有名な乗りもの」シリーズは,サンフランシスコのケーブルカーと蒸気機関車「北極星号」があります。(レイルマガジン1993年3月号140頁より)なお,同シリーズの蒸気トラクターは一見,蒸気機関車のように見えますが鉄道とは無関係です。(「ケロッグのおまけ」より)「むかしむかしの乗りもの」シリーズは,蒸気機関車(米国版では「グラント将軍号」)と蒸気機関車「ロケット号」があります。(「ケロッグのおまけ」より)
2023.08.24
閲覧総数 2179
44

Nゲージを意識した玩具をいくつかご紹介してきましたが,忘れてはならないのが,1995年にセガ・ヨネザワから発売された「SONIX9(ソニックスナイン)」です。キャッチコピーは「電池で走る 9(ナイン)ゲージモデルトレイン! あつめよう 世界の特急列車!」となっており,軌間は9ミリ,縮尺もNゲージに近似していました。先頭車に単3電池を入れ,屋根上のスイッチを押すことで駆動。車輪が大きいため,やや腰高なものの,実車の特徴をとらえたプロポーションでした。ただ,メジャーどころの新幹線や特急電車といったラインナップのため,あまりNゲージャーの関心を惹かなかったように思います。もし,予告されていたWIN350やSTAR21,300X,TRY-Zといった試験車両が製品化されていれば,まったく状況は違ったことでしょう…。[追記]開発段階では「マイトレイン」の仮称で呼ばれていたようです。また,下記のほかにも「近郊型電車 グリーン/ブルー」の製品化も予告されていました。おそらく,211系/415系1500番台を製品化する予定だったと思われます。(トイジャーナル1995年9月臨時増刊号より)(東北新幹線やまびこ)1 東海道・山陽新幹線ひかり(※100系)2 東海道・山陽新幹線こだま(※0系)3 東北新幹線やまびこ(※200系2000番台)4 上越新幹線とき(※200系)5 東海道・山陽新幹線のぞみ(※300系)6 山形新幹線つばさ7 成田エクスプレス8 スーパーひたち9 スーパービュー踊り子10 フランス新幹線TGV(※シルバー地に青帯)11 東海道・山陽新幹線ドクターイエロー12 東北新幹線MAX(1995年版セガ・ヨネザワ製品カタログより)以下,未発売13 WIN35014 JRあさぎり15 小田急ロマンスカー(※HiSE)16 JRニューあずさ17 近鉄 伊勢志摩ライナー18 JRニューはるか19 JRソニック88320 D51蒸気機関車21 スター2122 300X23 ニューサンダーバード24 JRレッドエクスプレス25 TRY-Z(※E991系)(1995年版セガ・ヨネザワ製品カタログより。E1系MAX以外は残念ながら製品化されなかった)(トイジャーナル1995年9月臨時増刊号より)[追記]ソニックスナインの海外版?「TECHNIC 9」を入手しました。イギリスの誇るインターシティ125とレール・ストラクチャーをセットにしたもので,車両・レールのつくりはソニックスナインと全く同一です。この他にも,・TGV(日本版にもあった銀色のほか,オレンジもあり)・ユーロスター(TGVの塗り替え)・ICE・米国型のドッグノーズディーゼル機関車,Bユニット,貨車・スイス・Re460形電気機関車・D51蒸気機関車などがあるようです。貨車にはコンテナ車,有蓋車など日本風の形状をしたものも見られるので,日本でもD51あたりのお供として,貨車を製品化する予定があったのかもしれません。
2017.08.09
閲覧総数 8225
45

鉄道車両のプラモデルとしては,古くはオリエンタルやヨネザワの製品が有名で,現在も入手しやすいものとなると,アリイ(マイクロエース)製品があげられます。今回は,鉄道模型雑誌等であまり取り上げられていない鉄道プラモデルについて,ご紹介したいと思います。<セントラル模型「D50 119」「C62 28」>1960年代末から1970年代にかけて,いわゆるSLブームを背景に,蒸気機関車のプラモデルが多数発売されました。「日本プラモデル50年史」付録のCD-ROMによれば,東京のセントラル模型でも,HOゲージの「D50 119」「C62 28」を発売したとのことです。ただ,私はセントラル模型のSLプラモデルを見たことがありません。広告からして,未発売に終わったわけでははないと思うのですが…。どなたか情報をお待ちしております!<エルエス「アッパレしんかんせん」「アッパレリニア猛ターカー」>エルエス(LS)の鉄道プラモデルは,蒸気機関車が中心で,東宝模型から引き継いだ(そして現在はマイクロエースに引き継がれています)1/50スケールのC10,C11以外は,デフォルメされた製品がほとんどとなっています。そうしたエルエス製品の中でも異色の存在が「アッパレしんかんせん」と,「アッパレリニア猛ターカー」です。これは,デフォルメされ,かつ,部品点数も少ないプラモデルに,チョロQのようなゼンマイ走行ユニットを取り付けるという,気軽に楽しめるプラモデルで,以下のようなラインナップでした。1 アッパレ東海道しんかんせん,2 アッパレ山陽しんかんせん,3 アッパレ上越しんかんせん,4 アッパレ東北しんかんせん,5 アッパレミサイルトマトほーく,6 アッパレミサイルとんまほーく,7 アッパレリニア猛ターカー(白),8 アッパレリニア猛ターカー(赤),9 アッパレ愛CBM(アメリカ仕様),10 アッパレ愛CBM(ソ連仕様)なお,「リニア猛ターカー」のモデルは,1985年のつくば万博等で活躍し,現在,愛知県の岡崎南公園で保存されている,HSST-03となっています。(岡崎南公園のHSST-03)<東京シャープ「日本の蒸気機関車シリーズ」「日本の列車シリーズ」>東京シャープの「日本の蒸気機関車シリーズ」「日本の列車シリーズ」は,いずれもパッケージで「Nゲージ」と明記していますが,フジミやアオシマ,バンダイの「Nゲージ」プラモデルに比べると,かなり簡素な内容だったようです。しかし,「日本プラモデル50年史」付録のCD-ROMにも記載がないなど,ほとんど情報が見当たりません。RM MODELS 1996年11月号によれば,「日本の蒸気機関車シリーズ」は,No.1 C57,No.2 C62,No.3 D51,No.4 D52の4種だったようです。一方,「日本の列車シリーズ」は,No.2 新幹線こだま号,No.4 DD51,No.6 特急白鳥,No.7 寝台特急富士,No.10 C62までは分かっているのですが,それ以外はわかりません。どなたか情報をお待ちしております![追記]各種情報を総合すると,「日本の列車シリーズ」は,No.1 新幹線ひかり号,No.2 新幹線こだま号,No.3 DD13,No.4 DD51,No.5 特急ひばり,No.6 特急白鳥,No.7 寝台特急富士,No.8 寝台特急さくら,No.9 C57,No.10 C62,No.11 D51,No.12 D52というラインナップだったようです。ただ,発売年代等の詳細は今もよくわかりません。情報をお待ちしております。(RM MODELS 1996年11月号より東京シャープ「日本の列車シリーズ」)<ミリタリープラモデルの鉄道車両>海外製の鉄道車両のプラモデルとしては,古くは英国・エアフィックス社製品などが有名ですが,近年,入手しやすいものとしては,列車砲や装甲列車といった,ミリタリーもののプラモデルが挙げられます(この種のシリーズでは,蒸気機関車や貨車,路面電車なども発売されています。路面電車は市街戦の再現用でしょうか?)。縮尺は1/35,1/72,1/144などがあり,それぞれ1番ゲージ,HOゲージ,Nゲージに近いということになりますね。以前,東京・神田の模型店で,こうしたプラモデルを組み立てたジオラマを見ましたが,ミリタリー系のモデラーの方は,やはりウェザリングに非常に力が入っており,迫力を感じました。国内メーカーでは,ハセガワが1/72スケールで,列車砲「レオポルド」(1975),自走臼砲「カール」及び運搬貨車(1976)のプラモデルを発売しています。(RM MODELS 1997年11月号より)
2018.05.24
閲覧総数 3742
46

前回に引き続き「ダイカスケール 電車シリーズ」をご紹介します。(トイズマガジン1975年6月号より)このシリーズで,103系に次いでバリエーションが多いのが,113系とそれをベースにした各種急行電車などです。湘南色,スカ色,修学旅行色,交直流急行色,阪和線色,関西線色,交直流近郊色(新・旧)が製品化されています。(左から順に,No.9急行グリーン(東海道線),No.10急行ブルー(横須賀線),No.12急行ピンク(常磐線),No.11急行オレンジ(修学列車))(奥から順に,No.19新快速,No.31新快速,No.32常磐線,No.32常磐線)一方,113系をベースにした私鉄製品は,No.29東武鉄道とNo.22地下鉄丸ノ内線の2種だけです。東武が113系ベースとなったのはおそらく,貫通扉つき,高運転台の8000系は103系より113系に近いと判断されたのでしょう。実車同様,ツートン→クリーム→白に青2色帯と変遷しています。丸ノ内線が113系ベースとなったのも,貫通扉がついていることが決め手となったのでしょう。ブリキの玩具でも,丸ノ内線や日比谷線は,113系をベースにしたものがいくつかありました。(左から3つはNo.29東武鉄道。一番右はNo.22地下鉄丸ノ内線)
2017.03.06
閲覧総数 3960
47

今回ご紹介するのは,FASTECH 360 S(E954形)のディスプレイモデルです。(車体底面のレバーを押すと「猫耳」が飛び出す)(モデルそのものに関する情報は箱に記載がない)記念品として製作・配布されたものと思われ,メーカーや縮尺の記載はありませんが,プラ製で,ほぼNゲージサイズとなっています。大きな特徴は空力ブレーキ(いわゆる猫耳)が可動式になっていることです。このモデルの由来をご存じの方がいらっしゃれば,ぜひご教示いただきたいと思います。
2018.12.28
閲覧総数 6243
48

以前ご紹介した神崎レンタルサービスの「トレイン」シリーズについて,今回は詳しく見ていきたいと思います。なお,今回取り上げる製品は,ほとんどが中古で入手したものです。神崎レンタルサービスのガチャガチャの設置場所をご存じの方がおられれば,ぜひご教示いただきたいと思います。[追記1]2019年11月,大阪のヨドバシカメラ梅田店5階,富山のマリエとやま5階に設置されているのを確認しました。また,コメント欄でいただいた情報によれば,ニューシャトルの鉄道博物館(大成)駅にも設置されているとのことです。[追記2]2022年,神崎レンタルサービスが廃業したとの情報が入りました。商品は店頭在庫限りになると思われます。[追記3]神崎レンタルサービスの「トレイン」シリーズですが,どうやら以前は「丸越」という会社から発売されていたようです(箱には,「マルコ トレイン」と記載されています)。バンダイの系列にも「丸越」という会社がありましたが,ロゴマークが一致しないので,別の会社でしょうか?(参考1「風雅堂・日常雑記」ttp://fu-gado.blogspot.com/2012/01/blog-post_02.html)(参考2「RH18Vのミニカーの館」ttp://minicar555.blog.fc2.com/blog-entry-413.html)<蒸気機関車>蒸気機関車は,2種類を確認しています。下回りは共通で,後部にアーノルドカプラーと同じ形状の連結器を備えています。1つめは,C11と思われるタンク式機関車。ほぼNスケールです。2つめは,古典的なスタイルのタンク式機関車(古典機には詳しくないので,形式はわかりません。すみません・・・)。こちらは,Nスケールよりかなり大きな車体となっており,猫屋線の蒸機と並べても違和感のない大きさです。<国鉄型特急・電気機関車>国鉄型の特急電車としては485系の先頭車と中間車の2種類,電気機関車はEF65,EF58,EF81の3種類を確認しています。いずれもかなりショーティ化されたスタイルとなっています。EF65,EF58,485系中間車は,台車とパンタグラフが別パーツとなっており,アーノルドカプラーと同じ形状の連結器を備えた台車が首を振るようになっています。特に,EF65とEF58はボディの彫りも深く,ナンバーも入れられ(EF65 505, EF58 82),玩具としてはピカイチと言っても過言ではありません。485系先頭車は,台車枠が床板に固定されており,連結器は,ZJゲージ第1弾のようなフック式のものとなっています。そのため,中間車とは連結器の形状が全く違いますが,連結できないこともなさそうです。EF81は,後述のJR特急などと共通したつくりの下回りで,連結はまったく考慮されておらず,パンタグラフも車体と一体で,ちょっとパンタグラフには見えないようなスタイルをしています。<ディーゼル機関車>ディーゼル機関車としてはDD51の1種類のみを確認しています。ナンバーはDD51 726。ボディは彫りが深く,なかなか良好なプロポーションですが,JR特急などと共通の下回りのため,上回りとは少しアンバランスな感じがします。私の持っている製品は,黄色車体に赤帯という妙なカラーですが,以前は青色車体に金帯のJR北海道カラーが生産されていたようです。<JR特急>JRの特急電車としては253系,E653系,787系の3種類を確認しています。787系は腰高な感じがしますが,E653系は(色はともかく)なかなかよく特徴をとらえていると思います。<新幹線>新幹線としては0系,300系,WIN350,500系,700系,N700系,400系,E3系,E4系,E6系の10種類を確認しています。0系は485系先頭車と同様の下回りでフック式の連結器を備えています。他は連結器はありません。0系,300系は腰高が目立ちますが,E3系やN700系あたりはいい線をいっているのではないかと思います。E6系も,実車と同様の赤カラーと,E5系のような緑カラーとがあります。
2019.09.18
閲覧総数 12015
49

今回は,いよいよNゲージダイキャストスケールモデルシリーズを取り上げたいと思います。<Nゲージダイキャストスケールモデルシリーズ>1979年,サクラからNゲージダイキャストスケールモデルシリーズが発売されました(トイジャーナル1979年6月号102頁参照)。1980年時点でのラインナップは42種で(1980年東京国際玩具見本市カタログ参照)[追記あり],その後,1982年の東北・上越新幹線開業に伴い,185系(踊り子,リレー号)や200系東北・上越新幹線(0系の塗り替え)が加わっています。[追記]その後,サクラのカタログなどを調査したところ,1980年時点では37種(No.1~42のうちNo.12,18,29,32,34の5種が欠番),1982年頃にはNo.43~47(No.44は欠番)の4種が加わったことがわかりました。1979年は,エーダイナインの参入,第1回鉄道模型ショウの開催,アオシマ・バンダイ・フジミからのNスケールプラモデルの発売など,Nゲージが活況を呈した年であり,サクラもそうした動向を研究していたのでしょう。なお,サクラ・トレーンでは,「Nゲージ」を「エヌゲージ」ではなく「ナインゲージ」と呼称しています。(トレーン時代のセット品。「ナインゲージ」と明記されている)1983年,(株)トレーンが設立され,サクラからNゲージダイキャストスケールモデルシリーズを引き継ぎました。トイジャーナル1984年12月号では,以下のように紹介されています。「昨年の8月に設立された『(株)トレーン』(五十嵐清社長)の『2階建バスシリーズ』『Nゲージシリーズ』『点滅シリーズ』が着実に売行きを伸ばしている。いずれの商品も永く定番品として好評発売されていたものを継承して販売しているもので,市場性はこれまでも実証済み。安定した売上げが期待できる商品だ。『2階建バスシリーズ』は東京都交通局”ほうずき”,大阪・中央観光バス,京都・京阪バスなど現在20種あり,入数各48個,売価各1,200円。『Nゲージシリーズ』はひかり号,エル特急,地下鉄,小田急線など現在41種あり,入数各48個で,売価各700円。『点滅シリーズ』は,セドリック,ランドクルーザー,ニュースカイラインの3車種にそれぞれパトカー,救急車,タクシー,消防司令車の4タイプがあるほか,パトカーは北海道から沖縄まで日本全国のパトカーがある。入数48個で各1,000円。3シリーズともダイカスト製でコレクション性も充分。なお同社では低額なリモコンも扱っている。」・「25種」の謎トレーンのウェブサイトや,レイルマガジン2003年2月号の記事では,トレーンはサクラから「25種」のNゲージを引き継いだとされています。しかし,上述のとおり,サクラ時代には既に40種以上発売されており,仮に多少ラインナップの変更があったとしても,「25種」は少なすぎるように思います。あるいは,103系の塗り替えなどは除外して,金型が「25種」なのではないかとも考えましたが,その場合逆に「25種」では多すぎるような気もします。果たして・・・?・箱についてサクラ時代の初期は黄色い箱で,その後黒い箱にかわりました。初期のトレーン製品もロゴを変更しただけでそのまま使っています。その後,トレーンでは白と青に緑帯を入れた箱になり,これが長く使われていましたが,近年はポリプロピレン製の透明な箱となっています。[追記]サクラ時代の初期には,吊り下げ式のブリスターパックもありました。(白・緑・青の箱は,裏の写真が途中で変更されている)(ポリプロピレン製の箱にかわり,表記も「ダイカスト」から「ダイキャスト」になった。「Nゲージダイキャストスケールモデル」の文字は最近,一般的なゴチック体からロゴタイプに変更されている)・価格の変遷価格は,上記のとおり,サクラ~トレーン初期は700円で,800円の時代が長く続いた後,900円,1000円を経て,現在は1200円となっています。・特徴あるモデル<0系>サクラ時代から今日に至るまで一貫して,シリーズ「No.1」の座は0系が占めています。かつては,中間車(Pなし)がありましたが,絶版となっています。中間車は,485系中間車(Pなし)の設計を流用したもので,先頭車とは窓周りの雰囲気が合っていませんでした。また,前述したとおり,サクラ末期に東北・上越新幹線200系カラーの緑が加わっています。東北・上越新幹線が製品化されしばらくしてから,側面のスカートが床下機器をすっぽり覆うようなロングスカートに改修されたようです。トレーンの設立が1983年,100系新幹線のデビューが1985年なので,サクラ時代は0系(200系)が唯一の新幹線モデルでした。トレーン時代には,実車にないJNRマークが削除されるなどの変遷を経た後,2011年に全面的にリニューアルされました。(初期の0系。ボンネットにJNRマークがあり,側面のスカートが短い)<103系>他社製品同様,様々な私鉄に化けた基幹製品ともいうべきモデルです。1974年発売のサクラペットやダイカスケール,ダイヤペット(1/200)では低運車をモデル化していましたが,1979年発売のサクラNゲージやダイヤペット(1/80,1/130)では,1974年に登場した高運車をモデル化しています。なお,サクラ・トレーンやダイヤペット(1/130)では,運転台後部にも戸袋窓がありますが,ダイヤペット(1/80)では,運転台後部の戸袋窓はありません。サクラ・トレーン製品は,当初から冷房が表現されており,グロベンが別パーツ(なぜか黒塗装)で取り付けられていましたが,後に,屋根と一体の押し込み形ベンチレーターに改められています。国電は朱,青,黄,黄緑があったほか,トレーン時代には,前面窓周りを黒,銀の車体に帯を巻いた205系風,前面窓周りを黒,車体を朱色とした201系風の製品もありました。私鉄は,地下鉄(丸ノ内線色),ステンレスカー(なんとも抽象的な名称ですが,後年のミニパンフでは「地下鉄東西線」と注記されていました),京成,東武,西武,小田急,京王,東急,京急,大阪市営地下鉄(御堂筋線・中央線),神戸市営地下鉄などがありました。<153系>153系はサクラ時代からあった製品で,「東海形急行」の名称で販売されていましたが,塗り分けは113系風で,車体は2扉という不思議な製品でした。ナンバーは「クハ153-451」となっています。別パーツだったクーラーは,後に屋根と一体成型に変更されています。クモハ165のような大型通風機が運転台側の屋根上に載っているのが特徴です。余談ですが,食玩の「GO!GO!鉄道」(ハート)の115系は,やはり運転台側の屋根上に大型通風機が載っており,トレーン製品を参考にしたとみられます。(下は鉄道おもちゃ2号より「GO!GO!鉄道」の115系。トレーンの153系に酷似している)<113系>113系もサクラ時代から製品化されており,当然のごとくスカ色,修学旅行色,交直流急行色などがありました。ナンバーは「クハ411-307」となっていましたが,最近は削られてしまっています。トレーン時代には,限定品のしなの鉄道カラーや,セット販売の長野色,新潟色などが製品化されています。また,近年「東海形急行」に代わる製品として,湘南色も発売されています。<485系>サクラ時代からあった製品で,かつては中間車(Pなし)も製品化されていました。0系同様,JNRマークは途中で削られているほか,153系同様,別パーツだったクーラーは屋根と一体成型に変更されています。583系カラーや,かもめ,きりしま,かがやき/きらめきといった485系の各種カラーバリエーション,183系グレードアップあずさ風,189系あさま風,781系ライラック風といったカラーなどがありました。(上から485系先頭車,同中間車,0系新幹線中間車。0系中間車は屋根を除き485系と同一)<EF81>サクラ時代からあった製品で,「EF8185 日立」と彫られていました。EF81の各種カラーバリエーションの他,トミカのED75同様にEF65に化けたカラーバリエーション,いにしえのKATO・EF70を思わせるような青の単色などがありました。<近鉄30000系>サクラ時代からあった製品で,先頭車と2階建て中間車の2種が製品化されています。他に中間車が製品化された例としては,前述の0系新幹線と485系,100系新幹線(2階建て),700系新幹線がありました。(なお,トレーンの30000系先頭車は長らく「新近鉄特急」と称していましたが,かつては,12200系も製品化されていたようで(前面形状,塗り分け及び屋上機器を作り分け),その名残りで「新」が付いていたようです)<小田急3100形,京成AE形,東武1800系>いずれもサクラ時代の製品で,近鉄30000系と並ぶ花形列車として選ばれたのでしょう。小田急3100形は,車体を伸ばし,ボギー車となっています。最近まで帯の表現を改良するなどして販売されていました。京成AE形は,新塗装に切り替わったのが,ちょうどサクラからトレーンにかわった1983年ですが,新塗装の製品は見たことがありません。なお,トレーンでは,AE100形,2代目AE車を製品化しており,いずれも素晴らしい出来です。東武1800系は,正面に「りょうもう」の文字が刻印されています。DRCではなくりょうもうを選んだのは,四角いボディで作りやすかったからなのでしょうか? 屋根上は「東海形急行」の設計を流用したもので,側面は近鉄30000系の設計を流用したようです。なお,トレーンではスペーシアを200系りょうもうカラーに塗り替えた製品がありました。<京阪6000系>トレーン時代の比較的初期の製品ですが,塗り替えで済ませずに専用型を起こしています(他に古くからある専用型としては,阪急(6300系),名鉄(6000系)などがあります)。緑ツートンの旧塗装はもちろん,花の万博号,10000系風の青緑一色,くずはタワーシティー号といったカラーバリエーションがあります。また,関東の京浜急行も京阪の塗り替えで製品化されていました。京急2000形あたりをイメージしたのでしょうか? かつてプラレールでは205系の塗り替えで京急を製品化していたことと合わせて,興味深い現象だと思います。トレーンでは,京阪8000系も別途,専用型で製品化するなど,京阪の製品化には力が入っているようです。<ニュー通勤形,私鉄汎用形??>JR線については,103系に代わり,「ニュー通勤形」として209系風の製品が作られました。現在もグリーンとイエローが販売中です。私鉄については,前面を貫通扉付きとしたほかは「ニュー通勤形」とほぼ同様の製品となりました。ディテールが少なく,のっぺりしたボディでしたが,どのカラーでも違和感がないように,あえてのっぺりさせたのかもしれませんね。京成,東武,西武,小田急,京王,東急,阪神,大阪市営地下鉄(御堂筋線),神戸市営地下鉄などがありましたが,いずれも絶版となっています。(小田急は8000形と1000形を足して2で割ったような格好。京王は8000系をイメージしたと思われる。なお,パッケージには「この電車は実際の車両と異なります。カラーリングのみ実車に合わせております。」と注記されていた)<江ノ電300形>サクラ・トレーン通じて唯一の連接車です(小田急ロマンスカーは上記のとおり車体を伸ばしてボギー車になっている)。標準色のほか,チョコ電カラーがありました。標準色の車番は305・355となっていますが,窓の配置などからすると304・354をモデル化したようで,チョコ電カラーでは実車通り車番は304・354となっています。ラインナップの変遷は,以下のとおりです。レギュラー製品の他に,前述の京阪花の万博号や,キハ183ニセコエクスプレス(北海道日本ハムファイターズ)など限定品もありました。No.1 ひかり号/こだま号/0系新幹線→0系新幹線(フレッシュグリーン)→0系新幹線(※新版)No.2 ひかり号(中間車)→WIN350→789系特急電車→N700-AdvancedNo.3 エル特急/485系特急電車No.4 エル特急(中間車)→トワイライトエクスプレスNo.5 地下鉄(※103系丸ノ内線色)→DD-51北斗星No.6 通勤形オレンジ(※103系→201系風→103系)→N700系みずほ・さくらNo.7 通勤形グリーン(※103系→205系風→103系)→つくばエクスプレス→つくばエクスプレス(増備車両)No.8 通勤形ブルー(※103系→205系風→103系)→箱根登山鉄道No.9 通勤形イエロー(※103系→205系風→103系)→ワイドビューひだ・南紀→E233系5000番台京葉線No.10 東海型急行(※153系)→東海型急行/近郊電車(湘南色)(※113系)No.11 電関(青)→スーパー新幹線のぞみ/300系新幹線No.12 (欠番)→山形新幹線つばさ(※400系旧色)→400系つばさ(※新色)→E5系はやぶさNo.13 電関(茶)→スーパー特急かもめ(※485系赤塗装)→特急みどり(※783系)→スーパー白鳥→名鉄2200系No.14 通勤快速(ブルー)(※113系スカ色)→マリンライナー→8000系フジサン特急No.15 通勤快速(レッド)(※交直流急行色)→大阪市営地下鉄(※103系→新型)→名鉄2000系ミュースカイNo.16 通勤快速(オレンジ)(※修学旅行色)→ニュー新幹線ひかり号/100系新幹線(※旧色)→100系新幹線(フレッシュグリーン)→100系新幹線(※旧色)No.17 京成スカイライナー→ニューひかり号ビスターカー/100系新幹線ダブルデッカー→小田急ロマンスカーVSENo.18 (欠番)→南海空港特急ラピートNo.19 小田急線(※103系→新型)→京急2100形No.20 京王線(※103系→新型)→E231系湘南新宿ラインNo.21 京成線(※103系)→新幹線マックス(DDSマーク)→E1系マックス(※ときカラー)No.22 東武線(※103系)→近鉄伊勢志摩ライナー(※黄色→サンシャインレッド)No.23 西武線(※103系→新型)→相模鉄道11000系No.24 ステンレスカー(※103系銀に青帯)→E2系1000番台はやてNo.25 京浜急行(※103系→京阪を塗り替え)→特急北近畿・きのさき→小田急ロマンスカーGSENo.26 東京急行(※103系→新型)→C-57蒸気機関車No.27 ブルートレイン(※EF65)→EF81貨物色→京王電鉄5000系No.28 寝台特急→空港特急はるかNo.29 (欠番)→スーパー特急あずさ(※E351系)→E353系あずさ・かいじNo.30 近鉄特急→特急サンダーバードNo.31 阪急電車(※6300系)→E7系かがやきNo.32 (欠番)→南海こうや号→新幹線ドクターイエロー(※0系塗り替え)→923形ドクターイエローNo.33 名鉄電車(※6000系)No.34 (欠番)→特急きりしま(※485系緑塗装)→きりしま・ひゅうが→E233系1000番台京浜東北線No.35 小田急ロマンスカー(※NSE)→500系スーパー新幹線/500系新幹線No.36 東武ロマンスカー(※詳細不明。未発売?)→小田急ロマンスカーEXE→小田急ロマンスカーEXEαNo.37 東武りょうもう号→新幹線こまち/E3系こまち→N700S新幹線No.38 D-51汽関車/D-51蒸気機関車No.39 近鉄ビスターカー→E233系7000番台埼京線No.40 新近鉄特急/近鉄特急No.41 DD-51ディーゼル/DD-51ディーゼル機関車No.42 ブルートレイン客車→阪神電車→西武鉄道30000系No.43 東北新幹線(※0系緑色→100系緑色)→特急あかぎ・草津・水上→E6系スーパーこまちNo.44 (欠番)→新幹線あさま/E2系あさま→伊豆急行3000系アロハ電車No.45 特急踊り子号(※旧塗装→新塗装)→E217系総武快速・横須賀線No.46 リレー号→スーパー特急北斗/スーパー北斗No.47 上越新幹線(※0系緑色)→スーパー特急ソニック883→883系ソニック(※新塗装)No.48 パノラマアルプス/パノラマエクスプレス→C-62蒸気機関車No.49 神戸市営地下鉄(※103系→新型)→E257系わかしお・さざなみNo.50 ニュー小田急ロマンスカー/小田急ロマンスカーHiSE→ロマンスカーRSE→E235系山手線No.51 近鉄アーバンライナーNo.52 スーパー特急あずさ(※グレードアップあずさ)→特急ハウステンボス(※783系)No.53 スーパーひたち→E653系いなほ(瑠璃色)(ハマナス色)No.54 京阪電車→E233系中央線No.55 スーパー特急きらめき→名鉄パノラマスーパー→名鉄1200系パノラマスーパーNo.56 スーパービュー踊り子(※旧塗装→新塗装)No.57 東武スペーシア(※旧塗装→「雅 基調」「粋 基調」「サニーコーラルオレンジ」「デラックスロマンスカー」「日光詣」)No.58 成田エクスプレス→H5系北海道新幹線No.59 特急ライラック→885系白いかもめNo.60 フレッシュひたち(※5色→青のみ)No.61 E4ニューマックス/E4系マックス→E4系マックスときNo.62 ニュー通勤型(グリーン)/通勤型グリーンNo.63 ニュー通勤型(ブルー)/通勤型ブルー→東急5050系No.64 ニュー通勤型(イエロー)/通勤型イエローNo.65 700系新幹線No.65B 700系中間車No.66 電関EF81(※レインボーカラー)No.67 EF81カシオペアNo.68 サンライズエクスプレスNo.69 京成線(※新型)→京成スカイライナー/京成シティライナー(※AE100)No.70 東武線(※新型)→フジサン特急No.71 E3系つばさ→E3系つばさ(リニューアルカラー)No.72 寝台特急カシオペア(※スロネフE26)No.73 ひかりレールスターNo.73B レールスター中間車No.74 貨物車(コンテナ)No.75 貨物車(石油タンク)No.76 南海こうや号→253系日光・きぬがわNo.77 オーシャンアローNo.78 787系特急つばめ→京成スカイライナーAE形(※2代目)No.79 イースト・アイNo.80 255系わかしお・さざなみNo.81 西武ニューレッドアローNo.82 特急はくたか(スノーラビット)No.83 スーパー特急宗谷→阪急9300系(9400号車)No.84 江ノ電(※305・355)No.85 E257系あずさ・かいじNo.86 小田急ロマンスカーNSE→小田急ロマンスカーMSENo.87 N700系新幹線その他,Nゲージダイキャストスケールモデルシリーズ以外の製品をいくつかご紹介します。<電動つばさ・のぞみ>プラ製で単3乾電池1本で駆動する電動モデル。軌間はNゲージより広く20ミリ程度。ラインナップは300系と400系を確認しています。(400系のパッケージにはダイキャストスケールモデルシリーズの写真が用いられている)(1983~1984年頃のトレーンカタログより。0系/200系でも同様の製品があったようだ)<トラムズ>線路幅9ミリの路面電車ダイキャストモデル「トラムズ」シリーズは,車体は3種類(新型車,オデコにライトのある旧型車,おへそにライトのある旧型車)で,カラーバリエーションにより以下のラインナップとなっていました。1.東京都交通局,2.札幌市交通局,3.万葉線,4.富山地方鉄道,5.阪堺電気軌道,6.岡山電気軌道,7.広島電鉄,8.土佐電鉄,9.伊予鉄道,10.長崎電気軌道,11.熊本市交通局,12.鹿児島市交通局<バスシリーズ>サクラ時代から,各種バスが製品化されていました。(ミニチュアカー1985年1月号より。2階建てバスはサクラ時代末期の製品)トレーンでは,1999年に「ポケットバス」シリーズ(1/80)を発売。路線バスと観光バスの2種類があり,ダイカスケールのバス(1/100)のように,全国各地のバス会社のカラーが発売されました。ラインナップは以下のとおりです。この他,読売新聞ヨミーバス(※都営バス広告車)などがありました。1.ようちえんバス,2.都営バス,3.京成バス,4.東武バス,5.神奈川中央バス,6.大阪市営バス,7.名鉄バス,8.阪急バス,9.JRバス,10.はとバス,11.空港リムジンバス,12.東急バス,13.小田急バス,14.京王帝都バス,15.名古屋市営バス,16.京都市営バス,17.神姫バス,18.西日本鉄道バス,19.北海道中央バス,20.仙台市営バス,21.近鉄バス,22.京阪バス,23.国際興業バス,24.横浜市営バス,25.西武バス,26.京浜急行バス,27.サファリバス,28.ラッピングバスA,29.ラッピングバスB,30.西武観光バスタイプ,31.関空リムジンバス2008年には,同じく1/80で,よりリアルな「フェイスフルバス」シリーズ(1/80)に代わっています。ラインナップは以下のとおりです。1.東京都交通局,2.はとバス,3.富士急行,4.東京空港交通,5.大阪市交通局,6.関空リムジンバス,7.小田急バス,8.北海道中央バス,9.近鉄バス,10.京阪バス,11.国際興業バス,12.西日本鉄道,13.ジェイアール東海バス,14.東急バス,15.京都市交通局,16.名鉄バス,17.名古屋市交通局,18.仙台市交通局<参考>(本文中で掲記した以外のもの)豊岡真澄「下町の電車ミニカー」ttps://www.club-thermos.jp/page?a=60ttps://www.club-thermos.jp/page?a=64ttps://www.club-thermos.jp/page?a=67
2020.07.01
閲覧総数 12307
50

今回は「都電もなか」をはじめとする,鉄道車両を模した菓子容器のコレクションをご紹介いたします。もちろん,全国のそれを網羅したものではありませんが,少しずつコレクションを増やしていきたいと思います。<都電もなか>都電もなかは1977年に発売。発売元は,都電荒川線梶原電停近くにある明美です。箱は,赤帯(片方は7000形未更新車,片方は7500形未更新車の前面),青帯(7000形更新車),8500形,9000形,8800形(ピンク),8900形(青),7700形(緑)があります。この他,かつては7500形更新車,8800形(バイオレット,オレンジ,イエロー),9000形(青)もありました。[追記]あらかわ遊園限定品として,6000形(6152号車)もあります。<江ノ電もなか>江ノ電もなかは1980年に発売。発売元は,江ノ島駅近くにある扇屋で,店頭にある江ノ電600形(元玉電80形)の前面が有名ですね。餡子の種類が豊富なことが特徴で,江ノ電(つぶ餡),チョコ電(こし餡),赤電(梅餡),青電(柚子餡),新電(1000形。ごま餡),新型車両(2000形,抹茶餡)の6種類があります。「旅」1999年5月号より。都電もなかと江ノ電もなかの比較<多摩モノレールもなか>多摩モノレールもなかの発売元は,京王線と多摩都市モノレールの乗換駅である高幡不動駅の近くにある,高幡まんじゅう松盛堂(しょうせいどう)です。箱は多摩都市モノレール1000系を模しており,潰し餡と白餡の2種類があります。<富山ライトレールもなか>富山ライトレールもなかは,富山市の清進堂から発売されており,7種類の箱(TLR0600形第1~第7編成)にそれぞれ違う餡(こし餡,粒餡,くるみ,柚子,しそ,抹茶,ごま)が入っています。<いすみ鉄道もなか>いすみ鉄道もなかの発売元はいすみ鉄道で,発売当時の地元紙には以下のように紹介されています。「いすみ鉄道(大多喜町)は、新たに食品製造業に参入する。・・・これまでの『い鉄揚げ』などのオリジナル菓子類の製造はすべて外部に委託していた。昨年12月、食品営業許可を保健所から取得。・・・商品コンセプトで参考にしたのは人気商品の『都電もなか』」(千葉日報オンライン2010年1月25日)「1月には同社の取締役会に集まった沿線の4首長が試食。『もなかは甘い方が良い』(藤平輝夫・勝浦市長)との助言を受け、特にあんこの味付けに力を入れたという」(千葉日報オンライン2010年2月12日)<富山セントラム羊羹>先に富山ライトレールもなかをご紹介しましたが,富山地鉄市内線の9000形については,富山市の鈴木亭から富山セントラム羊羹(胡麻,杢目(もくめ),黒砂糖の3種類)が発売されています。<きてつようかん>きてつようかんは,紀州鉄道から発売されており,塩,オレンジ,練りの3種類があります。この他に,大阪モノレール羊羹(販売終了),たまでん羊羹(東急玉川線),江ノ電ようかん,流鉄ようかん,転車台ようかん(天竜浜名湖鉄道),ピーポーようかん(水島臨海鉄道)など,鉄道車両を模した羊羹は全国各地にあるようです。<JR特急チョコ・JR電車チョコ>JR特急チョコ・JR電車チョコは,大阪市の黒谷商店から発売されているチョコレート菓子で,特急チョコが31種類,電車チョコが40種類という豊富なラインナップが特徴です。特急チョコは流線型に合わせて前をカットするという凝ったつくりとなっています。また,電車チョコは103系からE235系まで,古今東西の電車が製品化されています。<ナガサキヤ>かつて京都にあった菓子メーカー・ナガサキヤでは,鉄道車両や自動車など,様々なプラ製容器にチョコレートやキャンディを入れて販売していました。私の手元には,C57とEF65 1000番代の容器があります。いずれも1/80サイズで,なかなかよくできています。(レイルマガジン1993年3月号より。ナガサキヤのチョコレート容器)(鉄道おもちゃ2号より。チーリン製菓のでんしゃチョコ)
2020.09.30
閲覧総数 5646