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2009年05月21日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
ある晴れた日の事

予約しておいた心療内科初検診の日

弥子と行く診療所への道で

私は自ら考え決意し志した

「父親」になることが自分には出来ない事を痛感した

それはただ単に

経済力、社会的責任能力、地位など

18歳の私にはどうしよもできない所からではなく

もっと重要で根本的なものが私には欠けていたのだった






「無償の愛」



私は父親として当然といえる

無償というものが無くなってしまっていたのだった

いつの間にか私は

「弥子の隣に居たい」

「弥子から愛されたい」



願ってしまっていたのだった

娘に愛されたいと望む父親はこの世にいない

私は弥子の幸せの為には

第一に父親としての義務を果たし



自分自身の想いを押し殺し戒めながらも

溢れだす彼女と共にありたいという

二つの矛盾した狭間の中で苦しむようになる

弥子が様々な問題で苦しんでいる中

彼女の幸せの為には




と・・・


しかしそれはただ単に臆病な心からくる詭弁で

自分はただ傷つくことを恐れているだけなのか?



分からない


分からない


そんな事を考えながら行く診療所までの道のり

しかし今間違いなく言えるのは

「愛されたい」と少しでも願った時点で

私は父親失格であるということだった

列車を待つ彼女を横目に

私は沈んだ口調で彼女に

「気付いたんだ俺はどう頑張っても弥子の父親になれないって・・」

「父親と思ってくれとか偉そうなこと言っておいて」

「自分は何もできないのだと実感したよ」

「ごめん」

と懺悔した

優しく頬を撫ぜる温かな春風

私は決意したことすら叶わない人間であると

自嘲癖のある私は自分の無能を弥子に披露しているかのように感じた

今の私にはこの心地よく頬を撫ぜる春風すらも

冷ややかな侮蔑が混じった鼻笑いのように感じられた

沈む私の急な話に彼女は少し戸惑いながらも

「そんなに謝らなくてもいいですよ」

「何があったかは知りませんが」

「あの時そう言ってくれただけでも凄く嬉しかったんですし」

「先輩はよく私の為にしてきていますから」

「そう気をおとすことありませんよ」

と私を励ましたが

それでも私は

内心で決意を貫けられない自分自身を自嘲した

私は

「俺は自分の中にある心の罪を許さない人間でね」

「とにかくごめんね」

と話した

突然の事に理解する方が無理であろう

口篭る弥子に私は

「でも今まで尽くしてきた優しさは」

「純粋に一途なものであると言うことは」

「分かってほしいかな」

と伝えた

以前弥子は戸惑ったようすを見せながらも

「はい」

と静かに答えた





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Last updated  2009年08月03日 09時55分14秒
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