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2009年07月04日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
私はその男を見捨てたつもりでいた

煮え汁を飲まされる思いを何度もした私は

その男を猿から生まれた野蛮人であるかのように

憎悪と侮蔑の対象として見ていた

以前このブログで書いた「大作」という男

(詳しくは「至福と喪失」参照)

私はこの男に対して何の期待も持つ価値さえないと考え

記憶の奥深くに葬り去っていたつもりだった

後輩から大作についての話を聞くまでは





「もう二度としない」と言ったあの日からようやく半年近くが経った

私は深い深い傷をようやく克服し

まだ希望はあると言い聞かせながら徐々にその傷を塞いできた

治癒が進んで余裕の出てきた私は

外面的な言動からも周囲の人間に

「あれはもうどうでもいいのだ」と言い放ち

割り切った様子を見せ始めていた

そんな私の様子に安心したのか

数週間前後輩の一人が最近の大作の事について私に話しをしてくれた

後輩は嘲笑うかのような含み笑いと共に

「あぁ大作先輩また浮気紛いの事してましてねぇ・・」



「色々ちょっかいかけてましたよ」

「あと他の先輩にも色々としていたようで・・」

と話した

私は頭より先に口が出ていた

「滑稽だな」



私は低く低く声を発した

瞬間的に感じたのは大作に対する失望感

私はその事について不愉快に思ったが

その感情を抱いたという衝撃に自分自身驚いた

先ほど書いたように私が大作の事についてもし本当に

「どうでもいい人間」と思っていたのならば

その人が何をしようと不愉快に思ったりなど有り得ない

しかしながら大作に対して失望感を覚え不愉快に感じた私は

大作に対してまだ心のどこかで見捨てず期待していたのだった

大作に対する「期待」

私はそんな気持ちがまだあるのかと自分自身に驚愕しながらも

同時にその気持ちを裏切られた事に対して失望していたのだった

何度目になるか分からない裏切りと嘘

もう「どうでもいい人間」であると思っていた筈だというのに

なぜ私は大作に対して期待をしていたのか?

なぜそんな心があるのか?

どこからそんな希望を思う要因を得たのか?

おそらくそれは私自身が思想や自論として

「人は成長し進化していく」

と考えているからか

いや・・寧ろ思想と言うよりも願望に近いだろう

今回また裏切られた「期待」だが

やはり心のどこかでまた私は

大作に対して期待し続けるのであろう

なぜなら大作に対して私が「期待しない」という事は

大作に対して「成長しない」という

諦めの意味合いを帯びてくるからで

私がそれを事実として認めてしまえば

自論である「人は進化し成長していく」という考え方との

矛盾が私の自論を壊わしてしまうような気がしたからだ

勿論実際のところは本当に極一部の人間だけが

反省し成長しないだけのことであって

数多の人間は成長し続けている

仮に大作がその極稀な例外的な成長しない人間であったとしても

それが元に自論が崩壊する訳ではない

つまり私が大作に対して「期待」を持つ理由は

自論の崩壊以外にもあるのだ

自論の崩壊はその理由のうちの一つということでしかない

他の理由は・・・

自分の事だというのに「おそらく」という表現を使うが

おそらく私は大作に対して

口先では侮蔑していても

心の奥深くでは大作に対して愛情を持っているから

見捨てられないのか・・・・と私は自身を自己解釈する

しかし

そんなにも高尚な愛情を持つほど

私は温かい人間である筈がないと異論を唱える心があるのも事実

私はその後色々と考えを巡らせた

しかし

明確な答えのない問題

また

自分自身の事であり誰も答えを知らない問題について

無理に答えを求めることが不毛であると気付いた時

私は考える事を止めた

そうして数週間前に友人に言われた言葉を私はふいに思い出した

「お前は外面的な愛情を出さない奴だな」

「遠まわしで間接的だから」

「相手にとって分かりにくい愛情だな」

普段友人は私に対して厳しい事を言う人間で

今回の彼の言葉も批判染みた説教

或いはただの客観的立場から見た感想であったかもしれないが

私はその時初めてその友人に称賛された気がした

私はその言葉に対して

「そうか。その通りだな。」

「しかしそれが俺の愛情の形だ」

「その人に好かれる行動をするだけが愛ではない」

「時にはその人に嫌われる事をすることも愛情だと思うな」

と聞いてもない自論も付け加えて言葉を返した私

同じように

大作に対して言うなれば迂遠な愛情を捧げているかどうかは

自分でもわからない

しかしながら最終的な結論として私は一つだけ言える事がある

それはこの先もやはり「期待」をし続けて行くであろうということだ







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Last updated  2009年07月06日 16時14分31秒
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