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2025.11.30

読書レビュー　「ブレイクショットの軌跡」逢坂冬馬：著　早川書房

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テーマ：読書(9641)

カテゴリ：読書

（以下、Amazonより）
”底が抜けた社会の地獄で、あなたの夢は何ですか？

断片的に読んでいると、全体像を把握できなくて、それぞれの章でそれぞれの物語を追うことになってしまう。読んでいて興味を持ったのはマネーゲームの狂騒と悪徳不動産会社の陥穽といった身近な（？）話でつながりがあったところ。もちろん、全体としては”ブレイクショット”という車を通してその軌跡に追随するように全体が繋がってはいるのだが、最後まで関連はすれど直接的なものはない。
詐欺に翻弄され、車泥棒という事件は日々のニュースでも見知った出来事であり、アフリカの襲撃事件などは遠い存在だ。狂騒する騙された人々、騙す人々はその心理も相まって読書欲を掻き立てた。しかし、章がかわり自動車期間工や「アフリカのホワイトハウス」については読まないとすすまないから読んだという感じ。私の興味の持ち具合が合わなかったのだろう。”『同志少女よ、敵を撃て』を超える最高傑作。”とあるが、私にとってはスナイパーとして育てられた少女の世界が遠いものであるけれど、小説の中の物語として深く読めた。このスナイパー物語の方がまだ私に合っているように思える。
圧巻なる本を読み終えた。そして、逢坂冬馬の著書はしばらく読まない、と思った。