真理を求めて

真理を求めて

2004.02.05
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日刊ゲンダイに「田中康夫の奇っ怪ニッポン」という連載がある。これはネットでも見ることが出来るので、新しい記事がアップされると僕はよく見に行っている。この最新版に

「古賀潤一郎問題 自民党の笑う嗤っちゃう対応
http://gendai.net/contents.asp?c=025&id=37

という文章がある。これが全くその通りといえるものだったので、例の「学歴詐称問題」に対して抱いていたもやもや感が吹っ切れたようで何となくすっきりした。

「嘘つきは泥棒の始まり」と言った福田康夫官房長官の言葉に対し、それは目くそが鼻くそを嗤うようなものだと切り捨てて、次のようなことを指摘している。

「その偉大なる嘘吐(つ)き振りに於いては人後に落ちぬ中村喜四郎、鈴木宗男の両氏を筆頭とする当時の代議士に、離党に留まらず辞職もすべし、とは迫りもせず、全ては御本人がお決めになる事、と護り続けたのが自由民主党の歴史です。」

古賀議員へのバッシングにどうも違和感を感じていたのは、そうかこのせいだったのかと気がついた。古賀議員が批判に値するのは確かだから、批判されるべき点を批判してもそれはいいだろう。僕は古賀議員を擁護するつもりはない。しかし、それならダブルスタンダードではなく、他に批判されなければならない議員を見過ごしていてはいけないだろうと思う。

古賀議員が批判されるべきは、悪意ある詐称というものに対してではなく、考えの甘さやその後の対応のまずさという見識のなさの方こそ批判されなければならないのではないかと思う。悪意ある詐称であれば、もっと巧妙に言い逃れできるやり方を使っているのではないだろうか。

「中村喜四郎、鈴木宗男の両氏を筆頭とする当時の代議士」と語っている自民党の議員たちは、まさに巧妙な言い逃れを使ってきたのではないだろうか。言い逃れが出来るということは、ばれたときのことを考えて手を打っているのだから、かなり悪質だと思う。自民党が批判の矛先を自らにも向けなければ、まさに目くそ鼻くそを嗤うという感じがするだけだ。



「議員歳費を裁判所に供託する、と述べている古賀氏は「政治家の姿勢として極めて不適切」「そうした姿勢そのものが有権者の政治不信を増幅させる事に思い至らなかったのだろうか」と斬り捨てる「西日本新聞」を始めとする新聞社の皆さんは、未だ選良たらんと欲する山崎氏にも同様の科白(せりふ)を贈らないと、ヴァランスを欠いちゃうよ。」

新聞にジャーナリズム感覚が欠けているというのは、もうかなり以前から言われているけれど、その謎解きも田中知事はしてくれている。これもかなり共感できる謎解きだ。次のように語っている。

「辞職、と街頭演説当日の朝刊で打ったのに空振りさせた古賀は、俺達の面子を潰した。誇り高き表現者の皆さんは、泣く子も黙らせる警察一家すら真っ青な八九三体質なのですねぇ。日本を駄目にしているのは、政治家以上に新聞社だったりして。」

新聞を始めとするメディアがこのように傲慢な姿勢を持っていたのでは、その本質をえぐるようなジャーナリズムなどは期待できるはずもない。傲慢な姿勢で書いた記事に共感するような世論を作ったら、世論の傲慢さが進むべき道を誤らせるようにもなるだろう。かつての戦争の歴史がそれを物語っているような気もする。

田中知事のセンスというのは、やはり素晴らしいものだなと思う。「目から鱗が落ちる」という指摘に感じている。

さて、サマワでは相変わらず日本の自衛隊の人気が絶大なものだというニュースが連日日本のマスコミをにぎわしている。一方では、イラク北部では、クルド人の政党事務所をねらったテロで100人以上が死亡するという大惨事が起こっている。同じイラクで展開しているこの二つの事実の意味をどうつなげたらいいのかが全く分からなくなってきている。

自衛隊に対する期待は、サマワの人々の大いなる勘違いであると思うのだが、勘違いしてでも期待を抱きたいという気持ちには、痛々しさを僕は感じてしまう。日本がちょっとくらい損をしてもいいから、サマワの人々の期待には半分くらいは応えてくれないものかと思う。そして、イラクの復興には、アメリカではなくて日本を中心にやってくれと、イラクの人々に言わせるようにならないかなと、むなしいかもしれない期待などを抱いている。

「<サマワ>「日本ブームは米国不信のため」 シーア派指導者会見
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040201-00000061-mai-int

という記事があったが、イラクの人々の米国不信は、そう簡単に消えるものではないから、日本に対する期待までも消えてしまったら、イラクは本当に絶望的な状態になってしまう。米軍は、自分のみを守るために、かなり滅茶苦茶な「自己防衛」をしているから、むしろ不信は募っていくかもしれない。上の記事には日本が期待に添えなかったときはどうなるかと言うことに対して次のような記述もある。

「すぐに反発が強まることはない。知識層は、日本の限られた支援内容を知っているし、大衆は「米国が邪魔をした」といった何らかの別の理由を探ろうとするだろう。暴動に発展するようなことはない。」



「イラク大量破壊兵器、独立調査委の設置発表…米大統領
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040202-00000015-yom-int

「英国も調査開始を発表へ=イラク大量破壊兵器問題
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040203-00000513-jij-int

という二つのニュースでは、米英両国とも、まだまだ論理を曖昧にせずに、ちゃんと筋を通そうという感じになっているので、このことの今後を注目していきたいと思う。また、日本でも同様の調査をするかというのを国会で質問していた人がいたようだ。昨日のニュースを見た限りでは、小泉首相は、「日本には調査能力がない」というようなことを言って、米英の調査の行方を見守りたいというような感じの答弁をしていたように見えた。



大量破壊兵器がないだろうということは、専門家の間ではかなり言われていたことだ。大量破壊兵器の危険性という情報は信憑性が薄いという判断も出来たはずだ。それがなぜ出来なかったのか、検証しなければならないと思う。だいたい、経済制裁を受けて、日常生活にも困るような国が、大量破壊兵器の開発を続けていられるものだろうか。世界中が注視する中で、支援をする国だっていなかっただろうに。むしろ、大量破壊兵器があるという確固たる証拠がなければそんなことは信じられない。それがちゃんとあったのかどうか。今なら機密ではなく、それが言えるのではないだろうか。





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最終更新日  2004.02.05 09:23:15
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