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2004.02.27
「「正しい戦争」は本当にあるのか」 藤原帰一
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国際政治学者の藤原帰一さんの「「正しい戦争」は本当にあるのか」という本を買った。昨日買った本であるのに、もう半分ほど読み進んだ。面白いということもあるのだが、非常に分かりやすいということを感じた。それは、難しい言葉を使っていないということのわかりやすさだけではなく、実に論理が明快で、論理的にわかりやすいという印象を受けた。この本の帯には、「論理としての平和主義」という言葉もあって、まさにこの看板が見事に表現されていると思った。
まだ半分ほどしか読み進んでいないのだが、この本は表題にあるように、「正しい戦争」への疑問を提出している。おそらく、それは論理的にあり得ないということの証明をしているのではないかと僕は予想している。論理的に世界のつながりが見えてくれば、戦争の否定をせざるを得ないのだと言うことを説明しているような気がする。その世界全体の論理的な見方が出来ないので、正義のための戦争などという錯覚を持ってしまうといっているのではないかと僕は思っている。
藤原さんは、まず始めに戦争のとらえ方には大きくまとめると3つくらいあるという説明をしている。それは、次のようなものだ。
1 悪いやつが戦争を起こすので、戦争を起こそうとするような政府は取り除かなければ平和は訪れない。(正義のための戦争)
2 戦争というのはあくまでも力関係で起こる。正義とか邪悪とかいう価値観と切り離す。(国際政治学のリアリズムの立場)
3 武器がある限り戦争は起こるから、武力の保持そのものを禁止し、武器をなくしていこうとする方向。(憲法9条の立場)
この3つは、戦争のとらえ方としては実に論理的に明快だ。それぞれがある場合分けに応じての主張になっている。その場合分けを認めるならば、論理的には正しい主張に見える。しかもその場合分けが、考えられ得るすべての場合を包含していると思われるから非常に論理的にすっきりして見える。
1の立場は正義の戦争を認める立場だ。「正義の戦争があるならば」という条件を認めるならば、この主張にも一理ある。2の立場は、戦争には正義も不正義もない。それは力関係というメカニズムによって起こるものだという醒めた見方だ。これは醒めているだけに、そのメカニズムを制御できるならば戦争は避けられるという帰結をもたらす。僕にとってはちょっと魅力的な立場だ。3の立場は、武器が悪いという立場だが、これは武器を使うことが悪いというふうに言い換えられる。つまりすべての戦争が悪いという立場で、正義の戦争はあり得ないという立場だ。
正義の戦争を認めるか認めないかで、1と3の立場の違いが表れ、正義という概念を戦争全体には当てはめないということで2の立場が表れる。なおついでに言っておくと、2の立場は、戦争という全体に関しては正義・不正義の判断を当てはめないが、個々の戦闘行為には、具体的に正義・不正義を検討は出来ると僕は思っている。守る手段を持たない一般市民に対する犠牲を織り込んだ攻撃は不正義だと僕は思う。
3の立場の人は、心情的なものが先行する平和主義の人が多いのではないだろうか。この立場は、個人の心情としては美しいものがあるし、よく分かるのだが、現実的には弱いものがある。世界に厚い信頼感の輪がなければ、自ら武器を放棄するということが出来ないからだ。これはある種の性善説の立場に立たなければならず、現実には性悪説のように見えることが多いので、前提として相手の善意を信頼するということが大変難しい。特に、現在のように、安全が脅かされていると感じている人が多い時代は、この立場は非常に弱いものを感じる。
僕が最大の魅力を感じている2の立場は、本来はもっとも現実的で可能性の高い立場であるのに、支持は必ずしも多くないというのが現状ではないかなと感じている。まず道徳心の厚い人にとっては、価値判断と切り離すことが引っかかってしまうのではないだろうか。また、力のあるものにとっては、冷静に判断してその方が得だと思ったら、道徳と関係なく戦争に踏み切るという立場にもなりかねない。
しかし、社会のなかで力のある人間というのは、多数者ではない。圧倒的多数の人間は大きな力を持っていない。戦争で儲かる人間の方が少ないのだ。圧倒的多数にとっては戦争で被害を受ける方が多い。そうであれば、冷静に判断が出来れば、民主的な方向としては戦争を阻止する方向へ行くはずだと思う。心情的な平和主義である3の立場は、ある種の非現実性に反発する人間もいるけれど、2の立場を本当に理解できれば、平和主義の方が自分が寄って立つ立場だと思える人が増えるのではないかと僕は期待しているので、2の立場がもっとも魅力的に見えるのだ。
戦争に対して、この3つの立場があるということは、考えを進める上でとても役に立つ。自分がどの立場に近いのかを自覚しながら、現実の戦争を見ていくことで、自分が選択する立場が、どれほど本当に自分の現実にあっているかを見ていくことで、正しい判断につながっていくのではないだろうか。
藤原さんは、「論理としての平和主義」を提唱しているので、何とか戦争を否定する論理の構築も提案しているのだが、それには二つの方向があるらしい。これもまとめると次のようになるだろうか。
1 経済統合が戦争を防ぐという考え方。お互いが経済的に依存しあうようになると、戦争をすることでかえって経済的な損失が大きくなり、損得勘定から戦争を避けるようになる。
2 民主主義の発達によって、多数者の意志が実現されるようになれば、殺されるかもしれない多数者が戦争に反対するようになる。戦争をやりたがるのは、戦争では直接殺される心配がない一握りの権力者だという考え方。
これは、単純な論理としてはかなり魅力的な論理だが、現実はこのように単純には進まないから、最終的にはこのような方向へ向かうかもしれないけれど、紆余曲折をしてなかなか遅々として進まないなというのが現実なのだろうか。
実際には上の論理に反するような現象も見えたりもする。イラクで戦争をすることは、アメリカの全体に関しては損の方が大きかっただろうが、副大統領のチェイニーが関係しているハリバートンなどにとっては、むしろ得になることなので、経済的な面からいえば、チェイニーは戦争をやりたがるかもしれない。そのやりたがる人間が権力の中枢にいて、戦争をするかどうかの決断に大きな力を持っていると、1の論理はやや弱くなる。
そうするとやはり2の論理の方に期待を寄せたくなるのだが、イラク戦争にこれだけ世論が反対した日本でも、政府は自衛隊を派遣し、アメリカを支持し、戦争に荷担していった。日本のようなアジアではもっとも進んだ資本主義国でさえ、民主主義に関してはこの程度のレベルだとしたら、民主主義の発達などいつのことになるか分からない。
正義の戦争が問題なのは、相手を邪悪だと思えば、自分とは今のところ直接の関係はなくても攻撃できるという、侵略の論理に結びつく恐れもあるからだ。大量破壊兵器の危機が証明できなくなったイラクに対する戦争は、その後半は邪悪なフセイン体制の打倒という、正義の戦争の侵略の面が出てきたような感じがする。そこで、侵略の恐れのある正義の戦争は否定するが、自衛のための戦争はやむを得ないものとして許容するという考え方が生まれてくる。
戦争というのは、単純な論理で片づけられるものではない。そこには難しい問題がたくさんある。その難しい問題を、すっきりと整理してくれるような論理的な考え方というものを、この本が教えてくれる。まだ半分ほどしか読み進めていないが、この難しい問題に、どれだけすっきりとした論理的な回答を与えてくれるか、残りの半分を楽しみに読み進めていきたいものだと思う。
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最終更新日 2004.02.27 09:49:37
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