真理を求めて

真理を求めて

2004.04.25
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昨日の日記で紹介した綿井さんの報告には、綿井さんが石を投げられて驚いたというようなものがあった。それまでは、そのような扱いは受けなかったのに、イラクでの反日感情がかなり剥き出しになってきたという印象を受ける。このイラクでの反日感情というのは、マスコミのニュースではほとんど伝わってこない。自衛隊を派遣したことによって、日本は米軍側に立ったということが鮮明になったので、反日感情が高まると心配した人は多い。今回の人質事件も、その現れだという人もいる。実際のイラクでの反日感情がどうなのかを報告しているニュースをちょっと探してみた。

まずは、 「久保田弘信イラク日記 1月25日」 に記述されているものを見てみよう。

「夜でもサマワは非常に治安がよさそうだ。そう 見えるのが恐い。バグダットではかなり反日感情をむき出しにされた。サマワにも反日感情を持った人がいるのが当然だと思う。彼らがいつ急変するのか、それを考えると平和すぎるサマワが余計に恐い。」

この時期でもすでにバグダッドでは反日感情がかなりあったと言うことが書かれている。それに比べて「サマワに入ると予想以上の日本人歓迎ぶりに驚く。もともとイラク人は日本人に好感をもっていてくれたが、今のサマワの歓迎ぶりは異常だ」と、サマワの状態がおかしいということも書いている。ケン・ジョセフ氏によれば、サマワでは自衛隊歓迎の意志を表すことが、地元有力者の意志だったというようなことも語っていた。

すでに、この時点でもかなりの反日感情があったように見えるのに、それは報道されていない。しかし、人質事件をきっかけにして、それを無視することが出来ないくらいに反日感情が顕在化してきたのではないだろうか。数は少ないが、最近のニュースからちょっと探してみた。

「一部に“反日感情” イラク戦で米英支持「裏切られた思い」」

見出しでは「一部」と書いてあるが、これには疑問を感じる。本当に一部なんだろうか。日本人であると言うだけで石を投げられるという反日感情は、かなりイラクの人々に共通な感情になっていないだろうか。ここに記述されている次の事実をどう受け止めるかは大事な問題だと思う。

「自衛隊のイラク展開についても、復興の手助けになると歓迎する声がある反面、「軍服」に対する違和感を口にする市民も多い。バグダッドで会った店員は、「イラク戦前は日本人が好きだったが、今はそれほどではない。自衛隊は平和目的で来ているというが、米国の圧力がかかっているのは間違いない」と複雑な思いをのぞかせる。」

自衛隊派遣の建前の平和目的と、本音の部分の米軍支援に対して、イラクの人々は正しく見つめているのではないだろうか。もしそうであるなら、反日感情が蔓延する方が論理的には整合性があるように見える。



「イラク人雇用拡充 橋・道路再建事業も」

というニュースでは、次のような記述がある。

「先崎一・陸上幕僚長は22日の記者会見で、イラクの治安情勢について、「イラク全体が不安定な状況だ。サマワ周辺は比較的安定しているが、油断できない」と述べた。その上で、「現地の(自衛隊への)期待感は非常に大きい。これにこたえる事業をしないと期待を裏切り、(自衛隊の)安全確保のうえで非常に大きな問題になる」と懸念を示した。」

これは、イラクの反日感情を直接語る記事ではないが、自衛隊の責任者でさえも、期待を裏切れば問題になると語っている。これは、期待を裏切れば反日感情が、サマワでも高まるというふうに受け取れないだろうか。

記事が少ないにもかかわらず、僕にはイラクで反日感情が高まっているように感じてならない。この反日感情が高まっている原因は自衛隊派遣にある、と考えるのは論理的に整合性があると思うんだけれどな。

最後に、世界の常識を感じるニュースを引用しておこう。

「「日本人は人質に冷たい視線」 米メディア 「お上に盾突き」非難浴びる」

「AP通信は同日「人質に非難の嵐」との見出しで記事配信。三人が「政府の警告を無視した」「自衛隊を危険にさらした」理由で非難され「受刑者のように家に閉じこめられている」と伝えた。CNNテレビも「黄色いリボンはなかった」と放映した。タイムズ紙、AP通信とも「危険を恐れない国民がいることを日本人は誇りに思うべきだ」とのパウエル米国務長官発言を使って、日本人の反応に異議を唱えた。さらにタイムズ紙は「三人の罪はお上に盾突いたことだ」と分析。政府が言う“自己責任論”を「結局、政府に何も期待するなと言っていることと同じだ」と批判している。」

3人の人質を批判するのなら、非常識な「自己責任論」で批判するのではなく、もっとまともな意見で批判してもらいたいものだと思う。そうでなければ、今回のことを教訓にすることはできないだろうと思う。

「「不可解」な日本? 人質への非難に驚く米社会」

「イラク日本人人質事件で、解放された人質が日本国内で冷淡に扱われたり、非難の声を浴びていることに、米国で驚きが広がっている。善意を尊び、職務の使命感を重視する米国人の目には、日本での現象は「お上」(政府)が個人の信条を虐げていると見え、不可解、奇異に映っているようだ。
 米主要紙には22日から23日にかけ「OKAMI(お上)」や「JIKOSEKININ(自己責任)」という日本語が並んだ。
 ロサンゼルス・タイムズは「敵意の渦中への帰還」という見出しで人質への対応問題を特集。
 小泉純一郎首相が政府の退避勧告を無視しイラク入りした人質を、自己責任論を振りかざし非難したと伝えた。同紙は、対照的な例として、カナダの人道援助活動家の人質が地元モントリオールで温かい歓迎を受けた例を紹介、日本の例は「西側諸国とはまったく違った現象だ」と評した。」






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最終更新日  2004.04.25 12:35:46
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