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2004.07.25
敗戦の理由
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小熊英二さんの「<民主>と<愛国>」は、間違った戦後史認識を改めるために書いたと小熊さん自身が語っている。戦後史認識で大事なものとして、小熊さんは、戦後思想の理解を中心に据えているが、それは「その背景となった戦争体験を知らずして、理解することは出来ない」とも語っている。そこで第1章は戦争体験について書いている。
その書かれている戦争体験は、戦争中のモラルについてのものを中心にしている。これは、戦争中のモラルの崩壊というものが、ある意味では敗戦をもたらしたと解釈できることから、その反省から戦後思想がスタートしたと考えることが出来る。そういう意味で、モラルの問題は戦後思想に対して大きな影響を与えたと小熊さんは判断している。
僕も、小熊さんが語るこのモラルの荒廃というものが、やはり戦争に負けた原因として大きなものだと感じる。これは、モラルさえ保つことが出来れば勝っていたかもしれないという後悔を感じているのではない。侵略戦争であった日本の戦争は結果的に負けて良かったのだと思う。むしろ、侵略戦争であったが故にモラルの崩壊が必然的に伴い、それが戦略のデタラメさに結びつき、戦闘に勝てない条件を作り上げて敗戦に結びついたと、合理的に理解できるような気がするのだ。
これは、アメリカのイラク戦争にも通じるものではないかと思っている。イラク戦争もアメリカの侵略であることは間違いがない。しかも、アメリカ軍にモラルの荒廃がもたらされているのも日本の場合と同じだ。武器においては圧倒的にアメリカ軍が勝っているのに、未だにアメリカは戦争に勝利していないように見える。モラルの崩壊は、やはり戦争へのミスを誘発し、必然的に勝てない戦争になっていくのではないだろうか。
日本とアメリカの戦争は、武器においても圧倒的に劣っていた日本が負けたのは必然的だったが、もしイラク戦争で、逆に圧倒的に武器において勝るアメリカが、戦闘においては勝ったが「戦争そのものには勝てなかった」という結果に終わると、モラルの崩壊した国は戦争に勝てないということがかなり法則的なものになるかもしれない。
さて、小熊さんの記述で、モラルの崩壊を具体的に見ていくと次のようなものがあげられている。まずは、セクショナリズムに毒されていた軍隊内の無責任からくるモラルについて書いている。当時の大本営海軍部の参謀の回想を引用しよう。
「……事務当局は二手に分かれて、情勢判断を起草する組と、政策事項を起草する組とになっていた。本当なら、情勢判断に基づいて政策が生まれるはずなのだが、両者並行して起草するから、情勢判断が決まらないうちに、政策が決定してしまった。いや、本当は、「こんな決定をしなければならないから、御前会議を開いて貰おう。御前会議を開くとなれば、情勢判断を提出せねばならぬ」という具合であった。結論が先で、判断は後であった。」
このようなことをしていれば、現状を正しく認識することが出来なくなり、判断の間違いがたくさん出てくるだろう。日本軍の戦闘においては、無駄死にとも言えることがたくさんあったのではないかと想像させる。軍隊内の問題として次のような指摘もある。
「そもそも陸海軍の上層部では、中央勤務が出世コースであり、前線行きは忌避されがちであった。そのため中央には、前線の実情を知らないものが多かった。戦局の厳しさを認識して意見を具申しようとした大本営海軍部の参謀は、同僚からこう制止されたという。「こんなことを言い出したら、貴様は明日にでもニューギニアかソロモンの最前線に転勤だ。戦死するのもいいだろうが、闇から闇に葬られることになるんだ。」
イラク戦争においてアメリカを支持することの間違いを提言した天木直人さんが、その提言の正しさ故に外務省を去ることになったということは、この無責任構造はまだ日本社会に温存されているのだなと思う。もっとも判断にふさわしい人間の判断を信頼せず、何も知らない判断能力のない人間の判断が、単に上の地位にあるというだけでとられてしまう。しかも、その判断が間違いであることが明らかになっても責任をとらないシステムができあがってしまっている。
無責任のシステムの例としては、小泉首相が、その隊員の手記に感動していた特攻戦法についての指摘もある。特攻に行かされる人間が、死を前にしたぎりぎりの精神状態で考え抜いたことに対しては、たとえ特攻に反対するものでも、その心情に感動をすることがあるかもしれない。しかし、特攻戦法の基本にある無責任さを知ってしまったら、それがいかにむごい感動なのかというのも感じるのではないだろうか。
特攻戦法については、その戦果が期待できないことがすでに軍上層部では予測されていたらしい。小熊さんに寄れば、
「海軍令部の予測では、8機から10機が同時に最良の条件で命中しなければ空母や戦艦は撃沈できないこと、出撃する特攻機のうち一割程度が敵の位置に到着できるだけであろうことなどが、沖縄戦の時点ですでに算定されていた。そのためもあって、特攻で沈められた大型艦船は存在しなかった。」
そうだ。特攻戦法は、実際に戦果を挙げるために考えられたというよりも、これだけのことをしていると宣伝のために使われた可能性が高かったようだ。フィリピン戦線にいたある陸軍パイロットの回想には次のようにあるらしい。
「当時の高級参謀たちは、上からの命令に何とか帳尻を合わせることに必死であった。つまり、特攻を出すことによって、架空の戦果を作り出すわけである。
しかも、いったん特攻に出した人間が生きていることは、彼らにとって、はなはだまずい。せっかく作り上げた架空の戦果は台無しになるし、特選を申請したのも嘘になる。これは何が何でも本人に死んでもらわねば面子が立たない。」
特攻戦術は、航空隊だけでなく、1945年4月、戦艦「大和」と護衛艦が沖縄への「水上特攻」に向かっていったそうだ。このときの状況を小熊さんは次のように書いている。
「ほとんど何らの戦果もなく米軍機に沈められた。この出撃に成算がないことは海軍中央も承知であり、しかも出撃の数日前までは、そうした計画自体が存在しなかったといわれる。」
ここでもやはり無責任の構造が現れている。これは、
「もと連合艦隊参謀長の日記によると、「大和」出撃のきっかけは、海軍の軍令部総長が、沖縄への特攻作戦計画を天皇に上奏したことだった。その際、「航空部隊だけの総攻撃なるや」と天皇の質問があり、総長がその場で「全兵力を使用いたすと奉答」したのである。」
この作戦で4000名近くが死んだという。「しかし、そうした命令を下した司令官や参謀が、作戦失敗の責任を問われることはなかった」そうだ。失敗に対して責任をとらないのだから、失敗を防げるわけがない。このようにして、無責任というモラルの低下が、敗戦までの悲惨な道を準備していったのだなということがよく分かる。
このような軍隊内部の無責任体制は、映画や小説ではよく描かれているかもしれない。五味川順平の「人間の条件」や「戦争と人間」にはそのようなものを感じる。おそらく、これが本当の姿に近いのだろうと思うけれど、映画や小説はフィクションであるから、これを本当だとそのまま受け取るわけにはいかない。しかし、歴史教育では、このあたりのことはほとんど教えられないのではないだろうか。僕も、このようなことは、学校で教えられたのではなく、自分で調べて勉強したものだ。
軍隊のモラルの低下は、そもそも無謀な戦争を始めたことの原因にもつながっているようだ。そして、戦争の悲惨さを増加させたのも、このモラルの低下の影響が大きい。そういう意味では、多くの日本人が学ぶ価値のある歴史だと僕は思うのだけれど、果たしてどれだけの人が、このようなことを知っているだろうか。
小熊さんは、モラルについては、この後に庶民の生活の間でのモラルの崩壊も語っている。戦争中は、軍隊のモラルの低下を始めとして、あらゆるところでモラルが崩壊していたのだなと思う。それは、きっとあの戦争が侵略戦争であったことが、モラルの崩壊というものに象徴的に現れているのだろうと僕は思う。この次は、その庶民の間のモラルについて見ていきたいと思う。
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最終更新日 2004.07.25 00:30:59
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