日本語では、変化という属性こそが動詞にふさわしいと言うことが言えそうだ。しかし、ここで困った問題がある。日本語で「好き」という言葉は動詞ではない。これは教科書文法では形容動詞に分類されている。形容詞に近い言葉として捉えられているようだ。しかし、英語では同じ意味を表現する言葉 like は動詞に分類されている。変化という属性が動詞の本質だというのは、日本語だけのものなのだろうか。
「好き」でない状態から「好き」な状態への変化は、「好きになる」という動詞で表現されたりする。また、自分の心理状態の変化を伴う表現になると、「好む」という動詞が使われたりする。僕は英語に詳しくないので分からないが、この変化する属性を捉えた意味が like の中に入っているなら、 like も変化する属性を含むことになり、動詞に分類されるというのが頷ける。英語でも変化する属性を動詞として捉えているのかなと思える。
英語では、 am,are,is などの be 動詞と呼ばれるものが存在を表し、これも動詞として分類されている。存在が動詞として表現されるという日本語との共通項は、とても面白いものだと思う。人間が感じることが、ある程度の共通項があるのだなと確認するのは、真理というものの共通性を感じることでもあり面白いと思う。