真理を求めて

真理を求めて

2011.07.20
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次の文章は批判ではないが、正確を期するため引用だけしておく。

■「防護服というと、放射能から体を守る服のように聞こえますが、そうではないんですよ。放射線の量を計るアラームメーターは防護服の中のチョッキに付けているんですから。つまり、防護服は放射能を外に持ち出さないための単なる作業着です。作業している人を放射能から守るものではないのです。だから、作業が終わって外に出る時には、パンツー枚になって、被曝していないかどうか検査をするんです。体の表面に放射能がついている、いわゆる外部被曝ですと、シャワーで洗うと大体流せますから、放射能がゼロになるまで徹底的に洗ってから、やっと出られます。」
これはその通りです。正しいです。見学施設でもこの現場で着るスーツを見ることが出来ますが、ナイロン製ですからアルファ線以外の放射線は貫通します。私も実際に現場を自分の目で見るまでは鉛の防護服を着るものだと思っていたのですが、実際は違いました。逆に言うと、鉛の服等が必要な程放射線の強いエリアが存在しないという意味でもあります。また、ナイロン製のツナギ服なわけですが、これは言われている通り、放射性物質が身体や衣服に付着して、それが放射線管理区域外部に持ち出される事を防ぐ為に着用するものですので、管理区域の出口で脱衣かごに脱ぎ捨てます。見学に来られればこの状況が見れますね。

ここでは、事実としては異存がないようだが、その解釈は違っているようだ。平井さんは、防護服が、その名前のように「防護」をするものではなく、「放射能を外に持ち出さないための単なる作業着」であることを問題にしているのだが、批判者の方は、放射能を防護するものではないが、そのことから、防護する必要がないほど低い放射能であることを推論している。どちらの方が解釈として妥当かということが問題だ。

鉛の服なら放射能から防護することも出来るのだろうが、それでは全く作業というものが出来なくなる。そこで、作業を優先するために、動きやすい服にし、総被曝量をコントロールすることで危険を回避しようとしていると解釈するのが妥当ではないかと思う。つまり、「防護服」は、防護をする服ではなく単なる「作業着」という解釈が妥当なのではないかと思う。

そしてその被曝に関しては、防護するまでもないほどの低い放射線量と考えるのではなく、あくまでも作業を優先させるために、危険を承知で、被曝の時間を設定してコントロールしているだけと解釈した方がいいのではないか。危険はあるのだが、ある一定時間内は、作業のためにがまんするという基準値が設定されていると理解することが正しいのではないか。

■「防護服には放射性物質がいっぱいついていますから、それを最初は水洗いして、全部海に流しています。」
これも誤った知識です。洗濯を行った時に出る排水は専用タンクに貯蔵され、放射能測定を行って、きちんと管理されています。測定を行って放射能が有れば放射性廃棄物として処理しますし、汚染のないエリアの作業服を洗っただけで、放射能が無い事が確認された水は普通の洗濯排水として放水されます。(公開資料より)
これもちょっと考えれば解ると思いますが、もともと放射性物質を人体に付着させないように、代わりに防護スーツに付着するだけで済むようにしているのに、その防護服の洗濯廃液をそのまま流すというのはあまりにもナンセンスですよね? 防護服で放射性物質の外部漏洩を防いだ意味が無いです。また前述のとおり、放射能を持った水を放水すれば放水口の放射能測定によって漏れているのがバレますので、垂れ流す事は絶対無いです。



一方平井さんの主張も、平井さん自身はそれを見聞きしてきたと言うことから語っているのだろうが、現場を知らない人間はそれの正否の判断が出来ない。平井さんへの信頼感からそれを信じる気持ちは生まれてくるが、この信頼性を高めるためには、平井さん以外にも、現場を知る人間が同じようなことを報告しているという事実があれば、もっと信頼性は増すだろう。それは見つかるだろうか。

九州電力のホームページには次のような記述があった。

「温排水の中に放射能は含まれるのですか。」
「答え
 原子力発電所では、管理区域内で使った雑用水や、修理や点検時に着た作業衣を洗濯した水の中に、微量の放射性物質が混ざることがありますが、それらの廃液は蒸発処理し蒸留水にしており、また放出する場合には、フィルター等を通したうえで放射能の濃度が十分低いことを確認し、冷却水(海水)と一緒に放出することにしています。
 従って、海へ放出する放射性物質の海水中での濃度は、十分低く抑えられており、人体に影響がないよう管理されています。」


これに寄れば、放射能はゼロにはなっていないようだ。問題は、その放射能が「いっぱいついている」かどうかと言うことになるだろうか。電力会社の語ることには信用がなくなっているので、九州電力が語るこのこともどこまで信用できるかは、他のデータを見て判断しなければならないだろう。

「敦賀発電所」

には次のような記述がある。

「1981年4月
福井県の定期モニタリング調査で、海藻から異常に高い放射能が検出された。調査の結果、敦賀発電所一号機の一般排水溝から放射性物質が漏洩したことが分かった。漏れた放射性物質はコバルト60であり、平常時の約10倍の量が検出された。さらに調査を進めたところ、一般排水路の出口に積もった土砂からも高濃度のコバルト60とマンガン54が検出された。しかし、一般排水路は放射能とは関係のない配水系統であり、ここからは放射性物質が検出されるはずがない場所であった。結局、放射性物質が検出された原因は、原子力安全委員会の調査によると放射性廃棄物処理旧建屋の設計・施工管理上の問題に、運転上のミスが重なったからとされた。
しかし、コバルト60とマンガン54が検出された原因は、この漏出が判明する前月に大量の放射性廃液がタンクからあふれるという事故が起きていたからであった。そして敦賀発電所はその事実を隠蔽していたことも同時に明らかとなった。つまりいわゆる「事故隠し」が行われていたのであった。この「事故隠し」によって、これ以降の日本での原子力発電に対する不信感が大きく芽生えるきっかけになったと考えられている」

これは、平井さんが指摘するような防護服からの汚染ではなく、事故だと言うことにされているが、これも真相はどうなのかは疑わしいかもしれない。ともかく、海が汚染されていると言うことは事実としてはあるということは言える。

「原発排水は、放射能ゼロではない」



「はじめの、設計では、排水は、放射能ゼロのはずでした、直接原子炉を通る冷却水は、密閉されているから、大丈夫なはずでした。
ところが、予想されなかった、<放射化>という、現象がおきてしまったのです、直接、ふれなくても、中性子線が、2次冷却水を、放射能の水に変えてしまうのです
その水は、排水として、海へながれていきます、それをごまかすために、基準値以下であれば、構わないということにしたのです。
ゼロに、しなさいとはいっていないのです。早い話が、大量のきれいな水で、基準値いかになるまで、薄めて、海に流しています。
ほんとうにうすめられているのでしょうか、何故、疑うかというと、その排水の出口をわざわざ、海底に、パイプを伸ばして、分からないように流しているのです」



「浜岡原発、日常的に排出されている放射能の恐怖!」

というニュースには次のような記述がある。

「以前は中部電力も風向きなどを考慮して、陸から海側へ風の吹く時を選んで環境への放出が行なわれていた。ところが、最近では中電側のそんな配慮もなくなり、風向きに関係なくいつでも放出されるようになったのです。それに原発はすごい熱を出すので、海水で冷やし、その水を海に捨てています。これが放射能を含んだ温排水で、毎秒数10トンも排出しているそうです。それに対しても原発周辺の住民はほとんど無関心ですから、海は汚れっぱなしです。」

どのようにして「これが放射能を含んだ温排水で、毎秒数10トンも排出しているそうです」と言うことを確認したのかが記事になっていれば良かったのだが、ここでは結論が語られているだけだった。さらに

「希釈の方式だった。原発温排水。小出裕章氏。」

というブログエントリーでは、最も信頼の置ける小出さんの言葉で次のような情報が書かれている。

「京大原子炉実験所・小出裕章氏
「原発温排水が海を壊す」~原発からは温かい大河が流れている~

以下、引用。

 温排水は単に熱いだけではなく、化学物質と放射性物質も混入させられた三位一体の毒物である。まず、海水を敷地内に引き込む入り口で、生物の幼生を殺すための化学物質が投入される。なぜなら海水を敷地内に引き込む配管表面にフジツボやイガイなどが張り付き、配管が詰まってしまっては困るからである。

さらに、敷地から出る場所では、作業員の汚染した衣類を洗濯したりする場合に発生する洗濯廃水などの放射性廃水も加えられる。日本にあるほぼすべての原子力施設は、原子炉等規制法、放射線障害防止法の規制に基づき、放射性物質を敷地外に捨てる場合に濃度規制を受ける。原子力発電所の場合、温排水という毎日数百万トンの流量を持つ「大河」がある。そのため、いかなる放射性物質も十分な余裕をもって捨てることができる。洗濯廃水も洗剤が含まれているため廃水処理が難しい。原子力発電所から見れば、苦労して処理するより薄めて流すほうが得策である。

 たとえば、昨今話題となる核燃料サイクルを実現するための核燃料再処理工場は、原子力発電所以上に膨大な放射性物質を環境に捨てる。ところが、再処理工場には原子力発電所のような「大河」はない。そこで、再処理工場は法律の濃度規制から除外されてしまった。逆にいえば、原子力発電所にとっては、温排水が実に便利な放射能の希釈水となっているのである。」

ここには、「作業員の汚染した衣類を洗濯したりする場合に発生する洗濯廃水などの放射性廃水も加えられる」という記述がある。平井さんの言葉を確認させるような記述だ。そして、原発の排水というものが、薄めているだけのものであれば、排水される瞬間には基準値以下のものになっていて、総量ではとてつもない汚染が垂れ流されることにもなる。平井さんの指摘の方が正しいのではないか、とこの情報を見てそう感じた。少なくとも、批判者が語るように「放射能が無い事が確認された水」ではないことは確かなのではないかと思う。それは薄められているだけで、総量としては、全部垂れ流されていると言ってもいいのではないか。「日本の海は汚れっぱなしです」という平井さんの言葉の方が信用できると思う。





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最終更新日  2011.07.21 00:17:56
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