January 28, 2011
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さて東京体育館では“愛ちゃん”を始めとする有名選手が試合をしていましたが、昨年札幌で開催された日本リーグやCSなどで放映されている様々な大会とは少々緊張感の違った感じに見えました。どの選手もこの大会にのぞむ気迫がいかに強いかを感じながら四日間じっくりと観戦させて頂きました。

多くの指導者や選手から「全日本ではベテランでも緒戦では最初の1球を打つまでは、緊張がほぐれない」と聞かされておりましたので、明日美の試合もジュニアの緒戦を終えるまでは、入場の時に右手と右足が同時に出てたりしていないかと、普通の親並みには心配しておりました。

全ての種目を見ましたが、特に気がついたのは強豪校における男子ジュニア世代のドライブ打法はラバーの摩擦力で回転をかけるのではなく、ラケットを上手く使って回転をかける打法が多くなっているように見えた事でした。

ボールのスピードアップ化では、特にバックハンドにおいて回転軸を意識してフルスイングする打法が多く使われているようで、わたくしの目にはチャンスボールに見えない高さのボールまで一発で打ち抜くような強打で会場を沸かせたりもしておりました。

現在男子では青森山田が日本のトップを走っており、野田学園が猛追している状況だと思います。もちろん東山、愛工大名電、明徳義塾、などの老舗の強豪校も追従しておりますが、前述の2校には少々水をあけられているように感じました。

サーブでは以前のように下回転サーブを台上で2バウンドするようなサーブもありますが、それよりも横下系の長いサーブを出して、相手がドライブでつないで来たところをカウンターしたりラリー戦に持ち込んだりしておりました。
青森山田の選手も多用しておりましたが、この展開に持ちこみますと、カウンターで瞬殺したり、大きく見応えのあるラリーになるので山田の選手の強さがより一層引き立って見えました。

最近はUチューブや無料動画サイトなどで各国のジュニア世代の選手のプレイを見ることが出来ますが、日本では無名のヨーロッパや、中東、アフリカの選手等もジュニア日本代表選手と好試合をしているのを見る事が出来ます。
また、これらの選手を見ておりますと、その個性と型の奔放さに感嘆符の連続となります。

比べて、日本選手の多くが似たような“型”となるのが多いのは、その型が現時点において最新・最良の型であるのではなく、学校教育機関を母体とした選手達を中体連・高体連で戦う事を中心にスケジュールを組み上げる事に起因してそうなるのではないかと思っています。

なぜなら、教員=監督は、選手が在学中に一定程度の成果を出せなくては内外にその存在感を示すことが出来ず選手募集にも支障をきたします。そのような事態に陥らないためにもやはり自身が育成した経験の中でより結果を出した“型”なり技術を、2年と数ヶ月という短期間の中で一日も早く選手に刷り込む事を選択せざる得ないのではないでしょうか。

また、各指導者が長く積み上げた指導経験は、もちろん画一的なものだけではなく、個々の個性を伸ばすに足りるだけの経験値は十分に備えているとは思いますが、残念ながら3年間の在籍期間でしかも毎年入れ替わって行く選手達に、柔軟かつバラエティに富んだ練習メニューと、個別指導を行うには十分な時間枠ではないとも思えます。
ですから残念ながらこの貴重な経験値は机上の理論としての指導方法として、ただ蓄積されていくだけとなっているのだと思っています。本当に勿体ない事です。

その日本式の体育教育的な考え方からの脱却で、昭和の時代に世界に君臨した日本卓球の復活を目指したのがエリートアカデミーなのでしょうが、昨年の岩手カデットと今回の全日本選手権では一定程度の結果は出しているようには見えておりますが、まだまだ卓球に携わる選手、指導者の考えている期待値までには到達していないと思え、拝見した試合の中でもエリートアカデミー指導陣が考えているであろう、高い理念を十分発揮しているようにはお見受けする事が出来なかった事もまた残念な事でありました。

大した実績もないのに生意気にも色々と感じたままに雑文でだらだらとお書き致しましたが、昨年の岩手カデットと今大会で誰よりも今まで10年以上も続けてきたわたくしの指導方法に脱力感と無力を感じたのは自分自身であります。

しかし総じて考えますと、基本的な理論・理念に間違いはない事も実感致しましたので、これからも今までのようにリセットと再起動を繰り返しながら、じわじわと理想の卓球に向かって進んで行くことを誓うことの出来た素晴らしい全日本選手権でありました。

はい。ただただ「卓球家族」で頑張るだけです。ええ…今までとなんら変わることはありません。





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Last updated  January 29, 2011 04:02:11 PM


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