男と会った日の夜。
カナメ「母さん。 今日森で変なおじさんに会った」
モメン「変なおじさん?」
セルパン「うむ。 研究所をさがしているらしい。 ここらにあると言っているんじゃが知らぬか?」
カラカサ「研究所・・・そういえばここは昔、研究所があったんじゃないか?」
モメン「確かにそうね。 大きな研究所があったって噂よ。 随分前に取り壊されたらしいけど」
セルパン「・・・」
カナメ「そのおじさん、ちょっとボケてるかもしれないから知らないのかも」
セルパン「あるいは久しぶりにここに来たのか」
カラカサ「じゃあその事をそのおじさんに言ってあげなさい」
カナメ「うん。 明日も一緒に探すって約束したから言ってやるか」
セルパン「そうじゃの」
みなが寝静まった夜。
セルパン(・・・何故じゃろう。 あの男。 はっきりとではないが何かが引っ掛かる。
遠い記憶の中、埋もれている記憶の中で)
次の日。
セルパン「・・・驚いたものじゃ」
カナメ「だよな! 急にいるんだもんな。 て、この辺りじゃなかったけ?」
セルパン「うむ。 確かにこの辺りじゃったはず。 お! おったぞ」
ウカラティ「何じゃ? お主ら? ここらじゃ見ない顔じゃな。 誰じゃ?」
カナメ「は? 何言ってんだよ。 昨日会っただろ? それにおじさんそんな話し方だったっけ?」
ウカラティ「昨日会った? 何を言っておるんじゃ?」
カナメ(おい・・・完全にボケてるだろ・・・)
ウカラティ「ん? お主! 顔つきが・・・セルパンに似てるな」
セルパン「あ、ああ。 というか本人じゃ。 昨日会ったじゃろ?」
ウカラティ「本人? 何をふざけた事を。 ワハハ」
セルパン「?」
ウカラティ「まだあいつは クレアール が・・・」
カナメ「セルパン。 やっぱボケてるん・・・じゃ・・・な・・い・か」
セルパン「? どうしたカナメ?」
カナメ「あ・・・あれ・・・な・・んか・・・おかし・・・い」
セルパン「なんじゃ! どうした!」
カナメ「セル・・・パン・・・あ・・・あ」
シュン。 カナメの姿は消えてしまった。
セルパン「な、なんじゃ・・・カナメ? カナメ? (何! 男も消えておる) どうなっているんじゃ」
・・・
セルパン「母上! 父上! 大変じゃ! カナメが・・・! 誰じゃお主は」
?「お前は実体ある人間か。 俺の名前を知りたいのか? 俺の名前は イセイサ 」
セルパン「母上と父上は?」
イセイサ「母? 父? 何を言っている? そんな大それた人間がここにいるとでも?」
セルパン「どういう事じゃ? ここに! この家にいたじゃろ! 2人が!」
イセイサ「ああ。 確かに2人ばかいたな。 幻 が」
セルパン「幻? 何を言っておる?」
イセイサ「話がかみ合わないな。 少しばかり 再生 させてもらおうか・・・なるほど理解した」
セルパン「再生?」
イセイサ「残酷だな。 いや優しいと捉えるべきか・・・分かりやすく言おう。
お前が親と家族と言っていた者たちは全てウティによって作られていた幻だ」
セルパン「な、何を言っておる」
イセイサ「フハハ。 お前は親がこの家に預けたと聞いてるらしいが違う。
これはお前の親がお前を育てるために作った偽りの家族。
お前の親はお前を捨てたんだ」
セルパン「捨て・・・た・・・」
イセイサ「カラカサと言う父もモメンと言う母もカナメという友達も全てお前の親が作った幻。
お前を代わりに育てる為のな」
セルパン「ワシの親が・・・作った? 幻? 何を・・・そんなの嘘に決まっておろうが。
父上も母上もカナメもついさっきまでいた。 存在していた・・・幻のはずが」
イセイサ「口だけでは分からないか? では見せてやる」
そういうとイセイサは何かをしてカラカサ達を出現させた。
セルパン「父上! 母上! カナメ!」
セルパンが呼び終わったと同時にまた姿は消えた。
イセイサ「分かったか? 全ては幻。
この家にはお前以外の誰も住んではいなかったということだ」
セルパン「う、嘘じゃ・・・嘘じゃ・・・」
イセイサ「( 真実
は言わないほうがいいな。 こいつは使える)
お前は誰かに必要とされたいんだろ?
家族と呼べるものが繋がりが欲しいんだろ?」
セルパン「・・・」
イセイサ「だったら俺と共に闇に来い。 俺がお前の繋がりとなろう」
セルパン「繋がり・・・消えてしまった幻の繋がり・・・お主がワシを?」
イセイサ「ああ。 お前を必要としている」
・・・
セルパン「薄い記憶の中、遠い昔、一度は失くしたはずの家族という繋がり。
しかし物心ついた時には偽りではあったが新しい家族が出来た。
時が経ち、その偽りの家族でさえ失った。
その日、ワシは物心ついてから初めて繋がりが出来た。
幻(マヤカシ)ではない本当のな」
リューム「だから・・・こんな所にか?」
セルパン「何も失くしかけたワシが必要とされた。
たとえそれが闇であろうとワシはそれが嬉しかったのじゃ」
リューム「だからって・・・何で・・・だよ。 ギリッ」
リュームは歯音を立てた。
To Be Continued
さてセルパンの過去編を一気に載せました。
切ない感じですかね?
この過去には・・・まぁ分かりやすい謎が幾つかあるんですがどうでしょうかね?
これが分かるのはかなり先になります(汗
第69話「Heat Up」 2009.07.12
第68話「エレクの覚悟」 2009.07.11
第67話「大喧嘩」 2009.06.26
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