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今週の驚き:新しく来たフランス人が言った。「ここっていつも突然で、いつも急がされるのよね(笑)。そして、隣人はとてもうるさい。」やっぱりそう思う?そして私は彼女に言った。「なんでなのかは、深く考えないのが一番よ。」でもそれが南スペインなのです・・・ スペインにいて、よかったことのひとつは、リーガエスパニョーラが観られること。日本でも観られるけれど、本場でスペイン人にまみれて観るのはまた違います。 しかし、このTVでのサッカー観戦、いつもBARで観るのだけど、ケムいのよね・・。1時間45分いると、目がやられて涙目。本当はゴーグルをして行きたいくらい。服にも髪にも匂いが付きまくり。これを考えるとうなだれる。おやじはみないい人たちなんだけど、おのおの10分に1本の割合で吸いまくっているので、店内はケムケムなのだ。みんなは慣れてるので、どうもないらしい。フランスもイタリアもカフェの禁煙化が進んでいる。スペインもどうか一日も早く禁煙になってほしい・・。 ある日、もうお風呂に入ってしまい、今さらタバコのにおいをつけたくないので、家でラジオ観戦することにした。が、これが雑な実況で、ちょいちょいCMが入る。まあCMはいいとして、わけのわからん、知らないおじさんたちが自分の意見をちょいちょい入れる。あんた誰?いいから実況しろ! 先日は、クリスチャン・ロナウドが一発レッドで退場のあと、15分も試合の流れがわからなかった。一切の試合中継なし!知らないおじさんたちがあれこれ、自分の意見を言う! だからあんたの意見はいいから、試合がどうなってるか、もうちょっとちゃんと言え! いかんせん、自己主張が激しいので、話が終わらない。試合の最後頃、ラウルが交代で入ってきた。一人のおじさんが言った。「ラウルって、今入れる必要ある?これが今日一番の疑問だよ。」 とにかく、あんた(誰だ?)にそんなこと言われたくないし、いいから試合がどうなってるか、実況しろおーーーーーーー!きいいいいいいいい 疲れた。結局あとでTVのダイジェストを観た。たとえケムくても、BARに行ったほうがまだ精神衛生上いいかもしれないなと私は思った。
2010年01月29日
今週の驚き: コンサート会場から出てきたカシージャス(レアルマドリッドのゴールキーパー)をTVカメラが直撃インタビューしていた。歩きながら答えるカシージャス。 その時、背後から携帯電話を持ったファンが走ってきた。一緒に写真を撮りたいのだ。二人は普通にたちどまってカメラにおさまり(優しいカシージャス)、その間、インタビュアーもインタビューをやめて黙って待っていた! 撮影中に普通にTVに一般人が入ってくる・・すごすぎ!それを普通に流すテレビ局もすごすぎ!このアバウトさが、この国の好きなところです。 再入国許可証を受け取りに行きました。友人の多くが、「スペインにいたら、EU圏内は自由に行き来できるでしょ?」と思っていたようなのだけど、実は、スペインのタルヘタ(カード)取得前は、基本的にスペインから出られないのです!ワーン(泣)。「だって、どこでチェックされるのよ?」って、空港でのチェックイン時に、係員にビザのことを聞かれます。ただし、国と人によりけりです。スペイン語を読める人はあまりいないので、アテネでは「このカードなに?」と言われました・・・やれやれ。 そして、そのタルヘタがなかなかやってこないのです。今回、友人のおかげと、私の基本的な運のよさも手伝って、春にはもらえることになりました。最近の出来事の中でもっともテンション上がる!わーい! と喜んでいたら、友人が、「でも申請してから半年ですよ・・。」とぼそっと言いました。確かに。半年で上出来だ!と踊りたくなるって、すごすぎる♪ で、タルヘタが来る前に国外に出るのに必要なのが再入国許可証で、こちらを受け取るのに、今10ユーロほど払わなくてはいけないようです。これを受け取りに行った時、てっきりその振込み用紙をもらうか、その場で払うと思っていました。でも係のおじさまが言うには、「お金払うんだけどね、その紙は家に届くから。いつ届くかわからないけど、旅行のあとで払っても問題ないから、心配しないで。」 へ?家に届く?・・・って言うか、なぜ振込用紙を今くれない?もしくはこの証書と引きかえにお金を払うとか??? どうして先に証書くれるのさ(意味不明)?「そしてまた、その振込んだ用紙を持って来てね。」とおじさまは言った。親切だった。でもなんでこんなに手間なのよ・・はあああ。1、申込用紙をもらう。(その後、電話で予約を取る(取らないとかなり待つ))2、申請しに行く3、受け取りに行く4、振込んだ用紙を持参1枚の許可証のために、4回も参上・・・。徒歩(またはバス)片道30分。しかも、タルヘタが遅れてるのはそちらの都合なのに、なぜかお金を払うのよ。あーあ。注:これは私の街の場合です、市町村によって違うかもしれません。 しかたない。しかたないのだ。人生にはこんなこともあるのよね。 これに限らず、スペインのシステムは、簡単なことをわざわざややこしくしているような気がしてなりません・・・。それもうまくいくかいかないかは、すべてデペンデ(ディペンド)、人と運によるのです。すべてがその時次第で、やってみないとわからない。これほど自分の運試しができる国はないでしょう。 なので最近は、「自分は運がいい!」と毎日言い聞かせています(笑)。そうでないと日々を乗り切れないので(やりきれないとも言う?!)。 絶対に他人に親切にされる!絶対にうまくいく!そう思っていると、本当にそうなっていくのでした。それでたいがいのことはうまくいっているのです。 それにしても、お金は後でってなんだ??
2010年01月25日
今週の驚き:フランス語の先生(フランス人)、「これ、日本語かしら?」と指差した文字。先生、それはアラビア語です・・・笑 よくよく考えたら、毎日学校でスペイン語と英語、日本語の3ヶ国語を話していた。英語のできる人とは英語(でも少数)、スペイン語しかできない人とはスペイン語、日本人とはもちろん日本語を話す。 そして、英語で社交ダンスを習っている。私のスペイン語が大変怪しいので、英語のできる先生を探していると、うまい具合にそういう人を探しあてる(特技)。たまたま発見したダンスの先生は、英言語学を修めたインテリで、見た目はコテコテのスペイン人だけど、みんなにはスペイン語で話して、私の時だけ器用に英語に切りかえて話してくれる。スペイン語の勉強にもなるし、素晴らしい。 そしてこの度、兼ねてから考えていた「英語で習うフランス語」を始めてみた!以前は、フランス語を習う人の気持ちがよくわからなかったのだけど、自己流に勉強し始めたら、もっと話せるようになりたくなった。 そしていつものように聞き込み調査開始。夏の間は見つからなかったが、秋にいい具合にフランス人がフランスから帰ってきた。彼女のルームメイトがフランス語の先生で、しかも英語が話せると言うじゃないですか。 でも学校が忙しかったのと、クリスマス休暇ですっかりやる気をなくしていた。するとまた別のフランス人がクラスにやってきて(突然フランス人に恵まれる私)、そのフランス語の先生、セシルと私は同じ踊りが好きだと言う。で、これはサインだとばかりに、私は急にやる気を出した(やっとお正月ぼけから正気に返った)。 正直、フランス女性=キツイのではないかと恐れていたが、全然そんなことなかった。特にアートをやるフランス人はとってもソフトで優しい。 英語を話す同居人が出ていったあと、英語を話す機会が減った。だんだん英語を忘れてしまうので、そこでフランス語を習いつつ、英語も話しちゃおう!という、先生には内緒の一挙両得企画。 そしてなんといっても特筆すべきはユーロ安もあり、レッスン費用が安いこと。東京ではまずグループレッスンも受けられないような値段で、なんと家まで来てくれて、個人レッスンしてくれる。しかも教えるプロ。この調子でスペイン語も習おうかしら(そっちを先にやれってか?)。 そうなのだ。私が悩んでいたのは、「スペインでフランス語を習うってどうなのよ?」ということ。習うならスペイン語じゃないの?と人から思われることを気にしていたのだった(今でも時々スペイン人に「スペイン語習ってないの?」と容赦なく聞かれます 笑)。でもね、そんなに長くない人生、スペイン語の上達を待ってたら、フランス語になんか到達できませんよ。 で、いつものように見切り発車。がしかし、現実は、難解な発音と例の活用をまた始めないといけないのだった(完全にこのことを忘れてた!)。スペイン語とフランス語がなんとなく似てるのだけが救いだ。スペイン語ゼロだったら、もっと時間かかるだろう。 おかげで先生も快調に最初から飛ばしてくれた。たった一回のレッスンで、私の自己流の勉強はなんだったんだ?というくらいよく理解できた。もっと早く習えばよかった・・・。
2010年01月22日
先日、この雪の少ない地方に雪が降った。この一ヶ月雨続きな上に、このとどめの雪。まったくもってテンション上がらない・・。というか、この土地に雪がめったに降らないことを知らなかったので、ただただ「寒いよね~!」と湯たんぽを抱え、ベッドに入って源氏物語を読んでいた。写真撮ればよかった、残念。 最近、日本通のスペイン人に「源氏物語を読んだことがありますか?」と聞かれ(いつかは来ると思った、その質問!)、そういえば読んだことがないし、読んでいないのは日本人としてどうかと思ったので、お友達に借りて読み始めた。スペイン語版もあるそうだけど、こんなのスペイン語で読んで、意味わかるんだろうか(私はもちろん日本語版です)。「光源氏、おまえは一体なんなんだよ、落ち着け!」とぼやきつつ、平安気分にひたりながら、窓の外から雪を眺めていた。いと風流なり。 後日、日本人のお友達に会ったところ、彼女のBFはあの雪の日、写真を撮りに元気に外へ出かけたようだ。彼女は家にいたかったのだが、BFはこう言ったらしい。「いつも娯楽がないと言ってるけど、ほら、娯楽(雪)あるじゃない!」 これを聞いて、私はとっても反省した。いつも私たちは「娯楽がない・・」と嘆いていたのだ(東京と比べて、です、まったくもってすみません)。 別の日、同じアパートのおばちゃんにつかまり、聞かれた。「あなた、パレード行った?」「行きません(だって去年見たし、雨だったから)。」「じゃあ、雪は見た?」「見ました!でも寒いから外には出なかったけど。」「まああなた、私は娘と屋上で雪合戦したのよ(おばちゃん目を輝かす)!」「マジで!」 あの寒さの中、雪を丸めて50代のおばちゃんが雪合戦するとは思わなかったね・・。 雪遊びは娯楽???なのか??? スペイン人が素晴らしいなと思うのは、なんでもエンターテイメント、言い換えれば、しょうもないこと(失礼)で大人も子供も結構楽しめてしまうところ。大人も子供のようにはしゃぐし、くだらないこと(度々失礼!)でも大笑いしている。日が出れば、日に当たって楽しむし、それが娯楽になる。日本で日に当たって、友達とお茶飲んでるだけでは、娯楽にはならない。そういうシステム&精神状態なので、なんでも楽しめる。 日本は素晴らしい国だけど、お金を使う、やや人工的な娯楽が多いように思う。そして、それにすっかり毒された私は、普通の幸せ?に満足できず、ささいなことで楽しめなくなっているのだ。 日常の小さなことを楽しんで、娯楽にしてしまう才能。原始的だけど、こちらの人生のほうが正しいような気がする。この点は学びたいところだ。難しいけれど。
2010年01月18日
たった今、ドレスの仮縫いに行ってきた。テイラーのマヌエラさん、この道40年のベテランだった・・。 というわけで、私の指示どおり、ほぼイメージどおりのものができあがっていた。あと1回試着して終わり。ちょいちょいとサイズをはかっただけなのに、ほぼぴったり。スリランカのテイラーさんもそうだった。 サイズをはかる時、マヌエラは、「なんて、超やせてるんでしょう!きっとドレスが似合うわね。」と感嘆したのだが、私は人生で今が一番太っているのよ、マヌエラ!スペイン人に比べてやせているだけなの。骨格が細いだけなのよ。 こうやって私は甘やかされ、勘違いし、ぷくぷくしていくのだった・・。いかん、いかーん! 既製のドレスの半分の予算でできたし、ドレスショップのお店の人のようにざっくりでなく、細かく直してくれるので(踊るためのドレスということを誰も聞いてなかった)、大変助かった。しいて言えば、会話がかみあっていないことだけが問題だが。私はマヌエラの言ってることもわかんないが、彼女も私が言ってることがよくわからない。 まあでもいいのだ、ちゃんとできあがれば。 ここは田舎なので、オーダー費用が安いと思われる。なので、そこを逆手に取り(それくらいしかない)、またオーダーしてもいいかもしれないな。 フランスなんかで頼んだら、いくらするんでしょうか。 ドレス作りは、楽しみの少ない、ここでの私の娯楽です♪
2010年01月15日
ドレスを作るにはありえない安さの生地を買った。本当はシルク生地を買いたかったけれど、1メートルが45ユーロとかしたので、断念。日本でもこのくらいするのでしょうか?わかりませぬ。 シルクはうっとりと魔性の女のような光沢を放っており、思わず「これ私、買います・・・。」と言いそうになった。あの手ざわり、今でもまだ忘れられない。でも所詮は言い値。それにシルクは取り扱いが難しいことを考えると、ものぐさな私にはふさわしくないような気がした。 そもそもテイラーのおばちゃん、マヌエラの腕がどのくらいか試してもないのに、いきなりシルクは厳しいんじゃないか、と思いなおす。 ということで、まずは安い布でお手並み拝見。がんばれマヌエラ!そこそこ地元の人からのオーダーも入っているようだし、いくらなんでも下手ならスペイン人だって頼まないでしょう。 ドレスをオーダーすることにしてから、デザイン画を描いたりいろいろ忙しい。そう、スリランカでアーユルヴェーダをした時も、一番盛り上がったのは、ホテルにテイラーさんが常駐していて、洋服作りをしていた時だ・・。毎朝5時起きでデザイン画を描いて(楽しみすぎて待てない)、朝ごはんのあと、彼女のところに持って行った。またスリランカに行くことがあって、まだ彼女がいたら、今度は絶対に布を持っていって滞在したい。というか、なんなら洋服作りのためだけにまた行ってもいいくらい。なんといってもすごく安く作ってくれるのだ!これが魅力。 とにかく洋服作りに異常に盛り上がれる体質なので(笑)、今回のことも半分遊びだと思っている。遊びなので、失敗してもよし。 今回のテーマは、「安い布でどれだけそれっぽいドレスを作れるかどうか?」自分でブローチも作るつもり。このスペインでつちかわれた手作り感覚が、どうか他の国で浮きませんように・・。 それにしてもスペインの生地、かなりイケてないと思う。ここでも例の法則があって、スペイン、安いものは安いが、いいものは高い!要するに中間がない。「フランスの生地で作ったドレス」とか、「イギリス製の」とか書いてあると、どれだけ素敵な生地かしら、と思うが、スペインもの、粗悪すぎます。でもこのことは伏せておこう。スペインでオーダードレスだなんて、響きだけは素敵だもの♪ 裏地用の生地を買ったら、堅すぎて音がバサバサした。いくらなんでもこれはないでしょうよ、たとえ1メートル3ユーロの布でも。 着心地も悪そうなので、せめて裏地だけはいいものにしようと探しまわる。田舎なので見つけるのが難しく、ようやく1軒の生地屋さんでそれを発見した。「何色?どれだけいるの?」とおばちゃん感じ悪い。裏地を見せてくれる。「このマテリアルはなに?」「100%シルクよ。」・・ってあんた、本気で言ってんのか!!!確かに前に買ったバサバサ裏地よりは柔らかいけど、これがシルクで1メートル6ユーロってありえんだろう!それが布地屋の言うことか! と思うが、面倒くさいので黙っておく。向こうはうまくアジア人をだませたと思ってるのかもしれないが、そんなにバカじゃないよ。「一回洗ってから、縫いなさい。」とアドバイスするので(シルクなのにどうかとは思うが)水で洗ってみたが、思いっきり水をはじき、ポリエステルの様相をしていた。 そう、困ったことに、売ってある生地のマテリアルがなんだかよくわからない。既製の洋服には、なにが何%などと書いてあるが、売ってる布には書いてない(と思う)。店の人に聞いてもシルク、コットンなどあきらかにわかるもの以外、全部「ポリエステル」と言う!どこまでもざっくりしている。 スペインでものを買うのは勝負だ。縮むかもしれないと思って、表布も洗ってみた。たぶん縮まなかった。ふー。まあ、でも実際ドレスになってみて洗ってみないとわかんないなあ。 そうこうしてるうちに、お直ししていた既製のドレスも出来上がってきた。今月、なんとこのドレスショップのドレスもセールになっていた。さすがスペイン、なんでもセール。 しっかしこのドレス、タイトなデザインなので、絶対に太れないのだ。フラメンコの衣装もそうだけど、スペインのドレスは体にフィットするものが多いので、体型の変化には対応できない。そして誰も特に先のことなんか気にしてないようだった。太った時のお直しについて私が聞いたら、どこかに確認しに行って、「それはここではできない。」と言ってきた。やっぱり太らない、これが肝心だ。 そしていつものようにこのドレス、一人で着られないし、脱げもしない。一人旅の人にはこれが一番困ったことなのだ。フラメンコの衣装はなんとか自分で着たし、脱げた。中世の衣装は着るのは一人で着られずお店の人に着せてもらったが、脱ぐのはなんとかできた。今回こそお手上げだ。自前のドレスなのに自分で着られないなんてどうすんだろ?縄抜けの術でも使おうか? それでもスペイン的に「まあなんとかなるか!」無人島じゃないしね、とお気楽に考える。まあホテルマンにでも手伝ってもらうしかないわね。 スペインで「恥じらい」を捨てた私は、今やなにをやっても平気なのだった・・。知るか、そんなもん!
2010年01月14日
どれだけ見ても、気に入るドレスがないので、ついに作ることを決意した!布を買って作ってもらおう!本当は温泉旅行に行きたかったけれど、天候不良で行けなかったので、その予算でドレスを作ることにした。 が、実はいろいろ問題があって、1、まず、布地屋さんは布を売るだけ。作ってはくれない。「どこにテイラーさんがいますか?」と老舗の布屋さんに聞いたが、一言「知らない。」で終わった。他のお店も同じ。完全分業なので、まったく興味なし(あとで、まあやってくれるところも発見はしたが、高い)。 次にフラメンコのドレスを作るお店に行った。ここはいつも「セラード(クローズド)」という札がかかっており、シャッターも7割しか開いてないし、電気も薄暗い。 何日か通ったがいつも開いてないので、ついにピンポン!とベルを鳴らした。そしたら中から人が出てきた。「開いてないから何回も通ったわ。」と私が言うと、「開いてるのよ。ピンポン鳴らしてね。」と彼女は言った。だったら札をアビエルト(オープン)にしとかんかい! と思うが、しかたないのでニコニコしておく。しかも電気代節約のためか、蛍光灯で薄暗く、布の色がはっきりよくわからん(笑)。「自分で買った布で、作ってもらうことはできませんか?」と私が聞くと、彼女は、「それはできないわ。」と言った。スペイン、この持ちこみ布は結構「ダメ!」と言われる。他のお店でも断られた。なんでなの?いいじゃん、作ってくれたって。店にある布は全部気にいらないのだ(こだわり強い)。 というわけで、この店には希望の色もなければ、綿、またはポリエステルしかないことがわかり、あきらめた。「なんで綿や嫌なの?フリルは、こういう張りのある生地でないとできないのよ。」と彼女は言ったが、まったくそのとおりだった。でも綿でできたドレスなんて、フェリアでしか着られんでしょうよ。しかも裾がドロドロになる。だから手洗いできる素材がいいに決まっている。 次に、クラスメイトのお母さんがやっているお店に行く。彼女は洋裁をしているのだ。でも、「昔はドレスも作ってたんだけど、今はやってないのよ。」と彼女は言った。これを聞くために、「私はあなたの娘さんとクラスメイトよ!」ということを主張する(スペイン、コネと知人が大事 笑)。 結局、「あそこの広場にテイラーさんがいるわよ。」と紹介してもらい、そこへたどりついた。そこは、私が毎日学校へ通うのに通る道だったが、表札もないので、まったく気がつかなかった。小さなドレスの写真が貼ってあるのみ。やれやれ灯台下暗し。 とにかく、ピンポンする。50代くらいのおばちゃんが出てきた。いい人そうだけど、スペイン語のうまくない外国人に慣れてないので、私がなにを言おうとしているか、今イチわからない・・。 やや会話がかみ合わないまま、なんとかドレスについて会話をすすめる。持ちこみの布もOK!かえって助かるわ、ということだった。ドレスショップで買うより、安くできるようだった。しかも自分の選んだ布地で。 テイラーさんでも布を用意してあったが、それらはメートル40ユーロとか70ユーロ近くした。私が、「高いわね。私、やっぱり生地屋さんで買って持ってくるわ。」と言うと、「(スペイン人は)高いとか、あまり気にしないのよ。」とおばちゃんは言った。なんかわかる気がする。特別な日に着る服だから、お金をかけてもかまわないのだ。しかし、ここの物価に対しては、結構なお値段だと思う。でも私はねぎらなかった。 テイラーさんが見つからなければ、自分で作るしかないのか、と思っていた。シンデレラのドレスを縫った小鳥のような気分。小鳥に作れるなら私にも作れるだろ、と現実もおとぎ話もごったまぜ。スペインにいると、なんでもできそうな気がしてくるのだ。ただひとつ気になるのは、このおばちゃんの作品をほとんど見ていないこと。大丈夫なのか? 1着だけ見せてもらったが(他にはなかった)、まあかなりイケてないドレスだった。いつものように、「まあ素敵ねえ、なんてきれいなんでしょう。」とマテリアルをほめながら(これスペインでの得意技)、実は私はおばちゃんの縫製技術をチェックしていた。まあでも、私が作るよりは絶対にマシね。 時々思うのだけど、スペインにいると、時々自分が探偵になったような気がする。ありとあらゆる可能性を探して、人に聞きまくり、そこへ訪ねていき、また違うところを教えられて出向く。そしてなにかを発見する(ないときもある)。この繰り返し。 またこのドレス話は続きます。
2010年01月07日
つづき その後、4,5軒先のお宅でカクテルパーティにお呼ばれした。お母さんもなんだかおしゃれしている。私は近所だし、と着替えもせず、そのまま行ったのだが、ここがなんと邸宅だった!着替えて行くんだった。まるで映画で見た19世紀のお宅みたい。現実にこんなうちあるんだ、と驚いてしまった。しかもここのインテリアは全部白。じゅうたんも真っ白。真っ白なリビングには、アンティーク風のグランドピアノまで置いてある・・。ここでシャンパンとカナッペをいただきつつ、談笑するのだ。 集まった方たちはご近所の人たちで、ご年配の方が多かったが、みなさん品がよかった。女性はちょっとドレスアップしていらしていたし、男性もイギリス風のジャケットを着こなしていらした。女性陣の指輪やジュエリーも、ぱっと見て、家族代々のジュエリーとわかるものをしていた。私はアンティークが好きで、一時期そういうものを売るお手伝いもしていたので、見たらわかる。ここのお宅にも普通に日本だったらアンティークフェアに出せそうなものが飾られていた。そうなのだ、日本じゃアンティークは買うものかもしれないが、ここでは代々家族から引き継ぐものなのだ。そういえば、この前のスープランチの時も、素敵なサロンにアンティークのダークブラウンのテーブル(私は似たようなものを日本で買って持っていた)があって、そこで普通に食べたんだっけ。だから余計におかしかったのだ。 私はイギリスの豊かさ、底力を知った。イギリスはユーロにならなくて正解だった。スペインとイギリス、同じEUだとしたら、レベル違いすぎ。 そして、シャンパンを飲みながら、みなさん、私に気を使ってくださるのだ。ちゃんと日本の話をしてくれる!だいたいみんな日本人を知っていたり、日本に行ったことがあったりして、イギリスに日本人が浸透していることを感じた。悪いけど、スペインだったらこんな会話成立しない。おのおの自分勝手にしゃべりまくって終わりだ。日本についてなんか、なんにも聞かれない。 あー、なんて優雅なんでしょうか。こんなのが世の中にあるなんて、信じられない。しかもみんな英語。「英語で会話するの、大変でしょ。」と誰かに言われたが、なんのなんの、スペイン語のあとでは楽すぎて、天国のようです。みんながなに言ってるかもわかるし。 翌日は、ボクシングデイ。「さあ、歩きに行くよ!」と言われた。食べすぎたから、歩くのが伝統だと言われた。えー、寒い・・。他のイギリス人にも確かめたが、本当のようだ。でもまだよかったのは、この日が晴れていたこと。ご近所さんも犬を連れて歩いてらした。スペイン人なんか、毎日食べすぎてると思うが、誰もそんなことを考える人はいない。たまに走っている人を見るだけ。あとは飲んでくちゃべっている。だから太っちゃうのねー。 みんなで川沿いを歩く。実は他の人たちは3時間コースで、私は高齢のご両親チームで半分の時間にしてもらった(でも十分だった)。川は美しく、ロンドンからそう遠くもないところに、こんな場所があるのは驚きだった。日本にこんなのはない。そしてどういうわけか、こんな田舎にいるのに、ここのご家族、湖に旅行に行ったりするので驚いてしまった。ここで十分じゃないですか。 ところで、お父さんが家を出るとき、ラジオをつけていった。泥棒がいるので、人がいる気配を出すのだそうだ。えー大変だなあ・・・っていうか、だからボクシングデイにみんな一斉に歩く必要はないんじゃないの?! 伝統って最初に誰が考えたんだろう?年越しそばってなんだ?誰が12粒のぶどうを年末の鐘の音と共に食べようなんて思ったんだ?といろいろ考えてしまった。 これが私の白いじゅうたんに土足?+驚きのクリスマスでした。
2010年01月05日
先週の驚き:お友達の家のパーティで、灰皿が目の前にあるのに、タバコの吸い殻を床に投げ捨ててあった!ここ人んち!バルじゃないよ! 私のお友達の家の床は一晩でドロドロになってしまった。スペインの生活で慣れないのは、土足で家に上がることと、床のモップがけである。自分の家は、帰ってたらスリッパに履き替える。絶対に靴では上がらない。モップがけは論外に下手で、いつも「暖簾に腕押し」という言葉がこだまする。きれいになってるのか、どうだかわからない。 そこで思い出すのは、イギリスでのクリスマス。前回の(つまり今となってはおととし)クリスマスは、同居人のご家族が招待してくれた。同居人のお父さんは元会社の社長で、なかなかいいおうちに住んでいらした。すぐそばには美しい川があり、有名デザイナーがご近所さんというそんな場所。 そのお宅の床が台所以外白いふかふかのじゅうたんだったのである!で、そこにくつで上がるのだ。んもー絶対に無理。家で靴をぬぐ日本と、モップがけのスペインのあと、ふかふかのじゅうたんに靴で上がるのは、意味不明。それも白。それなのに、じゅうたんがちょっとでも泥で汚れると、きれいにしなくてはならないのだ。でもここの家、日本でいうちょっとした公園くらいの庭があって、どう考えても、泥で汚れるのだ。結局、最終的には、靴を脱ぎ、靴下かスリッパで過ごすことにした。 ついでなので、ここで驚いたことを書いてみたい。イギリスでは普通なのかもしれないし、ここのお宅だけなのかはわからない。 まずこの家、100数十年前に建ったお屋敷みたいな家なので、半分のところに住んでいた。あと半分は隣の人が住んでいた(もちろん仕切られている)。お父さんは昔、日本と取引きしていたことがあり、そのまたおじいさんもその昔、日本と貿易をしていたようで、今日本にはないような陶器や絵が飾ってあった。 で、毎日ごはんが少なくて、非常におなかがすいた。スペインなら前菜だけ?って感じ。お昼ごはんがサーモンサンドだけとか、今日はチーズよ、と言った日には、本当にチーズしかなかった。 ある日は、「家族みんなでお昼ごはんよ!」と総勢8人で集まったのに、出たのが薄切りパンとポタージュだけ。え、これだけ???他の人は「あーおなかいっぱい。」とか言っている。うっそだろ~~~! またある日は、皿の上にボン!と丸のままトマトが出た。おのおの自分で切って食べろってわけ。うっそー!これ料理?初めて見た。 私はようやくわかった。料理する私にいつも同居人は、「そんなにがんばらなくても」と言ったのだが、あれは今思えば本気だったのだ。サーモンサンドだけ、とかチーズだけとかスープだけのごはんがあり得るのなら、私はがんばりすぎだろう。 そんなわけでいつも私はおなかをすかせており、スペイン語で同居人に、「おなかすいた。バナナ食べたい。」と言い、フルーツやクッキーで空腹をしのいだ(笑)。一回間違えて、英語で「バナナ食べたい。」と言ってしまい、家の子供がバナナを持ってきてくれた。子供にも気を使わせた。クリスマスディナーがなかったら、たらふく食べられないところだった。 クリスマスディナーで、子供がお行儀よくしているのに驚いた(ちなみに、席札を日本語で書いて、誰がどこの席でしょう?クイズをした)。食事の途中で席を立ったりするのは失礼だと、お母さんが厳しく言っていた。またちょっとでもマナーに反することをすると、いつも子供は注意されていた。そんなの、スペインの子供だったら、そこらじゅう走り回ってるよ! まあ、私も彼らを驚かせた。行きつけ、失礼、教区の教会のミサに行ったのだ。だいたいクリスチャンではないし外国人なんで、カテゴリー外だと思い、ミサの途中でこっそり写真を撮った。それをお父さんは大笑いしていた。でも今まで見たこともないフレンドリーでコミカルな牧師で(イギリス風のユーモア?)、しかもかわいい雪だるまやモミの木がたくさん着いた、マフラーをして、子供たち一人ひとりにプレゼントについてたずねていた。途中子供のおもちゃがピーピー鳴ったりして、大変ユニークなミサだった。 最後に白くて丸いお菓子?を食べる儀式があった。家を出るとき、「食べ物が出るけど、あれは食べなくていいからね。手で受け取ってね。」と同居人が言うので、私は終わったあと、なにかスナックでも食べつつ飲むのか?と思っていた。まさかこの宗教儀式のことを言っていたとは。私は思わず牧師さんから口に入れてもらってしまっていた。これを見たお父さん、またまた大笑い!本当はこの教会の信者でないと、それはやってはいけないらしい・・。でも私、そんなの知りませんし。だいたい、これの意味もわからずこれがやりたくて、なんと同じことをバチカンでもやっているのだ。つまりバチカン教区の信者?きっと前世でもやっているんだと思う。なつかしい感じだもの。つづく
2010年01月04日
さて、今年は人生初めてのひとりで年越し、ひとりでおせちでした。うーん、私はスペインでなにをやってるんだろうな・・? ひとりで年越しそばを食べ(!)、初めてひとりでおせち作ってみました。 以前、桃井かおりさんがトークショーで、「ひとりですき焼きを楽しめるようでなければ、ふたりは楽しめない。一人でも楽しめる、そういうのが大人(要約です)。」そんなようなことを言っていて、ひとり雑煮にひとりおせちはなかなかイケてるんではないか?とひとり悦に入っていました。でもこちらに住む友達にあげようと思わなければ、作らなかったかもしれない。やっぱり人に食べさせるという目的がないと、料理は張り合いがないのは事実ですね・・。 それでもまあ、最初から親がいないとか、不仲だとかそういうのでもなく、愛されたという記憶はちゃんとあるので、幸せな人生だと思います。 最初から親のいない子供の記事を最近読んで、やっぱり私はまだまだ甘いなと思いました。ひとりおせちがなんなんだ!それがどうした!って感じです。 外にはホームレスの人が一人でぼんやりしていました。あの人よりはまだマシだ。家も食べ物もあるもの。ありがたいです。 ひとり年越しそばの後、お友達の家のパーティにお呼ばれしました。夜中の1時半に行ったら、家は30~40人が立ち飲みするバル兼クラブ状態になっていました!!!音楽がガンガン鳴る中、狭いところに集まって(注:人の多いところに集まりたがる)、酒飲みつつ、タバコ吸いつつ、しゃべりまくり、踊り、歌うのです。これになかなかついていけず、次の日声が枯れているのですが、この人たちは子供の頃からこの調子なので、全然平気です。たぶん、これで声帯を強くしてるのかもしれません。 妊婦さんも踊れば、上で寝ていた赤ちゃんも朝4時半に目覚め、お母さんと抱かれて踊ります。誰も子供の耳にでかい音楽がよくないとか、タバコの煙が・・とか、夜更かしは発育に悪い!とか言わない!こうやって親がやっているのを見て子は育つ。夜中まで元気に立って飲み、しゃべり踊るのが普通なら、普通になっていくでしょう。ベースが違うんです、ベースが。私なんて、おせち作る以外、これに備えて夜は休憩していました。そうでないと、体力持たない(泣)。 私たちに足りないのは、このはっちゃけぶりだと毎回思います。こんぐらいはじけることができれば、人生、多少のことは大丈夫な気がする。 この時期、どこかのうちに集まっている人が多いので、ある家は無人、ある家はこのように人が集まるという状態になります(寝てる人もいるとは思いますが)。こちらの家、家族単位で動くので、家に一人だけ残ってということは少なく、だいたい、全員いるかいないかのどちらか。いない時は家が暗くて静かなので(人がいるとうるさいので)、すぐわかります。 で、お友達の家の住人も、みんなどこかへ出払っており、だから大丈夫!とガンガンに音楽をかけて踊っていました。 そして朝6時。おじさんがやってきました。「もういい加減いいだろう。静かにしなさい。」家のオーナーは言いました。「だって今日はフィン・デ・アニョ(フィエスタ)だよ!」 すごい、謝ってない・・(笑)。 住人ではない知らないおじさんから苦情がきてしまいました。苦情が来たのは初めてだそうです。でもそこまで響き渡るって、どれだけうるさかったのかな?そしてオートロックなのに、どうやって玄関まで来たかも謎。 でもそれからさすがに音楽は小さくしました。 そのあと肉だんごスープとおにぎりが出て、それからカラオケ?大会。カラオケというか、一組の夫婦が即興の歌の掛け合いをえんえんしてくれるのです。もちろん曲はフラメンコ調(名前がなんというのかわからない)。この二人、帰りの車に乗って、降りるまで歌いっぱなしで、私はこのご夫婦に挟まれて車に乗ったので、左右から歌われまくりでした。夫唱婦随?朝7時すぎに終わるまで、フラメンコのステップ踏むは(下に人がいなくてよかった!)歌うわで、すごかったです。ちょっとしたショーを見ているようでした 今日の教訓:とにかく夫婦は同じくらいの体力があるほうがバランス取れる! 他にもキャバレーばりに踊る人とかいて、とにかくおもしろかったです。 これもいつも思うのですが、多くの人が自分を表現するのが本当に長けています。個人的には、久しぶりに踊りまくったので、すっきりしました。ただし、今の気分は疲れてややドロドロですが(笑) 最近、ある人のエッセーを読んでいて、子供の頃の憧れの人を思い出しました。兼高かおるさん!あの人のようになりたい、と思って、今ここにいるのです。出発点は間違いなく「兼高かおる 世界の旅」です。あれがなければ、ここにはいないかもしれません。 世界に憧れ、今ここにいるのだから、今できることを楽しもうと決めました。だから疲れてる場合じゃないのよ! そしてこれから人生を華開かせる。これが2010年の目標です。 今年もよろしくお願いします。
2010年01月02日
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