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2025.12.04
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カテゴリ: 旅行紀行
 都市の街路と公園の森を黄色く彩るイチョウの黄葉が美しい。
 イチョウの黄葉は、僕たち都会人の身近にある木のため、晩秋の深まりの印としてよく目につく。

◎日比谷公園、東大・本郷、そして北大
 一昨日、曇天とあいにくの天気だったが、日比谷公園と日比谷通りのイチョウの黄葉を鑑賞に歩いた( 写真 )。往く秋を惜しみつつ、ゆっくりと黄葉を愛でた。晴れていれば、青空をバックに黄葉はさらに輝いただろうと、少しばかり残念ではあったが。



 これまで僕の観たイチョウ並木の黄葉で特に印象深いのは、東大・本郷の正門から安田講堂に向かって立ち並ぶイチョウ並木( 下の写真の上 )と、北の北海道大学の北13条門から構内を西に走る北13条通りの両側に並ぶイチョウ並木( 下の写真の中央と下 )である。緯度の差から、前者は11月末~12月初め、後者は、それよりおおむね1カ月早い。







 この2カ所は、季節の観光地として割と有名だ。

◎ジュラ紀には世界中に広がり栄えたが、今は絶滅危惧種
 あまり知られていないが、種としてのイチョウの歴史は古い。世界で最古の現生樹種の1つという。その祖先種は、約3億~2.5億年前のペルム紀に出現している。
 中生代ジュラ紀には大いに栄え、全世界的に繁茂した。世界各地で葉の化石が見つかっている( 写真 =始新世の時代のイチョウの葉の化石)。日本にも初期の頃から自生していたらしいが、約100万年前に絶滅した。



 生物史として見れば、イチョウはすでに絶滅へと向かう植物かもしれない。実際、我々が目にするイチョウ Ginkgo biloba は、唯一現存する種なのだ。そのためイチョウは「生きている化石」とされ、国際自然保護連合 (IUCN)のレッドリストの絶滅危惧種に指定されている。

◎あるオランダ商館医の手で日本からヨーロッパに持ち帰られる
 日本に定着したイチョウは、希有なことに、17世紀後半、ヨーロッパに渡る。
 江戸時代にオランダ商館医だったドイツの博物学者エンゲルベルト・ケンペルが、日本からイチョウの種子をヨーロッパに持ち帰った。

◎スペイン、ポーランド、バルト3国、そして旧ユーゴでも気づかず
 ケンペルの持ち帰った種子は、オランダの植物園に植えられ、そこから増やされ、ヨーロッパ各地に植えられた。今では街路樹にも広く植えられているようだ。江戸時代の鎖国の日本から、ヨーロッパに渡った数少ない例がイチョウなのかもしれない。
 ただ「その目」を持たなかったため、2007年9月に行ったスペインで、2014年7月に行ったポーランドとバルト3国に植わっていたかどうか気づかなかった。特にスペイン、マドリッドでは植物園にまで入園していたのに。
 今夏のボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、スロベニアも同様だった。「その目」を持たない者にとって、ケルペンの「遺産」は盲目なのだ。
 今度ヨーロッパに行く時は、「その目」で探してみよう。

昨年の今日の日記 :「初期ホモ属で始まった成長期の遅延、177万年前のジョージア、ドマニシのホモ・エレクトスで」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202412030000/





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Last updated  2025.12.04 05:30:13


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