LYNNのいたずら毎日

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2001年10月03日
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 と書くと、私の古い友人からは、「またその話かぁ!」と嫌がられそうであるけれど、やっぱりこれを書かなくてはなるまい。ご存じですか?この映画。80年中頃の映画ですが、これは隠れた名作。とはいえ、ウィリアム・ハートがこれで主演男優オスカーを取ったので「隠れた」とは言い難いかもしれないけど。
 原作はアルゼンチンのマヌエル・プイグ。原作の持つファンタジー的要素が上手く演出されつつも、しっかりとした現実の切なさと哀しさを描き切っており、またまたこれも涙涙で、映画館を出てから30分くらい泣き続けていたものだ。オープニングの音楽からして、泣ける。主人公モリーナの夢見がちで臆病で、でも真に愛する人を得てからの驚くばかりの芯の強さと、我が命と引き換えに真実の愛の世界へのダイヴする決意とがその音楽に凝縮されているよう。勿論、映画好きなロマンティストの一面も。
 ゲイ映画として一部には知られているけれど、これは一時期流行した『アナザー・カントリー』や『モーリス』といった耽美系の作品とは、全く筋が違う!と『蜘蛛女のキス』ファンの名誉をかけて言いたい。人間対人間の愛の物語であり、真の勇気を教えてもくれる。一面的には悲しい結末であると言えるけれど、観終わったあとに、何か爽やかで、また甘やかな風が胸の中を吹き抜ける、そんな映画でもある。
 映画史?的には、ウィリアム・ハートがこの作品を皮切りに、翌年もオスカー(主演男優賞)を獲得、またその翌年にも更にノミネート(『ブロード・キャストニュース』、これは逃しました)という偉業を達成もしているという、価値のある一本。どっぷり愛について考えたい方、どうぞご覧あれ。
追)原作のマヌエル・プイグですが、『天使の恥部』という作品もかなり面白く、私の好きな文学作品の一つ。





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最終更新日  2001年10月03日 22時40分59秒
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