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2004.11.16
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カテゴリ: 映画・邦画
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【この映画について】
この映画は主演の北野武が昨年の「座頭市」に続く作品として出演したが、今回は役者一本として出演した。監督は崔洋一で原作の梁(ヤン)石(ソギ)日(ル)の書を崔洋一が脚本化した。崔監督も梁(ヤン)石(ソギ)日(ル)氏も苗字を見れば分かるように、日本生まれの在日韓国人2世である。この映画はその両氏のルーツの韓国(この映画の設定当時は朝鮮)の済州島から、1920年代に日本の大阪へ出稼ぎ労働者としてやってきた一人の破滅的な生き方をしてきた男の物語である。
【ストーリー(ネタバレなし)】
1920年代の日本の植民地だった朝鮮(当時は韓国という国はない)の南端の島である、済州島から北野武扮する金(きむ)俊(じゅん)平(ぴょん)(日本名:金本)という一人の男が出稼ぎ目的で、船で他の多くの朝鮮人と共に大阪に到着した。
俊平は朝鮮人集落のある場所に居を構えるが、そこはオンボロ長屋のような粗末な家だった。俊平(劇中では日本式の「しゅんぺい」)は半ば強引に呑み屋で働く李(イ)英姫(ヨンヒ)を妻にした。

金銭に対する異常な執着心を燃やす俊平は、ある日自分の住まいを自ら破壊して突如としてカマボコ工場を作った。そこでは俊平の弟分である高信義を工場長に添えて、従業員を雇いながら昼夜問わずフル稼働させてやがて一財産を成す。だが俊平の破壊的で暴力的な性格から、恐れをなした従業員が辞めていく中で従業員はこき使われる。
一方で俊平は家庭でもその強靭な肉体で家族を奴隷的に扱い、妻子は毎日そんな俊平を恐れながら生活していた。更に、俊平はその並外れた体力を武器に大酒を飲んでは次々と女をものにしていく。正妻の英姫のとはたまに家にふらりと帰っては、嫌がる妻を強引に子供が見ている前でも犯すように体を求める。
カマボコ事業で稼いだ大金だが、その金を自由に使えるのは俊平だけだった。そんな破壊的な俊平には常にトラブルがついて廻る。ある日、俊平が故郷の済州島にいた当時人妻を寝取って出来た息子と称する朴(パク)武(ム)(オダギリジョー)がふらり妻を伴なって現れて居候する。この息子も俊平同様破壊的な性格で、働かずに2階で朝から妻と性行為にふける。武の狙いは俊平の財産であり、その分け前を要求するが壮絶な喧嘩の末に武は叩き出されて、その10日後に暴力団に射殺される。

稼いだ金は家族にもつぎ込まない俊平は、自宅前にその金で家を立てて愛人を住まわせ昼夜構わずその愛人との性行為にふける。そんな俊平をみて家族も逆に俊平がいないときは束の間の静けさを取り戻すのであった。
その後も俊平と家族にはトラブルが次々と襲う。俊平は自分の愛人が病気にかかり動けなくなったら、しばらくは自分が甲斐甲斐しく介護をしたがそれも束の間で今度は介護人と称して新たな愛人とその子供を住まわせた。精力絶倫の俊平はその愛人が2階で療養する下の階でその新たな愛人と性行為にふけだす。
一方の英姫と子供らは長女が嫁いだ夫との仲が上手く行かずに、傷心の末に首吊り


そのうちその正妻の英姫も病気になるが俊平は一切治療費を出さずに、息子からなじられる。俊平の療養中だった愛人の姿を見かねて俊平は遂に手を下してしまうが、息子に現場を見られる。
介護をしていた女を愛人として迎えた俊平は、相変わらず性行為にふけりこの愛人との間に次々と子供をもうける。だが徐々に肉体が衰えてくる俊平は、自分の事業を息子に託そうと息子の下を訪ねるが息子にはその気はない。
そして遂に俊平は戦争が終わり、北朝鮮への帰還事業が朝鮮人社会で熱を帯びる中で、最後の愛人とその息子と共に全てを投げ打って北朝鮮に渡る。
そして故国に戻った俊平はそこで無事に最後を迎えることが出来るのか、それとも…。
【鑑賞後の感想】
何だか殆ど筋を書いちゃったけど、大丈夫です肝心な所は書いていませんのでご安心下さい。
ここに幾ら文字で書いても、今回の映画の様に映画館の映像で観ないと実感として湧かないでしょうね。 実際に映画館で北野武が演じる俊平を見ると、よくもここまでなり切って出来る者だと感心してしまった。
ここでは当時の日本と朝鮮の関係や、戦後の日本と朝鮮(映画では北朝鮮)の関係にも触れています。俊平はそんな戦前戦後の世界を、その強烈な個性で生き抜いてきた。映画内では終始妻や愛人との異常なまでの性行為が随所に出てくるし、朝鮮語のセリフも数多く挿入される。そんな俊平だが病身の愛人に、たらいにお湯を溜めて体を洗ってあげるシーンは彼のこの愛人への精一杯の愛情であり、彼の優しさを垣間見る唯一のシーンで和まされた。
北野武は、今回の朝鮮人俊平をその物凄いエネルギーで演じた。彼の演技力にはその底知れぬ役者としての可能性が、まだまだ残されていると思う。座頭市での必殺仕事人と今回の朝鮮人労働者の姿を見て、今度はどんな作品を我々の元に届けてくれるか楽しみだ。







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Last updated  2005.09.18 18:15:39
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