2007年10月11日
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kinmokusei






どこからか流れてくる       

馥郁とした甘い香りに気がついた



それは 庭木のあいだで

目立たずに咲いた金木犀

ほんとに小さな四弁の黄色い花

折り重なるように咲いている



何時から咲いていたのだろう

花というより木全体が匂やかで

その風下をよぎるだけで

しっとりした香りが体を包むようだ



介護にあけくれ

近くの些事ばかりを見つめていたこの頃

疲れ果てて心に余裕もなく

目の前の花も香りも

見て見えていなかった日々



その香りの中で

縁側に射し込む秋の日を浴びて

お三時のお茶をいただく

母と私



金木犀が咲いたのね 

この頃は 匂いさえ分からなくなった

そう呟く母


掌に包む湯飲みも目頭も熱かった










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最終更新日  2007年10月11日 18時29分05秒
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