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爽やかな秋晴れの日叔母を誘って二胡のコンサートに行ってきました演奏が始まると中国古来の楽器はまるで人に語りかけてくるようです物静かな大人が語るような或いは 弾むように嬉々として幼な子が語るような時には明るく時にはもの悲しく演奏者の弓と弦はその想いを巧みに響かせます息を詰め聞き入っていると遥か昔どこかで耳にしたようなとても懐かしい想いが染みわたるように湧き上がりましたあの仄かな記憶はなんだったのだろう優雅な音色に寄り添うようにその感興の源流へとさかのぼりながら素晴らしい時空の中を彷徨っていました
2009年10月20日
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朝夕はすっかり秋色が深まり私の小さな花壇も模様替えをしましたガーデンシクラメン ブルーデイジー小さなビオラなどいずれも私の好きな白と青の花々です春夏の花のような華やかさはありませんが冬に向かい凛とした姿の花たちですこの頃気分が滅入ることがあると思いっ切り朝日を浴びて輝き溌剌として今にも飛び立ちそうな花たちを見て心の薄闇を追い払います こんな小さな花でさえ自然に和し厳しい冬を凌ぎ春を迎えるのですから
2009年10月12日
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夕べは十五夜朝は青空だったのに急な暗雲に雷を伴う激しい雨近くの小学校では運動会も中止になった 今年はお月さんは見られないわねと言う母それでもお饅頭は用意しましょうと いつもの和菓子屋さんに 兎の図柄を捺したお饅頭と白いのを15個お願いした 夜になっても雲の立ち込めた空はすっきりしないお月見をあきらめお饅頭を叔母におすそ分けに行く 叔母の家を出て見上げると いつの間にか雲ひとつない澄んだ夜空煌々と輝き浮かんでいる満月 あまりの綺麗さにもう 床に入っていた両親を庭に連れ出ししみじみと満月を愛でた そういえば昨年 母が「お父さん 来年は見られるかどうか分からないからしっかり見ておきましょう」と言ったのを思い出していた 今年の十五夜の月 なんだか ひとまわり大きく見えた
2009年10月04日
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父がお風呂場で大きな声で呼んでいます何事かと覗くと湯船が泡だらけです あ~あっ!お父さん またシャンプー入れちゃったでしょ と言うとバカ言え シャンプーなど入れるかバスクリンを入れただけだ! とでも数日前には 歯磨きとヘヤークリームを間違えてこの歯磨きは味が悪いと小言を言いましたトンチンカンな言動が多い父ですが 数学の能力は今もって卓抜ですですから 我が家では 父のことをアインシュタインと呼びます今日 我が家のアインシュタインは 94歳になりました お祝いの膳のお刺身を食べながらこの魚は何だ と聞ききました私がふざけてクジラ~と言うとこんな小さなクジラがいるか とこんな おかしな会話でにぎわう漫才一家の庭にはまだ遅咲きの朝顔が咲いています110歳まで生きたいと言う父の大好きな朝顔です
2009年09月24日
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この頃母に代わって父の通院の付き添いをしています 高齢で認知症の父は 診察の待ち時間がとても苦痛のようです弱った足で病院のロビーを歩き回り 理解できない行動をすることもあります 危なくて見ていられず 私は父のズボンのベルトに手をかけて付いて歩きますが時には私の手を払いのけます きっと年寄り扱いされるのが嫌なのでしょうけれど 父はもう94歳ですでも 父の意識の中ではまだ94歳なのかも知れません お父さんは幾つまで生きたいの?と尋ねると110歳くらいかなと答えますその度に私は「ヒャ~!」と思います 父には いつまでも いつまでもずぅ~っと長生きして欲しいと思うのにこのヒャ~という思いは何だろうと考え込んでしまうことがあります
2009年08月09日
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蝶さえも上手く飛べないような空気が重く湿った梅雨時に鬱陶しい話題・・・近所にアパートが建つという 里山に囲まれ昔からののどかだった静かな住宅地に建築重機が唸り土を起こす 土中から鎌倉時代のものかと思われる柱が出てきた「埋蔵物調査中」の看板が立てられご近所での話題だったが調査の結果明治時代のもの保存に値するものではなかった 猫の額のような土地にアパートが建つことが決まったどのような建物がたつのかどのような人が住むのか 気になるこの頃 自然が豊かに残るこの住宅地に 新しい風が吹いてきた
2009年06月24日
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衣更えの水無月ももうじき終わります そんなある日 箪笥の中を整理していたら手ぬぐいが数枚出てきました ご贔屓の歌舞伎役者の粋に染め抜いたものやら商店の名前入りやら ふと思い出したのは私が小さい時祖母が作ってくれたおかしな手ぬぐいの寝巻きそして夏わが子に作って上げた晒しの甚平さんなど・・・ 早速手ぬぐい2枚合わせ裁ち縫っていくと小さな甚平が出来上がりました 久しぶりの針仕事余裕のないバタバタした日常から離れ楽しいひと時でした 今年2歳を迎える孫には赤い金魚の手ぬぐいで甚平さんを作ってみようと思いますはたして着てくれるでしょうか
2009年06月22日
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今年のビワとナス 初収穫です 父が育てた菜園の トマトやナスが実をつけて今朝は初めてのハサミを入れました 数週間前垂れかかったナスの葉陰紫色の可憐な花のあとに小指ほどの実をつけていました 霧のような雨が烟る今朝その葉をめくり上げてみると黒紫色につややかでずっしりとした質感の大きく育ったナスの姿何だか威張っているようです 父に「お父さんが植えたナス 実がついたわよ 今日 食べてみよう~」というと「俺がナスを植えたのか?」といいました手の中でナスがちょっと重さを増したようです それでも これは父が植え 育てたとても大切で貴重なナス初収穫には不思議な嬉しさがありました
2009年06月05日
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トマトの苗に花が私はフラワーセンターの花の即売所でアルバイトをしています 昨今はガーデニングだけでなく家庭菜園が盛んですので野菜の苗もよく売れます 家でそんな話をしていると認知症を患ってからすっかり無気力になっていた父がトマトとナスを植えてみようかと言い出しました 私は早速 即売所で苗を買い求め鉢や土を用意しておくと次の日の朝 父は母といっしょに植えていました 今話したばかりの事やたった今した事を忘れてしまう父にも これで 水遣りの日課や収穫の楽しみができました
2009年05月05日
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庭の一角に傘のように広がった大きなむべの木があります今は 小さな花芽をビッシリつけてすっかり春の装いです その木の下には葉蘭の茂みがあり冬の間 蘭たちの温室代わりをしています 春の日差を浴びさせようと 木陰から日向に蘭の鉢を出し葉蘭の根元に貯まった小鳥の食べかすや落ち葉を掃除しているとその中に葉蘭の花みつけました それは 茎も無く地面に直に咲くワイン色の不思議な花です 見たこともない花との出会いはワクワクと心が弾みます しかし この花去年はどうしていたのでしょう 鉢を動かさず今日この花を見つけなければ今年も物陰に人知れず咲き人知れず枯れていったのでしょうか 花を眺めしみじみそんなことを思っているとこの小さな花が急に愛おしくなりました
2009年04月04日
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(日刊スポーツ新聞より) WBCの優勝戦は見応えのある素晴らしいものでした当然のようにイチローの活躍は最初から期待されました大きなプレッシャーをはねのけ鋭く力に満ちた目の光に人が何かを決意した時の強さをみました今の世の中ビシッと人の心を掴める人がいませんイチローの言動と行動は多くの人の記憶に明るく残ると思いますけれどここまで漕ぎつくことができたのは一人の力ではありませんそれをすんなり言葉に出して云う彼に心が揺さぶられましたしかし負けた韓国の選手を思うとちょっぴり心が痛みます戦いといってもWBC-スポーツの決戦心躍らせている孫たちが平和な時を過ごせるように祈る朝は芝生がやわらかな春雨に濡れています
2009年03月25日
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晴れた日ばかりが続いた如月に久し振りに雨の音窓ガラスが白く曇ります 寒そうな雨に弾む声と色とりどりの傘の列小学校の通学の時間ですこの冷たい雨を子供達はどのように受けとめているのでしょう 陽気なおしゃべり小鳥たちが先を競って次々に庭にやってきます霙まじりのこの雨を小鳥たちはどのように感じているのでしょう 昨日までの春のような陽気を先取りした鉢植えの花たちは花弁の襟を固く閉じてこの氷雨をどのようにこらえているのでしょう この季節の雨はあらゆる生き物たちに春の到来を告げる誘いの水です命の息吹を促す心弾む雨です
2009年02月20日
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日に当てようと廊下の日向に出しておいた座布団に飼い犬のセントが アゴを載せています イタズラっ子のようなその姿が面白くて私もセントと同じように座布団に腹ばいになりました そんな私の行動にセントは顔を近づけ冷たい鼻面で私の額や頬をグイグイ押してきます くすぐったくて顔を隠すと遊ぼうよォ~というように さらに押してきます セルフタイマーで撮ったセントの目が何かを言いたげに訴えています犬の言葉がわかったらどんなに面白いことでしょう 如月を迎えたとはいえまだ風が冷たい昨日今日犬の目の表情に心温まるひと時でした
2009年02月05日
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馥郁とした香りを放ち蝋梅が咲きそろいやわらかな日差いっぱいの庭ここはいま 小鳥たちの楽園です 窓越しに見ているとえさ箱の上に置いたミカンをメジロがあたりを気にしながら啄んでいます そこへ 羽根に光を透かしながらスズメが舞い降りました すると どうでしょうメジロがすばやくか細い足を伸ばし半切りのミカンを押さえましたそれは 「私のミカンよ!」と言わんばかりなんです スズメはミカンのそばにも近寄れませんその愉快な姿に思わず笑ってしまいました ここではそれぞれの鳥たちがのびやかにそれぞれの個性を展開します 心温まる冬の庭に今日も ささやかな幸せの光景を眺めています
2009年01月15日
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新春の庭に蝋梅が光を溜め込んでふくよかな香りを放っています ふと見るとその木の下に小さなスミレの花をみつけました 手の指を思い切り広げたように誇らしげに枝いっぱいに咲く梅そして細い茎でやっと立って地面を見つめるように俯いて 可憐に咲くスミレこの対照的な花がそれぞれの想いで春を迎えています
2009年01月08日
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あけましておめでとうございます本年もどうぞよろしく2009年元旦-2℃の乙女峠からの富士山は雲ひとつない青い空にまぶしくそびえていましたいつもの年より雪が少ないのは温暖化のせいでしょうか今年もこの富士山の雄姿を愛でながら健康に過ごせたらと思います
2009年01月01日
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今年も残り少なくなりました高齢の両親と過ごしていますと日々が喜怒哀楽の積み重ねですがここに詩を載せることで閲覧してくださる皆々様に励ましや勇気を頂いております心より感謝申し上げます来る年も皆様が穏やかな日々を過ごされますようにお祈りいたします
2008年12月29日
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夏の暑い陽差しが照り映える近くの公園にたった一つ転がっていた球根 すっかり萎びていたそれをそのまま捨て置くのも可哀想と持ち帰って鉢に植えていた 気がつくと秋の半ばには小さな芽を出し日に日にすらりとした葉を伸ばした 葉の形から水仙とわかったが花を咲かせられるかどうかは疑わしく時折 水や肥料を与え「頑張~れ ガンバレ」と声を掛けた 数日前にか細い葉の間に小さなふくらみを見つけた あの萎びた球根から期待もしなかった蕾なんと強靭な植物の命だろう 人の命がないがしろにされるこの世の中で初冬の暖かな慈愛の陽差しが命あるものとして分け隔てなくこんな植物にも降り注ぐ自然の恵みのありがたさと土に親しむ者の幸せを感じた
2008年12月05日
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霜月の雨は紅葉した木の葉を庭に散りばめました 箒でかき集めさまざまな形の葉を手にとって並べてみると錦の織物のように美しいのです 父の認知症に付き合い遠出することもなくなった母にこんなに集まったわと枯葉の錦を見せました すると木の葉は枯れても綺麗だこと人もこんな風に綺麗に枯れたいものね~と呟きました 老いの醜くさを人目に曝したくないと思う母の気持ちが切なくて・・・ 色鮮やかな落ち葉も人それぞれ見方によって感じることが違うのですね
2008年11月25日
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僕、モグラのモグ太ですでも、もう母さんから離れて自分でエサを探さなくてはなりません。今日は、この間、とっても怖い目にあった時のお話をします。 僕は、一人でエサのミミズを探している内に、うっかり地上に出てしまいました。すると、そこは昼寝中のノラ猫グレーの鼻先でした。僕はびっくりして引き返そうと思いましたが、あいにく僕の目は地下対応で、地上ではほとんど見えません。ウロウロしている間にノラ猫グレーが目を覚まして、僕の匂いをかぎ、いきなり爪をたてた手で僕の背中にパンチをしてきました。僕、生きた心地がしませんでした。逃げようとするとノラ猫のグレーがまるでマリを転がすように、僕をおもちゃにして遊び始めました。僕は怖くて鳴きながら鼻をピクピクさせて丸~くなっていました。すると、この辺りでは一番元気のいいお姉さんが犬の散歩に通りかかり、僕を見つけました。あ~、助けてくれる人が来たのかなと思いました。ところが、今度は犬が僕を見つけて大きな口で噛みつこうとしました。一瞬、お姉さんが「セントだめ~!」と言って、犬を遠ざけてくれました。そして、僕を捕まえようとします。僕、お姉さんの手も怖くて素早く逃げましたが、とうとうお姉さんは僕の尻尾を掴みました。「ほら、捕まえた!」と起き上がろうする僕を逆さづりにして、嬉しそうに僕を家に連れて帰りました。お家では、おばあさんが逆さ吊りの僕を見て「あら、何てことするの!放してやりなさい」と叫びました。でもお姉さんは「ダメよ、モグラなんてめったに見られないんだから、これからよく観察しなくちゃ!」と、僕を竹で出来た虫カゴに入れました。僕、これから何が始まるのか、怖くて、こわくて・・・。お姉さんは、虫カゴの上下、左右から写真を撮っていました。時々「モグちゃ~ん」なんて親しげに呼ぶんですよ。僕の名前はモグ太だっていうのに。やっと開放される時が来ました。お姉さんは裏山の畑に行こうと言っています。そこは、僕の生まれた所です。そこに行くとお姉さんは虫かごのふたを開け、ビクビクと脅えている僕に向かって、「早く出なさいよ」って言うんです。僕は高い所からジャンプなんて出来ません。何しろ地下育ちなんですからね。でも思いっきり飛び降りたら、意外にも柔らかい土の上でケガもしませんでした。僕もう必死で走りました。とにかく、あのお姉さんの目の届かない所まで逃げのびなくてはと。振り向くとお姉さんが「もう地下から出てこないのよ~」って言っていました。それにしても人間というのは、優しいんだか、怖いんだか、僕にはさっぱり分かりません。
2008年11月02日
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昔 庭の片隅に父が植えた金木犀 この季節を忘れずに仄かな香りを漂わせ今年も花をつけた 廊下に出てきた父に金木犀が咲いたわよ と云うとどんな花だ? と言う 「どんなって・・・お父さんが自分で植えたでしょ」 そう言ってからあ また言ってしまった!と思った まだらに記憶が抜け落ちている父を喜ばせようと思う言葉が思惑とはうらはらに度々私の胸を締め付ける 厳格だった父が不用意な私の言葉をどのように受け止めているのか気懸かりな朝だった 数日前の雨で情趣移ろう小さな庭はもうすっかり秋の彩り
2008年10月09日
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またも やり場の無い悲しい事件が起きました なぜ母親が我が子を手にかけるのなぜ母親は母親の心を失ったのなぜ なぜ・・・ 小学1年生の男の子といえば いたずらで きかんぼうで手に負えない時もあったでしょうでも乳臭いところもあっていつもいつも甘えていたでしょうにまだまだ たった6歳なんですから この子の生きた6年間母親はどのようにこの子に向き合ったのでしょう子の笑顔に 子の寝顔に抱きしめたくなるほど 幸せに思った時もあったでしょうに母親の心に何が起きたのか 母親の心にどんな狂気が芽生えたのか全身に鳥肌が立つような寒々とした嫌悪感がにじみ出し切なく許せない悲傷の想いで心がずたずたです外は豪雨 この雨より冷たい心を持った母親に怒りで体が震えます
2008年09月22日
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ボク スズメのチュンです今日はボクが気絶しそうなほど吃驚したお話です ボクたちが毎日遊びに行くお庭にはペットボトルを逆さまにして入れた餌箱があり いつもヒマワリの種がいっぱい詰まっています ボトルの口をチョンチョンとつついてヒマワリの種を一つ引き出すと次の種が出てくるという仕掛けですところが今日 ボクは夢中になって啄ばんでいるうちに餌箱の中に入り込んでしまったのです さぁ~大変急にうす暗く狭い場所に閉じ込められてボクは大々々パニックになっちゃいました バタバタ羽根を動かして脱出を試みましたが 餌箱の天井に頭をぶつけるばかりです どうしよう~ もう出られないのかなァ~ボクは悲しさと恐ろしさで体をこわばらせ諦めかけていた時でしたちょうどお庭で 小鳥の巣箱を修理していたお姉さんが気づいてくれたのですあらァ~ 何でスズメが餌箱の中にいるの?珍しいこと大好きのお姉さんは目をキラキラと輝かせて笑いながらボクを見ていますそして 餌箱に大きな手が入ってきてその掌でそっとボクを包みました あら スズメの体って案外あたたかいのね食い意地張って まだ子供のスズメなのねお姉さんはボクを竹の籠に入れ興味津々で観察していますボクは怖くて目を閉じることも出来ません暫くすると お姉さんがいいましたあなたは飼えない鳥だから逃がしてあげる と籠の口を開けてくれましたボクは夢中で外に飛び出しお庭の木に衝突しそうになって屋根の上で様子を見守っていた仲間の所へ帰りました 食い意地張って 餌箱に入っちゃうスズメなんていませんよねいま ボクはすごく反省していますボクを焼き鳥にしなかったおねえさんありがとう
2008年09月13日
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わが父 齢94歳斑に顕在化する認知症とか その父に 今年も かつて勤めていた会社から社友会のお誘いの葉書がきた 昨年は私が付き添って出かけたが帰宅してから寝込むほど父は疲れ果ててしまった 今年も出席するという父今年は止めようよという私何故止めるんだと父は怪訝な様子で問い返す 今いった事もした事も数分後には忘れてしまうそういう世界に住む父なのに40年50年前の記憶は鮮明で威厳に富み見事に充実して華々しい その栄華の記憶をたどるだけでも出来るものなら参加させて上げたい! 散歩も覚束ないの足腰の状態をこんなはずはないと思い続け否定し続ける父をどう説得したらいいものやら思案に暮れる 夏を惜しむ蝉の声が私の脳裏で騒がしい
2008年09月06日
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まだまだ残暑の厳しい今朝爽やかさとは無縁に暑さを苦しげに息する風情で庭に朝顔が咲いた 行灯仕立てに編んだこの夏の花今年の異常な暑さに辟易して不承々々今頃になって咲いている 日中の灼熱に耐えられず薄く淡い紅の花弁は葉陰にかくれるようにして儚く萎れてしまう この淡い紅を集め筆を執るという旧い雅にならい幾つもの花を摘みガラス壜につめ色水を作った 白いハガキにそっと筆をおろす淡い色の残暑お見舞いさて どなたに宛てて送ろうか
2008年08月19日
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今日は二十四節季の大暑早朝から 眩暈しそうな日差し庭の植物たちがうなだれてしまうほどです そんな庭にいつの間にか秋には赤い小さな実をつける万両が白い花をつけました そして小さなその花がひとつ蜘蛛の糸に繋がって微かな風に揺れています くるくると早回りしたりゆったりあゆ~んと揺れたりまるで妖精のブランコのようです 目に見えないほど細い糸と手をつなぎ落花するまでの ほんのひと時それでも 美しくありたいと思うのでしょう その健気な姿に日盛りの猛暑も忘れ風に吹き飛ばされないように思わず近寄って 掌で囲っていました 軒下に涼風が忍び寄りチリリンと風鈴を鳴らしていきました
2008年07月22日
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今日の午後なぜか 私の部屋にクロアゲハ蝶が迷い込んできました 手をかざし外へ導こうとしてもひらひらと美しく舞うだけで開いた戸口の方へは飛んでいきません 悪い事に この部屋には 小さな天窓があるのです 蝶は天から降り注ぐ光に向かってひらひらと舞い上がり痛ましくガラスにぶつかります 幾度も幾度も天窓に当たり大きく儚い羽根が千切れていきます 思い切って 手で捕まえ 戸外に放しましたがミントの葉に止まったその姿はまるで悲しみの黒いリボンのようでした ほんの瞬く間 目を離した隙に蝶はもうその場所にはいませんでした不吉な兆といわれるクロアゲハ私に何を伝えたかったのでしょう それにしても背筋が寒くなるほど不気味な青虫が斑模様の朱を粧う絹綾織のような真っ黒の羽に化身する あの 自然の摂理がとても不思議です
2008年07月15日
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笑いさざめくように パッと明るい色で咲いている夏の花 ノウゼンカズラ この花を見るといつも広島の原爆資料館を思い出す 悲惨でおぞましい写真や遺品の数々言葉を失い足も重たくなった高校生の夏の日資料館の帰り道知らないお宅の垣根に垂れ下がるように咲いていた名も知らぬ花 まるで燃えるように熱い炎のようにあの訴え掛けるような橙色 あれから幾年月が流れたのだろう見せ掛けばかりの平和な空に真っ白な夏雲が流れていた
2008年07月06日
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いま 庭は紫陽花の花盛りです 花火のように咲く山紫陽花やぼんぼりのような西洋紫陽花など色も姿もさまざまです 私は西洋紫陽花のふっくらした花房の内側を見るのが好きです それは梅雨の晴れ間の光が 花びらの艶やかな色彩に染め上げた柔らかで神秘的な空間です 時々 その中に小さな虫が身動きもせずじ~っとしています身体ごと花色に染まって暖かく 気持ちがいいのでしょうか 花の中ってどんなふうなのでしょう私は 時々群れる花々の不思議な世界に溶け込んでみたいと思います きっと淡い光とほんのりとした芳香に包まれてまどろみたくなるのでしょうね
2008年06月18日
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僕の名前はセント果物が大好きな犬ですリンゴもスイカも食べますでも 柑橘類は苦手です この季節 裏庭の枇杷の木に熟れた実がたわわになります この美味しい実を食べに 毎年 里山から リスやハクビシンがやって来ます でも 僕は木に登れませんからポトン ポトンと熟れた実が屋根に落ちる音をただ聞いているばかりで・・・ いつお姉さんが拾い集めて食べさせてくれるのかなァ 今日は6個も落ちたそうですお姉さんは手のひらに乗せた枇杷を食べる?って僕に訊きました もちろんです嬉しくて涎が出そうなのを我慢してお座りして待っています 今日の枇杷はとても大きな実でした僕は前足で枇杷をおさえ上手に大きな種を出してペロリと食べましたとっても美味しいかった! また明日枇杷の落ちるうれしい音が聞こえてこないかなァ~
2008年06月10日
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爽やかな5月がもうすぐ終わります今年の5月には 五月晴れ~と心が弾むような日は 数えるほどでした 人は 雨はいやだと云いますが私は決して嫌いではありません 静かに新緑の庭を眺められるし家の中の仕事もできますそれにもう一つ特別な思い入れのある大好きな真っ赤な長靴がはけます 私が幼稚園児の頃は傘も長靴も黒一色で とても質素な時代でしたところが 父がどこからか真っ赤な長靴を見つけて来てくれたのです その時の嬉しかったこと!今もずっとその喜びを心に秘めています今朝 父にその話をするとポツリと忘れた・・・と云いました 紫陽花が咲き始めた 今日の雨はいつもと違ってちょっと寂しい雨でした
2008年05月29日
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里山の緑が多彩になって 爽やかさを感じるこの季節ひょんなことから植物園の園芸販売所でアルバイトを始めました 初めてのレジ打ちや咲き終えた花殻の摘み取り思いもかけないようなお客様からの質問などに戸惑うことばかりでした 広い園内には名前も知らない植物が多くこの歳になって改めて草花や花木の本を開いています これが介護ばかりの日々をおくっていた私にとってとても良いことでした私に頼りっきりでいた母も出来ることは自分でし始めました 花を見ながら花に親しむ仕事は心に安らぎが生まれます心が安らかになると廻りにも安らぎを与えられます 今日も植物図鑑から引用したメモをポケットに忍ばせて 笑顔を振りまいて頑張っています
2008年05月08日
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今日はお釈迦さまの誕生日春の嵐が吹き荒れる中近くのお寺に行ってきました この雨でいつものような華やかな稚児行列もなくお釈迦さまは静な本堂に祀られていました さくら 椿 ジャスミン ショカッサイ マーガレット 春の花々に飾られた御堂の下に小さなお釈迦さまが 天上天下を指差しています 以前訪ねたルンビニの地で拝んだ白亜の小祠堂に祀られサフランやウコンの朱や赤の聖粉にまみれていたブロンズ像とは随分違います 見るからに平和な日本のお釈迦さま 甘茶をかけ手を合わせ花の匂いをいただいて家族の健康を祈りました この春の嵐に訪れる人もまばらな潅仏会お釈迦さまもちょっと寂しそう
2008年04月08日
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もう そろそろかしらいや まだかしらとそわそわと気持ちを波立たせ待っていたさくらの花がいつもの年と同じように咲き出しました 私達が こんなに待ち焦がれて迎える花が他にあるでしょうかさくらにはそれぞれの方の想い出があるのでしょう 薄紅をさしたような咲いたばかりの花びらがまだ冷たい風に震えています あの時の私も今日のような花冷えの中儚い命を思い無言で小さく震えていました 両親よりも先に逝った兄の想い出をたぐりながら花吹雪の段葛を静かに歩いたのです 今年はさくらの花びらが舞い散る前に両親とともに墓参し静かに手を合わせてきましたこの春は もう七回忌
2008年03月29日
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私の父は今年で93歳元気ですが認知症があります漫才のような笑い転げる日もあれば切なくて切なくて涙があふれる日もあります 婆ぁさんばっかりだと父がいうデイケアセンターに週2日通っています先日そこで 私達家族がお腹を抱えて笑う出来事がありました 職員さんの報告によると歌 踊り 得意とする特技など籤で当てたものを披露するという催しがあって 父には歌が当たったそうです 誰もが知っている歌を みんないっしょに歌いましょうどんな歌でもいいですよ~ さぁ 元気に歌ってください・・・ 生真面目な父は昔 詩吟をしていましたがみんなで歌えるような普通の歌は知りません 軍歌なら歌えるが婆ぁさんや若い人は知らないだろうなぁ~他に知っている歌といえば・・・ そう 『君が代』しかない!父は厳粛に歌ったそうです その日の連絡帳には大きな花○と 直立して大きな声で歌う姿はとても93歳には思えませんと 書かれていました 認知症は考える力が劣っているわけではなくちょっと前の出来事を忘れる病気です帰宅した父に 『君が代』歌ったんだってね というとさて どうだったかなァ~ このところ 『君が代』をよく耳にしますその度におかしいやら切ないやら・・・
2008年03月24日
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寒いけど私は2月というこの短い月が好きですでも 今年はいろんなことがあって如月らしさを楽しむ余裕がありませんでしたさらさらと流れるように過ぎ去った日々を振り返っているとふと 誰かに呼ばれたようでした庭に降りてみるといつの間にか春の花たちが咲き出していますさっき私に呼びかけたのはこの花たちでしょうか金色に輝く 福寿草白いパラソルのようなクリスマスローズビロードでおすましするのはパンジー春は名のみ風はまだ冷たいけれど可憐な花たちからつい忘れてしまいそうだった暖かい気持ちをもらいました
2008年03月04日
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僕は小鳥たちの嫌われ者のヒヨドリです 昨日 小鳥たちがあるお庭の餌箱のことをうれしそうに噂しているのを僕は高い梢で聞いていました そこには庭木の間に古い餌箱があって 毎朝 おねえさんが餌を置いて行くというのです 僕はさっそく飛んで行ってみました なるほど小鳥達が楽しげに飛び交い幸せそうにご馳走を食べていました 餌箱にはヒマワリの種やリースにしたピーナッツや蜜柑やリンゴまであるのです 一昨日の大雪で餌が見つからず僕は腹ペコでした もうたまらず一気に餌箱に飛び移りました すると僕の大きな体に驚いて 小鳥たちがピイピイ鳴きながら 一斉に逃げてしまいました 僕はけっして小鳥たちを驚かしたり餌を横取りしようとしたのではありません あの美味しそうな果物や種なんかをおなかいっぱい食べたかっただけなのです その小鳥達のけたたましい鳴き声に窓が開いておねえさんが顔を出していいました「あ~ また意地悪ヒヨドリが来たのね」 なぜ僕らは意地悪っていわれるのでしょう 仲間が熟れた柿をつついたり金色に色づいた金柑を枝から落としたり木全体を真っ赤に覆う見事なピラカンサスの実を一日で食べつくしたりするからでしょうか 僕はいまとてもお腹が空いて困っているんですおねえさん お願いだから 僕を追い払わないで 僕が飛び去った後には夢いっぱいの何かが残っているかも知れませんよ春になればお庭に 見慣れない可愛い花が咲くという素敵なお土産が おねえさんきっと 喜んでくれると思うんだけどな
2008年02月10日
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立春の朝は雪に静かに閉ざされて一面の銀世界で明けました フワフワと舞い降る雪は裏山も梅林も見知らぬ里の景色に変えてしまいました 庭の蝋梅も万両も金柑も寒そうに 雪の帽子をかぶっています そんな中で元気なのは小鳥達と飼い犬です 原っぱが雪で覆われて餌が見つからないのかいつもは見かけない小鳥たちが餌箱めがけて飛んできます 飼い犬は散歩に出ると雪の中を転げるようにはしゃぎ回り喜びを表します 父の豆まきの大きな声が雪の庭に響いています 何か ホッとため息がもれる幸せな一日です
2008年02月03日
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厳しい寒さが身にしみる大寒の朝暫くぶりに 霜柱を見つけました 仄かな冬の日差しを受け青灰色に反射する氷の柱は小さな建物が密集して並んでいるようでした 昔 私もそうしたように誰かが あの不思議な感触を確かめたのでしょうか 小さな靴跡が数箇所 氷の造化を踏みしだいていました 靴底をそっと載せると ゴリゴリした感覚が足裏をくすぐり 微かに力を加えると儚げにサクッと崩れる霜柱 今にして思えば白い息を吐きながら歩くあの心地よい足裏の感触は 冬の数少ない遊びのひとつだったのでしょうか 日が昇れば淡く溶けてしまう霜柱小人が手足を踏ん張って懸命に大地を支えているようにも見えてとても愛らしいです 軒下の日陰の霜柱ほんのりと懐かしく 幼い日の記憶が甦りました
2008年01月27日
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早春の庭に2種類の蝋梅が咲き出しました ふっくらと丸みがあって黄色い花びらを幾重にも重ねた素芯蝋梅と繊細な花びらに芯だけが赤い唐梅と・・・いずれも見事な蝋細工のようです 凛とした寒さをすり抜けて差し込む早春の陽射しにあたかも蝋が溶け今にも花の形が崩れそうに下を向いて咲く唐梅が私は好きです 蝋梅の仄かに甘いかほりにいつも幼い頃のお正月の羽根つき遊びを思い出します細めの花びらと 染め上げたような芯の赤さが追い羽根とよく似ているからです むくろじの黒い実をつけた羽根が飛んでくるとお姫様の押し絵の側で打たないように羽子板を裏に返し夢中で掬い上げるのです 蝋梅の咲く冬空は昔と少しもかわりません けれど 羽根つき遊びも羽子板も もう ほとんど見かけなくなりました 今年 12月になったら浅草寺の羽子板市に出かけ初めての女の孫に古い慣わしの魔除けの羽子板を買って上げようといまから心が弾みます
2008年01月10日
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お正月三が日も過ぎて早朝の箱根路を行きました 東京箱根往復大学駅伝も終わった箱根の山はまだ 静かに眠っているようでした 8時に-1℃の乙女峠から見た雲ひとつない富士山に新春の光が満ちていました 昨年のような不祥事が出来ることなら一つも起きない事を祈りました
2008年01月04日
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2008年のお節です本年もどうぞよろしく
2007年12月31日
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今年も残りわずかになりました拙い詩と 好きな写真を載せて沢山の方々に 書き込みをいただき励みになる1年でした皆様に感謝と御礼申し上げて一年の締めくくりにいたします良いお年をお迎えください
2007年12月30日
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ここ数日宇宙の神秘に巡り会い心やさしい日々が続いています 2、3日前には何気なく見上げた空に彩雲を見ました それは落日に彩られあたかも光を呼吸するように輝いていました 今日は急に湧き出した黒雲が雨を降らせその狭間をせり出すように二段仕掛けの虹が出て空のあっちとこっちで笑っているようでした そして深夜空を覆っていた白い雲が拭いとったように流れ去り満天の冬の星座が現れましたその凍てつく神秘の天空を青白い光の尾を引いて流星が西へ流れて行きました これら素敵な現象の数々慌しい私の日常に安らぎのひと時を下さった遥けき宇宙の彼方のどなたかにありがとう~!
2007年12月15日
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年の瀬も近づいた小春日和の午後横浜に入港する 客船飛鳥を見に行った 幸いにも遊覧船に乗り合わせてたくさんの船が行き来する中海上をすべるようにやって来る 氷山のように巨大で真っ白い 飛鳥を出迎えるという素晴らしいチャンスに出会えた この客船に誰も知人はいないのに久し振りに 親しい人を迎えるようなこの胸の高まりは何だろう 見果てぬ夢とは思うけれどその船旅に様々な思いを形にして私を誘(いざな)ってくれた白い大きな船 乗客の幸せと夢を乗せた客船を見送り夕闇の降り積む中クリスマス色にさんざめく 賑やかな街を歩いた
2007年12月08日
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ぶらりと出かけた先で思いがけない綺麗な紅葉を見てきました箱根に近い古いお寺の静寂の中の紅葉息を呑むようでした晩秋の日差しを受けきらきらと時雨れるような もみじその真っ赤な色に心が明るく踊るような気分になるのはなぜでしょうふと 遥か遠く四季のない外国に住む友にこの美しい風景を届けたいとシャッターをきりました
2007年11月27日
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この頃飼い犬のセントに悪知恵が出てきました 今日は家事が忙しいのでいつもより散歩を短めに切り上げましたそうしたら門の前でちっとも動こうとせず無理やり連れ戻しました 家事を済ませてセントの様子を見に戻ってみると新しく買い換えたばかりのリードがところどころ切れ掛かっています あら またやったのね と云うと上目遣いに私をジット見ていますでも いつもの悪びれた様子はないのです つい先頃もリードをかじって使えなくしたばかりです思い返すとその時も散歩の時間を端折った時でした 言葉で抗議できない犬は不貞腐れたり悪戯したりして満たされない想いを表すのですねなんだか 幼い子供を見ているようで可愛いです
2007年11月02日
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季節はずれの台風です朝から激しい雨が降っていますそれでも庭のえさ箱には 小鳥たちが頻繁にやって来ます 餌をついばみ その小さな嘴にくわえてすばやく里山のほうへ飛んで行きます この冷たい秋雨にレインコートも着ないで小さな体から水滴を飛び散らせまた舞い戻って来ます ふと 思いつきました えさ箱の上に傘をさして上げたらどうかしら古い傘を木と木の間に差し掛けてみました 何事が起きたかと 近づかなかった小鳥たちがしばらくすると ジュッ ジュッと鳴き交わし恐るおそる集まってきました どう 良かったでしょ? これで濡れずにご飯が食べられるネ小鳥の気持も考えずに自己満足している私です でも 小鳥たちにとってはどうだったのだろう本当は迷惑だったのかも知れないなァ~
2007年10月27日
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今朝 廊下の戸を開けるとどこからか流れてくる 馥郁とした甘い香りに気がついた それは 庭木のあいだで目立たずに咲いた金木犀ほんとに小さな四弁の黄色い花折り重なるように咲いている 何時から咲いていたのだろう花というより木全体が匂やかでその風下をよぎるだけでしっとりした香りが体を包むようだ 介護にあけくれ近くの些事ばかりを見つめていたこの頃疲れ果てて心に余裕もなく目の前の花も香りも見て見えていなかった日々 その香りの中で縁側に射し込む秋の日を浴びてお三時のお茶をいただく母と私 金木犀が咲いたのね この頃は 匂いさえ分からなくなったそう呟く母掌に包む湯飲みも目頭も熱かった
2007年10月11日
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以前 彼岸花の群生を見たことがありますそれは野原一面に緋毛氈をひいたようで思わず息を呑みました ところが最近 家の周りではほとんど見かけないのです何故でしょう 不思議です 昔 祖母がいいました彼岸花はお墓に似合う花なんだよとそのせいで嫌われたのでしょうか あの真っ赤な細い花びらと雌雄の蕊をつんと目立たせた花火のような彼岸花誰にも手をかけられず 控えめにおずおずとまるで人目を忍んで野に咲くようなあの姿の妖しさが好きです 激しく燃えた炎のような夏を引き連れて 足早に去って行く季節を急ぐ彼岸花を今日 野の片隅に見かけました
2007年09月23日
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