三崎真琴の「ぼちぼちいこか」

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2005年04月17日
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 映画「阿修羅城の瞳」を観ました。

 劇団☆新感線の舞台は未見なのだけれど、
「これ、舞台で観たら、大感動しただろうな」
 と思いました。

 これだけスケールの大きなお話を生で観たらシビれたでしょう。
 でも、あくまで、舞台でならば、なのです。

 表現上制限のある舞台と違って、映画は、ディテールにこだわったセットは作れるし、アングルだって変えられます。

 でも、
 人間界に潜む魔物たちを

 最新のCGは使いまくり、
 血しぶき飛ばしてバシュバシュ斬りまくる時代劇

 こういう映画って、最近どうも見飽きてきたんですね、私。

 だから、この手の題材って、映画としては全然新鮮味が感じられなかったのでした。

 キャスティングにも?マークを感じました。

 主人公、病葉出門(わくらば・いずも)の好敵手、邪空の渡部篤郎、ちゃんとした演技の出来る人ではあるけれど、なんか意外性がなくて、見ていてワクワクしません。

 美惨役の樋口可南子もがんばっているけど、もひとつインパクトに欠け、
「ああ~、『CASSHERN』にも出てたなー」
 と、醒めた目で見てしまいました。

 そして、ヒロイン(でいいんだよね)つばき役、宮沢りえ。


 ものすごーく華奢な体で、病葉出門に
「俺が全てを引き受ける」
 と言わせてしまう、はかない雰囲気も持っています。

 なのになのに、ああ~、クライマックスの殺陣が・・・ダメなんだぁ~。



 殺陣は体が動いて当たり前、その上で、二人の男女の心の激しいやり取りに感情移入しなければならないはずなんですが・・・、 
 宮沢りえの動きに、流れとか力強さが感じられなくて、お話に集中することが出来ませんでした。

 うーん、もったいなかったなー。

 この映画は、主人公、病葉出門=市川染五郎のための作品なんですね。

 冒頭の鬼御門たちのシーン、あれだけ多くの人間が入り乱れているのに、なぜか視線は市川染五郎に行ってしまいます。 
 自分の「見せ方」を知っている人で、立ち姿からして違うんですよね。

 殺陣も、リアルな斬り合いじゃなくて、「見せるための殺陣」なのです。

 なんでこんな位置で刀を受けなアカンのよ、とか思うのだけれど、それが見ていて楽しいんですよ。
 渡部篤郎、完全にかすんでます。
(これが、30代後半の真田広之とか、個人的希望として大葉健二さんだったら、もっと違う世界が開けたと思う)

 病葉出門は人気役者で、劇中でも、舞台で歌舞伎を演じるシーンがあるのですが、普通の映画俳優さんが歌舞伎をなぞるのとは違って、ものすごい説得力がありました。
 なんてったって、本物の芸を受け継いでいる人が演ってるんですもんね。

 今は高尚な趣味になっている歌舞伎も「昔は大衆の娯楽だった」と、本などによく書かれています。
 確かにそうだったんだろうと頭では理解できるのですが、あまりピンとこなかったのでした。

 しかし、この映画で、舞台の上に歌舞伎役者の市川染五郎がいて、江戸時代の服装の娘さんたちが客席で熱狂している、という場面を映像で見たことで、
 江戸時代の観劇について、その雰囲気がちょっとだけ分かったような気がしました。
 今みたいな椅子席じゃない小さな芝居小屋で、役者さんとの距離も近かったんでしょうね~。

 出演作なんて全然見てないのに、市川染五郎=梨園の御曹司、お坊ちゃんなどというイメージを勝手に作り上げていたので、
 この映画で時たま見せる、すけべそうな表情が人間くさくて良かったです。

 個人的には、四世鶴屋南北も好きでした。

 「のぞき」はアタリマエ、「自分の目で見たことしか書かない」と言って、危険な場にもズンズン行っちゃうところがいいじゃないですか。

 演じるのは小日向文世で、この人はTVの金田一耕助シリーズで横溝正史も演っていたこともあり、キャスティングに新味はなかったんだけれど、ご本人のキャラクターと合っていると思いました。

 舞台より映画がエライわけでもなく、
 立派なセットを作っても、全てが良いとは限らないので、
 市川染五郎ファンの方以外は、DVDかビデオで、
「あれっ、今の殺陣、どうなってた?」
 とか言いながら、気になる部分を見直したりする方が楽しめるのではないかと思いました。






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最終更新日  2005年04月20日 23時17分24秒
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