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2005年12月20日

■妖精とは？■

妖精学を確立された井村君江先生は、何冊もの本で書かれているし、
何度も何度も、たくさんの場所でこの質問に答えられているんだろうなって思います。

一昨日のお茶会でも、井村先生と知り合ったばかりの不動産屋さんの方が、
「妖精って何？と訊かれて、どう説明していいか分からない」と先生におっしゃいました。
そしてここでも、先生は、丁寧に沢山のお話をされました。

専門家だからこそで、あれも言いたいこれも言いたいで、話が終わらない感じです。
そりゃそうです、歴史も古いし、概念もいろいろだし、関連の話をしたらキリがないです。

■ひとことでは、言えない■
先生の書籍やお話から、ピックアップしようと思ったけど時間かかるので、
ネットで探してリンクさせていただこうかと思いました。
リンクのご連絡も面倒だし、すでに存在していないサイトのキャッシュからコピペです^^;

以下、引用は紫色です。

「妖精」は、英語の「フェアリー、エルフ」、フランス語の「フェ」に対する日本語です。
日本語にも「すだま」「しょうりょう」と言う「精霊」から、「仙女」まであります。
大正時代に「妖精」の言葉は定着しましたが、
上田敏の研究や松村みね子の翻訳のおかげと言えましょう。

英語　フェアリーはラテン語を基とし、
語義には fatum（L．）＝fate（運命）、fatare（魅惑する）の意があり、
「人間を惑わし、運命を左右する不思議な力を持つ超自然の生き物」として知られています。
魔法の力を発揮して、予想外に事件を展開させ活躍しますが、
妖精が登場しなくても、昔話は「フェアリーティル」と呼ばれています。

懸命に咲く花々や緑の野原、そして樹々を見ていると、
その色や香りを、自然の精霊の妖精たちがせっせと働き作っていると思えてきます。
妖精は美しいもの、清潔なものが好きであり、また「いたずら」「笑い」が好きでもあります。
麦打ちを手伝うかと思えば、紡ぎ糸をもつれさしたりとか。

昔話の中で妖精は、
月夜の原で饗宴を張り（フェアリー・レウェル）、
歌と音楽を楽しみ、輪踊りをする（フェアリー・リング）、
赤ん坊を取り替えたり（チェンジリング）、旅人の道を迷わせたり（フェアリー・レッド）、
怠け者の女中をつねったりする（フェアリー・ピンチング）。
丘の人々、小さい人々、良いお隣さんと呼ばれます。

妖精が生まれてくる淵源を考えてみると、次の６項目にまとめられるでしょう
（１）元素、自然の精霊ー「地」ーノーム、水ーウンディーネ、
　　　「火」―サラマンダー、風―「シルフ」―。
　　　花や木の精、湖の精等など。
（２）自然の擬人化―人間の姿にする―
（３）卑小化した古代の神々―ケルトの「トアサ・デ・ダナ―ン」の体が縮む
（４）先史時代の祖霊、土地の霊―祖先の道具「矢、ダート」等。各地の風土や霊
（５）堕天使―天に昇るほど良くはなく地に落ちるほど悪くない
（６）死者の霊―ハロウィーン（サウイン）には、妖精と死者は踊る

ギリシャ・ローマ時代のニンフと妖精の混同が、
文学作品では、チョーサー、スペンサー、へリック時代まで見られるが、

エリザベス朝のシェイクスピア時代になると、文学、戯曲の世界で小さい人達は復活してきます。

１７世紀の清教徒時代には、また悪魔と同列して退けられ、
１８世紀には合理精神から否定されていましたが、
１９世紀ロマン主義の時代になると、人々の心が自然や田園に向う傾向となり、
自然の精霊、妖精は再び関心を集め、詩に歌われ、文学に書かれ、絵画に描かれ、陶器に焼かれ、
舞台にバレエ、音楽や戯曲として表現されました。
妖精の絵画がロイヤル・アカデミーの展示室をにぎわし、さまざまな挿絵の本がうまれたのも
このヴィクトリア時代でありました。　

引用おしまいです。とっても見事にまとめてあって、助かります～！
今は存在しないなんて、もったいないですね。

■天使と妖精は違う■
幻想的で美しい絵で有名なきたのじゅんこさんは天使も妖精も描きますが、
そういう絵の影響でしょうか、天使と妖精が混同されることがあります。
うえの説明でもお分かりのように、自然のスピリットなんですね。特徴は虫の羽。
で、天使は神様のお使いだから全然違うんです。特徴は鳥の羽。

CD-ROM「きたのじゅんこ作品集」～天使と妖精の幻想世界～The Art of JUNKO KITANO

■もっとビジュアルで確認する？■
妖精の絵で定着してるのは、Cicely Mary Barker シシリー・メアリー・バーカーです。
森永ハイクラウンチョコレートに昔おまけのカードが入ってました。
集めていた人は多かったんじゃないかしら。私も集めてました。
今は、本やグッズでたくさんあります。私もいくつか持ってます。
フラワーフェアリーシリーズの第1作は、1923年にブラッキー社より出版されたそうです。