趣味の漢詩と日本文学

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April 1, 2011
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カテゴリ: 国漢文
【本文】同じぞうき君、人のもとはしらず、かうよめりけり。

くさのはに かかれる露の 身なればや 心うごくに 涙落つらむ

【注】
・ぞうき君=増喜。宇多院の御所にも出入りしていたという法師。「きみ」は、人を表す名詞のあとにつけて敬意を添える。第百二十二話に見える。
・「草の葉」に対して「露」「動く」、「かかる」に対して「露」「涙」、「露」に対して「涙」「落つ」は縁語。
・露の身=すぐに消えてしまいそうな露のようにはかない命。

【訳】同じ、増喜さまが、どなたに宛てたのか、そのお相手のことは、よくわからないが、こんなふうに歌を作ったとさ。
草の葉にかかっている露のように、はかない身の上だから、あなたのことに気持が動くにつけて、涙がこぼれ落ちるのだろうか。






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Last updated  April 1, 2011 07:13:10 AM
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