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誰にでも必ずこだわりはあると思う。 アイデンテティを得ようとすると自分でなければ出来ない事を何か探すことになり、それがこだわりへと変質する。自己の存在理由を見つけ、その価値を高めようというわけだ。 アイデンテティを得ようとする人は優秀な証拠だ。与えられた現状では得られない自己達成感を得るために、自らそれを求めて行動するのだ。 問題なのはそれが建設的な方向に働いているかどうかだろう。 メジャーレーベルが求めているものは、音楽的技術ではなく音楽的才能だ。だからデモテープにしてもギター一本でも才能は判るし、いくらオケが素晴らしくても、演奏がすごくても、歌が上手くても、既成のスタイルをなぞっただけのものは趣味のレベルとみなされる。技術だけのものではマーケットが興味を示さないのだ。ましてや芸当とみられては見世物で終わるだけである。 当然メロディや詞、演奏、歌唱などの基本的技術は必要だ。ただそれは当たり前の事であって、その上で何が必要かということになると、自分でしかできない何かを作る努力がそこにあるかどうかになると思う。 安易な例で言えば、自分の音楽を発明することだ。 ジャンル、リズム、スタイルなどを発明し、その分野でのオリジネーターになることを例えばBeatles、ZEP、Prince等のアーティスト達は行ってきているのだ。 「何かで成功するにはパラノイアである事が必要だ」とかつてビルゲイツは言った。 それは執着の異常性が時には巨大なエネルギーに転化するということなのだ。バランス感覚の欠如は飛び抜けた才能のエネルギーによって解決してしまう。 何にでも道はある。演奏力へのこだわりでもって、それが他を抜きん出ているのなら、プレイヤーになる道がある。アーティストに必要なものは音楽で人を動かす作品力と表現力になるのだ。そこへもっと執着して欲しい。 もしあなたに何かへのパラノイアの気質があって、それを活かせる人生がそこにあるなら、きっと大成することと思うが、活かせない場所にいるのなら周囲の人間も含めて大変不幸な人生となるだろう。 だからその場所は自分と向き合い、よく考えて決めるしかないのだ。
2003.03.01