【粗筋】
とんでもない男が越してくることになって、さあ大変……長屋の連中は相談の上、みんなでお化けの真似をして脅かそうということにした。そこで、男が湯に出掛けた隙に仕掛けをして、杢兵衛の話した怪談話の通りに仏壇の鐘を鳴らしたり、障子を音もなく開けたり、冷たいもので顔を撫でたりする。
男が驚いて親分の家に逃げ込むと、長屋連は按摩ともう一人に大きな着物を着せ、大入道に仕立てて脅かそうと準備をしたが、顔見知りの親分が来たのを見て下半身になった男が逃げ出してしまった。親分はあきれて、
「頼んだ奴もなんじゃねえか。按摩ァ置きッぱなしにして、意気地のねえやつらじゃねえか。腰抜けめ」
「はい、腰の方はさっき逃げてしまいました」
【成立】
「上」の怪談噺に対する二人の反応の対照が大いにウケる所で、この「下」は笑いも少なくあまり演じられない。落ちは「按摩を残して逃げるとは尻腰(しっこし)のねえ奴らだ」「引越(しっこし)をしたからこういうことになった」というものも。
念のため申し添えて置くが、上だけ、もしくは通しで演じることはあるが、下だけを演じた例は知らない。
万治2(1659)年『百物語』下巻45には、座頭を気に入って毎晩長話をしているので、家来共が門口に横槌を仕掛けて頭を打つ仕掛けを作る。
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