mikusukeの赤石お散歩日記

mikusukeの赤石お散歩日記

2006年12月05日
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冷たい空気は生き物のように部屋中を暴れまわる。
床下の底から突き抜けるような衝撃波は一直線に柱へと向かう。
背中を預けた柱から、背筋の凍るような衝撃が胸を突きぬけ前方の壁を直撃するようだ。
アルテミスは振り返り、柱に手をあて魔獣ガラテアを伺う。

「え!」

_どうしたアルテ。

不思議な感覚がアルテを包み、その驚きから思わず声が出てしまった。
しかし、猛威を振るう剣圧とそれが起こす轟音で声はかき消され、ガラテアには気づかれない。

_今、確かに声が聞こえた。メタビーは何も?



_確かに聞こえたの。こう柱に手をあて・・・

その時であった、柱に刻まれた不思議な文様、その一つ一つが頭の中に入り込んでくる。

---我は封印の部屋の主なり
---古き民の末裔にして赤き旅人の守護者

_聞こえた?

_ああ、今度は間違い無さそうだな。
_アルテ、もっと手を柱に当ててみろ。何者かは知らんが、この部屋の主だろう、少しは役立つかもしれん。

ドドーン!

いくつかの柱を攻撃した衝撃波が一回りして、再度アルテ達の身を隠す柱に衝撃を加える。

_アルテ、速くしろ!この柱も長くはもたんぞ。

_うん。



---我の力、即ち、赤き旅人の宝剣を残す
---赤き宝剣は一対にして、けして離すこと能わず
---我の力、即ち、宝剣を研ぐ、宝剣直ちに光輝かん

_おお~なんか凄い剣が隠されているのか、一対ってことは二刀流だな
_アルテ、お前ランサーやめたらどうだ?



さらに、アルテミスが手を動かす。

---我の力、即ち、宝剣が為の力この間に封印せし
---封印せし力、この間を支えん
---真の赤き旅人が触れし時、その力開放せん
---ここに、我の力、即ち、宝剣の再生を促すが力封印せん

ガン!
ゴゴゴ!

3度目のガラテアの攻撃が、アルテミス達の隠れた柱を直撃する。アルテミスが触れた文様は力なく光を失い、アルテミス
の頭の中に響く声も聞こえなくなっていた。

_しまった、まだ途中なのに。

_ゲゲッ、どうすんだよ。なんでいつもそんなにドンくさいんだよ、お前は!

_だってしょうがないじゃない。難しい言葉とか聞き取りにくくて、メタビーだってそうでしょ!

_お前、なんか此処に封印を解くような力があるって感じだったぞ。
_そもそも、最初にここの柱じゃなかったらアウトじゃん。なんて不親切なんじゃ!
_しかも、もう既に一本半壊しているぞ。

_え?柱になんかあるの?

_馬鹿かアルテ!なんかスッゲー剣とそれのパワーアップ機能が柱の一つ一つに封印してあるらしい。
_とりあえず、お前があの不思議な文字に触れると開放するかもってことだ。
_で、赤い剣が二つあるそうだ。どうする?剣を探すか、取りあえず柱の封印を解くか?

_柱が危ない、剣は本当に使い物になるか分からないけどとにかく封印を解きましょう。

アルテミスがガラテアの様子を伺う、今は反対側の柱に向かい攻撃を行っている。今がチャンスとばかりに一気に隣の
柱へ走りこむ、しかし踏み出した足が小石を蹴り上げてしまった。

コツン!

_やばい!

ガラテアの斧が迫ってくる、衝撃波により体が引き裂かれると想像したが実際には衝撃はこない。柱の影からガラテアの様子を
伺うと二匹のファミリア達が再び立ち上がり、ガラテアと奮戦していた。
救われたアルテはゆっくりと柱に手を当てていた。

赤石物語 】
(Blackworld and Redstonestory)

~古都の南風 傭兵の詩~



湿った空気のカビ臭い匂いが充満する部屋。
灯りは壁に蝋燭が2つ。煙が微かに流れる。部屋中に小さな子供達が押し込まれ寒さはない。
子供達は口々に「怖いよ~」とか「誰か助けて~」と叫び。泣き声が部屋を押し広げそうな勢いである。

「本当にあなた達ってどうしようも無いと思うわ」

一人の少女が立ち上がり、大勢の子供達に嫌味を言う。少しざわめき、その後静かになったかと思うと
誰かが、少女に対し罵倒を浴びせる。
「偉そうに強がって、じゃお前が俺達を助けて見せろ!」
一人の罵倒が数人に伝染し、今では部屋中に少女を攻撃する言葉が広がっている。
呆れた顔で少女が立ち上がる。すると、急に臆病になった者達は黙ってしまった。

「ここで文句を言っても、何も状況は変わらないわ。それより、ここから出る方法を考えましょう」

少女が、皆に話し掛ける。それでも、子供達は「非現実的だ」とか「大人達を待つべきだ」とか
「小さな子供達だけでは無理だ」とかそれぞれが好き勝手な事を言い始めます。
その時です、一人の男の子が立ち上がり皆を睨みつけます。

「お前達いいかげんにしろ!元々このメイヴィさんがいなければ俺達は皆死んでいたんだぞ」
「それに、メイヴィさんはプレイヤーだ。普通の大人なんかより何倍も頼れる」

この言葉が子供達の心にズシンと重く響き、誰も文句を言い出す子はいなくなった。

「そして、何を隠そうこの俺もプレイヤーだ。今は廃れてしまったロウ家の純血のプレイヤー。ノラ・ローだ!」
「これぐらいの鍵なんて、俺様にかかれば・・・」

ノラローは針金のような物で扉の鍵を開けようと試みるが、残念ながら扉は反応しない。

「ま、まぁーなんだ。俺は武道家だからチマチマした作業は苦手なんだ」

「ふふ、面白い人ね、私もプレイヤーよ。なんとか役に立つかしら?」
「名前はめるも。プリンセスのスキルを持っているわ」

新たなプレイヤーの登場で、子供達の表情が明るくなる。

「二人ともありがとう。三人もいるなら何とかなりそうね。みんな知恵を貸して。そしてココから脱出よ」

地下牢の中で子供達が歓喜の声を上げた。

☆

塔の最上階、その一番奥に大きな椅子があり、ザードフィルが足を組み肘掛に頬杖をつきながら腰をおろす。
その傍らにはトリーシャが立ち、さらには椅子に対し二列に並び跪き、頭を伏せる者立ちがいる。

バタン!

沈黙を破るように、一人のランサーが扉を開ける。椅子に続く赤い絨毯を踏み、他の者など目に入らぬ
かのように、ザードフィルに向かい足を進める。

「貴様!」

何人かの者が声を発するが、ザードフィルの片手がその者達に向けられそれ以上は声を出せない。

「何者だ、トリーシャがランサーに話し掛ける」

「マシンインター。それが名だ。訳あってこちら側につく、悪い話じゃなかろう?」

「何を勝手な!」とさらに跪く者達から声が上がるが結局先程と同じようにザードフィルにより静まった。

「で、何を所望するのだ?マシンインター」とザードフィルが口を開く。

「望む物はただ一つ、ゲルニカとの真剣勝負。他には何も」

暫くの間、ザードフィルとマシンインターの無言での探りあいが続く。

「いいだろう。お前の好きにするがいい。こちらの条件は何もない」

ザードフィルの返答にざわめきが起こる。そして一番驚いていたのはマシンインターであった。

「下がれ、後はお前のしたいようにしろ」

ザードフィルの言葉で振り返り、扉の方へと足を進めるマシンインター。ザードフィルはトリーシャ
に目配せをする。

「はっ!」

トリーシャが一気にマシンインターの頭上に飛び上がる。そのままマシンインターの背中に向かい槍を立てる。

ガツン!

しかし、トリーシャの槍が突き刺したのは石の床のみで、既にトリーシャの背後にマシンインターが立ち
槍をトリーシャの首元にあてる。

「なかなかの腕だな、瞬間的なオーラの膨張率は俺以上かもな。しかし、身を削るような強さじゃ本物ではない」
「まぁ、それでも化かし合いは女の方が上か。ふふ」

インターはそれだけ言うと、目の前のトリーシャをすり抜けるように扉の向こう側へと去っていった。
すると、先程までトリーシャであった存在が空気に溶け込み、元の場所にトリーシャの姿が現れた。

「良いので?」

ザードフィルはただ笑うのみで返答をしなかった。それがこの件については意見無用と一同への返事となった。

 ☆

ザードフィルの塔に夕日が当り、塔を赤紫色に染め上げる。石で出来た塔は独特の色合いを浮き立たせる。

「再度、ガラテアに問う。我が姉、風の三姉妹が長女トリーシャを我が主ザードフィルから救い出すと?」

「むろん、命に代えても」

「よろしい、ではこの扉通るがいい。必ずや姉を救い出すのだ」と雪音。

「ちょっとまった。これが罠ではないと保証できるのか」とセシルス。

「信じる、信じないはそちらの自由です。それにこれから先は私達が手を貸すことはないでしょう」とルジェ。

「ただ、これだけは忠告しておく。お前がこれから先出会うであろう姉はお前の知っている姉ではない」
「そして、私達が望むのは本当の姉。古代の血に抗うトリーシャだ」
「悪いけど、私達に出来る事はこの扉を開くことだけ。今度出会った時は容赦なく我等姉妹の槍と弓のコンチェルトが出迎える」

雪音が鋭く、真っ直ぐな眼差しでガラテアを見据える。

「お姉さま、コンチェルト(協奏曲)でなくて、カプリッチオ(狂想曲)の間違いね。お姉さまが絡むとね」
「それはともかく。あなたなら、きっと姉を古き血の呪縛から救ってくれると信じています」

ルジェの眼差しは少し不安なのか、悲しさが浮き出ていた。

「ガラさん、ここは無理に闘う必要は無いでしょう。この先は長い、例え罠でも先に進むのが先決です」と風天

ガラテア、セシルスは顔を見合わせ頷く。お互いの意思を確認し、扉の向こうへと足を進めた。

「お前たち、美人にそんな悲しげな表情は似合わん。俺はトリーシャとお前たちの笑顔を取り戻しに行く」
「それが、俺の払うことの出来るお前達への対価だ」

軽く手を上げ、肩に巨大な斧を担ぎ暗闇の塔へとガラテアは消えていった。
残された二人の姉妹は何かにすがるような視線でその大きな背中を追っていた。

やがて、赤い日が沈み、フランデル大陸を闇が包み込む。
赤い月がまた昇る。



<あとがき>

いやぁ一旦筆を置くと書けないですねぇ、よく4日連続なんて書けたなと自分でも思います。
アルテ編は、なんかおかしな事になっています。
全然反撃しないアルテですが、正宗・村正が攻撃中なので許してください><;

戦争編改めトリーシャ救出編は場面が変わりすぎて読者に優しくないですね。
なんとか読者を置いてかないようにしていますが、独りよがりな感じは否めないです。
しばらくの間はこんな感じですが、暖かい目で見守ってください。
今年中に後2回くらいアップしたいですが、どうなることやらw
ちなみに、2部は今年中に終らないことは確定していますb





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最終更新日  2006年12月05日 19時44分06秒
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