ゲイの動き。

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家族関係について・共同生活とか

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October 15, 2003

テーマ：アメリカ生活のあれこれ・・・(2047)

カテゴリ：アメリカで遊ぶ・出会い

１６番通りとウォールナット通りの角にある私が通うビルからブロード通りへ、私たちはそれぞれ自転車を引いて向かった。ウォールナット通りはフィラデルフィアでは一番おしゃれな通りで、ダウンタウンのど真ん中にある。ブロード通りは街の中心に南北まっすぐに伸びている大通りで、ウォールナット通りから東へ、ブロード通りに向かう時はティファニー､ケニスコール、ウィリアムソナタ、ラルフローレンなどの高級なブランド店がずらっと並んでいる。ウォールナット通りはニューヨークで言えば「５番街」のような通りでその規模は全く違うものの、高級なブランド店が並ぶ点でコンセプトは同じだ。一つ隣にあるチェスナット通りに行ってしまえば､雰囲気ががらっと変わり安価で壊れ易い商品しか置いていない店がずらっと並ぶ。

旦那と私の目的地は、そのウォールナット通りからブロード通りに入りちょっと南に３０秒歩いたところにある。８階までエレベーターで登るとそこは雪国･･･じゃなくて地元では高級なスポーツクラブだ。４階建てでジャグジー・スティーム・サウナ・プール・バスケットコート・ランニングトラック付き、ちなみにバスタオル使い放題というなかなか待遇もよい。月々一人約９０００円の出費であるが湯船がない安アパートで暮らしている私達にはお風呂に入りに来るだけでも充分利用価値があり、どちらにしてもこちらでの学生時代ではまずできなかった贅沢を私たちは満喫しているのだった。

火曜日はファンクダンスのクラスが夜の７時半からあり、私たちはここ１年間程欠かさず出ている。旦那は日本にいた時にジャズダンスのクラスを受け続けていたことがあり、見かけによらず彼の特技はダンスである。私は小さい頃お遊戯のダンスが好きだったが､運動は昔から苦手だった。いや、運動じゃなくて､「体育」が苦手だったと言ったほうが適切だろうか。運動は好きだったが、クラス全員で同じ競技をし比べられる、言うのがだめだった。その自分が「体育」で「平均以下」だったトラウマから運動から遠ざかっていた時期があったが旦那と出会い二人だけで運動するようになって私はめきめきと自信をつけた。そして、今クラスに参加して団体で踊っているのだ。

インストラクターのキップはロシアのバレエスクール出身の華奢な男性で動きはもちろん滑らか､バレエの動きも見せながら最近のヒップホップやトランスミュージックに合わせて次々をステップを踏んでいく。旦那に言わせると基本的な動きはジャズダンスも変わらないそうだ。腰の動き、首と肩の動きをコントロールできるようになれば大体カッコが決まる。しばらく身体が堅かった私でも一年経った今は自然に腰と共に肩が動き、踊っている時はなんだかかっこよく見える。ついでに腕の筋肉も締まってきており、腰の動きが多いヒップホップ系のダンスをなぞすればとってもセクシーで、鏡張りの部屋で必死にインストラクターに付いて踊る私は自己陶酔に浸る。

全く関係ないがそのダンスで身に付けた微妙な動きはもちろん普段にもでてくる。実はそのダンスに慣れた人のふにゃっ、というかこまやかな動きというか、しなやかな動きは女の人ならともかく男の人はたいていゲイなのだ。そしてキップもゲイである。

私が初めて旦那と出会った時、同僚の女の子達にこっそり「ねぇ、Oさんってゲイでしょう？」と聞きまくったことがあった。みんなは「いやー、私もそうだと思ってたんだけどどうやら違うらしい」と答えていたが､あの旦那のふにゃっ、としたようなしなやかな動きは疑いようなくゲイだと私は信じていた。「いや～ゲイの人って親切なのよね。いい友達になれそうだわ。」ととことん付き合ったのが縁だったのかもしれないと今では思う。

今日のキップは今流行りのデスティニーチャイルドの一人、ビヨンセとシーン･ポウルが歌っているインド風のレゲエみたいな曲に合わせてインドネシアの人がやるような手をくにゃくにゃさせたダンスを沢山した。腰は動いても、手全体を滑らかに動かすのはやはりまだ私には難しかった。

クラスが終わりゆっくりジャグジーに浸かり、またブロード通りにでると外は大雨だった。私達は自転車を置きっぱなしにし、タクシーを捕まえて１０分程東南に下がったサウスフィラデルフィアの自宅まで帰った。ジム帰りの夕食はとろろ芋そばと決まっていて､私達は特に例外なく同じ物を食べた。

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