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とは言いながら、それなりに規模が大きく、高級感もあるが気安さもあり、しかも値段が安かった。
海側の部屋のツインで、タックス、朝食代込みで1泊 151.2ユーロ(19,200円)。
後日、ヴィルフランシュシュルメールのジャン・コクトーゆかりのホテルに泊まったのだが、ここは3つ星で、実際に行ってみたら明らかにウエストミンスターより落ちるうえ、部屋も狭かったのに、値段が高かったのだ(全部で219.6ユーロ)。
おかしーだろおかしーだろおかしーだろ
なんでヴィルフランシュのような田舎町の中級ホテルが、ニースのような世界的観光地の、しかも一等地に建ってる高級ホテルより高いのだ?
ジャン・コクトー・プレミアムということか。でも、コクトーはそのブルジョアなイメージに反して、高級ホテルが嫌いな人だったのだ。第二次世界大戦が始まってすぐ、ココ・シャネルに誘われてパリのリッツ・ホテルに一時宿泊するのだが、「リッツは最低」と言ってすぐ出ている。ジャン・マレーは自伝で、コクトーが好んだのは、「質素だが居心地のよい、こじんまりとしたホテルだった」と書いてる。その質素なホテルが今や、ジャン・コクトーの名前を思いっきり利用して、プレミアム価格をのせ、大都会の一等地の4つ星ホテル以上の料金を取るとは・・・。
まったく南仏の物価は、意味ワカラン。

こちらがウエストミンスターの海側のツイン。部屋は狭めだが、海が見えるし、バスルームも清潔で新しく、それなりに使いやすい部屋だった。この場所でこの値段でこの内装なら、かなりお得感がある。
けど、相変わらず、「張り」のないベッドだなあ・・・寝心地は不思議と悪くないのだが(と言って、よくもない)。

窓から見る地中海は、絵の具を流したようにペッタリしている。ニース空港を発着する飛行機を座って眺められるので、Mizumizu母は大喜び。

窓から身を乗り出すと、プロムナードデザングレはこんな感じ。クルマの往来の激しい道だが、窓を閉めてしまえば騒音も気にならない。
カーニュからバスで来て、この道に続くニースの街を見たときは、思わず、「大磯ロングビーチ?」と思ってしまった。
カーニュから来るバスは、ホテルのすぐ近くに泊まってくれた。これが鉄道だったら、ニース駅からプロムナードデザングレまで来るのは面倒だった。バスにしてよかった。

部屋の前の廊下。豪華な漆喰の縁取り装飾を施したメダイヨンから下がるシャンデリアと金縁の大きな鏡が、いかにも由緒あるホテルだ。エクスアンプロバンスのヴィラ・ガリチもそうだったが、このホテルも趣味がどこかイタリア的。

今の時代には広すぎる石の階段。手すりの優美な曲線もホテルの伝統と格式を感じさせる。ホテル全体に、フランスが元気だったころのベルエポックの時代の息吹が漂っている。

朝食会場(笑)も豪華だった。おまけに、料理もかなり美味しい。エクスやカーニュで泊まったルレ・エ・シャトーのメンバーのホテルよりずっとマシ。

りっぱな円柱と天井画。朝食会場(笑)にしておくのは、もったいないくらいだ。もともとのは何の部屋だったのだろう。
サービスはチェックインのときに満面の笑顔で迎えるとか、ホテル内での荷物運搬の手伝いとか、最低限のことはちゃんとできてる。
だが、夜、ティッシュがなくなったので1度フロントに電話して補充を頼み、それから寝る前に漢方薬を飲むために熱いお湯をもってきてくれるよう、もう1度電話して頼んだ(そのほかのダイヤルでは誰も出なかったので)のだが、そのときの特に2度目の態度ときたら、信じれらないものだった。
同じオバさんが電話口に出たのだが、
「アロ~、アゲ~ン」(←「また何か用~?」とでも言わんばかりの、露骨に面倒くさそうな声で)
いい年の大人が、よくああいう態度をゲストに対して取れるものだと、心底あきれ果てた。ちょっとしたことを頼むのに、なんでこちらがいちいち不愉快な思いをしないといけないのだろう? こうやって客が物を頼みにくくして、自分がなるたけ働かなくてもすむようにという魂胆なのだろうか?(←本気で考えていそう)
観光客相手のサービス業の「雇われ」と口をきかずにすむならいい国なのだが、フランス・・・
とはいえ、それは電話口に出たフロントの女性1人が感じが悪かったというだけの話。実際にティッシュやお湯を持ってきてくれた男性は別に普通だったし、他のスタッフに気まずい思いをさせられたこともない。
だいたい1人か2人なのだ。こういう感じの悪い「雇われ」は。そして、そういう彼らが彼らの勤務先のイメージをガクンと落とす。こんな労働者に賃金払う経営者も、気の毒といえば気の毒。

ホテルを出ると、すぐそこは陽光きらめく大磯ロングビーチ・・・じゃなくて、プロムナードデザングレ。
気を取り直して、ニース観光に出かけよう。
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