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副題:日本・トルコ友好秘話「エルトゥールル号」事件著者:山田邦紀、坂本俊夫発行:現代書館 / 2007年9月 / 単行本ジャンル:ルポタージュ19世紀末、トルコの軍艦が日本の皇室との外交を終えてトルコへ向かう帰途、和歌山の串本沖で台風に遭って沈没し、約600人の犠牲が出た事件がありました。その時、紀伊大島の村民たちは献身的に生存者を助け、遺体を手厚く葬り、1世紀を超えた今もなお、トルコとの交流を続けています。<目次>はしがき序章 トルコ軍艦エルトゥールル号と串本第一章 遭難第二章 エルトゥールル号来朝第三章 救護 1第四章 救護 2第五章 送還第六章 義捐金第七章 救援機あとがき参考文献このルポの始まりは、2002年日本と韓国で共同開催された、サッカーワールドカップの日本対トルコの一戦について書かれています。なぜ串本町の方々は、トルコを応援したのか。そして、イラン・イラク戦争の最中、イランのテヘランからトルコの善意によって供給された航空機によって、制限時間ぎりぎりに邦人が脱出できたいきさつについても、書かれています。この広大なアジアの一番東にある日本と、一番西にあるトルコ、この二つの国の人たちが、もっと分かり合い、助け合い、共にアジアの一員として歩みよっていければと願います。それでは、本書のあとがきより一部分、ご紹介します。「(しかし、)エルトゥールル号事件はそうではなかった。救護に奔走した紀伊大島の人たちとトルコ人の生存者との心のつながりを生み、また、異国の海に果てた乗組員を悼み、墓地を造り、慰霊碑まで建てた日本人の行為があり、さらに、義捐金を集め、それをトルコまで届け、現地に留まり日本語を教えた男達もいて、それらを通してその後の日本とトルコの人たちとの交流が生まれた(からだったのではないだろうか。)」
December 28, 2011
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著者:さだまさし発行:幻冬舎 / 2008年5月 / 単行本ジャンル:小説さだまさしさんの曲とは、高校生の頃からの付き合いです。最初は深夜のラジオ、その後、曲に惹きこまれました。ですから、かれこれ20年くらいのお付き合いになります。さて、さだ氏(個人的にはまっさん、と呼びたい)が小説を書き、何作かが映画化されたことも知っています。しかしその期間はずっと海外にいたため、そのような作品にリアルタイムで出逢う機会は、なかなかありませんでした。このような経緯から、さだ氏の小説を読むのはこれが最初の作品となります。おそらく他の作品(小説)もそうではないかと思っていますが、今作のテーマも、やはり「家族」です。さだ氏が家族を唄ったものは、多くあります。小説の舞台は東京と福岡、そしてイギリスへと向かいます。さすがにプロの作家の作品ではないので、ざっくりとした味付けがします。でも、読んだ後、自分と家族との付き合い方について、考えさせられます。 序 第一章 東京 第二章 ロンドン 第三章 ボウネス 第四章 グラスゴー 終章 聖歌 アメイジング・グレイスそれでは、生と死について主人公が考えた一節をご紹介します。「人は生きて、いつかきっと死ぬ。 人生とは、おびただしい死と向かい合うことだ。そこにこそ、自分が生きていることへの答えがある。 では、生きているとは、今生きている、という事実だけをいうのだろうか。 生きて死ぬことの先にあるものは、誰かの記憶の中に生き続けるということではないのか。」(138頁)さだ氏が小説を書く意味は、唄やコンサートでもまだ伝えきれないこと、今の日本の人に伝えなければいけない言葉が、彼の内部から溢れ出てくるからなのだと、それを伝えるのが彼の使命なのだと、さだ氏自らが感じているからなのでしょう。
December 26, 2011
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副題:血と海の伝説著者:森村誠一発行:文藝春秋 / 1994年3月 / 文庫本ジャンル:小説今年2011年、日米開戦70周年を迎えました。山本五十六・帝国海軍連合艦隊司令長官を題材にした映画も公開されています。ミッドウェイも、山本司令長官が指揮された戦いです。森村氏には反戦作家のイメージを持っていました。『悪魔の飽食』シリーズは有名な作品ですので、興味のある方は手に取ってみてください。ですがこの小説に限っては、戦争に巻き込まれていった若者の姿を軸にして、淡々とストーリイが展開されています。この小説で描かれている若者とは、日本とアメリカ双方の若者です。二人はそれぞれの背景を持ちながら、パイロットとなり、戦闘機に乗り込む運命となります。この二人の青年と思いを寄せる幾人かの女性の存在、そしてミッドウェイ戦場で出会い、そして戦い、最後には共に、その命を散らします。ミステリー作家としての森村文学ではなく、このような長編作品に触れてみるものよい機会だと思います。終章として、森村氏の戦争への想いが記されています。そこから、一節だけご紹介します。「主人公は作者の創作であるが、ミッドウェイの海戦は史実に基づいて書いた。ただし作者が書きたかったものは「ミッドウェイ」の忠実な記録による再現ではなく、国家の目的によって個人の可能性を踏みつぶされた若者の無念さである。」(514頁)
December 26, 2011
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