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『蟹のお寺』と聞いたら、皆さん何を想像されるでしょうか?実は、おもしろい昔話が伝わるお寺が京都府の奈良市に隣接する山城町にあります。その名前は蟹満寺といいます。今日は、そのお寺のお話をします。
昨日のブログに書いた禅定寺から自転車で蟹満寺へと向かいます。木津川沿いにひたすら自転車で走って行きますが、逆風が強くてスピードが出せないし、しかも体力がかなりいるから、こりゃ大変でした。右を見れば木津川の穏やかな流れが、左を見れば田畑の広がる田園風景が見渡せます。時々JR奈良線の列車がのんびり走っている様子がうかがえます。
さて、このお寺が創建されたのは、白鳳時代の7世紀末で、当初は大変大きな金堂(本堂)が建っていたそうですが、今ではその本堂の規模も大幅に縮小されてしまい、閑疎なお寺になってしまいました。ところが、この小さな本堂の中には、なんと国宝があるんです
その国宝とは、本尊の釈迦(しゃか)如来座像で、大変貴重な仏像として珍重されています。日本最古のお寺として有名な飛鳥寺の『飛鳥大仏』、薬師寺の『釈迦如来像』などと同じく、奈良時代よりも古い丈六仏のひとつで、今残されているものはわずか5体だけです。像高は240 cmもある大きな仏像で、この小さなお堂では窮屈ではないだろうかと、かわいそうに思えてしまいます。そして、黒光りをしているので、ブロンズ製の重量感が伝わってきます。お顔はちょっと怖い顔をしてらっしゃるので、びびってしまいましたが
そして大きな特徴として、螺髪(“らほつ”と言って、パンチパーマみたいなもの)がないなど、白鳳文化の特徴が現れています。一番おもしろい点は、この仏様には蛙のようにミズカキがあるんです。これは、緩網相(まんもうそう)と呼ばれるもので、みんな一人残さず救って下さるという意味があります。
皆さん、どのような仏様なのか見たいでしょ?それじゃ、下をクリックしてくださ(JR東海のホームページに飛びます。)。 http://kyoto.jr-central.co.jp/kyoto.nsf/spot/sp_kanimanji/$file/SS50.jpg
さて、何で蟹に縁があるのでしょう?実は『蟹の恩返し』という物語が今昔物語集に書かれています。そのあらすじはこちらをクリックしてください。 http://www.anraku.or.jp/jiin7b.htm
その物語をすごく簡単に言いますと、『蟹が大蛇をやっつけた』と言うことですが、観音堂にその時の様子を描いた額が掲げられています。
さて、余談ですが、昨日ご紹介した禅定寺の観音様は柿の木を持っていましたが、こちらの観音様はしめ縄を持っていらっしゃいます。よーく観察すると、おもしろい事がたくさん発見できますね。
蟹満寺
京都府相楽郡山城町大字綺田
0774-86-2577
JR奈良線「棚倉駅」下車徒歩20分
拝観時間 8:00~16:00
天災に悩まされた寺 法輪寺 February 24, 2007 コメント(6)
ちょっとガッカリ 法起寺 February 23, 2007 コメント(5)
境内全体が茶室の風景 慈光院 February 22, 2007 コメント(4)