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昨日ご紹介した蟹満寺を出発して神童寺を目指します。神童寺への道のりは厳しく、急な山道をぐんぐん登って行きます。ここは宇治のお茶の産地だけあって、まるで段々畑のように山の斜面にお茶畑が折り重なるように作られています。初夏にはおいしいお茶の葉に育っていることでしょうね。それにしても、この山道は狭くてしかも勾配がきついです。「まだ着かないかなぁ~」なんて思いながら自転車で坂を登っていると、お城のような城壁と石垣が見えてきました。これが、次の目的地の神童寺です♪
神童寺は桜で有名な吉野山にある金剛峰寺と密接な関係を持つ修験道の霊地です。このお寺の歴史は大変古く、聖徳太子の創建と伝えられています。その後、役行者(えんのぎょうじゃ)が彫刻した蔵王権現(ざおうごんげん)の像を安置しました。このようにして、一時期は 30近い数
の寺院がこの一帯に建立されて、修験道や仏教文化で大変栄えていました。しかし、現在ではこの寺のみが残されていて、お寺の規模も本堂だけが存在しています。その本堂の前で記念撮影をしました
そして、仏像の拝観をするために寺務所に行きました。すると、ご住職さんがお見えになって、「本堂へお上がりください。」と言われ本堂へ向かいました。ここは参拝客がかなり少ないので、本堂の扉は普段閉じられています。ご住職さんが本堂の鍵を開けて、本堂の中へ案内して下さいました。すると、ろうそくとお線香に火を灯され、須弥壇の上の扉を開いていただくと、その中には役行者が彫刻したご本尊蔵王権現像、聖徳太子の作と伝えられている十一面観音像などの仏像が安置されていました。「こちらへお座りください。」と言われ、正座をして仏様を眺めていると…
ドンドン、ドンドン…
と、ご住職さんが太鼓を叩かれています。太鼓の音がお腹の中まで響いてくる~。さすが、修験道の霊地だな~って、思いました。そう言えば、吉野の金剛峰寺でも般若心経(お経)が木魚ではなく、太鼓の音にあわせて詠まれていたことを思いだしました。さて、このご住職さんの呪文をお聞きしていると、どのようやら僕の心身健康、交通安全、心願成就…をお祈りする呪文のように思えました。いや~、一種のご祈祷までして頂いて、すごく嬉しかったです♪。
その呪文が終ると、ご住職さんが神童寺の縁起、歴史、そして仏像のご説明をご丁寧にしていただきました。そのお話によると、十一面観音像は本当に素晴らしい作品ですが、残念ながら激しく痛んでいるために国の重要文化財には指定されなかったそうです。
本堂のご説明が終ると、本堂の上に設けられた宝物殿に案内されました。そこには、国の重要文化財が大切に保管されています。ご住職さんが、1つ1つの仏像について、「ここがすごいんだよ!」とか「この仏像はすごく珍しいんだよ~。」と言うように、誇らしげに語られていたのが印象的です。特に、このお寺の不動明王立像は素晴らしく、 白不動明王
と呼ばれて、ここにしか存在しません。かつては国宝でしたが、現在では国の重要文化財に指定されています。
京都市内の大きなお寺ですと、お寺の説明が書かれたパンフレットを手渡されて、これを読んで拝観してくださいっていう感じですが、神童寺の場合ご住職さんが一つ一つご丁寧に説明をして下さり、大変好意的であると言えます。ただし、ご住職が不在の場合がありますので、拝観される際はあらかじめ電話でご連絡されることをおすすめします。
ここで、マメ知識!
お不動さんという愛称で親しまれている不動明王ですが、赤、黄、青不動明王が存在しています。もちろん、体の色が赤、黄、青色をしているので、このような名前が付けられています。なんだか信号機みたいですが…。そして、皆さんに知っていただきたいのは、『 日本三不動
』で、高野山金剛峰寺の赤不動、琵琶湖のほとりの三井寺の黄不動、京都の青蓮院門跡の青不動です。いずれも国宝に指定されています。
神童寺の国指定重要文化財
・愛染明王(あいぜんみょうおう)坐像
・不動明王立像
・毘沙門天(びしゃもんてん)立像
・日光・月光菩薩立像
・阿弥陀如来(あみだにょらい)坐像
・伎楽面(きがくめん)
なぜ、こんなにたくさんの文化財があるのかと言うと、かつて30近いお寺がこの一帯に存在していた事はすでにお話しましたが、これらのお寺が廃寺になるにつれて、仏像などの文化財が次々と神童寺に集められたと言うことです。神童寺では数多くの貴重な文化財のほか、春にはミツバツツジ、秋には紅葉や銀杏など四季折々の風情が楽しめますよ。
所在地:京都府相楽郡山城町神童子小字不晴谷112
交 通:奈良線棚倉駅下車徒歩30分
連絡先:0774-86-2161
天災に悩まされた寺 法輪寺 February 24, 2007 コメント(6)
ちょっとガッカリ 法起寺 February 23, 2007 コメント(5)
境内全体が茶室の風景 慈光院 February 22, 2007 コメント(4)